記事更新日:2020年06月08日 | 初回公開日:2017年09月25日
翻訳・通訳の雇用 外国人採用・雇用 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 翻訳会社はインターネットが普及してからというもの、コンピューターとインターネット環境があればどこにいても翻訳ができますので、昔のように翻訳家を社員として抱えるのではなく登録制で基本的には在宅で行うフリーランスの翻訳家が増えています。
翻訳の案件の80%はこの技術翻訳または産業翻訳と言われる分野で、工業系の代表が自動車や航空といった重工業、繊維や食品も軽工業としてこの部門に属します。
製品の取扱説明書や据付説明書、仕様書のような類のものを翻訳します。
最近急激に需要を伸ばしている分野であることは皆さんも想像がつくと思います。
特にソフトウェアのローカライズと言われるソフトを使用する国の言語に翻訳する業務がそれで、需要の大半がこのローカライズです。
運用報告書、目論見書、マーケティングレポート、など毎月発生する会計報告が多く、この分野は定期的に決まった発注があり、翻訳者にも安定した報酬が期待できる分野です。
専門用語の知識よりも理解力が求められる分野です。ネイティブが多く手掛けるのがこの分野で、論文・美術展示資料・協会等の規則などがそれにあたりますが、ネイティブは正しく理解できますが日本語として分かりやすい文章になっているかが重要ですので、日本人の校正者は重宝されます。
現在もっとも需要の多い分野で、空港のホームページ、観光地のパンフレット、観光施設の案内などがこれにあたります。
最近では翻訳ソフトなどを導入して簡単にこのような翻訳をし、パンフレットに掲載するケースが増えていますが、ネイティブにとってはまさに日本語英語であったり、表現が適切でないことも問題として取り上げれていますので、まだまだ人による翻訳が必要な分野です。
この分野は非常に正確性を要請される分野です。海外との取引において契約書を交わすことは必須です。のちにトラブルが起こった際も契約書に基づいて裁判や法的手段が下されます。法律的な知識とともに法的文書独特の言い回しに精通していなければならない分野です。
米国特許商標庁などに提出するための英文への翻訳や、すでに登録済の外国特許文書を日本語に翻訳、その中でも一番難易度なのが請求範囲クレームという翻訳です。
この特許に関しては日本語として文章が上手なことに意味はなく、権利と請求の範囲がただしく訳されていることが需要です。
公的機関の発行した婚姻・離婚・出生・会社の設立・不動産購入などの証明書文書をさします。
旅行関係やお店のホームページの依頼など、非常に需要が多い分野です。
電子書物が簡単に手に入るようになった時代に沿ったニーズで、個人でも外国の書物に関心があり依頼するケースもあります。
ここでのビジネス文章とはプレゼンテーションやマーケティング、企画書と言ったたぐいのもので、特徴は短い文章で要約されていることが重要です。
以上のように非常に細かい分類で専門知識や要領を得た翻訳を必要とされる職種ではありますがその数は無数で、仕事の量としては増加の傾向にあるのが実態です。
これに加え、もちろん多言語での求人が発生します。現在では世界30か国語以上の言語に対応する専門翻訳者の所属する翻訳会社もあります。
現在翻訳会社の受ける言語で8割から9割を占めているのが英語です。今後この傾向は続くのでしょうか?
