自社の組織風土を分析するには【注意点やメリットをご紹介します】

記事更新日:2021年03月25日 初回公開日:2021年03月24日

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貴社にはどのような「組織風土」があるでしょうか。組織風土とは企業の組織が持つ価値観を指す言葉で、どの企業にも存在しているものです。また、企業の業績にも直結する非常に大切な価値観でもあります。ここでは組織風土の持つ意味合いや、「社風」や「組織文化」などの類似した言葉との違い、組織風土を構成する要素や活用のメリット、デメリットについて解説していきます。自社での組織風土の活用をした職場環境の改善を考えている方や、業績アップのための組織風土改革を検討している方に、ぜひ読んでいただきたい記事です。

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組織風土とは

組織内で共通認識されている独自のルールや価値観

組織風土とは、その組織において全員が共通の認識として持っている、独自のルールや価値観です。その組織に属している人が明確に感じる表面化した価値観を指しており、組織の「性格」と捉えるのがわかりやすいでしょう。組織で活動する際の意志決定、発言や行動にも大きな影響を与えるものです。組織風土はこれまでの取り組みや会社の伝統、在籍した社員の思想や行動の積み重ねで成立しているものが多く、変えるのは容易ではないと言われています。一つの会社にも、組織やチームごとに複数存在します。

組織風土と社風の違い

社風は文化や価値観によって生まれる会社の雰囲気や空気感

組織風土と似た言葉に、「社風」があります。この「社風」は、社員が感じる組織の考え方や雰囲気のことで、組織風土を反映してできているものです。「社員同士の仲が良い」や「雰囲気が明るい」などが該当します。しかし、社風には良いものばかりではなく、「上限関係が厳しい」「いつも雰囲気がぴりぴりしている」なども含まれます。社風は、組織の性格、性質と価値からできた会社の「人柄」と表現するのがわかりやすいでしょう。

組織風土と組織文化の違い

組織文化の方が組織風土よりも変化しやすい

また、「組織文化」は企業文化とも言われ、従業員の間での共通の価値観や信念を意味している言葉です。例えば、その組織が「トップダウンなのか、ボトムアップなのか」や、「個人主義か、チームワーク主義か」といった面がそれに該当します。「組織文化」は「組織風土」に比べて変化しやすいのが特徴です。組織風土が自然発生した独自の価値観を意味するのに対し、「組織文化」は時代を反映する創造的な「価値観」です。他社や市場の影響を受け、少しずつ変化していくことが考えられます。

組織風土の主な構成要素

ハード面

企業理念・経営方針

組織風土を構成している要素の中で、目に見えるもののことを「ハード要素」と言います。ハード要素は組織内で誰にでもわかるように明文化したルールのことで、組織の側から従業員へ、主体的に実行可能なものです。例えば、企業理念や経営方針にしたがって下される意思決定は、社員の考え方や行動、モチベーションに直接影響を与えます。その中で、自分は何をするべきかを自発的に考えさせるきっかけとなるでしょう。コンプライアンスやマネジメントについても組織風土のハード面に含まれます。

人事・評価制度

何を評価の重点項目とするかによって社員に大きな影響を与えるのが人事評価です。人事評価では、一般的には個人の成果や能力、知識や考え方を評価項目としますが、どれを重視するかによって組織風土は大きく変わっていくと考えられています。成果を重視する企業では短期指向の組織になりやすいのに対し、能力、知識を重視する企業では長期指向となりやすい傾向です。また、評価方式が加点か減点かも、社員がチャレンジできる風土となるかどうかを左右します。

業務プロセス・内容

安定的に予算が付く官公庁からの受注をメインとする組織や、自分たちで変えられない予算を中心に動くことを余儀なくされる組織では、与えられた作業をこなすだけになりがちです。しかし、自分たちの努力によって業績を良くできる組織は逆に進歩的と言えるでしょう。また、従業員への責任や権限の与え方によって、組織は大きく変革します。トップダウン方式を採用している場合は、下部の意見を吸い上げられないため意見交換も活発化が望めません。

人間関係・信頼関係

一方で、暗黙の了解や個人の行動様式、見ることのできない組織風土の構成要素を「ソフト面」と表現します。人間関係や組織内の信頼関係は点数で評価できませんが、従業員のメンタルに大きな影響を及ぼす大切な要素です。役職に関係なくコミュニケーションがとれているか、指示に従うだけではなく自発的に行動できる組織か、活発な意見交換を行える組織かなどが該当します。「感情」というコントロールが難しい要素が深く関わっている点でも重要と言えるでしょう。

チームワーク

チームワークも組織風土のひとつです。一般的に、明るく活気があり、社員同士の協力関係ができている組織は成果への意識が高いと言われています。のびのびと自由に仕事に取り組み、充実感のもとに人が育つ傾向です。それに対して職場がどんよりとしている、ミスを人のせいにする、情報の伝達が遅い職場は、成果への意識が低いと考えられています。相談できる相手がいるかどうかも、従業員の満足度や成長に大きな影響を及ぼします。

個人のモチベーション

成果を第一とする組織では、個人に対してノルマを課していることも多く、社員はノルマ達成のために必死になって仕事をします。そのため、数字につながる顧客には手厚く、そうでない顧客をぞんざいに扱うなどの傾向が見られる場合もあるようです。逆に、顧客を第一に考える企業では、新規開拓と同様に既存顧客へのサポートを重視します。目標も個人ではなくチームごとに与えるなど、結束力が強まる仕組みを採用していることが特徴です。こうした仕事の割り振りも、個人のモチベーションに大きく影響します。

