OPQとは?【特徴やメリット、OPQが役に立つシーンなどを紹介します】

記事更新日:2023年04月21日 初回公開日:2023年04月21日

用語集 採用・求人のトレンド
企業の成功の鍵は、適切な人材配置と個々の社員の特性を深く理解することが重要です。そのために企業は、人材とのミスマッチを未然に防がなければなりません。社員の能力や適性を把握したい企業は、適正検査として有名なOPQが有効な解決策となります。例えば、OPQでは、応募者の性格特性や行動傾向を把握し、企業や組織の文化に適合するかどうかを評価するために使用することができます。他にも、従業員の適性を把握することで、適正な人材配置や、教育を行うことができます。この記事では、OPQを活用して業績評価を行い、組織の持続的成長をサポートする方法についてご紹介します。

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OPQとは

仕事に関係するパーソナリティを測定する検査

OPQとは、個人の性格特性や行動傾向を評価するために使用される心理学的アセスメントツールです。多くの企業や組織で、採用プロセスや人材育成、キャリア開発などの目的で利用されています。企業が成長するためには、従業員の個々の特性や能力を詳細に把握し、適切な人材配置やキャリア開発を実現することが求められます。人材とのミスマッチを防ぎ、社員の適性を理解することで、人事戦略の最適化が可能になります。効果的な業績評価ツールを活用することで、競争力のある組織を構築し、将来の成功へとつなげていくことができます。

OccupationalPersonalityQuestionnairesの略

OPQは、Occupational Personality Questionnairesの略した用語で、パーソナリティ検査のことです。1984年にSHLの創業者であるサビル氏とホールズワース氏によってイギリスで開発されました。個人の性格特性や行動傾向を評価する心理学的な支援ツールになります。採用プロセスや人材育成、キャリア開発などに利用されることが一般的です。企業や組織は、OPQを活用して応募者や従業員の性格や適性を理解し、適切な人材配置や人材開発戦略を立案・実施することができます。

OPQを導入する目的

入社希望者とのミスマッチを改善させるため

OPQを導入する目的は、入社希望者とのミスマッチを改善させることです。採用プロセスにOPQを活用することで、応募者の性格特性や行動傾向を事前に把握することができます。これにより、企業は個々の応募者が自社の文化や求める職務に適しているかどうかを正確に評価することが可能になります。また、ミスマッチの改善は、企業にとって長期的な利益をもたらします。適切な人材が採用されることで、新人研修や教育の効果が高まり、従業員の定着率や業績が向上することが期待されます。

OPQの特徴

質問項目が職務に関連している

OPQの特徴は、質問項目が職務に関連していることです。職務に関連した質問項目を設定することで、応募者がどのように対処するかが分かります。どのような態度を取るか、働き方を好むかなど、職場での実際の状況に近い形で評価することができます。企業は、応募者や従業員の性格特性や行動傾向を、職場での実際のパフォーマンスに直結させることができるでしょう。これにより、企業はより正確かつ効果的に適切な人材を採用し、組織内での人材配置や人材育成戦略を立案することができます。

測定尺度の幅が広く、多様な職務についての適性を測定できる

OPQは、測定尺度の幅が広く、多様な職務についての適性を測定できる特徴があります。OPQの質問事項は、さまざまな性格特性や行動傾向を詳細に評価するための多数の質問項目を含んでいます。これにより、企業は様々な職種や業界、役職に対応した適性評価を行うことができます。測定尺度の幅が広いことで、企業は特定の職務に求められるスキルや特性に焦点を当てたアセスメントを実施することができるでしょう。これにより、組織内での人材配置や育成プログラムの効果を最大限に引き出すことができます。

作為を防ぐ仕組みがある

OPQには、作為を防ぐ仕組みがあります。これは、回答者が自分をより良く見せようとする傾向や、回答に一貫性がない場合を検出する目的で設計されています。作為を防ぐ仕組みの一つは、同じような意味を持つ質問が複数回、異なる形で繰り返し出題されることです。これにより、回答者が意図的に一貫性のない回答をしている場合を検出することができます。また、回答者が自分を社会的に望ましいとされる形で評価しようとする傾向を測定することができます。これにより、回答者が作為的に自分を良く見せようとしている可能性を評価し、その影響を減らすことができます。

妥当性が高い

OPQは、測定においての妥当性が高いとされています。妥当性とは、支援ツールが実際に測定したい概念や特性を正確に評価している程度を示す指標です。OPQの妥当性が高いということは、この支援ツールが職場での性格特性や行動傾向を適切に把握し、それが実際の職務遂行にどのように影響するかを正確に評価できることを意味します。OPQの妥当性が高い理由は、質問項目が職務に関連しており、幅広い測定尺度を持っているからです。多様な職種や業界に対応した適性評価が可能になります。

OPQが役に立つシーン

採用活動

OPQが役に立つシーンは、採用活動でしょう。企業が求める人材の特性やスキルと、応募者の性格特性や行動傾向を適切にマッチさせることで、人材の適材適所を実現することができます。OPQは、応募者の性格特性や行動傾向を詳細に評価することができ、企業が特定の職務に求められるスキルや特性に焦点を当てたパーソナル検査を行うことができます。OPQの結果を用いて、応募者が企業の文化や価値観に適合し、職務に対する適性が高いかを判断することができます。

