カークパトリックモデルとは【4段階評価の具体的な内容やメリットデメリットについて解説します】

記事更新日:2023年09月15日 初回公開日:2023年09月15日

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研修や教育プログラムが、実際にどれほどの効果を持っているのかを評価するのは容易なことではありません。そんな時、頼りになるのがカークパトリックモデルです。このモデルは、研修を4つのレベルに分けて成り立っています。研修後の即時の反応から、長期的な成果までをしっかりとキャッチすることができるこのモデルは、どんな教育プログラムにも適用可能です。この記事では、研修の質を高め、組織の成長を支えるために、カークパトリックモデルについて詳しく解説します。

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カークパトリックモデルとは

教育や研修の効果を4段階でまとめたもの

組織内の研修や教育の効果を測定するための道具として、カークパトリックモデルが世界中で広く利用されています。このモデルは、具体的な4段階で設計されています。まずは「反応」です。受講者がプログラムにどのように感じたかや、満足度を評価します。次に、「学習」の段階で、新しい知識やスキルをどれだけ獲得しているかの評価です。次の「行動」では、新しい知識やスキルを業務でどれだけ適用しているのかを評価します。最後の「業績」では、研修や教育が組織全体のパフォーマンス向上や業績にどのように影響しているのかを評価します。

カークパトリックモデル注目の理由

成果主義が進んで研修の効果に対しての関心が高まった

カークパトリックモデル注目の理由は、成果主義が進んで研修の効果に対しての関心が高まったことにあります。教育や研修が組織における具体的な成果をも明確かつ体系的に評価することができる点にあります。従来、研修や教育の効果は抽象的で測定が難しいとされていましたが、カークパトリックモデルにより、その効果を4段階で具体的に把握することが可能となりました。このような背景から、組織のパフォーマンスを向上させるための具体的な手段として、多くのリーダーやマネージャーがこのモデルの活用を検討しています。

カークパトリックの4段階評価法

反応

カークパトリックの4段階評価法は、研修や教育の効果を評価するためのフレームワークであり、その第1段階として「反応」が挙げられています。反応とは、参加者がその研修や教育にどのように感じ、どのように受け止めたのかを示す指標です。簡単に言えば、研修やプログラムへの参加者の感想や印象を評価する段階です。例えば、研修が面白かったか、内容が理解しやすかったか、環境(会場や設備)が快適だったかなど、参加者の直感的な感じ取りや反応を収集します。

学習

カークパトリックの4段階評価法の第2段階は「学習」です。学習とは、研修や教育を受けた後で参加者が新しい知識やスキル、態度をどれだけ習得したかを評価する段階です。具体的には、研修の前後での知識の増加や、新しいスキルの取得、態度や意識の変化などがこの段階での評価の対象となります。学習の評価は、テスト・クイズ・シミュレーション・実技試験・ロールプレイなどを通じて行われることが多いです。これにより、研修の内容が適切に理解されるでしょう。

行動

カークパトリックの4段階評価法の第3段階は「行動」です。行動とは、研修や教育を受けた後で参加者が職場や現場でどれだけその学びを実際の行動に移し変えたかを評価する段階です。例えば、新しい手法や技術を学んだ後、それを日常の業務にどれだけ活かしているか、あるいは新しい態度や思考方法を実際の仕事でどれだけ取り入れているかが、この段階での評価のポイントとなります。行動の評価は、上司や同僚、部下からのフィードバック、業務の観察、パフォーマンスの変化などを通じて行われることが一般的です。

業績

カークパトリックの4段階評価法の第4段階は「業績」です。業績とは、研修や教育の結果として組織全体や部門、個人のパフォーマンスにどれだけのポジティブな変化が生じたかを評価する段階です。この段階では、具体的な成果・ROI(投資対効果)・売上の増加・コスト削減・顧客満足度の向上など、数値で示される実際のビジネス成果を中心に考えます。教育や研修を受けた後、個人の行動が変わったとしても、それが組織の目標や成果にどれだけ寄与しているのかを具体的に評価することで、研修の真の価値を把握することができます。

研修の評価方法

受講者アンケートを実施する

研修の評価を行う際、受講者アンケートは一般的なアプローチとして採用されています。この方法は、受講者の直感的な反応や感じた効果を即時に取得するのに適しています。アンケートには、研修の内容・講師の教え方・施設の利便性・教材の質など、多岐にわたる質問項目を設定することができます。受講者の声を直接取り入れることで、研修の良い点や改善点を明確にし、次回以降の研修の質を向上させるための手掛かりとすることができます。

上司に評価してもらう

上司による評価は、研修後の行動や業績の変化を具体的に把握するための効果的な手段となります。研修を受けた後の受講者の実際の職場での態度や行動、さらには業績に対する影響を直接的に確認することができるのは、日常の業務を共にする上司だけです。上司の評価は、具体的な業務上の成果だけでなく、コミュニケーションの取り方やチーム内での協力の仕方など、研修で学んだ内容が実際の業務にどれだけ生かされているかを評価するのにも役立ちます。

研修の効果測定方法

ITを活用する

研修の効果測定にITを活用することで、より客観的で高精度な結果を得ることが可能になります。IT技術の進展は、効果測定を迅速かつ効率的に行う手段をもたらすでしょう。まず、オンラインアンケートやフィードバックツールを使用することで、受講者からの直接的な反応や学びの度合いをリアルタイムで収集することが可能になります。これにより、研修内容の適切性や改善点を迅速に特定することができます。さらに、AIや機械学習を導入することで、受講者の行動や業績の変動を自動的に分析し、研修の具体的な効果を数値化することも可能です。

