リテンションマネジメントとは【成功させるポイントについてお伝えします】

記事更新日:2023年04月11日 初回公開日:2023年04月11日

用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報
労働人口減少・人材の流動化が進んでいる中で、既に働いてくれている従業員にいかに長く働いて貰える環境を企業が提供できるかが重要になってきています。離職率を減らし、従業員の帰属意識を高めることが出来れば企業にとって様々なメリットがあります。従業員が働きやすい環境づくりを行う為に、リテンションマネジメントが注目されています。リテンションマネジメントを行う目的や、メリットについて解説していきます。従業員に継続して働いて貰いたいと考えている企業の方や、活躍機会を与えたいと考えている企業の方は参考にしてみてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

リテンションマネジメントとは

人材定着や従業員活躍のために行われる管理手法

リテンションマネジメントとは、人材定着や従業員活躍の為に行われている管理手法です。リテンションとは、維持や引き留めなどの意味を持っており、人事におけるリテンションとなる対象は人材です。海外でリテンションマネジメントは、優秀でスキルの高い人材を長く定着させる方法として定義されていますが、日本では主に自社で働いている人材を対象にしています。従業員に長く働き続けてもらう為には、職場環境などの管理が欠かせません。

リテンションマネジメントの目的

従業員の定着化を促進させるため

リテンションマネジメントは、従業員の定着化を促進させるために活用されています。従業員の定着率が低い企業では、どうしても人材を採用する為に採用活動を行わなければなりません。採用活動には費用と時間が掛かる為、従業員が定着することで費用を抑えることが出来ます。また、採用に掛かるコストや時間だけでなく、新しい人材が入るたびに研修や引継ぎに時間が必要です。従業員が定着していないと引継ぎにばかり時間が掛かってしまい、企業にとっても大きな損害に繋がります。

優秀な人材に長期的に活躍してもらうため

優秀な人材に長期的に活躍してもらう為に、リテンションマネジメントは行われています。働き方の意識が変わったことにより、1つの企業に長く務める人は減ってきています。売り手市場の為、転職はしやすくなっており優秀な人材であればある程、転職を行うことで更にいい環境で働くことが出来ます。優秀な人材が他社へ流出しないようにするためにも、企業が従業員に対して働きやすい環境を提供し従業員満足度を向上させる必要があります。

リテンションマネジメントが注目される背景

少子高齢化による人材不足が深刻になっているため

リテンションマネジメントが注目されている背景には、少子高齢化による人材不足が深刻になっていることが挙げられます。人材不足や労働力不足は、企業規模や知名度に関わらず大きな問題となっています。採用市場は売り手市場の為、求人を出しても中々求めている人材の確保は難しく、応募すら来ないといった企業も少なくありません。そういった社会情勢の中で、自社の優秀な人材が流出してしまうと、補充することは容易ではありません。貴重な人材を失わない為にも、リテンションマネジメントが注目されています。

離職率が高いため

リテンションマネジメントは、離職率が高いために注目されています。終身雇用制が当たり前だった頃とは異なり、労働条件が悪い・職場環境と合わないと感じたらすぐに転職を行うのが当たり前の時代です。更に新卒の3年以内の離職率は30%と高く、1社に長く勤めるという考え方はほとんどなくなっています。転職するのが当たり前になっていることから、せっかく採用した人材を離職させない為にも、リテンションマネジメントを重視する企業が増えています。

リテンションマネジメントのメリット

採用活動や教育に係るコストの抑制

リテンションマネジメントのメリットは、採用活動や教育に係るコストを抑制できる点です。離職者が多いと、欠員の度に採用活動を行わなければなりません。採用だけでなく、入社後の教育や研修にコストが掛かり既存従業員の労力も大きくなります。採用活動が長引くほど人事担当者の負担が増え、教育を行う度に教育担当者の時間も確保しなければなりません。人材の定着率が高まることで、欠員が減り補充に掛かる時間や費用の削減に繋がります。

採用力の向上

リテンションマネジメントは、採用力の向上を見込めるメリットがあります。離職率が高い企業は、求職者から見ると企業に問題があるように感じてしまいます。就職活動を行っている学生は特に企業の印象を良く調べてた上で応募する為、離職率が高い企業はあまり良いイメージを持ってもらえません。離職率が低いと人材育成に力を入れている印象を受け、働いてみたいと感じる人が増えます。リテンションマネジメントを行い、離職率を下げることにより新しい人材の確保にも繋がります。

企業のブランディングにつながる

企業のブランディングに繋がるのも、リテンションマネジメントのメリットです。昨今では、転職活動や就職活動において求人サイトだけでなくSNSなどより企業を身近に感じることが出来る方法で、企業の環境を確認する人が増えています。求職活動だけでなく、消費者として商品やサービスを選ぶ場合、企業イメージが影響している事は少なくありません。従業員が定着している事によって、社内に向けてだけでなく社外に対しても良いイメージを持たれやすく、企業ブランディングに繋がります。

リテンションマネジメントのデメリット

労働環境の整備にコストがかかる

リテンションマネジメントのデメリットは、労働環境の整備にコストが掛かる点です。従業員が働きやすいと感じる職場にする為には、設備投資をする必要があります。オフィス内にリフレッシュスペースやカフェスペースを設けて風通しの良い環境を作るのも一つの方法です。また、職場の環境整備だけでなく働き方としてテレワークを広める為に、ITツールの導入など様々なコストが掛かります。環境整備に掛ける費用が十分でない場合は、リテンションマネジメントの成果が出にくくなってしまいます。

