エイジハラスメントとは【職場で起こり得る事例について解説します】

記事更新日:2023年09月12日 初回公開日:2023年09月12日

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エイジハラスメントは年齢を理由に他人を揶揄する、年齢によって呼び方を変えるなど、相手に不快感を抱かせる行為を行ういやがらせのことです。現在ではセクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど様々な嫌がらせが周知されつつありますが、中でも被害を訴えにくいと考えられるのがこのエイジハラスメントです。今回はそんなエイジハラスメントとはどのようなものなのか、事例や社内に与える影響と対策方法についてご紹介します。エイジハラスメントについて詳しく知りたいという方は是非ご参考にしてみてください。

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エイジハラスメントとは

年齢を理由に相手に不快感を与えること

エイジハラスメントとは年齢を理由に相手に対して決めつけや固定のイメージを押し付け、不快感を与えるいやがらせのことです。エイジハラスメントを行う側は単なる世間話の延長線と思いがちですが、年代や年齢からの偏見を押し付けられると大抵の人は不快に感じます。また、エイジハラスメントは年齢という事実をもとに不快な言動をするという特徴から、「年齢のことは事実だから言われても仕方ない」と思われがちです。そのため、被害に遭っても訴えにくく問題が表面化しにくいハラスメントと言えます。

エイジハラスメントが注目された背景

ドラマの影響で概念が浸透するようになった

エイジハラスメントが注目されたことには、2015年テレビ朝日で放送されたドラマ「エイジハラスメント」の内容に影響された部分が大きいと言われています。このドラマでは、主人公だけでなく様々な登場人物が年齢による差別や偏見でハラスメントを受ける様子がストーリーに組み込まれています。リアルな人物背景や登場人物が周囲の人から受けた言動に既視感を覚え、共感する視聴者も多く、エイジハラスメントという言葉が浸透するきっかけにもなりました。

エイジハラスメントの現状

日本は先進国の中で年齢差別がひどいと言われている

日本は先進国の中でも年齢差別がひどいと言われています。例えば、1967年にアメリカでは年齢で雇用条件や賃金に差を与えない年齢差別禁止法が制定されました。アメリカでは早い時期から年齢差別に対する対策が取られているのに対し、日本が年齢制限を禁止したのは平成19年のことです。この事実から考えても日本は年齢差別に対する認識が他国よりも薄く、対応が遅れていることがわかります。自分がエイジハラスメントを受けても被害を自覚できない問題が発生するのには、このような事情も原因の一つと言えます。

女性のリーダーは年齢差別を受けやすい

日本では女性がプロジェクトのリーダーや管理職に就くと年齢差別を受けやすいという現状があります。例えば、若年層の女性が仕事で役職に就いた場合には「まだ若く経験が浅い」という理由で意見を聞いてもらえず、周囲に信頼されにくいことが多いです。逆に中年の女性が管理職に就くと周囲からは「性格がキツそう」など仕事に直接関係ない人間性にまで根拠のない憶測で差別されることがあります。また、日本では女性の社会進出が進みつつありますが、女性差別的な考え方が未だに残っていることも否定できません。

エイジハラスメントの事例

相手の失敗を世代のせいにする

エイジハラスメントの代表的な事例としては、相手が仕事で失敗した場合に失敗の理由は相手の世代にあると発言することが挙げられます。例えば、仕事でミスをした社員に「これだからゆとり世代は」というような言い回しで非難するケースが該当します。相手の個人的特徴を無視して年代だけに注目し、性格や行動の決めつけを行う行為はれっきとしたハラスメントです。また、特定の年代を他の年代よりも劣っている、周りと比べて変わっていると発言することも、相手に不快感を与える言動なので注意が必要です。

若いからという理由でこき使う

若いからという理由で若年層の従業員をこき使う行為もエイジハラスメントに該当します。日本では学校や職場など社会的な場所では、年齢の若い者が年齢の高い者を気遣い雑用などを率先して行うものという風潮があります。そのため、仕事の場でも気軽に「まだ若いんだから」と言って面倒な仕事を任せてしまう人も多く存在します。しかし、若いからという理由で、他人の雑務を請け負う義務は相手にはありません。年齢を理由にした仕事の押し付けはエイジハラスメントと捉えられることを念頭に置いておきましょう。

おじさんおばさんなど年齢によって名前の呼び方を変える

年齢によって呼び方を変える行為も、エイジハラスメントに該当する可能性があります。例えば、髪の毛が薄い人に対して「ハゲ」と呼べば、相手や周囲の人は明確にこの言葉を失礼な行為と捉えるでしょう。そして、おじさんやおばさんなどの呼称は、年配の男女にしか使われない言葉です。相手の年齢的特徴に注目した呼称で呼ぶ行為は、相手の特徴を意識させる失礼な行為という点では上記のケースと類似しています。そのため、この行為は相手を侮辱していると捉えられてもおかしくはありません。

年齢を理由に結婚などのプライベートな話に踏み込む

エイジハラスメントで多いのは年齢を理由にプライベートな話に踏み込むケースです。具体的には「三十歳過ぎてるけど、まだ結婚しないのか」などと相手に質問する行為が該当します。日本では年齢に応じて生じる様々なライフイベントをこなしていないと、その人に問題があると感じやすい風潮があります。しかし、結婚や出産の選択は個人の自由かつ、人には様々な事情があり実行しない選択を選んでいる人も少なくありません。この言動がセクシャルハラスメントにも該当するので言及するのは控えた方が良いでしょう。