厚生労働省の外国人向け多言語説明資料という項目があり、日本に住む外国人への医療に関する説明文が英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語で書かれています。
この度スカイプでもリアルタイム翻訳として10か国語で会話中に同時通訳するとともにテキストと機会音声で同時に翻訳出力できる機能を開発しました。
2017年4月に日本語が追加されたことで、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語そして日本語と10か国の言語が使用可能になりました。
ここでも中国語は日本語以前にプログラムに組み込まれています。
文化科学省の統計調べによると2017年の日本の高校における外国語学習の傾向が調べによって公表されています。
公立 | 私立 | 国立 | 計 | |
学校数(実数) | 448校 | 196校 | 3校 | 647校 |
言語数 | 15言語 | 15言語 | 6言語 | 18言語 |
中国語 | 357校 (11,047人) | 86校 (6,142人) | 2校 (30人) | 445校 (17,219人) |
韓国・朝鮮語 | 240校 (8,306人) | 55校 (2,838人) | 1校 (14人) | 296校 (11,158人) |
フランス語 | 116校 (3,448人) | 54校 (4,395人) | 2校 (59人) | 172校 (7,902人) |
ドイツ語 | 54校 (1,524人) | 25校 (1,992人) | 2校 (33人) | 81校 (3,549人) |
その他 | 131校 (3,507人) | 31校 (1,151人) | 2校 (100人) | 164校 (4,758人) |
計(延べ人数) | 898校 (27,832人) | 251校 (16,518人) | 9校 (236人) | 1,158校 (44,586人) |
翻訳会社の設定する翻訳家への報酬はその分野、業種、文章の性質や難易度そして翻訳者の実務経験などによってかなり幅があります。またほとんどが在宅にて業務を行うことが一般的になってきていますので、報酬は文字単位や、ページ数によって支払われることが多いのが現状です。
日本翻訳連盟が一般的な実例をもとに日英・英日の翻訳業務を割り出した値があります。以下は1文字単位での発注される翻訳料金です。
文章の種類/分野 | 英日翻訳:英文→和訳(税別) | 日英翻訳:和文→英訳(税別) |
コンピューターマニュアル | ||
一般科学・工業技術 | ||
金融 | ||
経営管理・財務・契約書 | ||
医学・医療・薬学 | ||
特許証明書 |
※上記は、一般的な実例の平均値を分野ごとに示した翻訳料金の目安です。
※専門性、難易度、納期、原文・翻訳データフォーマットや処理の種類や速度、そして品質レベルなどによって大幅に異なります。また当然ですが、翻訳会社など受注側の価格方針によっても差が生じます。
ここでは翻訳会社からの発注の場合クライアントとのあいだでマージンがとられますから、上記の発注料金からその分を差し引いた金額が翻訳者の報酬となります。またページ数計算の場合は1ページ400文字を基準として、平均1000円~2000円で発注されますが、内容によっては3000円~5000円という高額な翻訳もあります。
フリーの翻訳家の平均年収をあるアンケート調査による統計からみますと、平均一日8時間の就業から一日3時間~4時間の短時間による就業も含め400万~600万と回答した人が一番多く23%となりました。これを基に時給計算をすると平均2000円~3000円となります。
これはあくまでも全体の平均で見るところの報酬ですので、実際にはその取扱い分野や、契約体制によって1000万以上の年収がある翻訳家もいれば、100万以下にしかならないフリーの翻訳家もいるのが現状です。
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デジタル分野の翻訳機能の発展も著しいですが、WEBホームページや情報媒体の翻訳のニーズも今後しばらくは続いていくと見込まれます。海外向けの商品やサービス、逆に海外からの商品やサービスをローカライズするための翻訳も増える傾向にあります。
翻訳は、各分野においての翻訳経験や専門用語に対する翻訳力がものをいうため、資格のレベルで測れない部分が多々あります。たとえば、英検1級、TOEIC、TOEFLでの高得点を取得していても、必ずしも十分な翻訳ができるわけではないのが現状のようです。翻訳の仕事を希望する人は、せめて翻訳の資格を取得しておきたいところです。
翻訳業務の未経験OKの募集も見られますが、そのほとんどがトライアルの実施を行なっています。トライアルとは、採用できる翻訳能力レベルに達しているかを測る事前テストのようなものです。求職者も、翻訳求人広告に書かれている内容だけでは、どのようなレベルのものか、自分で対応できる分野なのかが把握できていないことも多いです。トライアルの実施によって上記の点を知る機会としても有効です。
翻訳未経験者の場合は、実務経験、各分野の専門知識がないと派遣などの紹介会社に登録してもなかなか仕事を得ることは難しいことを知っておく必要があるでしょう。
翻訳会社にはそれぞれに取り扱いの多い分野や依頼する翻訳家のレベルや専門分野のカテゴリーも非常に様々です。翻訳会社の求人で仕事を探す場合、翻訳会社の体質を良く知ることが大事です。
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