アシミレーションとは【失敗しないポイントや質問例について解説します】

記事更新日:2023年09月12日 初回公開日:2023年09月12日

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組織やチーム内で業務効率や生産性の向上を行っていく為には、上司と部下の相互理解を行う事が大切です。相互理解が出来ているチームでも、組織異動などで上司が変わった際には信頼関係構築からする必要があります。新しく異動してきたリーダーと部下の相互理解を「強烈に」促すことが出来る手法の一つとして、注目されているのがアシミレーションです。アシミレーションはアメリカやヨーロッパの企業で相互理解の方法として活用されています。アシミレーションについて解説していきますので、人事担当の方は参考にしてみてください。

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アシミレーションとは

上司と部下の相互理解を深める組織開発手法のこと

アシミレーションとは、上司と部下の相互理解を深める組織開発手法です。アシミレーションは、日本語で「同化」という意味を持っており、他部署などから異動してきた上司が新しい組織で同化することが出来ているかを確認するために、一定程度経過してから行うセッションです。中立な立場のファシリテーターを置き、上司と部下の意見交換を行います。アシミレーションを行う事で相互理解へと繋がり、より良い組織づくりに活用できるとされています。

アシミレーションとスキップレベルの違い

仲介者が異なる

アシミレーションと似た言葉にスキップレベルという言葉がありますが、仲介者が異なります。スキルアップレベルは、上司と部下のコミュニケーションを促すための手法です。スキルアップレベルも部下から上司についての意見を聞いた上で上司にフィードバックを行いますが、仲介役を行うのは対象となる上司の上司です。ファシリテーターが第三者ではなく部内の関係者であることから、チーム内の状況に不満が溜まっている場合などに有効な方法といえます。

ビジネスでアシミレーションが効果を発揮する場面

上司が新しい人に変わった

ビジネスでアシミレーションが効果を発揮するのは、上司が新しい人に変わったときです。上司が変わると、チーム内で信頼関係を新しく築いていく必要があります。新しく来た上司は部下に自分の考えを共有したいと思っていても、関係性が築けていないため個性を把握できず様子見を行う事が多いはずです。また部下も、従来のやり方から方針が変わり不満を抱いてしまう可能性もあります。上司と部下の関係構築をスムーズに行うためにも、アシミレーションを効果的に活用しましょう。

アシミレーションのメリット

チームに一体感が生まれる

アシミレーションは、チームに一体感が生まれるメリットがあります。部署内でお互いの意見を交換を行うと、相手の考えている事や要望を知り自分の本音も伝えることが出来ます。そうすると不安や不満も解消しやすくなり、チーム内での共通認識を持ちやすくなります。業務に対してチーム内で共通認識を持つことで、一体感が生まれます。一体感があるチームではトラブルが発生したとしても、チームで対処することができ迅速な対応を行えます。

生産性が向上する

アシミレーションのメリットは、生産性が向上することです。ファシリテーターを介して、上司に自分の意見を聞き入れてもらえた際には自分の意見が尊重されていると感じることが出来ます。自分の意見が認められるという経験は、心理的安全性に繋がり発言がしやすくなるため新しいアイデアに繋がる可能性もあります。心理的安全性が高い職場では、社員は居心地よく感じ活発なコミュニケーションが行われます。チーム全体でコミュニケーションを取ることで、生産性アップへと繋がります。

ミスマッチを防ぐ

ミスマッチを防げるのも、アシミレーションのメリットです。アシミレーションは仲介役であるファシリテーターを介することで、単に部下からの意見を伝えるだけでなくアドバイスも合わせて伝えることが出来ます。間にクッションとして仲介役がいる事で、意見交換が一方的にならずミスマッチを防ぐことへと繋がります。ファシリテーターからのフィードバックを受けて、上司が行動の意図を伝える事によって部下が納得するという事例も少なくありません。

アシミレーションの進め方

事前にアシミレーション実施を伝え計画を練る

アシミレーションの進め方は、事前にアシミレーション実施を伝え計画を練る事から始めます。アシミレーションを行うのに最適な時期は、新しい上司が異動してきて3~6か月の間です。その為、実施する時期やどこまでの人を対象にするのかなどは事前にしっかりと計画を立てておく必要があります。またアシミレーションには、ファシリテーターが欠かせません。調整力やヒアリング力が必要とされることから、事前に人選しておく必要があります。

上司は退室しファシリテーターが部下から意見を聞く

アシミレーションは、上司は退室しファシリテーターが部下から意見を聞きます。アシミレーションは、上司・ファシリテーター・部下(複数)で実施します。実施目的を全員で確認しますが、上司はそこで退席します。上司に対しての不満や知りたいことをヒアリングするため、部下が意見を出し辛くならない為にも同席しないことが大切です。退席した後に、ファシリテーターが上司に対しての質問や意見を収集します。改善して欲しい点などがあれば、この時点で吸い上げを行います。

入れ替わりで上司が入室しファシリテーターから意見を聞く

次に入れ替わりで上司が入室し、ファシリテーターから意見を聞きます。部下からの意見をまとめ終えたら、上司が入室し部下が退室します。ファシリテーターは、部下からの意見や不満を誰が発言していたかを伏せた上で上司に伝えます。部下からの率直な意見や自身の癖について言及されることもあり、つい感情的になってしまう事も考えられます。上司はアシミレーションの内容を受け入れる器の大きさが必要です。ファシリテーターは中立の立場を崩さずに、役に徹することが大切です。