職場で年齢いじりをする

職場で相手の年齢いじりをする行為は典型的なエイジハラスメントと言えます。三十代から四十代以上の男女をおじさんやおばさんと呼ぶ行為も該当しますが、「もう三十歳なのに、こんなことも知らないのか」など、相手を侮辱する言動も該当します。仕事において経験や知識の有無はそれまで勤めてきた業種によっても種類が異なり、一概に年齢だけで判断できるものではありません。また、冗談のつもりで発言し、相手も笑っている場合でも内心不快に感じている可能性もあります。

エイジハラスメントを防止する必要性

訴えられる可能性がある

エイジハラスメントに限らず、職場でハラスメントが発生した場合、加害者は被害者に訴えられる可能性があります。さらに、加害者だけでなくハラスメントの事実を認知しながら問題を放置していた場合、企業側も責任を問われるケースがあることも覚えておきましょう。ひどい場合には名誉棄損罪や脅迫罪に問われる場合もあり、懲役刑や罰金の支払いを命じられることも少なくありません。そのため、エイジハラスメントが職場で発覚した場合には当事者間の問題として放置せず、企業もしかるべき対応をとる必要があります。

社員の離職率を抑える

エイジハラスメントを防止しなければいけないのには、社員の離職率を抑えるためという理由があります。エイジハラスメントを含む職場で発生しがちな様々なハラスメントをそのまま放置していると、社員の離職率が上がります。また、被害者が離職しても問題のある加害者に何の対策も取らなければ新たな被害者を生み出しかねません。会社の離職率が上がると必然的に求職者への印象が悪くなってしまう恐れもあり、新しい人材を獲得しにくくなります。このような理由からハラスメントには早期の対応が求められます。

エイジハラスメントを起こさないための予防法

エイジハラスメントに関する研修を行う

エイジハラスメントを未然に防ぐためには企業側が定期的にハラスメントに関する研修を行う必要があります。エイジハラスメントの研修方法は、労務管理に携わる担当者が資料をもとに研修を行う、外部から講師を招くなどの手段が考えられます。定期的な研修で社員全体にハラスメントの知識を広めることで、予防に繋がるだけでなく実際にハラスメントが起きた際にも適切な対応を取りやすくなります。また、エイジハラスメントの研修では、具体的にどのような行為がハラスメントにあたるのか説明することも大切です。

ハラスメントに関連した制度を構築する

エイジハラスメントを予防するにはハラスメントが起きた際に、加害者にはどのような処罰があるのか企業側が明確に周知させる必要もあります。処罰の内容がはっきりと周知されていないと、効果的な抑止力にはなりません。他人にいやがらせをすると自分にはどのようなデメリットがあるのかを、事前に知らせることが重要です。また、制度を作り企業側がハラスメントは許さない姿勢を見せることで、社内全体にもハラスメントに対して否定的な空気が浸透します。ただし、過剰な処罰を課す行為もハラスメントに該当するので注意しましょう。

定期的に社内アンケートを実施する

定期的に社内アンケートを実施することも、エイジハラスメントを予防する上では重要な手段の一つです。定期的な調査が行われている事実があれば、多くの人に見られているという意識を社員に植え付けることができます。また、それだけでなく現在ハラスメントを受けていると感じていて、自分からは言い出しにくいという人が存在している場合も被害を訴えやすくなります。このような理由から社内アンケートはエイジハラスメントに限らず、全てのハラスメントの早期発見に繋がるため、積極的に行うことをおすすめします。

エイジハラスメントが起きてしまった後の対処法

事実確認を行う

エイジハラスメントが職場で起きてしまった時には、初めに被害者と加害者のそれぞれから事実確認を行いましょう。この時、両者から同時に聞き取りを行うと、被害者が委縮して事実を伝えられない恐れがあります。そのため、事実確認の際には、別々の場所で時間帯をずらして行うなどの配慮が必要になります。被害者に対しては「勘違いじゃないですか」など、相手を非難するような言動は避けましょう。確認を行う担当者は主観的な視点から自分の意見を述べず、客観的な事実に基づき記録を取ることが大切です。

社内の相談窓口を利用する

エイジハラスメントに対処するためには、社内で相談窓口を設置する必要があります。相談できる場所が設置されていないと、被害者やハラスメントの目撃者がどこに相談して良いのか迷ってしまいます。そのため、相談窓口を設置した場合は社員が相談しやすいように、社内全体に周知させることも重要です。さらに、相談窓口を利用する場合には、相談しやすい環境を作らなければなりません。相談窓口にハラスメントの訴えがあった場合には、相手の立場に配慮し、必ず見聞きした内容を口外しないことを約束しましょう。

外部の相談窓口を利用する

ハラスメントの相談窓口は外部機関に委託することで、社外に設置することも可能になります。外部に相談窓口を設置することで、エイジハラスメントを含めた様々なハラスメントについて社員が相談しやすい環境づくりに役立ちます。さらに、弁護士や社会保険労務士などに委託すると、労働に関する法律のプロからアドバイスを受けられるので、効果的な対処を行えるというメリットもあります。また、社内の相談窓口の管理や運営について悩んでいる場合は、厚生労働省の相談窓口などを利用するのもおすすめです。

まとめ

エイジハラスメントを防止し社員が働きやすい職場を作ろう

エイジハラスメントや年齢差別は、年齢によって他者を区別する習慣が残る日本では周知されていても自覚しにくいという特徴があります。個人の年齢に関する言及は他のハラスメントよりも不快感を訴えにくく、被害に遭っても「自分の考えすぎかもしれない」と我慢してしまうことが多いというのが実情です。そのため、職場の人からの接され方に違和感を持っている人が、気兼ねなく相談できるよう適切な支援体制を整え周知させることが大切です。ハラスメントの防止対策を整え、社員が働きやすい職場を作りましょう。

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