記事更新日:2022年05月19日 | 初回公開日:2022年05月18日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報スタートアップ企業において最も重要なのは、組織作りです。数名から始まって数十名・数百名と拡大していく中でどのようにして組織作りを行っていくのかが重要となります。人事という明確な役職がなくてもそれに関する業務を行なっている人材が社内にいて、チーム内の相談役や連絡役として役割を果たしているはずです。人事に関する問題を解決するだけではなく、チームからのフィードバックにより社内の状況を把握する為の人材を配置することが重要とされます。
一定の期間を定めて従業員の行動や成果を評価するための仕組みを、評価制度といいます。評価制度は評価の項目や基準を明確化することによって、成果を出すための指標として導入される制度です。結果は等級や報酬に反映され、等級が変わるのにともなって評価の項目なども変化していきます。評価制度で被評価者が不公平さを感じないようにするためには、しっかりとしたフィードバックが大切です。従業員の納得感や達成感の為にも明確で公平な評価制度を採り入れる必要があります。
給与や賞与というような報酬の仕組みを定めているものを、報酬制度と言います。給与は等級によって一定の幅(上限と下限)が決められており、評価により等級内の幅内で昇給や賞与が決まるシステムになっています。報酬制度において重要な点は、何を給与・手当・SO・賞与にするのかという配分です。配分の内容によって、企業がが何に重きを置いているのかが表されているといわれています。報酬制度は様々ですが、明確かつ公平なものである必要があります。報酬制度の整備によってIPOの労務リスクが左右される為、整備は必須といえます。
人事制度を確立するためには、公平性を持たせることが大切です。制度の公平性とは、全ての社員に同じ評価基準を設定するということではありません。役員や役割に応じた平等な評価項目の設定が必要となり、目標設定や評価方法には適切な基準が定められていなければなりません。公平性が保たれていない人事制度では、社員のモチベーションを維持することが困難になります。公平性を保つためには主観が介在しない評価業務を遂行し、全ての評価者が目線を合わせる必要があります。
スタートアップにおいて人事制度を確立するためには、制度を明確に示すことが重要です。企業が成長期に入り、従業員や評価者が増えているときは制度や評価基準が曖昧になってしまいがちです。すでに従業員から人事制度に対して明確ではないため抵抗が起きている場合や、離職者が増えているなどの問題が発生している場合も制度を明示することは大切です。評価の基準が不明確という理由や、人事評価の結果が給与や待遇にどのように反映されているか不明という理由から人事制度に不満を持つ人は少なくありません。離職理由にしないためにも制度を明確に示す必要があります。
スタートアップの人事制度においては、適切なフィードバックを行うことも大切です。人事評価制度を運用する際には、従業員の評価を決めただけで終わってはいけません。フィードバックを行うことによって従業員は評価結果に納得することができ、課題を今後の成長に繋げられます。フィードバックを行うときには、判断の根拠となった具体的な事例を提示することが重要です。業務が忙しくフィードバックに時間が割かれていないこともあるため、適切に実施されているか従業員に確かめることも大切です。
人手不足が起きやすいのは、スタートアップの人事が慢性的に抱えている課題です。絶対数が少ないエンジニアだけではなく、最も不足していると考えられているのがコーポレート(管理)系の人材です。管理系には人手を割かなくてもいいと考えているスタートアップ企業もありますが、意思決定の場においてデメリットが発生することがあります。法務や人事総務という細かい担当が整備されていない状態で企業が成長してトラブルが発生した時に初めて人材採用を行い、適切な人材が見つからないという状況に陥ります。
開発などにコストがかかり、人事に使える予算が十分にないということもスタートアップ人事における課題としてあげられます。金銭的なコストだけではなく、スタートアップでは兼任人事の方も多いため、採用工数を割く事も難しいという企業も多いのではないでしょうか。限られた人員や予算の中で自社が求める人材を採用するためには、他社とは違った工夫をして採用活動を行う必要があります。自社にあった採用戦略を社員一丸で考えることが大切です。
採用に関するノウハウが少ないということも、スタートアップ人事における課題と言えます。人材を採用するためには採用設計や選考・採用後フォローなどが必要になりますが、立ち上げたばかりの企業には確定されているものはなく一から作り上げる必要があります。多くの企業ではこれまでの採用実績などを元にして採用活動のノウハウを蓄積しており、選考プロセスなども設計しています。スタートアップでは新しい企業の為、採用実績は少ないという企業が殆どです。
欲しい人材を確保できないことも、スタートアップの人事における課題です。スタートアップ企業は大企業に比べると知名度や実績などは低いことが多いため、求人を出しても求めている人材をすぐに集められるとは限りません。ダイレクトリテーリングの自社運用がうまくいっていない、時間をかけて採用戦略を立てられていないといったことも理由として挙げられています。理想の人材に注目してもらうためには、自社のブランディングを明確に伝え興味を持ってもらうことが大切です。