全員が入室し上司がコメントを述べる

最後に全員が入室し、部下の意見に対して上司がコメントを述べます。その際には、自分はこのように考えていたが部下には異なった解釈で受け取られており誤解されているなどと感じた点もきちんと伝えることで、部下との距離を縮めるきっかけにもなります。不満や部下が気になってしまう上司の癖に対しては、どういう風に改善を行っていくのかを伝えるようにしましょう。アシミレーションを行う事で、上司と部下が相互理解を行うきっかけとなり信頼関係構築に繋がります。

アシミレーションが失敗しない方法

仲介者に適任だと思う社員を選ぶ

アシミレーションを失敗しない為にも、仲介者に適任だと思う社員を選ぶようにしましょう。アシミレーションの成功には、ファシリテーターの存在が欠かせません。ファシリテーターは上司と部下の間に立ち仲介役を行うだけではありません。部下から意見を聞きだすための傾聴力や上司に対してアドバイスを行う事もあり、アドバイザーとしての役割を果たせるスキルが必要です。ファシリテーターの運営によってアシミレーションが成功するかどうかが決まる為、人選は慎重に行いましょう。

部下が述べた意見は必ず発言者の名前を伏せて伝える

アシミレーションが失敗しない方法は、部下が述べた意見は必ず発言者の名前を伏せるようにすることです。ファシリテーターは上司に意見をフィードバックしますが、その際は部下の匿名性を必ず守る必要があります。部下からの意見はポジティブな物だけでなく、時にはネガティブな意見も上がってきます。フィードバックされた上司は誰からの意見なのか知りたいと感じるでしょうが、その後の業務に影響してしまう可能性もあります。本音を引き出すという点においても、匿名性を保てるかどうかが重要です。

アシミレーション実施の目的を明確にする

アシミレーション実施の目的を明確にすることで、失敗し辛くなります。アシミレーションは、上司と部下の相互理解を深めることを目的として実施します。そのため実施する目的をきちんと理解できていないと部下の意見出しの際に、上司への愚痴や悪口ばかりが飛び交う場になってしまう可能性があります。建設的な意見を交換する事を目的としている事を、ファシリテーターが部下にきちんと説明する必要があります。目的を明確にしていれば、上司に対しての悪口を言う場にはなりません。

あくまで前向きな場であることを理解する

アシミレーションを実施することが、あくまで前向きな場であることを理解することで失敗しません。相互理解を目的として実施しますが、上司にとってはポジティブな意見ばかりだけでなく自分にとって耳の痛くなる意見も少なからず集まります。相互理解のためだと理解はしていても、部下からの意見にショックを受けてしまう事も考えられます。その際にはきちんとファシリテーターが前向きな場であることを説明し、メンタルケアも行うとよいでしょう。犯人捜しなどの雰囲気にならないような運営が大切です。

アシミレーションで部下に聞く質問例

上司にしてほしいこと

アシミレーションで部下に聞く質問として、上司にして欲しいことがあります。上司について知りたい事などはプライベートの質問が多くなりますが、して欲しい事は業務に関係する質問が増えます。例えば、「取引先であるAとの間に入り現在行っている取引について調整して欲しい」や「他部署の上司から自部署では関係のない業務を頼まれているので調整して欲しい」という質問です。前任の上司にやってもらっていたが、新任の上司にはやってもらえていない事や業務で困っている事を伝えます。

上司にやめてほしいこと

上司にやめて欲しい事も、アシミレーションで部下に聞く質問の一つです。部下から見て威圧的な態度を取っているように見える行動や、具体的にやめて欲しいと感じた事を伝えるために大切な質問です。「相談している際に途中までは話を聞いてくれるが、上司が理解した際に先回りして話し始めるのをやめて欲しい」なども改善して欲しい態度の一つでしょう。また質問や相談をしたときの態度だけでなく、業務中にペンのノック音が気になるといった点や、デスクで常に貧乏ゆすりをしていて気になるといった事も対象です。

アシミレーションを実践している企業

GE

アシミレーションを実施しているのはGEという企業です。GEはアメリカのゼネラル・エレクトリックという世界最大のコングロマリットです。GEでは、組織のリーダーになった3か月後にアシミレーションを行っています。GEでは上司に関しての知りたいことや変えて欲しいことについて3時間ほど部下が話し合いを行います。ファシリテーターであるHRがホワイトボードに質問ややめて欲しい事を記載します。アシミレーションを行う事で変えて欲しいことを伝えやすい環境が出来上がり、迅速な組織設計に活かしています。

まとめ

アシミレーションを実施し団結力を高めよう

アシミレーションを行うメリットや進め方について解説しました。新しく来た上司に対して部下が思ってることや意見を述べることは簡単ではありません。既存のチームはやり方や関係性が出来上がっていることもあり、新しい上司が馴染むにも時間が掛かります。相互理解を行い、チームとしての結束力を高めるためにもアシミレーションは友好的な手段の一つです。ファシリテーターによって内容が左右される為、適切な人選が重要です。アシミレーションは上司の悪口を言う場ではない事を理解して貰い、組織の団結力を高めていきましょう。

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