保育士の外国人を採用するには【雇用条件や雇用するメリット等について徹底解説します】

記事更新日:2022年06月07日 初回公開日:2022年02月07日

外国人採用・雇用 採用・求人のトレンド 採用成功事例
厚生労働省の発表によると、平成26年の時点で日本に必要な保育士は、46万人だと言われています。ですが、実際に保育士として働いているのは40万人弱。深刻な保育士不足に頭を抱えているのが現状です。そんな中で、人手不足を補うために、外国人を保育士として雇う幼稚園や保育園が増えてきています。では、実際に外国人を保育士として雇用する際には、どのような知識が必要なのでしょうか。また、外国人保育士を雇う上でのメリットや、抑えておきたいポイントなどを詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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外国人が保育士になるには

保育士試験を受ける

外国人が日本で保育士として働くためには、まず試験を受けなければいけません。試験を受ける流れとしては保育士養成協議会に個別で連絡し、そのまま担当者と対話してもらい、出身国や年齢、学歴や卒業年度の確認などが口頭で行われます。約2週間ほどで、保育士試験に必要な書類などを送ってくれるシステムになっています。とはいえ、日本での保育士になりたいという外国人希望者はまだ少ないため、問合せ自体は年間数十件ほどだと言われています。

外国人保育士が必要とされる背景

保育士の人材不足が深刻化している

外国人保育士が必要とされている背景として考えられるのが、日本における保育士の不足です。ニュースなどでも取り上げられていますが、現代では父親だけでなく、母親も子供を保育園に預けて働くという夫婦共働きスタイルが一般的になってきました。ですが、働く母親人口が増える一方で保育園の数、保育士の数の不足が深刻化してきているのが現状です。そのため、外国人の保育士を雇い、保育園や幼稚園のグローバル化を目指すと同時に、人材不足も補おうと考えている保育園や幼稚園も少なくありません。

保育士に英語能力が求められている

在日外国人の増加が進むと同時に、2020年度以降は少学3年生から英語の必修化が実施されました。そのため、幼い頃から英語を習わせたいと思う親が増え、英語教育の低年齢化が進んでいると言われています。幼稚園や保育園でも英語の時間を設定しているところが増え始めているのをご存知でしょうか。このようなグローバル化の流れが加速すると同時に、保育士にも英語の能力が求められているのです。グローバル化の流れに乗るのであれば、外国人保育士を雇うのは得策とも言えそうです。

外国人保育士の雇用条件

保育士資格を保有している

外国人保育士を雇うためには、保育士資格を取得してもらう必要があります。あまり知られていないようですが、保育士試験の受験資格は、国籍問わず誰でも受験することができます。保育士養成校で保育士について学ぶことができますが、通学が難しい場合は通信で通ってもらうことも可能です。毎年開催されている保育士試験に合格することで、資格を取得することができるので、まずは受験資格の条件を満たした上で、保育士資格を所有してもらいましょう。

14年以上の学校教育を修了している

外国人保育士を雇用する際に最も大切なことは、外国の学校教育で14年間の課程を修了していることです。また、海外の大学を卒業している場合は、トランスクリプト(大学成績証明書)が必要になることもあるので注意してください。また、口頭で簡単な聞き取りが行われる際に、場合によっては学歴や卒業年度に関しての詳細を聞かれることもあります。外国人保育士を雇用する時は、どのような学校教育を受けてきたか、早い段階で確認しておくのがおすすめです。

外国人保育士への給与

正社員保育士の場合

外国人保育士を正社員として雇う場合の平均給与は、月19~26万円だと言われています。もちろん、保育園や幼稚園によってあまり差はあります。ただ、インターナショナルの保育士だと月25万円以上の給与を設定している場合もあるそうです。正社員の場合は、任務や責任等も多くなるため、外国人保育士のモチベーションが低下しないように慎重な給与設定が好ましいでしょう。相違がないよう、事前に本人の希望額を確認しておくこともおすすめです。

保育補助の場合

保育補助の場合は、平均的な給与はやはり少し下がり、月17~25万円くらいだと言われています。ただし、保育補助の仕事も、保育園や幼稚園によって様々ですので、一概にこの仕事量だからこの額で良いという決め方はできません。補助とは言え、外国人保育士の負担やできることなどを事前にしっかり確認した上で、給与を決めましょう。また、ビザなどの問題も配慮した上で、本当に保育補助で良いのかも初期の段階で見定めることが大切です。

外国人保育士を雇用するメリット

外国人の子供達との懸け橋になる

法務省の調査によると、2018年の在留外国人数は、過去最多の約260万人となっています。もちろんこの中には、外国から子供を連れて日本に住んでいる方もたくさんいます。しかし実際問題、外国人の子供とスムーズに英語を話せる保育士が、日本ではまだ少ないのが現状です。そんな中、外国人保育士が保育園や幼稚園に常駐していれば、外国人の子供たちとの架け橋になってくれることが期待できます。子供にとって言語はとても大きな壁にもなるので、同じ言語が通じる保育士さんは、とても心強い存在となってくれるでしょう。

外国人の保護者への対応が出来る

外国人保育士が保育園や幼稚園にいる場合、外国語しか話せない保護者への対応がスムーズになります。子供を預ける保護者にとって、保育士とのコミュニケーションは欠かせないもの。保護者が外国語しか話せないにも関わらず、保育士に外国人が居ない場合、保育士に聞きたい子供の様子や、季節のイベントなどについても諦めざるを得ません。ですが、そんな時一人でも外国人保育士がいれば、外国人の保護者とも円滑なやりとりが期待できます。