チェックリストに答えてもらう

研修の効果を評価するために、チェックリストを利用する方法は、特定の要件や基準に対しての達成度を明確に把握するのに役立ちます。チェックリストは、研修の目的や目標に沿って作成され、受講者やその上司、関連する者が確認するアイテムに対しての評価を行うことができます。例えば、研修の内容が新しいツールの操作方法である場合、チェックリストにはそのツールの基本的な機能の使用法や応用テクニックなどの項目がリストアップします。そして、受講者がそれらの項目をどの程度習得しているかを確認することができます。

カークパトリックモデルのメリット

研修効果を正確に測ることでブラッシュアップに繋がる

カークパトリックモデルのメリットは、研修効果を正確に測ることでブラッシュアップに繋がる点です。この4段階評価法は、反応から業績に至るまでの連鎖的な影響を評価します。まず反応は、研修が受講者にどのように受け入れられたかを知る第一歩となります。次の学習は、研修で得た知識やスキルがしっかりと身についたかを確認するステップとなります。行動では、その学びが実際の業務や行動にどのように反映されているかを評価します。そして最終的に業績を通じて、研修の取り組みが組織全体の成果にどれほど寄与しているかを確認することができます。

投資対効果の確認に役立つ

カークパトリックモデルは、教育や研修にかかる投資に対する具体的な効果を明確にし、投資対効果を確認するのに非常に役立つフレームワークです。組織が研修や教育に資源を投じる際、その効果が明確に示されなければ、継続的な投資の正当性や優先度が問われる可能性があります。このモデルの導入により、研修の初期段階から具体的な目的や期待される結果を明確にすることができます。そして、研修終了後にそれらの目的や期待値に対してどれだけの効果が得られたかを評価することで、ROI(投資対効果)を明確にすることができます。

カークパトリックモデルのデメリット

行動と業績の評価が難しい

カークパトリックモデルのデメリットは、行動と業績の評価が難しい点です。行動の評価の難しさは、研修後に受講者が実際に学んだことをどれだけの期間、日常業務に活用しているかを把握するのが困難である点にあります。短期間では変化が観察できないことも多く、継続的なフォローアップや観察が必要となります。また、受講者の行動変容が研修の効果によるものなのか、それとも他の要因に起因するものなのかの切り分けが難しいという課題もあります。

企業の業績に直結するとは限らない

研修や教育活動は、即座に企業の業績に直結するとは限りません。研修がもたらす知識やスキルの習得、意識の変革は、確かに個人の成長や能力向上に寄与します。しかし、それが企業全体の業績、、顧客満足度の向上などの形で具体的に現れるまでには、多くのケースで時間がかかることが多いのです。また、研修の内容や品質、受講者の動機付けや研修後のフォローアップの状況にも影響を受けます。組織文化やリーダーシップの質など、多研修の効果が実際の業績にどれだけ反映されるかは一概には予測が難しいものです。

研修への満足だけで終わらせてはならない

研修への満足は、その研修が適切に実施されたことを示す一つの指標ですが、それだけでは十分ではありません。なぜなら、受講者が研修の内容に満足したとしても、それが実際の職場での行動や結果に結びつかない場合もあるからです。実際の業務において、新しい知識やスキルを適切に活用できるか、それを継続して取り入れることができるかが重要となります。研修後のフォローアップや実際の業務でのスキルの適用状況、結果の測定など、継続的な評価やフィードバックが求められるでしょう。

研修の効果測定を行う上でのポイント

研修の目標をしっかりと定める

研修の効果測定を行う上でのポイントは、研修の目標をしっかりと定めることです。まず、研修の目標を設定する際には、具体的かつ達成可能なものにすることが重要です。例えば、「新しい技術の理解を深める」や「チームワークを向上させる」など、明確な目的を持つことで、後の評価がしやすくなります。次に、その目標が達成されたかどうかを評価するための指標を設定しましょう。これには、知識のテスト、職場での実践の様子、上司や同僚からのフィードバックなど、様々な方法が考えられます。

効果測定の目的を明確にする

効果測定の目的を明確にすることも重要です。効果測定の真の目的は、単に数字やデータを収集することを超えたものです。それは組織の戦略的方向性を確認し、資源の最適な配分を判断する基盤を築くことにあります。また、透明性を持ってステークホルダーに成果を伝え、信頼関係の構築やブランド価値の向上にも寄与します。さらに、組織内の問題点や課題を明確にし、それを改善するための戦略を策定するための情報提供も果たします。継続的な改善のために、効果測定の目的を明確にしましょう。

どの段階まで測定するかを事前に決めておく

研修の効果測定を行う上では、どの段階まで測定を行うのか事前に明確にすることが欠かせません。これにより、評価の方向性や焦点がぼやけることを防ぎ、効率的に目的を達成するためのプロセスを構築することができます。特に、資源や時間が限られている場合、事前の計画は余分な労力を削減し、必要な情報の収集を効果的に行う手助けとなります。測定の範囲や深さを決定する際には、組織の目的や目標、そしてどの情報が最も価値があるのかを考慮することが大切です。

まとめ

カークパトリックモデルを取り入れて研修の効果を高めよう

カークパトリックは、研修や教育の効果を評価するための4段階評価法です。強みは、研修の質や成果を段階的に正確に評価することができる点にあります。研修内容のブラッシュアップや投資対効果の確認が可能となります。このモデルのメリットとして、研修の効果を段階的に正確に測ることができ、その結果をもとに研修内容をブラッシュアップしていくことが挙げられます。ただし、一部の評価が難しいという課題も指摘されていますので計画的な活用が重要です。カークパトリックモデルを取り入れて研修の効果を高めましょう。

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