インテグリティとは【コンプライアンスとの違いや企業のインテグリティを高める方法について解説します】

記事更新日:2023年08月29日 初回公開日:2023年08月29日

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企業においてインテグリティと呼ばれる言葉が多く使われるようになりました。欧米においては古くから尊重されている概念であり、日本語に訳すると「誠実」や「真摯」などと訳されることが一般的です。しかし、古くから使われている欧米でも上手くインテグリティを説明することは困難であり、識者も幅広く抽象的で多くの意味を持つ概念を簡単に説明することを避けています。インテグリティの意味や企業におけるインテグリティの本質と効果や、インテグリティを企業に浸透させる方法などを詳しく解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

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インテグリティとは

「誠実」「真摯」「高潔」などの概念を意味する言葉

インテグリティとは、「誠実」「真摯」「高潔」などの概念を意味する言葉です。欧米各国の企業経営者等は、企業の健全な運営のためにインテグリティが重要であると、早くからその意味を社員などに訴えてきました。日本では年功序列型から成果重視の制度に移行し始めた1990年頃より注目され、現在では多くの企業が理念として掲げるなど、企業運営に欠かせないものとなっています。またインテグリティという言葉は、ラテン語で「完全」や「全体」という意味を持つInteger(インテジャー)から派生したものです。

企業経営や組織マネジメントの領域で用いられる

インテグリティは、企業経営や組織マネジメントの領域で多く用いられます。前述のように、日本でも欧米諸国のように成果主義が主流となり、成果に固執するあまり不正行為などが行われ多くの不祥事が報告されました。これらの多くがインテグリティの欠如によるものであり、企業経営および組織のマネジメントに欠かせないものになったことが理由に挙げられます。健全な企業経営や組織マネジメントを行なうために、インテグリティという概念を最重視することが重要になります。

ビジネスにおけるインテグリティとは

組織を率いるリーダーやマネジメント層に求められる誠実さを示す表現

ビジネスにおけるインテグリティとは、組織を率いるリーダーやマネジメント層に求められる誠実さを示す表現です。組織のリーダーがインテグリティを十分に理解し誠実な企業運営を牽引することで、インテグリティを企業全体に浸透させることが期待できます。逆に組織のリーダーや経営者の考え方にインテグリティが欠如されると社員や世間の判断は厳しいものになるでしょう。更に社員の定着率や企業運営にも大きく影響し、企業の存続自体が危うくなることにもなりかねません。

インテグリティとコンプライアンスの違い

コンプライアンスは組織や社会が求める他律的な規範のこと

インテグリティとコンプライアンスはセットで使われることが多い言葉ですが、2つには大きな違いがあります。コンプライアンスは組織や社会が求める他律的な具体的な規範のことです。対するインテグリティとは日本語でも英語でも一つの言葉で簡単に表すことのできない抽象的な理念になります。インテグリティは日本語で「誠実」「真摯」などと訳されますが、経営の父と呼ばれるピーター・ドラッガーでさえピッタリ当てはまる言葉を見つけられなかった概念です。

インテグリティが重要視される理由

コンプライアンス経営を実践するため

インテグリティとコンプライアンスには大きな違いがあるものの、2つは密接に関連しています。健全な経営とのために叫ばれているコンプライアンス経営の実践のためにはインテグリティという概念を根底に置くことが必須で、近年の日本において重要視されているのです。法令順守が具体的な目的でありながらも、利他的で誠実な概念がなければ法律のギリギリで利益を貪ろうという考え方にもなってしまいます。法律に抵触しなければ良いのではなく、あくまで誠実であることを基準に考えることがインテグリティの概念でありコンプライアンスとの大きな違いです。

健全な組織運営を推進するため

健全な経営とは何かと問われたときにインテグリティという概念がなければ自己の利益のみを優先してしまい、法に触れなければ良いという考えが芽生えることになります。真の健全な組織運営の実現と継続のためには、企業および社員がインテグリティの重要性を理解することが非常に重要です。大企業などの不祥事が頻繁に報告される近年において、健全な組織運営を推進するためにインテグリティが重要視される大きな理由となっています。

インテグリティを持つ人の特徴

正義感が強い

インテグリティを持つ人には、正義感が強い特徴が多く見られます。利益よりも道徳的に正義であるかを重視して考える人はインテグリティを持ちあわせていると言えるでしょう。どちらか一方を選ぶときに、道義的に正しいことであるかを基準に考えることができれば法律に抵触することもなく、より健全な方法を選択できます。ただし、正義感が強いだけで実行力が伴わない人は、考えるだけで終わらずに正しい決断を実行するように努力しましょう。

利他的な考え方ができる

利他的な考え方ができる人も、インテグリティを持つ人の大きな特徴です。自分の利益だけでなく他人の利益や企業や国家のことまで考えられる経営者やリーダーには成功者が多くいます。利己的な人にも経済的な成功者はいますが、時代の流れについていけずに大きな挫折をする人が多いのも現実です。私利私欲にまみれず、他とともに喜びを分かち合い他と助け合う精神を持つ人のもとには多くの人が集まります。同じ考えを持つ多数の協力によって大きな力が生まれ、どんな困難があっても難しい状況を乗り越えられるでしょう。