組織風土を活用するメリット

組織の方向性やビジョンが明確になる

企業風土を活用することで、組織の方向性やビジョンを明確にできます。組織の目指しているビジョンを明文化することで、従業員のひとりひとりが理解し共有できるというメリットは大きいでしょう。その結果、意思決定もしやすく、組織にも一体感が生まれる環境に変化します。また、あらかじめ組織の価値観がわかっていることで、自分の振る舞いや会社への貢献の仕方について自発的に考えられる社員が増加を期待できるのも良い点です。生産性の向上や業績の向上に繋がり、モチベーションの高い人材を育成することができると考えられています。

従業員が働きやすい環境になる

また、組織の方向性を明確に共有できることから、従業員が働きやすい職場環境になることが期待できます。従業員同士の人間関係も良好になり職場環境も改善されれば、従業員が組織や仕事を好きになり、組織の活性化も見込めます。また、組織風土を理解し行動できる従業員は、愛社精神が高いと言われています。会社を好きであることから、労働生産性や、離職率の低下にもつながり、長期的な安定を目指せるでしょう。そうした成果を採用時にもアピールすることで、魅力的な人材の確保に近づくことも可能です。

組織風土を活用するデメリット

新しいアイディアが生まれにくくなる

半面、企業風土を活用することでデメリットが生じる場合もあります。思考パターンが限られてしまい、新しいアイディアが生まれにくくなってしまうこともその一例です。また、既存の概念が組織に浸透し刷り込まれている環境に、自らのアイディアを検討材料として持ち込むのは、特に若手の社員にとってはたやすいことではありません。提案できた場合でも、組織全体の考えと合わないものであれば、採用はされないでしょう。こうしたことを経験し、次のアイディアは生まれにくくなります。

組織改革をしづらい

また、既存の組織風土を活用しようとすると、これまでの考えや価値観に縛られ、組織の改編に取り組みにくい傾向があります。その結果、組織風土になじめない人を排除することも考えられるでしょう。そうした排他性が目立つと、外部からも近寄りがたい印象の組織となって、悪循環が起きてしまいます。人材の多様化や、従業員の労働や雇用環境の変化などで、社会は変容を続けています。これまでの価値観ではなく改めて共通の価値観を浸透させる必要も視野に入れる検討が必要です。

組織風土を分析する際の注意点

組織風土の洗い出しは時間がかかる

組織風土の分析をする場合は、長い時間がかかるものと考えた方が良いでしょう。組織風土は、現在の組織の仕組みを作る上でも、非常に大きな影響を与えています。そのため、自社の組織風土がどのようなものであるかを十分に理解しておかなければなりません。不十分であると、分析はおろか活用もままならず、崩壊させてしまう可能性もあります。組織風土の理解のためには、時間が必要です。また、組織風土とは企業に長く根付いたものであることから、簡単に変えることは難しいと考えられます。

社内でも部署やチームごとに組織風土がある

組織風土は、部署やチームごとでも異なり、それぞれの形で存在します。例えば同じ会社の中でも、企画部と企画部では異なった企業風土が存在することもごく一般的です。また、同じ部の中でさえも、務めるリーダーが若手社員の場合と熟練社員の場合では、それぞれ風土が異なることも決して珍しくはありません。このように、組織の数以上に組織風土は存在すると考えられるため、洗い出しがとても難しいのです。すべての洗い出しや可視化には相当の時間がかかると考えられます。

組織風土改革の事例

日本航空株式会社

戦後の航空業界をけん引してきた日本航空株式会社は、2010年に会社更生法を申請し、会部から招聘した経営者により再生しを図りました。その経営者となった京セラ創始者の稲盛氏は、同社の組織風土としての「採算意識の欠如」と「縦割りの組織からくる意識」を指摘しています。そこでリーダー層の意識を変える「リーダー教育」や、経営法「アメーバ経営」の伝授を積極的に行いました。立て直し時期のさなかに負担を強いられ不満の声も上がりましたが、プログラムを修了したリーダーたちが内容に納得し次の世代にも聞かせたいと考えるなど、意識改革が進んだのです。その後、同社の商品・サービスに携わる従業員全員が持つべき意識、価値観、考え方を浸透させる活動「JALフィロソフィ教育」を実施しました。

オリンパス株式会社

オリンパス株式会社は、医療や化学の分野のトップ企業です。しかし2011年の粉飾決算の不祥事を機に、翌年から新体制で再スタートを試みることになります。同社では経営方針の見直しの際に、事件後特に低下している経営陣への信頼感や従業員の活力に注目しました。組織風土に起因すると仮説を立て、5つの課題として「経営トップのコミュニケーション不足」「上位方針の展開とPDCAの不徹底」「人と組織を束ねるマネジメントの弱体化」「現場活力の減退」「個別最適化の加速」を挙げています。分析結果、「経営トップ・コミュニケーション強化」や「マネジメント支援・強化」「職場活性化」を取り組みテーマとしました。部門を超えて絆を作るための社内イベントを開催するなど、積極的に改善に取り組んだのです。

まとめ

良い組織風土で社員が働きやすい環境を作りましょう

良い組織風土の企業で働くことは、従業員のモチベーションを向上させ、業績にもつながっていきます。良い組織風土を築くためには、会社としての理念やビジョンを全体に対して明確にしておくことが大切です。また、人事評価の重点のバランスや業務の周知も重要な位置を占めるでしょう。そして、風通し良くコミュニケーションを取りやすい職場にすることや、組織で協力して仕事をができるよう改善するなども重要です。従業員が働きやすく、安心して働いてもらえる強い組織風土づくりを目指すことが望まれます。

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