エリア採用とは【企業が導入するメリットなどについて解説します】

記事更新日:2022年12月27日 初回公開日:2022年12月27日

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コロナウイルスの流行前から、働き方改革により様々な働き方が広まってきています。少し前までは終身雇用制や、キャリアアップを目指す人達が多い時代でしたが、最近ではワークライフバランスを重視する人が増加している傾向です。住み慣れた地元で長く働きたいと考えている人にお勧めなのが、エリア採用です。エリア採用で勤務することによって、転勤を心配する必要がありません。今回は、エリア採用について詳しく解説します。地元や好きな場所で就職や転職をしたいと考えている方は、是非参考にしてみてください。

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エリア採用とは

特定の地域での採用のこと

エリア採用とは、特定の地域での採用のことを指します。企業によっては、「地域限定職」や「特定総合職」等呼び方は様々です。呼び方は異なりますが、原則として転居を必要としない転勤を行わない雇用形態での採用です。転居のリスクを避けるために、契約社員やパートで働いていた主婦の人等に長く働いてもらうために働く場所を限定して雇用する企業が増えてきています。主婦層だけではなく、地元で働きたいと考えている学生にとっても場所を限定されていることによって応募しやすくなります。エリア限定で採用することで、地元に精通した人を採用することが可能です。

エリア限定採用があるのは大手企業のみ

エリア限定採用があるのは、大企業に限定されます。エリア限定採用は、全国各地に支店を持っており従業員数が多い企業でなければ実現は出来ません。中小企業でも全国に支店を持っている企業はありますが、支店に配属されている従業員は数少ない為エリアを限定しての採用は簡単ではありません。エリア限定採用を行っているのは、諸事情により転勤を行うことが出来ない優秀な人材を確保したり、転勤が原因による退職を防いだりする為に余裕のある企業が多く導入している傾向です。

エリア採用の多い職種

地域と密着した職種

エリア採用の多い職種は、地域と密着した職種です。エリア限定採用を行っている企業は、全国各地に支店を持っていますが、それぞれに地域密着型の店舗運営を行っています。メガバンクや大手保険会社などは地方に沢山の視点を構えており、他にも量販店などの小売サービスも該当します。また製造業でも生産拠点や物流の拠点を地方に置いている場合には、地域限定社員を採用している傾向です。エリア限定採用を行っている職種は、その地域の人達や企業とのやり取りを行うため、地域に合った人材を採用することを大切にしています。

エリア採用に応募するメリット

希望の勤務地で働ける

エリア採用に応募するメリットは、希望の勤務地で働ける点です。エリア限定職とは異なり、総合職は全国各地に転勤が必要になる為、決まった場所で長く働きたいと考えている人には向いていません。また家庭の事情で地元から離れられない人や、慣れ親しんだ地元から離れたくないと考えている人にとって転勤に心配がない事が最大のメリットではないでしょうか。子育てをしながら働いている人にとっても決められた範囲内で長く働けることは企業への愛着や安心感へと繋がります。

ワークライフバランスをしっかりとれる

エリア採用になることで、ワークライフバランスをしっかりと取れるメリットがあります。エリア限定採用の社員になることによって、転勤の心配をする必要がありません。その為結婚している場合や子供がいる場合にも、家の購入や子供の転校する心配もなくなります。自ら望んでの転勤ではない場合、単身赴任や引っ越しなどで少なからずストレスを感じてしまう人もいます。身体的もしくは心理的なストレスを感じてしまうと業務に支障をきたしてしまうかもしれません。負荷を減らし、私生活が充実することによって業務の生産性向上も期待できます。

エリア採用に応募するデメリット

給料が比較的低い

エリア採用に応募するデメリットは、給料が比較的低くなってしまうことです。企業によって設定は様々ですが、エリア採用では勤務先が一定の範囲内で固定されており転勤の負担がない為、総合職に比べると低く設定されている傾向にあります。昔と比べて仕事を探す時には、給料よりもワークライフバランスを重視している人が増えてきているため、私生活を充実させられることにメリットを感じる人も多いかもしれません。しかし将来的にもっと稼ぎたい、と考え直すこともあるかもしれないのでしっかりと考えてエリア採用に応募しましょう。

転職しにくい

エリア採用に応募することで、転職しにくくなるデメリットもあります。エリア限定採用は、基本的に大企業のみで採用が行われています。同じ職種や業種が地域内にエリア限定採用としてある場合には問題ありませんが、常に募集をしているわけではありません。その為転職を考えたときに他社では、エリア限定から総合職である転勤可への転職はそこまで転職しづらいということはないでしょう。しかし転勤しないという前提の下で転職活動を行う場合は一筋縄では行かないでしょう。

キャリアアップが難しい

キャリアアップが難しいのも、エリア採用に応募するデメリットです。エリア限定で採用されている場合、勤務地だけでなく勤務時間等も総合職とは異なります。その為、同じ職場に「総合職」と「エリア限定採用」の人がそれぞれいた場合、どうしても総合職の人の方が早く昇進することになります。また、地域限定職で働いていたがキャリアアップやキャリアチェンジしたいと考えた際にも、企業が提示している条件をクリアしなければなりません。その条件や要件は企業により異なりますが、簡単なものでない場合が殆どです。

