記事更新日:2022年03月11日 | 初回公開日:2022年03月04日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 採用成功事例自社採用とは、自社の力で採用を行うことです。これまでの一般的な採用方法としては、ハローワークへの求人票の掲示や求人サイトなどへの広告出稿などがありました。これらを利用しての採用は他社と同様に採用支援サービスの利用者として行うため、受け身の採用とも言われてきました。一方で、自社採用は外部に頼らず自社の力で採用をすることを指す言葉であり、企業が積極的に採用市場にアプローチしていくため、攻めの採用とも表現されます。自社採用への取り組みは今後の企業活動に大きく影響していくでしょう。
自社採用の方法を3つ紹介します。1つ目の方法は、自社採用サイトを活用することです。自社採用サイトは採用ホームページと呼ばれることもあります。大手企業を中心に、多くの企業WEBサイト内にも設けられています。求職者とのマッチング率を高め、採用コストを下げる効果も期待できる採用方法の1つです。求人サイトとは異なり、自社でのメンテナンスが可能となるため、情報の書き換えもオンタイムで行えるという強みがあります。
自社採用サイトを活用することのメリットは、採用コストが削減できることです。自社サイトを利用すると、求人広告を出さずに人材を獲得できるため、採用にかかる費用を抑えることが可能になります。広告費の削減は採用コスト自体の削減にもつながるでしょう。また、会社の社風や求めている人材に合わせたサイト構成にすることが可能となります。そのため、求職者に自社のブランディングにも繋がります。求人サイトを利用しているだけでは他社との違いを求職者に理解してもらうのが難しいです。自社の採用サイトがあるとどのような人材を求めているのか理解してもらいやすくなるため、応募につながる可能性も上昇するでしょう。
自社採用サイトのデメリットは、サイト作成に費用と時間がかかる事です。0から採用サイトを作成すると、作成に費用と時間がかかってしまいます。求人サイトを利用する場合は、必要項目を入力するだけで登録できるため、時間はあまりかかりません。しかし、自社で採用サイトを作る場合は自由にデザインや文章を考えなくてはいけない為、時間がかかり、結果として作成費用が多くかかります。また、定期的にサイトを改善する必要もあります。サイトの改善が行われていないと、時代に合っていないなどの印象を与えてしまいます。サイトの更新がある時期で止まっていると、採用活動を積極的にしていないと勘違いされてしまいます。
自社採用の方法の2つ目は、リファラル採用です。リファラル採用とは、すでに会社で働いている社員から人材の紹介を受けたり、人材を推薦してもらったりして実施する採用活動のことです。企業をよく理解している社員から紹介されるため、企業にマッチした人材を募集でき、定着率も高いと言われています。また、応募者の資質に一定のレベルが求められるため、良い人材を手に入れることもできます。欧米では社員採用で重要な役割を果たしており、日本でも広まりつつある採用方法です。
リファラル採用のメリットは、採用のミスマッチを防げる点です。自社の雰囲気に合った人材を獲得することができることが挙げられます。自社の社員や友人、知人が紹介を行ってくれるため、同じような性格の人が集まりやすい為です。違うタイプの人ばかりが集まると考え方の違いから職場の人間関係が悪くなり、職場全体の雰囲気が悪くなる可能性が高くなります。また、広告などの求人媒体を利用しないため、採用コスト全体の削減に繋がります。
リファラル採用のデメリットは似た人材が集まりやすい点です。自社の社員や友人、知人が紹介を行う採用を行うので、似たような考え方の人が集まりやすくなります。新しい考えや意見を取り入れたい場合は不向きかもしれません。また、不採用時に人間関係のトラブルが起こる可能性があります。紹介した人が不快な思いを抱いてしまったり、会社に不信感をもったりすることがあり、結果として人間関係のトラブルが起こる可能性も視野に入れて行いましょう。
自社採用の3つ目の方法は、ダイレクトリクルーティングです。ダイレクトリクルーティングとは、日本では最近になって広まってきた手法です。海外ではダイレクトソーシングと呼ばれ、採用手法の主流となっています。企業が保有する人材のデータベースの中から、求めるスキルと適性を持った人材に直接アプローチする手法です。人材データベースを持つ企業のダイレクトリクルーティングサービスを利用するほか、SNSを活用し自社で行うソーシャルリクルーティングもダイレクトリクルーティングに含まれます。
ダイレクトリクルーティングのメリットは、求める人材を獲得できる可能性が高まるという点です。企業自らが直接自社の求める条件に適した人材にのみアプローチできるため、求めていた理想の人材を獲得できる可能性が高くなります。その結果ミスマッチが減るので、企業にとっての時間節約になり、求める人材を獲得できます。ミスマッチが減る理由として、限られた中から応募者を絞ることが出来る為です。また、ダイレクトリクルーティングは限られた人材にアプローチするため、採用コストの削減に繋がります。
