記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2017年10月17日
外国人採用・雇用 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 ビザ(在留資格)について 外国人留学生の採用 グローバル経済厚生労働省の調査によると、平成29年の外国人労働者数は約130万人という結果がでています。これは、9年前の平成20年と比較すると、約3倍増加してしています。
また、2018年には外国人労働者の受け入れを拡大する方針が発表されました。この方針では、2025年までに50万人以上の外国人労働者を増やすことを目標としています。
外国人労働者のみでなく、政府は2020年までに留学生の人数を30万人まで増加させる取り組みも行っています。このような政府の方針により外国人労働者は、今後更に増えることが予想されます。
出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」
では、日本で就職している外国人の国籍の割合はどのようになっているのでしょうか?
日本で就職している外国人の中で一番多いのは中国国籍の人で、次いでベトナム、フィリピン、ブラジルとなっています。その中でも、ベトナム、ネパールの労働者の割合は、年々増加傾向にあります。
日本に来た外国人留学生の70%以上の学生が日本で就職を希望していることをご存知でしょうか?ここでは、外国人が挙げる日本で就職したい主な理由を紹介します。
昨今の風潮に日本=アニメ、「アニメ先進国」とも異名がつくほど日本のアニメーションは世界的に有名になりました。また、昔から人気のある世界的に有名なゲームなども日本で作られています。そのため、特に近隣のアジア圏からはこうしたアニメーションやゲームソフト制作に携わりたくて日本に来る外国人も増加しているのです。
それ以外にも、オリンピックを東京へ招致するために行われたプレゼンテーションで、滝川クリステルさんが言った日本の「Omotenashi(おもてなし)」の文化に魅了される外国人も多いようです。
日本文化に触れながら技術や知識を身につけたいという人たちが今後も増えることでしょう。
日本人もきっと実感をしている治安の良さについてですが、世界平和指数から統計的に見ると日本は世界で第9位にランクインしています。
東京のような人口が密集した地域で殺人や殺傷、スリや強盗などが頻繁に起こらないのは世界的に見ても珍しいことですし、夜の11時を過ぎても一人で出歩けるのも日本くらいでしょう。また、日本は、初めて来日する外国人が驚愕するほど清潔であると言われています。
日本には24時間営業しているコンビニエンスストアが無数にあります。コンビニエンスストアは、ほぼ何でも手に入るといえるほど便利です。また、電車やバスなどの公共機関や公共施設のサービスなど外国と比較すると洗練されているといえます。
留学生として日本に来て生活をはじめ、環境に慣れてくることで住み心地が良くなるのは当然のことです。日本語が十分に理解できるようになりコミュニケーションスキルも向上すると語学力を活かせる就職をしたいと思う衝動の現れでしょう。
日本全体も年々グローバル化へと進歩を続けているように思いますがいまだに語学力がほかの諸外国に比べて劣っているシビアな現状です。
その中で英語、もしくは母国語プラス日本語が話せる外国人というのは需要があり、就職に非常に有利であるため、日本で就職を望む外国人が多いようです。
多くの日本企業がグローバル化に伴って、海外に進出しています。日本企業が進出している国では日本語が話せ日本のビジネス文化に精通している外国人は重宝される人材となります。
母国で活躍できる人材になるために、日本企業に就職をしてスキルアップを図る外国人も多いようです。
日本製の製品は世界中に流通しているため、多くの外国人が日本の企業を身近に感じています。 また、日本企業には世界的に有名な企業が多くあります。そのような世界的に有名な日本企業に憧れて日本にくる外国人もいるほどです。
自動運転やロボティクス、ナノテクノロジーなどエンジニアリングの分野で日本は海外から頻繁に注目を浴びます。そういった最先端の技術を学びたいという外国人エンジニアが日本企業に就職を希望しています。
アジアの中で大卒の初任給を比較すると日本は3位となっています。また、平均収入で見ると日本はアジアの中で1位になります。世界のランキングでみてもトップ20に入るため、給料は比較的良いといえます。
さらに、日本企業の中には政府の政策「働き方改革」の推進を受けて長時間労働を削減するためにフレックスタイム制やプレミアムフライデーの活用や、在宅で業務をおこなうリモート勤務など好条件の労働環境を提示しています。
こういったメリットが外国人が日本で就職するという決断をする際に大きく影響している考えられます。
とくに海外からの留学生には日本では支援の一環としてインターン制度が整備されています。また会社に入社してからも外国人のための語学学習や、日本ビジネスのセミナーなどを提供して継続して学習できる企業もたくさんあり、スキルの向上に役に立ちます。
外国人は、日本で就職したいと考える一方で、日本で就職することについての不安も抱えています。
代表的なものは、日本文化と日本人の中での人間関係です。日本は海外のどの国と比較しても、独特の文化や習慣を持つといわれています。日本の独特な文化の中で特に外国人が苦しむのが、本音と建前の理解です。
日本で美徳とされているこういった独特な文化に魅了される外国人も少なくないですが、このような文化の大きな違いを感じる外国人は、外国人である自分が失礼のない振る舞いや言葉遣いができるか、プライベートや学校とは異なるビジネス環境で周りの人に馴染んでいけるかという心配は尽きないようです。
そういった外国人の悩みを雇用する企業側が理解し、入社後の教育やサポートを充実させていく必要性は高いでしょう。職場の中に不安や問題を解決できる風土をつくることも大切かもしれません。