企業がエリア採用をする目的

多様な人材を活用すること

企業がエリア採用をする目的は、多様な人材を活用する為です。IT化の進歩や、グローバル化・コロナウイルスの流行等により働き方が多様化してきています。その為転勤が発生する正社員、パート・アルバイトだけでは社会情勢に適していません。多様化している社会情勢に適応することが出来なければ、人材を採用することも難しくなって行きます。転勤の可能性をなくすことで、ワークライフバランスを大事にする人や転勤が出来ない人を採用することができ、社内で様々な人材に活躍してもらうことが可能です。

従業員を定着させること

企業は、従業員を定着させることを目的としてエリア採用を行っています。エリア限定職を設置することによって、「家庭の事情で転勤できない為離職してしまう」といった事態を防ぐことが可能です。従業員が希望する地域で長く安定して働き続けられることによって、従業員の定着率も高まります。また従業員の口コミ等を聞いた同じような状況にいる人の採用も見込めます。また定着率が高まることによって、採用コストの削減も可能です。長く従業員に働いてもらうことで、地域に根差してサービスの提供も行え顧客のイメージアップにも繋がるでしょう。

人材を確保すること

人材を確保する為に、エリア採用を行っている企業もあります。採用市場は売り手市場の為、人手不足が問題です。しかし家庭の事情により勤務地が限られる為、非正規やパートなどを選択せざるを得ない人達も一定数存在しています。エリアを限定指定採用することによって、転勤することが事情により困難だった働く意欲を持っている人の確保を行えます。エリア採用のメリットはあっても、資金などから導入している企業は多くありません。その為エリア採用を導入する事によって、他社と差別化が行えるだけでなくイメージアップにも繋がる可能性があります。

エリア採用社員のパートアルバイトとの違い

雇用期間

エリア採用社員とパートアルバイトとの違いは、雇用期間です。日本では通常契約では、パートアルバイトの非正規雇用の人達は「有期契約」、正規雇用の社員は「無期契約」となっています。エリア採用社員やパートアルバイトは、転勤がない前提で契約締結を行います。雇用期間は一般的には、社員が無期雇用・パートアルバイトは有期雇用として契約を結ぶことが一般的ですが具体的な期間などは、事業者と被雇用者の取り決めによって可能です。その為、雇用期間は雇用形態に紐づいていますが、被雇用者の希望に沿って締結することが出来ます。

職務内容

エリア採用社員は、職務内容もパートアルバイトとは異なります。パートアルバイトは、業種などにもよりますがあまり長期的に働く人は多くありません。その為、業務の中でも比較的簡単な作業や対応を任され、責任が伴う業務に関わることはありません。しかしエリア採用社員は、正規雇用の為業務の幅が広く責任がかかる業務にも携わります。また、社員は責任ある業務に携わる為管理職に就くこともありますが、パートアルバイトは昇給することはあっても管理職に就くことはありません。

エリア採用の企業事例

武田薬品工業株式会社

武田薬品工業株式会社では、エリア採用を取り入れています。2015年にエリア採用を導入した武田薬品では、安定的な人材確保や地域医療への貢献を目的に入社してからの5年間は自分の希望エリアで働くことが出来る「初任地限定制度」を導入しました。しかし初任地限定制度は期限が決まっているため、利用者は多くありませんでした。その為新たに、期間を定めずに勤務できる「地域限定社員制度」を導入します。待遇などは全国勤務制度の社員と同一にされており、地域限定から全国転勤へ異動することも可能です。希望と配置が偏らないように、勤務地のエリア区分に工夫を行っています。

東京海上日動火災保険株式会社

東京海上日動火災保険株式会社も、エリア採用を活用している企業です。東京海上日動では、2005年にエリア採用を導入しグローバルコースとエリアコースを選べるようになっています。グローバルコースでは、国内外の転勤を前提にしており早期のキャリアアップが見込めます。エリアコースでは、決まった範囲内でキャリアアップを図り、どちらのコースを選択するかによって成長スピード等が異なることが明確に判断可能です。地域限定を選択した場合にも、キャリアアップしたい際はワイド型という一定のエリアで転居を伴う転勤を選択することも出来ます。

株式会社ファーストリテイリング

エリア採用を導入しているのは、株式会社ファーストリテイリングです。ファーストリテイリングでは、2007年に導入が始まり当初は非正規雇用から正規雇用への雇用形態切替を目的として活用されていました。しかし今では非正規雇用だけではなく、新卒・中途採用でも勤務地を選ぶことが出来ます。地域限定で採用された場合は、運営しているユニクロやPLSTの店舗スタッフとして勤務します。地域限定社員から全国転勤ありの雇用形態にシフトチェンジすることも可能です。希望によっては、本社の事務職としての勤務やグローバル事業へのキャリアアップを目指すなど様々なサポート体制が整っています。

まとめ

エリア採用の特徴を理解し、就職や転職に役立てよう

エリア採用のメリットやデメリットについて、解説しました。家庭の都合や、ワークライフバランスを重視している人が多い為「正社員で働きたいが、地元から離れたくない(離れられない)」という人が年々増加しています。地元で働きたいと考えている人に長く働いて貰うために、地域限定採用を導入している企業も少なくありません。しかし地域限定採用の場合は、通常の総合職などと異なり条件や給与が低い場合や将来のキャリアアップが狭まってしまうこともあります。エリア採用の特徴をしっかりと理解した上で、就職や転職に役立てていきましょう。

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