OJDとは【OJTとの違いやメリットデメリットについて解説します】

記事更新日:2023年08月29日 初回公開日:2023年08月29日

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少子高齢化や労働人口の減少が加速していく中で、新しく人材を確保することが益々難しくなってきています。会社としては人材の確保・育成が重要な課題であるため、若手社員を即戦力に育てる事が大切になっています。昨今ではグローバル化も進んでいるため、社会情勢の変化に合わせて会社は変革を行わなければなりません。その際に柔軟に適応できる人材を育てる事も重要な課題です。短期的な教育・研修ではそういった人材を育てる事は難しく、長期的環境整備が必要です。今回はOJDについて解説していきますので人事担当者の方は、参考にしてみてください。

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OJDとは

社員の能力開発を行うためのトレーニングのこと

OJDとは、社員の能力開発を行うためのトレーニングです。OJDとは、On the Job Development(職場内能力開発)の頭文字から来ています。OJDは、現段階で必要なスキルと将来管理職や重要な戦力となるために必要な能力を養うために行います。OJDは長期的な目線で育成することを目的としており、社員のキャリアパスの希望をくみ取りながら上司の適切なサポートを受け、能力の取得を目指していきます。

OJDとOJTの違い

社員の育成にかける期間が長期か短期かの違い

OJDと似ている言葉としてOJTがありますが、社員の育成に掛ける期間が長期的か短期的かの違いがあります。双方ともに、上司のサポートを受けながら業務を通して知識やスキルを身に付けるトレーニング方法です。OJTは、新しく入社してきた社員が配属先の業務を問題なく行える様に知識やスキルを身に付けられるようサポートします。OJDは入社後だけでなく、数年後のキャリアを考慮に入れた上でマネジメントスキルなども身に付けられるようにします。

受け身か自発的かの違い

OJDとOJTは、学ぶ側の社員が受動的なのか自発的なのかが異なります。OJTでは、上司がマンツーマンで配属先の業務についての知識を指導してくれるので社員は受動的に学ぶことになります。OJTでは上司が部下を育てるのに対してOJDでは、部下が主体性をもって育つ環境を構築していきます。OJDはマネジメント能力の開発も兼ねているため、指導を受けている側にも学ぶ姿勢が必要です。能動的に学ぶ環境を構築しやすいOJDは、指導者の負担を減らすことも出来ます。

OJDが拡大されている背景

少子高齢化による人材不足が挙げられる

OJDが拡大されている背景には、少子高齢化による人材不足が挙げられます。労働人口が減ってきているため、人材確保と育成はどの企業にとっても重要な課題です。そういった状況の中で、新入社員の早期即戦力化と、将来のビジョンを描ける形で人材育成をすることが出来れば社員のエンゲージメント向上を見込むことも出来ます。エンゲージメントが向上できることで、離職率を低下させることにもつなげる事が可能です。企業の理想像に近づけられるOJDは、現代社会における理想的な人材育成方法です。

OJDを行う目的

主体性を保持した社員を育成する

OJDを行う目的は、主体性を保持した社員を育成するためです。上司や先輩社員から言われたことだけを行っていると、指示待ち社員が出来上がってしまい業務に対してやりがいや意味を見出せなくなってしまいます。入社したばかりの社員は、たくさんのことを吸収したいと考えている人が多いため、その特性を生かして考える業務を任せるのも方法の一つです。細かく指導を行うのではなく、社員に行動の意味や手順を考えさせることによって主体性を持てるようになっていきます。

即戦力となりうる人材を育てる

OJDは即戦力となりうる人材を育てる事を目的としています。主体性を持っている社員を育て社員に成長してもらう事は会社として大切なことです。それだけでなく、会社としては即戦力になる人材を沢山育てる事も重要な課題の一つです。OJDでは上司のサポートを受けながら業務を担当するため、一人では難しい業務も任せることが出来ます。OJTでは経験させることが難しかった業務を行い、多くの成功や失敗を体験することで即戦力になる為の知識やスキルを身に付けてもらえます。

会社全体で結束力を強める

会社全体で結束力を高めるために、OJDが実施されています。主体性を持った社員を育てることで、自分のキャリアプランについて考える事が出来るようになり、会社としても適性を見極めて適切な経営戦略を立てることが出来ます。惰性で業務を行っている人はモチベーションが低くなってしまいがちです。OJDは長期的に育成を行うため、上司との信頼関係も構築されやすくなります。社員の意識が変わっていくことで、会社全体の結束力を高める事が出来ます。

OJDを行うメリット

社員のモチベーションを上げられる

OJDを行うメリットは、社員のモチベーションを上げられることです。OJDは上司から長期的に指導を受ける事ができ、常に質問しやすい環境にあり不明点などすぐに確認できる環境からモチベーションの低下を防ぐことに繋がります。長期的に指導を行う事で、フィードバックを行える機会も増え社員の長所や短所を加味したアドバイスを行えます。マンツーマンで指導してもらえることで、社員は会社から大切にされていると感じモチベーションやエンゲージメントの向上を見込めます。