企業における役割別のインテグリティ

経営者のインテグリティ

企業における役割別のインテグリティを考えたとき、経営者のインテグリティが最も重要だと言えるでしょう。組織全体の考え方は経営者によって大きな影響を受けます。とくに家族経営タイプの企業では、2代目・3代目と代替わりするごとに経営状況が悪化することが良くありました。これも利益を追求するあまりに経営者のインテグリティが欠如するという具体例です。幼い頃から経営者教育を受けるあまりに、利他的な精神が薄れてしまいます。近年では多くの企業が、家族的な経営であっても次代の経営者にインテグリティの重要性を教育することも多くなっているようです。

人事のインテグリティ

企業における人事のインテグリティは、採用や人材育成で重要になります。採用段階でインテグリティを備えた人物であるか、もしくはインテグリティ備える素養がある人物なのか見極めることが大事です。また入社時点でインテグリティという概念を持っていなかったとしても、身に付ける素養があるならば教育次第で企業に必要な本当の正義と高潔さを身につけられるでしょう。そういう意味からも人材育成にも工夫をして企業が長く繁栄するためにはインテグリティという概念が重要であると説いていくことが重要です。

管理職のインテグリティ

管理職は与えられた仕事をするだけでなく、会社側の人間として部下を鼓舞しながら企業経営にも深く関わることになります。そのため管理職のインテグリティは一層高い高潔な概念が求められます。部下は上司の背中を見て育つものであり、上司にインテグリティが欠如しているのに部下にインテグリティを求めるのは矛盾と言えるでしょう。部下が右か左かを選ぶのに悩んでいるときにも、インテグリティの概念からはどちらが本当に正しいと言えるのかと問い質してみることです。そうすることで、部下にも正当な判断基準が身に付くことになるでしょう。部下の持つ能力を存分に発揮させるためにもインテグリティは重要になります。

従業員のインテグリティ

従業員のインテグリティを考える時には、従業員とは企業の一員であるとともに企業のイメージを支える顔であると言う認識を持たせることが重要です。一人だからいいや、この程度であれば問題無いだろう、という考え方は捨てなければいけません。一人の行動が企業の行動と見なされる重要性を説き、一般職であっても正義感を持って判断する必要があります。仕事はもちろんですが、私生活においてもインテグリティという概念を持つことが大事です。それが企業の評価に繋がり個々の評価にも大きく影響する事を上司は指導し、本人も自覚することが重要になります。

インテグリティを推進するメリット

健全な組織運営につながる

インテグリティを推進する大きなメリットは、健全な組織運営に直結することです。いかに一時的に売り上げが上がったとしても、インテグリティが欠如している企業の長期繁栄は難しいことは間違いありません。とくに近代においては、個人のインテグリティの概念を邪魔する障壁も無くなりつつあり、内部告発などから企業の不祥事が明るみに出ることもしばしばです。いままでは大丈夫だったからという考え方は完全に排除し、本来あるべき企業の姿をインテグリティの概念から考え出すことで、健全な組織運営が実現します。

企業のイメージが向上する

インテグリティを推進することで、企業のイメージが向上するというメリットもあります。SNSでたくさんの情報が瞬時に伝達される現代において、インテグリティを備えた企業の評価は高くなるとともに、企業やグループ会社などのイメージも向上します。ただし、一度の失態の理由がインテグリティの欠如にあるならば企業のイメージ低下も免れることはできません。そのため、企業の上層部から従業員に至るまで、一貫したインテグリティという概念を共有することが重要になります。

企業のインテグリティを高める方法

社内で研修を実施する

企業のインテグリティを高める方法として、社内での研修実施が挙げられます。内容はもちろん、インテグリティの重要性とインテグリティの欠如による失敗例などです。いかに企業にとってインテグリティという概念が重要であるかを理解してもらい、自らインテグリティの精神を高めて貰うように研修を行います。それによって個々がインテグリティを身に付けるとともに、企業全体にインテグリティの精神が浸透し、前述のように企業のイメージアップに繋がる事は間違いありません。

リーダーの育成を重視する

企業のインテグリティを高めるには、上層部のリーダーや中間にいるリーダーへの教育は大きな効果が見込まれるため重視すべきです。リーダー自らがインテグリティを第一に考えることで、部下もそれに倣います。正しさの基準は売り上げだけではなく、インテグリティの概念を根底に持ち、全ての行動はインテグリティを第一に考えることであると皆に浸透させることができるでしょう。とくに一般の従業員に近いリーダーほどインテグリティを高める育成が重要と言えます。上にも下にも意見する立場にあるリーダーにインテグリティの重要性を十分に理解してもらいましょう。

インテグリティを評価制度に組み込む

企業のインテグリティを高める方法の一つとして、インテグリティを評価制度に組み込む方法があります。それによって全ての判断基準の第一はインテグリティであり、正義は評価に値することを身に付けて貰うのです。ただし、評価制度にインテグリティを組み込むのは簡単ではありません。もちろん評価する側は、本当のインテグリティとは何であるかを十分に理解する必要があります。また、いまだに利益第一主義を謳う企業が多いのも事実です。企業全体でインテグリティを評価制度に組み込むためには、時間と全従業員の協力およびインテグリティへの深い理解が不可欠になります。

まとめ

インテグリティによる人材育成を行って健全な組織づくりを行おう

健全な組織づくりを目指す企業にとって、インテグリティの精神は不可欠であり、人材育成にもインテグリティを重要事項として浸透させるべきです。インテグリティが企業全体に行き渡っていれば、困難な事象があったとしても適切な判断を短時間で見出すことができます。たとえ一時的な損失があったとしても、お客様や関連企業からの信頼を考えるならば、一時敵に損して長期に得を得るインテグリティの概念が効果は抜群です。インテグリティによる人材育成を行い、より健全な組織づくりを目指してください。

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