トランザクティブメモリーとは【メリットやデメリット、企業事例について解説します】

記事更新日:2024年12月18日 初回公開日:2024年12月18日

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働き方改革や仕事の効率化など近年ではいかに効率的に人が動けるかが注目されるようになりました。その主な理由として、日本の人口が減っていることが挙げられるでしょう。人手不足が顕著に出始めている中で、いかにして企業の成果を上げていくかが重要視されるようになりました。今回ご紹介する記事は、その仕事や会社組織をよくしていくための手段の1つです。「トランザクティブメモリー」について解説します。組織がどうあるべきなのか、どのように情報を共有するのかを中心にご紹介します。経営層の方は是非ご一読ください。

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トランザクティブメモリーとは

組織内で誰が知っているかを把握すること

トランザクティブメモリーとは、日本語では「交換記憶」「対人交流的記憶」「越境する記憶」などと訳される心理学の概念です。アメリカハーバード大学の社会心理学者のダニエル・ウェグナ―が提唱しました。このが概念は、組織全体が同じ知識を記憶することではなく、組織内で誰が何を知っているかを把握することが重要であるというものです。英語でいうと、組織の各メンバーがWhatよりWho knows Whatを重視しすることを意味します。

組織内状況共有との違い

トランザクティブメモリーに似た概念として、組織内状況共有があります。トランザクティブメモリーが、誰が何を知っているかを共有している状態に対して、組織内の状況共有は全員が同一の情報を知っている状態を指します。組織はその規模が大きくなるにつれて情報量が膨大となります。従って、トランザクティブメモリーとして他の部署が常に情報の居場所を把握しておくことが重要なのです。

トランザクティブメモリーが必要とされる背景

業務効率化が必要とされている

トランザクティブメモリーが必要とされている背景として、業務の効率化が必要とされていることが挙げられます。長年の研究の後、トランザクティブメモリーは組織のパフォーマンスが向上することが実証されてきました。必要な情報の場所や誰が持っているのかを把握することで、業務情の不明点があってもすぐに情報を得られ業務を効率的に取り組めます。近年ではDX化や働き方改革に伴い業務の効率化が注目されるようになっており、その影響でトランザクティブメモリーも必要とされています。

トランザクティブメモリーのメリット

組織力が強化される

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トランザクティブメモリーのメリットとして、組織力が強化されることが挙げられます。トランザクティブメモリーを導入することにより、企業の財産である情報を上手く活用することができます。情報の活用によって組織内での綿密な連携が可能になります。例えば、ある部署が不足しているノウハウについて簡単にその方法にアクセスすることで解決され、迅速な業務の遂行が可能になります。これにより企業収益を効率的に向上することができます。

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業務効率化ができる

トランザクティブメモリーのメリットとして、業務効率化が可能になることが挙げられます。情報は企業の財産の1つです。企業という組織において財産である情報を効率的に管理や活用することは極めて重要です。トランザクティブメモリーにより既存の情報共有システムを改善することで、大幅な業務効率化を実現することができるでしょう。業務効率化が促進されることで社員が働きやすい職場を作ることや会社の魅力の向上につながります。

従業員の負担が減る

トランザクティブメモリーのメリットとして、従業員の負担が減ることが挙げられます。会社の規模が大きければ大きいほど抱えている情報量は膨大です。それに対して従業員1人が持つことのできる量は限定的です。トランザクティブメモリーの導入によって持っておくべき情報量を減少させることができます。なぜなら、トランザクティブメモリーの考え方では、情報の全てを全員が持っている必要はなく、アクセスすべき場所が分かれば良いためです。これにより従業員の負担を減らすことができます。

従業員の専門性が上がる

トランザクティブメモリーのメリットとして、従業員の専門性が上がることが挙げられます。トランザクティブメモリーの考え方では、個々の持つ情報は限られるため、個々は専門性の高い情報だけを蓄積していくことができます。具体的には、個々の専門性を活かした情報管理を行うことそれぞれの専門性に応じた従業員から情報を取得することが予想されます。専門分野ごと情報が集約されることで、より専門性の高い人材を育成できます。

トランザクティブメモリーのデメリット

情報共有システムを作る必要がある

トランザクティブメモリーのデメリットとして、情報共有システムを作る必要があることが挙げられます。トランザクティブメモリーを社内に導入するためには、システムを構築することがは不可欠です。誰がどのような情報を保持しているかひと目でわかる情報共有システムが必要です。それがなければ、効果的にトランザクティブメモリーを活用することは難しいでしょう。情報共有システムは自社で構築することやツールを導入するという2つの方法があります。