ダイレクトリクルーティングのデメリットは、必要な作業が増える点です。スカウトサービスなどで、理想の求職者を探し出し、個別にやり取りを行う為、採用担当の業務が増加します。初期は理想的な人材であるかを見抜くのに時間がかかってしまいます。また、多くの作業を社員で行う為、どれくらいの人材をかけられるのか事前に検討しなければなりません。また、短期で決まることは少なく、長期的な取り組みになってしまいます。人材を見つけるのが難しく採用までに予想以上に時間がかかってしまう可能性があります。
自社採用のメリットの一つ目は、採用コストが削減できることです。求人広告は出稿しても採用できるという保証はありません。しかし、確実に広告出稿費がかかってしまします。出稿しているにもかかわらず採用できないままであると、それだけ採用コストもかかります。自社採用であれば、サイト作成費やサーバー費、ドメイン料金などはかかってしまいますが、これらのコストは削りやすいということもあり、コストダウンを図れるでしょう。
自社採用のメリットの二つ目に求人広告よりも多くの情報を提供できるという点があります。求人広告や求人媒体を利用する際は記載できる枠が限られています。そのため、自社の魅力を充分に伝えきれない場合がほとんどとなります。自社採用であればそういった悩みもありません。求職者に向けて多くの情報を発信することで、求める人材の雑煮近い求職者からの応募を得やすくなり、自社のブランディングも図れるため採用戦略も構築できます。
自社採用を行うデメリットとして挙げられるのは、時間がかかってしまう点です。自社採用ページを作成するためには相応の時間がかかりますし、社内で制作も担うのであれば手間も生じます。また、自社採用ページが検索結果の上位に表示されるようなSEO対策も講じる必要があります。リファラル採用やダイレクトリクルーティングのような潜在的な転職ニーズにピンポイントでアプローチする採用方法は時間を要する傾向にあります。そのため、自社採用はどの手法を利用しても、全体的に時間がかかってしまう可能性が高くなります。
自社採用を行う上での注意点として、会社の上層部と協力する必要があります。自社採用サイトの作成などでコンテンツを充実させるためには社長や自社の社員にインタビューを行う必要な場合があります。また、全体として長期的な取り組みが必要となるため、会社の上層部との協力は必須です。コンテンツ作りに強直的でない社員との人間関係にも注意する必要があり、コンテンツ作成が社内の負担になりすぎないようにしなければなりません。
自社採用を行う上での注意点の2つ目は求人者に求める条件を絞りすぎないことです。人材に求める条件を絞りすぎてしまうと本来出会えたかもしれない優秀な人材を見逃してしまうかもしれません。また、理想が高すぎて求める人材が獲得できないなど、人材を採用できない恐れがあります。人材に求める条件が他社と比べ厳しいのかどうかを確認するためにも、どのような会社がどのような条件で自社が求める人材を確保できているかを調査しておきましょう。
自社採用を成功させるためのポイントとして、目的や方針を明確にしましょう。求める人材像を明確にするために、どのような採用活動を行うかや求める人材の系統をあらかじめ決めておくとよいでしょう。Web媒体は万人受けするものを用意してしまうと、理想と異なる人材が応募してくるかもしれません。人材を絞りすぎてしまうと応募者は減少してしまいます。しかし、系統を決めておくことはリファラル採用やダイレクトリクルーティングにおいても、求める人材をイメージしやすくなるので効果的だと言えるでしょう。
また、SNSを活用した採用ブランディングも自社採用を成功させるポイントとなります。自社採用では、自社で働きたいと志す人材からのアプローチをいかに引き出せるかが重要です。そのため、採用ブランディングには意識的な取り組みを行い、採用市場に向けて自社採用ページを活用するなどして積極的な情報発信を継続的に行うと良いでしょう。情報の質や更新の頻度も重要となるため、日常的に使われているSNSを利用した採用ブランディングは実践が容易となっています。
自社採用を成功させる事が出来れば、中長期的に採用コストを抑えながら優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。しかし、自社採用を成功させるには事前の計画が大切であり、どうしても時間がかかってしまう場合があります。自社採用が自分の会社に必要かどうかをしっかり見極めた上で、導入するかどうか考えることが重要です。メリットやデメリットを含め自社採用について理解したうえで、会社にとって最適な採用方法を見つけましょう。
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