スタートアップの人事におけるポイントとして、人事部に適した人材を配置することがあげられます。人事部は決められた業務を決められたように正確にこなす受け身の事務処理部門ではなく、ビジネスの成長や拡大に影響を及ぼし収益に貢献できる部門である必要があります。人事部が経営者にとって重要な右腕となり、意思決定に影響を与えるパートナーにならなければいけません。その為にもスタートアップ企業の人事部には兼任等ではなく専任として人事部に人材を配置する必要があります。
スタートアップの人事におけるポイントとして、採用戦略を入念に練る事も大切です。人材集めに苦労している場合は、欲しい人材像に合わせた採用戦略を練り採用活動を行っていく必要があります。どのポジションに対してどのくらいの人数が必要なのか等策定し、採用手法などを決めているようにすべきです。ここでよく問題点として上がってくるのが採用したい人物像に対して、採用手法がずれてしまうということです。採用媒体によっては得意な業種や職種などがある為、それを把握しないままに掲載してしまうと非効率な採用活動をすることになります。
スタートアップの人事におけるポイントとして、新卒採用を行うこともあげられます。スタートアップでは新卒を取るには早いと考えているかもしれません。新卒採用を行うメリットは企業文化の醸成・組織の活性化・組織の見直しを行えることです。入社時だけを考えるとデメリットが大きそうですが、新卒で入社した人材が成長すればするほど、企業色の濃い管理者が出来上がります。育成も必要になってくるため、社内全体どうやって一人前のプレイヤーにしていくかを考えることによりマネジメントなどの観点も生まれます。
スタートアップの人事におけるポイントとして、リファラル採用を活用するということがあげられます。リファラル採用とは、既に自社で働いている社員の人脈を活用して企業のニーズにあった人材を紹介してもらう採用活動です。リファラル採用を行うことで潜在層にアプローチを行うことが出来るだけではなく、お互いにミスマッチを防げるため定着率の向上も図ることが出来ます。また人材を紹介してもらうため採用コストをあまりかけずに行うこともメリットの一つです。自社に推薦できるだけの魅力があるのかといったことや紹介できないネックは何なのかなど、組織の経営課題を炙り出すこともできます。
人事サービスを利用するのも、スタートアップにおける人事の負担を減らすのに効果的でしょう。人事サービスは社内にメンバーをまとめる管理職やバックオフィス業務を担う人材がまだ整っていない企業において、組織を支える機能を果たします。兼任の人事1人で業務を担っていると、業務量が多く採用に十分な時間を割くことが難しくなり採用活動にも限界が生じます。その際人事サービスを利用し面接以外の採用業務を依頼し、求人媒体などの提案を受けることで選考のスピードが上がり採用業務を円滑に運用することが可能です。
スタートアップの人事において、企業のビジョンを明確にしておくことはとても大切です。スタートアップにとっては、何処を目指すのかというゴールを設定することはとても重要です。成功を収めている企業には確固たるビジョンやミッション・バリューが存在しそれらはキャッチコピー等によってうまくまとめられています。設立年数が短いスタートアップ企業にとってもビジョンの明確化は重要視されています。どこを目指しているのかというゴールを設定することこそ会社や事業の長期的な命運を定めます。方針などに迷った際に向かうべき道を示してくれるのがビジョンなのです。
スタートアップの人事においては、より具体的なペルソナ設計を行うことが重要とされています。ペルソナとは自社商品やサービスの架空のユーザーを指し、職業や家族構成など詳しく具体化していきます。ペルソナを設計する理由としては、ユーザー目線に立ちやすくなり企業側の主観排除が可能になるということが挙げられます。またサービスの使用者について共通認識を持てるということもメリットです。ペルソナをしっかりと決めていることで、ユーザーの具体的な生活シーンが想像でき、ニーズを導き出すことが可能になります。その結果としてユーザーの興味により深く刺さる商品やサービスの提供を行えます。
スタートアップの人事において、必要に応じて新たなポジションを設けるということも人事業務を円滑に進めるための方法です。ポジションに人を置いていくというのが一般的ですが、既存のポジションに限らずどんな仕事が向いているのかを考え担当業務を決めます。必要な場合には、社員の特徴や強み・弱みに応じて新しいポジションを設けましょう。既存のポジションにとらわれず、その人に合ったポジションを設けることでそれぞれの強みを活かして仕事を行うことが出来ます。自分に合ったポジションを与えられることで能力を発揮できるため、組織の成長にもいい影響を与えます。
スタートアップの人事における課題と、解決するためのポイントについて解説しました。スタートアップ企業は創立から間もないため、するべきことが山積みになっています。人事人材の採用や人事制度について後回しにしてしまう企業の方も多いはずです。すべきことは山積みですが、先々の企業の成長のためには制度設備などはとても大切です。スタートアップ企業にとって、組織作りは今後の企業の成長を左右するうえで特に重要となります。組織を作るための基盤として人事制度の整備はとても大切なので、スタートアップ企業では人事制度をぜひ見直してみてください。
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