中長期的に取り組む必要がある

リテンションマネジメントは、中長期的に取り組む必要がある点もデメリットと言えます。リテンションマネジメントの施策を行ったとしても、その施策の影響で従業員の満足度や定着率が向上する訳ではありません。リテンションマネジメントを導入した年に前年より離職率が上がった、という事も起こるかもしれません。そこでリテンションマネジメントの効果がないと打ち切ってしまうのは勿体ない為、従業員からヒアリングし改善を行うことが大切です。すぐ効果が出る施策ではない事を念頭に置き、取り組むことが重要です。

リテンションマネジメントを行う前にするべきこと

社内の現状把握をする

リテンションマネジメントを実行する前に、社内の現状把握をしましょう。リテンションマネジメントには様々な施策がありますが、自社に合っている施策を実施しない限り効果を発揮することは出来ません。その為、サーベイや社内アンケートなどを行い何が問題なのか、どこに不満を感じているのかを把握することが大切です。サーベイやアンケートを取る際は、従業員が不満に感じていそうな項目を優先的にヒアリングしましょう。社内の状況を正確に把握することで、適切なリテンションマネジメントを行うことが出来ます。

自社の課題を可視化する

リテンションマネジメントは、自社の課題を可視化してから取り組みましょう。サーベイやアンケートを行っただけでは何が問題になっているのかを把握することは出来ません。行った調査結果を元に、満足度の低い項目から優先順位をつけて対策を行います。企業に対しての不満が、離職に繋がることがあります。離職したいと感じる不満は年代別に異なる為、若年層の離職率を低下させるために行う施策を立てるには、年代別にアンケートを取るのも方法の一つです。しっかりと自社の課題を把握し、自社に合った施策を立てていきましょう。

自社のビジョンや方向性を明確にして浸透させる

リテンションマネジメントを行う際には、自社のビジョンや方向性を明確にして浸透させることに注意しましょう。従業員の企業に対しての愛着度を高め継続して勤めてもらう為には、企業のビジョンや理念等に共感してもらう必要があります。何の共有もなく、先行きが不透明な状態では不安を感じやすくなり、従業員が意欲的に働くことは困難な状況です。所属している従業員が同じ目標に向かい業務を行うだけでなく、従業員満足度を向上させるためにも、ビジョンや方向性を明確にしておく事が重要です。

リテンションマネジメントを成功に導くポイント

社内コミュニケーションを活性化できる環境を用意する

リテンションマネジメントを成功に導くためには、社内コミュニケーションを活性化できる環境を作りましょう。風通しの良い職場はチーム内だけでなく、部署の垣根を超えて様々な人とコミュニケーションが取れている為、業務を円滑に進めることが出来ます。業務以外でもコミュニケーションが取れ、従業員同士信頼関係が構築されている職場は帰属意識が高くなります。帰属意識が高まることで、離職率の低下にも繋げることが可能です。ランチミーティングや部活動などを設けることで、社内コミュニケーションの活性化できる環境を提供することが出来ます。

成長機会を提供する

リテンションマネジメントは、成長機会を提供することによって成功に繋げることが出来ます。同じ業務の繰り返しだけでは、成長を感じられません。優秀な人材であればある程、成長したいと考えている人は多い傾向です。継続的に優秀な人材に長く働いて貰うためにも、成長機会を提供することは欠かせません。成長機会は、新しいスキル取得の為の研修や他部署への異動なども有効です。違った部署で経験を積むことで、視野が広がり元の部署に戻ってからも、今まで以上に高いパフォーマンスを発揮することが出来ます。成長機会を提供することで今後のキャリアをイメージしやすくなり、定着率アップに繋がります。

従業員の働きぶりを正当に評価する

リテンションマネジメントの成功は、従業員の働きぶりを正当に評価することによって達成できます。従業員がしっかりと評価されていると感じるのは、給与の高さだけではありません。勿論、給与がしっかり支払われていることも大切ですが、担当した業務を完遂した際にしっかりと評価してもらうことや、働きぶりを評価され裁量のある業務を任される事なども従業員にとって重要です。業務や職場環境に慣れた従業員に、同じ業務ばかりさせているとやりがいを見出せずにモチベーションが下がってしまいます。しっかりと能力や働きぶりを評価されていれば、帰属意識も高まります。

評価基準を明確にする

評価基準を明確にして、リテンションマネジメントを成功に導きましょう。評価基準がきちんと設定されていない場合は、評価者により評価のばらつきが発生してしまいます。どれだけ貢献していても適切に評価されていないと感じてしまうと、モチベーションが下がり離職に繋がります。評価基準が明確に設定された上で、社内全体に周知されているとどういった事が評価されるのかが把握出来、従業員の不満を減らすことも可能です。正当な評価を受けることで、企業への貢献度を感じられ帰属意識の高まりやモチベーションアップに繋がります。

まとめ

リテンションマネジメントを通して社員が活躍してもらうための環境作りに取り組もう

リテンションマネジメントを行う前にする事や、成功させるためのポイントについて解説しました。リテンションマネジメントは、すぐ効果が出るものではありません。従業員の声を聴きながら職場環境を整えていくことによって、徐々に従業員のモチベーション向上や帰属意識を高めることが出来ます。従業員の定着率を上げるためにも、しっかりと自社の課題を把握し適切な対策を行っていくことが大切です。リテンションマネジメントを行い、従業員が活躍できる職場環境を提供していきましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら