記事更新日:2023年10月06日 | 初回公開日:2023年10月06日
用語集 採用・求人のトレンド 採用成功事例 グローバル用語解説プロセスマネジメントとは結果にいたるまでの業務プロセスを分析し管理することを指す言葉です。通常の人材育成などにおけるマネジメントというと、社員それぞれが仕事の際に出した結果を分析し指導を行うイメージがあります。しかし、結果だけで物事を判断すると、失敗や業績不振の直接的な原因が分からない場合があります。プロセスマネジメントとは、このような場合に業務の結果ではなくプロセスを細かく分解し、分析、管理することで業務の成果を最大化する取り組みです。
プロセスマネジメントは業務プロセスを分析し管理することを目的としています。プロセスマネジメントを利用して業務プロセスの見直しや改善をする場合、毎回同じ過程をとる仕事でなければ利用しても高い効果は得られません。そのため、臨機応変な対応が求められる非定型業務よりも、毎回同じ行動をとる定型業務の方が向いています。具体的には請求書の作成や人材採用など、ある程度業務開始から完成までの過程が決まっているものであれば、適用可能です。
近年、日本は他の諸外国と比べて労働生産性が低い国と言われています。日本の労働生産性が低いのには、一つの業務に対して動員する社員数が多いことなどが理由として挙げられています。一つの業務に大勢の人が携わるという事態が常態化すると、必然的に人的コストや時間が成果に見合わなくなります。プロセスマネジメントが注目されつつあるのは、上記の背景から業績だけでなく業務プロセスを見直すことで生産性の向上を目指す考え方が浸透したことも理由の一つです。
プロセスマネジメントを適用するためには、現在の業務プロセスを明確にする必要があります。現在職場で受け持っている業務の内容や手順、工数などを可視化することで、どの業務にプロセスマネジメントを適用できるか知ることができます。また、職場によっては一部の人しか業務プロセスを知らない業務も存在するので、これらを可視化することでプロセスの見直しにも客観的な視点を取り入れられます。対象となる業務プロセスを明確にする際には、実際に行っている作業の順序や内容をメモしておくのがおすすめです。
プロセスマネジメントでは業務プロセスを明確にした後は、各プロセスの段階ごとに目標を設定します。例えば、書類作成の業務であれば、完成系となる書類を見本として提示するなどの工夫が必要です。これを行うことで、何を基準として各段階を完遂と判断するのかが明確になります。さらに、目標の基準に数値を設ける場合は、どの程度の数値が基準として妥当なのか繰り返し見直していくことも大切です。また、業務プロセスとして洗い出した内容や目標は、業務の手順書として冊子やファイルに残しておきましょう。
業務プロセスを洗い出し、目標を設定すると業務プロセスの見本となる業務フローが完成します。プロセスマネジメントでは設定した内容が本当に現実の業務に即したものであるか確認するために、実際の業務に当てはめなければなりません。実践の際には作成した業務手順書の内容に抜けている部分や注意点は無いか、目標の設定基準は状況に適しているかを確認しながら行います。また、設定した内容が実用的でない場合は、随時内容を見直す必要もあります。
プロセスマネジメントの実践で確認した内容を許に、今度は作成した業務手順の見直しを行います。具体的には現行の手段だけでなく、より効率的な手段は無いか検討や話し合いを重ねることが重要です。業務プロセスはその時の状況や、時代の変化によって効率的な方法が変化していきます。作成当初は最大限に効率的な手順を採用していても、時間の流れと共に業務フローも改善しなければ、形だけのものになってしまいます。そのため、プロセスが形骸化しないためにも必要に応じて見直しを繰り返し、改善していきましょう。
プロセスマネジメントのメリットは業務が可視化されることにあります。企業では同じ会社や部署によって役割が細分化されているので、誰がどのような内容の業務をしているのか把握しにくいのが難点の一つです。業務を可視化すると、上記の誰が何の業務をしているかが明確になります。そのため、管理職は一人の社員に対する業務量を把握しやすく、適切に仕事も割り振りができるようになります。また、現在自分以外の社員が行っている仕事が明確化することで、業務上の不公平感も沸きにくくなるのもメリットと言えます。
プロセスマネジメントの過程では、業務内容を整理するために業務手順書の作成を行う場合があります。業務手順書で業務プロセスが可視化されると、改善点の見直しが行えるだけでなく、当該業の担当者ではない社員も業務内容を理解できるメリットが発生します。業務内容を誰もが理解できる形で残しておくと、担当者じゃないとできない仕事も実質的に無くなり、属人化が解消されます。そのため、担当者が不在の場合でも業務の対応やトラブルの解決が行えるため、職場全体の効率アップが可能です。