トランザクティブメモリーを高める方法

組織風土を見直す

トランザクティブメモリーを高める方法として、組織風土を見直すことが挙げられます。先述の通り、トランザクティブメモリーは情報の場所を把握した上で情報を共有することです。これを円滑に行うためには、組織内の風土が共有をしやすいような雰囲気かどうかが重要になります。従業員同士が交流しやすい風土が必要でしょう。もし現段階において交流しにくい風土があるのであれば、改善していく必要があります。

コミュニケーションの機会を設ける

トランザクティブメモリーを高める方法として、コミュニケーションの機会を設けることが挙げられます。組織風土によって交流をしやすい場が設けられているかも重要ですが、実際にコミュニケーションが行われる場を提供することでよりトランザクティブメモリーを高めることができます。具体的には、お昼休憩での交流会の実施や社内イベントなどの他部署間での交流があげられます。他にも、定期的に上司との面談があることなども効果的でしょう。

対話を重視する

トランザクティブメモリーを高める方法として、対話を重視することが挙げられます。社内での情報を円滑に共有するためには、従業員同士がお互いを認識していることが重要です。そのために、例えば職場の中であいさつが活発である雰囲気を作り出すことや誰もがコンタクトを取りやすいシステムを作ることが重要でしょう。開かれた環境の中でそれぞれがコミュニケーションを取ることが重要でしょう。

ビジネスツールを活用する

トランザクティブメモリーを高める方法として、ビジネスツールを活用することが挙げられます。ChartworkやTeamsなどのビジネス用のコミュニケーションツールにはトランザクティブメモリーを効果的に実施する機能が備わっています。トランザクティブメモリーについてのノウハウがなくても、ビジネスツールの活用によってスムーズ導入することができます。サービスによって料金体系や強みが異なるので、それぞれのサービスを比較検討し導入を検討するのが良いでしょう。

トランザクティブメモリーの企業事例

NTTデータ

トランザクティブメモリーの企業事例として、NTTデータが挙げられます。NTTデータでは、SNSツールを導入したコミュニケーションプラットフォーム「Nexti」を導入しています。社風としてトップダウンの社風の排除や社員の積極性を重視しているNTTデータは、Nextiの活用によってスムーズに情報を持っている人にアクセスできる知識流通を実現しました。これによりオフ会やイベントなど社内で活発な活動が行われているようです。

オリックス

トランザクティブメモリーの企業事例として、オリックスが挙げられます。オリックス株式会社は、オリックスグループ内で異動を希望する人に対して支援を行なっています。具体的には、異動希望部署と直に面談できるキャリアチャレンジ制度や異動希望部署に5日間の社内インターンシップができる制度があります。積極的な異動を推進することで、社内でのより広い人間関係の構築や困った時に相談できる人を多く持つことが可能になりました。トランザクティブメモリーが基礎にあるシステムと言えます。

パルコ

トランザクティブメモリーの企業事例として、パルコが挙げられます。株式会社パルコは、人的資産に告知できるイベント機能や副業案件募集などのプロジェクト機能を持ったTeamlancerエンタープライズを導入しています。その目的は、社内でのコミュニケーションを積極的に行えるようにすることです。それによってトランザクティブメモリーを実行しやすくすることができます。このシステム導入によって、グループ間での情報交換の活性化や部門や会社の垣根を超えた人間関係の構築が実現しました。

損害保険ジャパン日本興亜

トランザクティブメモリーの企業事例として、損害保険ジャパン日本興亜が挙げられます。損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、2つのトランザクティブメモリーのための取り組みを行なっています。1つ目は、リアルタイムで必要な情報にアクセスできる企業情報ポータルの「損保ジャパンの窓」の構築です。もう1つは、オープンコミュニケーション場として、Q&Aコミュニティ、ブログ、ノウフーなどのコミュニティツールの導入です。これらによって社内でのコミュニケーションの活発化に成功しました。

トランザクティブメモリーの注意点

ツールの利用を社内に浸透させる

トランザクティブメモリーの注意点として、ツールの利用を社内に浸透させることが挙げられます。ツールの浸透のためにはまずツールが社員全員にとって使いやすいものである必要があります。例えば、ユーザインタフェースがしっかり作りこまれていることやログインのシステムが過剰ではないかなどの可用性の観点が重要です。同時に、セキュリティ面で不安がないかをチェックすることもツールを選ぶ際には重要です。

まとめ

トランザクティブメモリーを理解し活用を検討しよう

これまでご紹介してきたように、トランザクティブメモリーは社内の情報共有において重要な考え方です。これによって組織力の強化や業務効率化、従業員の専門性の向上などにつながります。また。これを実現するためには数多くの便利なサービスがあります。システムを選ぶ際には、その安全性やコスト、可用性に着目して選ぶことをお勧めします。導入にあたってはご紹介したような企業の成功事例を良く調べて頂き参考にすると良いでしょう。最後までお読みいただきありがとうございます。

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