多様な文化に触れる機会を提供できる

今後さらにグローバル化が進む一方で、保育園や幼稚園側も、多種多様な宗教や文化に触れる機会が増えることが想定されます。外国人保育士を雇用することで、外国人の子供たちの受け入れが進めば、日本人の子供たちにとっても、幼い頃から異文化と触れ合える貴重な経験となります。日本人の保育士のみを雇用し、日本人の園児達のみを受け入れている園よりも、様々な文化に配慮した新しいカリキュラムを設定できるというメリットも、期待できるでしょう。

外国語教育に力を入れる事が出来る

一昔前とは違って、今では子供に習わせたい習い事の上位には、常に「英会話」「英語教育」がランクインしています。外国人保育士を雇うことで、外国語教育に力を入れることができるという大きなメリットがあります。また、園児にとってはもちろん、外国人保育士にとっても、英会話などのカリキュラムがあることで、モチベーション維持にも繋がりやすいでしょう。まだ外国人保育士を雇用する園が少ないからこそ、早いうちから外国語教育にもフォーカスしているというアピールポイントにもなります。

外国人保育士を雇用するデメリット

日本人保育士や園児とコミュニケーションがうまく取れない時がある

外国人保育士を雇う上で、細心の配慮をしなければならないのが、日本人保育士や園児たちとのコミュニケーションです。文化が全く違う国で育っているので、「当たり前」と思っている価値観のズレなどにも注意が必要です。コミュニケーションの相違は、互いにとってとても大きな精神的ストレスになりかねないので、細やかなケアが必要でしょう。雇用してからこのような言語問題に直面しないためにも、外国人保育士を雇用する際には、どれくらい日本語を理解しているのかしっかり打診することが大切です。

外国人が保育士として働く際に必要な就労ビザ

特定活動46号ビザ

「日本にある4年制大学を卒業し、学士学位を取得している」、「日本語能力試験N1に合格していること」という2つの条件を満たしていれば、特定活動46号ビザに該当します。さらにこのビザは、「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」であることが必要です。まずは、外国人の応募者が自社で就労可能であることを調査し、予測した上で内定を出し、ビザ取得の手続きに進むようにしてください。もしわからないことがある場合は、ビザ専門の行政書士に相談するのがおすすめです。

特定活動46号ビザが不要な場合

0~2歳児だけが対象の業務を行う

特定活動46号ビザが不要な場合もあります。その条件としては、まだ言語がままならない0歳児から2歳児のみが対象の業務を行う場合です。ですので、万が一雇用しようとしている応募者のビザが取得できないとなった場合、この条件に当てはまる働き方であれば、雇用することが可能ということになります。ただし、雇用しようとしている外国人が、乳児の扱いに慣れているか、必ず事前に確認しましょう。ベビーシッターなどの経験が全くない場合は、事故やトラブルになりやすいという危険性があるからです。

園内が英語限定のインターナショナルプリスクールで働く場合

また、園内英語限定のインターナショナルプリスクールも、特定活動46号ビザは不要とされています。日本語でのコミュニケーションが一般的な保育園や幼稚園と違って、日常会話の中で実際に使われる日本語が少ないとみなされるためです。このようなインターナショナルプリスクールの場合は、外国人保育士も一般的な保育園や幼稚園よりも、言語のハードルが下がるため、雇用しやすいというメリットもあります。また、保護者も英語に興味がある人が多く、特に外国人保育士は重宝される傾向にあるのです。

外国人保育士を雇用する際の2つのポイント

ビザを確認する

外国人保育士を雇用する上で大事なポイントが2つあるので、しっかり抑えてから外国人保育士の雇用を検討しましょう。まずは、ビザが取得可能な条件が揃っているかどうかが大切です。注意したいのが、あくまで「内定」してから初めてビザ取得の要請ができるという点です。この順番を間違えてしまうとビザの取得はできなくなってしまうので、外国人の雇用を決める際は事前にしっかりリサーチすることが大切です。不安な点は専門の行政書士に相談し、早期に解決するようにしましょう。

働きやすい環境を作る

まだ外国人保育士を雇用する保育園や幼稚園は少なく、そのため応募者側もかなりの不安や疑問を抱いている可能性が高いと言えます。雇用する側が外国人保育士希望の方に対して、いかに働きやすい環境であるかを可視化しておくことで、言語や文化などから生じる不安も、徐々に解消されるはずです。また、園自体の時間割やイベントなどを少しずつでもグローバル化していくことで、園児たちの英語力発達はもちろん、外国人保育士にとってとても良いモチベーションになるでしょう。

まとめ

外国人の保育士を雇用してグローバル化を図りましょう

保育士不足の深刻化をどうにかせき止めるという意味でも、外国人保育士を雇用するメリットはたくさんあるのではないでしょうか。何より、これからさらにグローバル化が進むと言われている現代社会。保育園や幼稚園も外国人保育士を雇用することで、少しずつ国際色を濃くしていくことが重要になってくるのは確実と言えそうです。日本人以外の人材を雇用するにあたって、様々な壁があるかもしれませんが、ぜひこの記事を参考にしながら、改めて外国人保育士の雇用を検討してみてはいかがでしょうか。

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