プロセスマネジメントは業務プロセスを明確にするため、誰が見ても業務内容を理解しやすいという特徴があります。そのため、導入すると管理職は社員の業務の進捗を把握しやすくなるのもメリットの一つです。社員の業務が予定通りに進んでいない場合は、管理職は社員のフォローに回らなくてはなりません。業務プロセスを可視化すれば、業務プロセスのどの工程で躓いているのかをすぐに理解できます。このような理由から、トラブル時にも早期の対応が可能になります。
業務プロセスが可視化されておらず一部の人しか内容が分からないと、トラブルの対応が遅れるリスクや不正に気付けないリスクが発生します。プロセスマネジメントには、このような様々なリスクを軽減できるというメリットがあります。割り当てられた業務の進捗や工程を一部の人しか理解できていない状況は、社員の負担になるだけでなく、業務の効率性そのものを欠いてしまう結果に繋がります。そのため、業務プロセスを全体に共有することはリスクの軽減だけなく、社員の負担を減らす意味でも有意義な行為と言えます。
プロセスマネジメントを適用するには、準備や実践までに時間がかかります。プロセスマネジメントで業務改善を図る過程には、業務内容の洗い出しから目標の設定などの情報収集を注意深く行う必要があります。さらに、業務内容を定型化した後も定期的に内容を見直して、より効率的な手段を模索していかなければなりません。このような側面から、プロセスマネジメントの効果を得るには一定期間の実施ではなく、定期的に実施続けなければならないため時間や人的コストがかかります。
プロセスマネジメントは上記の通り定期的に実施しなければならないため、業務フローの整理だけで適用が完結しません。業務フローは整理した段階で満足しがちになりますが、実用的な内容でなければ意味がありません。そのため、必ず整理した内容を実践し、改善する必要があります。また、職場の状況に合わせた業務フローを実施し続けるには、必ず内容の見直しが必要になります。このような理由からプロセスマネジメントを導入する際には、今後も継続することを予想して持続可能な内容にしていくことも検討しましょう。
プロセスマネジメントを実践する際に、実際にマネジメントを請け負うのは管理職です。そのため、業務内容の整理や実践も含めると、管理職の業務量が増える点が懸念として挙げられます。管理職は通常業務に加えて、部下の指導や業務の進捗管理など行わなくてはなりません。現在受け持っている業務と同時進行でプロセスマネジメントを適用するためには、一時的な負担が増えてしまいます。場合によっては途中で中断してしまうこともあり得るため、通常業務に支障が出ない範囲で計画的に効率化を進めていきましょう。
キーエンスは電子機器メーカーの大手企業で、現在では営業生産性が非常に高い会社として知られています。そんなキーエンスではプロセスマネジメントで営業活動に目標設定をすることで、高い営業成績を維持しています。目標は単純な契約取得だけでなく、プロセス化された営業活動に細かく目標を設けることで社員の目的意識を高めているのが特徴の一つです。また、目標の達成率によって社員の報酬やインセンティブが左右されるため、モチベーションを高く維持できている点も成功理由の一つと言えるでしょう。
求人広告や人材紹介会社として有名なリクルートでは、ターゲットとなる顧客の求める価値をあらかじめ計画し、営業活動を行う独自の活動プロセスを築いています。そして、営業チームを管理するマネージャーはプロセスマネジメントを用いて、営業活動を管理・改善することで営業活動をコントロールしています。これが高い営業成績を維持できる要素の一つです。また、営業活動の結果だけでなく過程もチーム全体で振り返ることで、社員個人のスキルアップにも繋げている部分がこの会社の強みでもあります。
サイバーエージェントはインターネット広告を主に取り扱っている会社です。この会社では組織目標と個人目標を設定し、プロセスマネジメントを適用することで、組織全体だけでなく社員の育成にも力を入れています。また、チーム全体で組織目標を設定することで、目標達成に向けて役割分担を行い行動することで社員の団結力を高めている会社でもあります。さらに目標の達成度によって、定期的に社員の報酬見直しを行っている部分も高い業績を維持できている理由と考えられます。
プロセスマネジメントは業務の結果だけでなく、過程に目を向けるという観点から業務上発生する問題を根本的な解決に導ける手法と言えます。そのため、導入することにより業務効率が上がるだけでなく、社員の業務負担を軽減できる点が主なメリットと言えるでしょう。ただし、プロセスマネジメントは一時だけ適用しても効果が持続するものではないので、定期的に業務内容の見直しを行う必要もあります。そのため、プロセスマネジメントを取り入れる際には、業務の見直しや改善も視野に入れて、継続的に利用していくことをおすすめします。
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