社員傾向の分析

社員傾向の分析にも役立てることができます。社員の性格特性や行動傾向を理解することで、組織内の人材マネジメントを最適化し、チームワークや生産性の向上に寄与できます。OPQを使って社員の性格特性や行動傾向を把握することで、チーム内での役割分担や相互補完を促進させることが出来ます。また、OPQの結果を用いて、社員の弱点や発展途上のスキルを特定し、個別の研修や育成プログラムを実施することができます。これにより、社員のスキルセットを強化し、キャリアパスの拡充に寄与します。

異動・配置・配属などの場面

異動・配置・配属などの場面でも、OPQは非常に役立ちます。これらの場面での人事判断が重要であり、適切な性格特性や行動傾向を持つ社員を正確に把握することが求められます。OPQを用いて社員の性格特性や行動傾向を評価し、それぞれの職務や部署に適したスキルや性格を持つ社員を特定することが可能です。これにより、適材適所の異動・配置・配属が可能になり、組織全体の効率が向上するでしょう。また、組織風土や部署の性格に合った社員を配置することで、職場環境が良好になり、生産性が向上します。

人材の育成

OPQは、人材の育成にも役立てることができます。性格特性や行動傾向を把握することで、個々の社員に合った育成プランを策定し、効果的な人材開発が可能になります。OPQによって、社員の性格特性や行動傾向から強みや弱みを明確に把握できます。これにより、個々の社員が持つ潜在能力を引き出すための育成プログラムを計画し、効果的な成果を得られるのです。また、OPQの結果を基に、各社員のニーズに合った個別の育成プランを策定します。これにより、社員一人ひとりが自分の弱みを克服し、強みを活かすことができ、スキルアップやキャリアアップが促されます。

OPQを導入するメリット

応募者の性質を網羅的に把握できる

OPQを導入するメリットは応募者の性質を網羅的に把握することができることです。OPQは、応募者のさまざまな性格特性を詳細かつ網羅的に把握できる支援ツールです。これにより、企業は応募者が持つ様々な能力や適性を理解し、最適な採用判断を行うことができます。これにより、人材と職務のミスマッチを防ぐことができます。OPQの結果を活用することで、企業はチーム構成を最適化し、各メンバーの強みや適性を最大限に活かすことができます。その結果、組織の生産性や効率が向上します。

採用後の仕事に役立つ

採用後にもOPQは役立つこともメリットです。OPQの結果を活用して、社員の長期的なキャリア開発を支援します。社員の適性や強みを把握することで、適切な研修や育成プログラムを提供し、社員のスキルアップや成長を促進できます。また、リーダーシップ開発にも役立ちます。組織のリーダーの性格特性や適性を把握し、リーダーシップスキルを向上させるための研修や指導を提供することができます。リーダーに必要な要素は、企業によって異なりますので、育成プログラムを構築することも重要です。

多言語に対応しているため世界中から人材を募集できる

OPQは多言語に対応しているため、世界中から人材を募集する際に非常に便利です。この特徴により、企業は国際的な人材採用が容易になり、より幅広い人材プールから適切な候補者を見つけることができます。その結果、さまざまな国籍や文化の人材を受け入れることができ、企業の文化的多様性を向上させることができます。また、世界中から集まった多様なバックグラウンドを持つ人材は、互いに異なる知識やスキルを共有することで、組織全体のスキルレベルを向上させることができます。

OPQを導入している企業

セブン-イレブン・ジャパン

セブンイレブンジャパンは、OPQを導入しています。同社では、独自のOFC適性尺度を作成しています。OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)は、加盟店への経営コンサルティングを行う業務です。現職の全OFCにタレントアセスメントとしてOPQを実施し、活躍しているOFCの特徴を分析しています。分析した結果、活躍しているOFCは、創造的で感情表現が豊か、臨機応変な特徴があることが分かりました。そこで同社は、10段階の活躍度合い予測尺度を作成し、運用しています。

森永乳業

森永乳業では、タレントマネジメントを実施しています。スタート時は、既存社員にパーソナリティ検査であるOPQを実施し、各職種で「どのような人材がハイパフォーマーとなるか」という分析を行いました。分析によるデータを基に採用活動に活かすことで、同社が求める人材の確保をすることができました。次に人材採用だけではなく、既存社員のキャリアアップにも活かしています。全社員にOPQを実施し、自分の性格や職務適性を理解することで、仕事に対して前向きな気持ちを持つ機会にしています。

積水ハウス

積水ハウスでは、イノベーターやアントレプレナーの素養がある人を探して輝かせることを目的としたプロジェクトを行っています。同社では、イノベーターやアントレプレナーの素質のある人材を見つけるために、タレントアセスメントとして、パーソナリティ検査としてOPQを導入しています。候補者は30歳から35歳までの社員約1,100名です。選抜基準は、人事考課などの実績と、ポテンシャルです。なかでもポテンシャルについては、OPQからの分析データを基に、マネジメント能力やアントレプレナーの素質の有無を判断しています。

まとめ

OPQを導入して採用時のミスマッチを防ごう

OPQは、人材採用の際に応募者の性格や職務適性を詳細に分析し、企業との適合性を判断するための有効な手段です。具体的には、OPQは職務に関連する質問項目により測定尺度の幅が広いため、多様な職務についての適性を測定できます。適性検査では、作為を防ぐ仕組みがあり、正確な性格評価が期待できます。さらに、OPQは多言語対応しており、世界中から優秀な人材を募集することができます。これにより、グローバル展開を行う企業にも適した人材選定ツールとなります。OPQを導入して採用時のミスマッチを防ぎ、効率的な人材採用・育成を行いながら、組織の競争力を高めましょう。

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