時間をかけて社員を育成できる

OJDは時間をかけて社員を育成できるメリットがあります。OJDは長期的な計画を基に、人材育成を行っていくため時間をかけて丁寧な指導や育成を行う事が可能です。長期的な目線で育成を行うので、短期間の研修・指導では実現が難しい社員の希望を聞く事や活発なコミュニケーションが、信頼関係構築にも繋がります。上司との関係性が築けるため、従業員の意欲低下やストレスを軽減させることも出来ます。じっくりと向き合うことによって適性を見極め、最適な指導を行う事も可能です。

適材適所に社員を配置することができる

適材適所に社員を配置することが出来るのも、OJDを行うメリットです。長期的に指導を行っていくことで、社員の資質や能力を把握できやすくなります。一人一人の能力や資質を見極められることで、誰がどのような業務に向いているのかを迅速に判断出来るため、適材適所で人材の配置を行えます。OJDは現状の業務だけでなくマネジメント能力の開発なども行うため、管理職に適しているのは誰なのかを判断する際にも役に立ちます。

OJDを行うデメリット

上司の負担が大きくなる

OJDは上司の負担が大きくなるデメリットがあります。OJDは上司がマンツーマンで長期的に丁寧な指導を行う事から、業務を通じて効果的に人材育成が行える点がメリットです。しかし、上司は自分の通常業務と同時進行でマンツーマン指導を行わなければなりません。部下のOJDのみ担当出来るのであれば、上司の負担は大きくありませんが今までの業務を変わらず担当しながら指導を行うのは簡単ではありません。OJDを導入し活用するのであれば、担当上司の負担を考慮する必要があります。

時間がかかるためすぐに効果がでない

OJDを行うデメリットは、時間がかかる為すぐに効果が出ない点です。OJDは中長期的な目線で指導・研修を行っていくため、半年・1年では研修や指導の成果が目に見えないという事も考えられます。管理職に育てるためにマネジメントスキルなども適性に合わせて指導を行っていきますが、すぐに結果が出る訳ではありません。また、社内全体でOJDを行っているという認識を持っていなければ途中で中止になってしまう可能性もあり、OJDを行う際には会社全体として意識を合わせておく必要があります。

指導者によって効果が左右される

指導者によって効果が左右されるのも、OJDを行う際のデメリットです。OJDは上司がマンツーマンで部下に指導や研修を行います。そのため、OJDの効果は上司の指導方法によって変わってきます。OJDは社員に主体性を持ってもらうためにも、様々な業務に取り組み経験を積ませることが大切です。しかし指導者に当たる上司がOJDの本質を理解していないまま実施すると、一方的な指導を行うなどOJTと変わらない結果になる恐れもあります。指導者によって効果に差が出ないようにすることが重要です。

OJDの計画の立て方

1年ごとの目標を立てる

OJD計画の立て方は、1年ごとの目標を立てていきましょう。OJDは長期的な目線で育成を行っていくことを前提としています。1年や3年など年単位でのキャリアプランを計画していきます。立てた目標を元に、どういった知識やスキルを身に付ける必要があるのか・いつ頃にマネジメント能力を身に付けていなければいけないのかを考える事も大切です。しっかりと社員に合わせた計画を立て指導を行っていくことで、効果的な教育を行う事が出来るだけでなくモチベーションの低下を防ぐことが出来ます。

OJDの活用事例

株式会社サイバーエージェント

OJDは、株式会社サイバーエージェントで活用されています。目標を社内で統一できるようにOJDを活用しています。業務改善や新規事業について多くの社員から様々なアイデアを出してもらい、その後社員を巻き込んで実施する「あした会議」で実用化を図れるアイデアを決定します。選定されたアイデアには必ず撤廃するときのルールを定めておき、アイデア継続の目標を社内全体に共有します。通常であれば役員会議で決定する事ですが社員を巻き込み進めることで、主体性を持った社員に育てる事が可能です。

コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタ株式会社でもOJDを活用しています。グローバル企業として発展しているコニカミノルタでは、新卒・キャリア採用問わず業務を行いながら成長することが出来る環境づくりに力を入れています。年度ごとに上司と面談を行い業務に対しての目標設定を行い、期末に成果を検証します。上司からの評価や自己分析は社内ネットワーク上でいつでも閲覧することが可能です。閲覧できることにより、常に自分のスキルや現状を確認し意識して業務に取り組めるシステムになっています。

J.フロントリテイリング株式会社

OJDを活用している企業は、J.フロントリテイリング株式会社です。大丸やPARCOを運営しているJ.フロントリテイリングでは、OJDを通して自己変革型人材の育成を目指しています。新入社員にも、キャリアの目標や業務で得られる達成感を感じられる場を積極的に設けるという2つの目標を掲げています。入社してから3年間はJFR大卒新入社員3年間育成スクール(JES)でスキル強化をします。その中で次期経営陣候補になりうる人材を選出し、重点的な育成プログラムを行っています。

まとめ

OJDで社員の育成に努めよう

OJDを行う目的や、実施するメリット・デメリットなどについて解説しました。OJTも入社後にスムーズに業務に慣れてもらうためには、重要な教育です。OJDは長期的な目線で、将来の戦力や幹部候補になってもらうための指導方法です。OJDは長期的な指導・教育のため、すぐに効果が表れない・上司の負担が大きいといったデメリットはあります。しかし導入することで社員に主体性を持ってもらえ、エンゲージメントの向上や離職率の低下など様々なメリットもあります。OJDを活用して社員の育成を行いましょう。

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