JLPTでN1を持っていたり、日本に長く住んでいるからといって、外国人は日本語のネイティブスピーカーではありません。時には言語の壁にぶつかってしまうことがあります。
外国人が自分の言っていることが理解できないからといって叱るのではなく、お互いに意思疎通できるように工夫したり寛容な態度で接することが外国人従業員の定着率の向上につながるといえるでしょう。
就職活動の段階においては、自分が希望する職種に就けるかどうかに不安を抱いている外国人は多いようです。
日本で就職したいという気持ちが強くある半面、何らかの目的があって日本にきた外国人にとって自分が望む職種ではない職種に配属される心配というのは大きなストレスになるようです。
外国人が最も懸念することとして就労ビザの取得が挙げられます。就労ビザは、外国人が日本で就労する際に必要な資格です。就労ビザがなければ日本での就労は認められません。
この就労ビザは容易に取得できるものではなく、政府の厳しい審査に通ることで支給されます。就労ビザの審査では、従事する業務に関連する学歴、もしくは職歴があるかなどが見られます。
就労ビザには有効期限があるため、期限が切れる前に更新しなければなりません。この就労ビザの更新に失敗してしまうと、今まで築いてきた人間関係などすべて捨て、母国に帰らなければならなくなるため、外国人にとって就労ビザは一番の心配事といえるでしょう。
就労ビザの詳細については「日本で働く外国人の就労ビザ。種類と準備から申請までを一気に解決しよう」をご覧ください。
就労ビザの詳細については「日本で働く外国人の就労ビザ。種類と準備から申請までを一気に解決しよう」をご覧ください。
出典:経済産業省「外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査」
上のグラフは、外国人が希望する業種を専攻分野別に示しています。
文系の外国人は、商業・貿易を希望する人が多く、理系の外国人はIT・情報通信、製造業を希望する人が多いです。
理系の外国人の選ぶ業種は偏っている一方、文系の外国人は商業・貿易を除くとその回答は分散していることから、文系の外国人は多様な業種に興味を持っているということが分かります。
出典:経済産業省「外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査」
上のグラフは、外国人が就職する際に希望する職種を示しています。
文系の外国人は圧倒的に国際業務に就きたいと希望していて、これは語学力と国際性を生かした分野での活躍や母国にも進出をしている日本企業への就職も視野にいれての現れでしょう。
また理系では研究開発と設計・システム開発がトップを占めていて、ほぼ理系の学生はこの業種の職業につきたいと考えています。これは、語学力に加えて、自分の専門性を活かして就職したい外国人が多いためと考えられます。
出典:経済産業省「外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査」
上のグラフは、外国人が就職する際に希望する企業の規模です。
グラフから分かるように、ほとんどの外国人はグローバル事業を展開している大企業を望んでいることが分かります。
前半の外国人が日本で就職したい理由の中でお伝えしたように、語学力を活かせたり自国に進出している企業を選びたいという外国人が多いためと考えられます。
出典:経済産業省「外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査」
一つ前では、外国人が就職したい職種についてお伝えしましたが、ここでは実際に外国人が就職している職種についてお伝えします。
上のグラフで分かる通り、外国人が就職している職種で最も多いのが営業・販売となっています。多くの企業が外国人を海外との取引を行う営業・販売として採用するためと考えられます。
外国人が求人情報を見つける手段の一つとして、外国人向けの求人サイトがあります。日本語レベルが高い人は、日本人が使う求人サイトを利用する人もいますが、グローバル指向の外国人などは外国人向けのサイトを利用する人が多いようです。
外国人向けの求人に関しては「外国人向けの日本の求人を調べてみました」にまとまっているので、詳細に興味がある方ご覧ください。
国際的な求人情報が掲載されているFinancial TimesやInternational Herald Tribuneまた、日本の情報に特化しているJapan Timesなどの新聞に求人情報を掲載する企業があるため、外国人の中にはそこから求人情報を見つけ応募する人もいるようです。
日本で就職したい外国人が多くいる中、実際に就職できる外国人留学生は3割ほどしかいません。その原因として、企業側が求める日本語能力の高さがあげられます。 有能な外国人でも、日本語能力が足りず就職する際に日本語で実施される学力試験で落とされることが多いようです。
また、日本人には当たり前の就職活動という文化も、外国人にとっては未知なるものです。そのため、就職活動の仕方が分からず取り残されてしまう外国人も多いようです。 日本で働きたい外国人にとって、やはり言語や文化の壁は大きなものとなっているのが現状です。
日本に魅力を感じ、日本で就職したいという外国人は大勢います。その中で実際に日本で就職できる外国人は少ない現状となっています。その理由として、企業の外国人に求める日本語能力が高すぎることが挙げられます。
日本の少子高齢化や海外進出に伴い、今後多くの外国人人材が必要になると考えられているため、政府も外国人労働者の雇用を安定させるために永住権取得に要する期間を最低1年に短縮するほか、入管法を改正し、「介護」で在留資格を得ることができる新たな資格を増設しました。
こういった取り組みに加え、日本企業が外国人に求める日本語のハードルを下げ、外国人雇用が推進されることを望みたいものです。
既に外国人を積極的に採用している企業について興味がある方は「外国人を積極的に採用する企業。その理由と本音」をご覧ください。
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