記事更新日:2020年06月22日 | 初回公開日:2018年06月11日
外国人採用・雇用 ビザ(在留資格)について 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 技能実習とは、発展途上国の経済発展を目的に、指定した職種(農業や建設・食品など)に限り最大5年間日本で就業ができる制度です。現実的には人材不足を補うために使用されていたりもしますが、あくまでも制度趣旨は「母国に帰って学んだ技術を活かしてもらう」ことです。この制度趣旨は、外国人が技能実習を終え母国等に帰国した後に、就労ビザで呼ぶ際に審査上とても重要な審査項目になります。明確な決まりはございませんが、技能実習が終わった直後に呼び寄せるというのは、かなりハードルが高いです。
なぜなら、制度趣旨である「母国で学んだ技術を活かしてもらう」ということが実現できていないからです。目安としては1年間、母国等で技能実習で学んだことを活かしている仕事に就いていることが望ましいです。転職は誰でもする権利がありますので、その後転職をして日本で別の仕事をすることなどは可能となります。仮に帰国後1年間経たなかったとしても、その理由を理由書に示すことで就労ビザの取得が可能になったりもします。
技能実習生として日本に呼びよせる際に、外国人の最終学歴が大学卒業にも関わらず、何らかの理由で高校卒業などで申請をしている方も時々見受けられます。「面倒だから」などの理由で、上記のような虚偽の申請をしてしまうと、技能実習が終了しその後就労ビザを取得したいと思った際に、大きな問題となります。入国管理局は虚偽申請を一番嫌いますので、「実は大学卒業でした」と後から申請して、仮に就労ビザの要件を満たしていたとしても、「前回の申請が虚偽だったのか」となり、今回の申請の信用性が欠け不許可になる可能性が出てきてしまいます。
技能実習生として日本に来る方の多くが、日本語能力が低く、送り出し機関や受け入れ機関などとのコミュニケーション不足から発生したりしているようですので、手間と思えたとしても今後のことを考慮して、学歴や職歴などをしっかりと確認するようにしてください。
技能実習を終え、外国人の働きの良さから技能実習終了後そのまま就労ビザに変更をしたいという要望も多くありますが、基本的には1度日本を出国する必要は出てきてしまいます。こちらも理由も先ほどご説明させて頂きました技能実習制度の制度趣旨が問題となるからです。
先日(2018年6月)新たな在留資格を創設される(骨太方針)といったことがニュースとなりました。指定された職種(介護・建設・農業・宿泊・造船)であれば5年間という制限は付きますが、就労ビザでは認めていない単純労働を認めるといった内容で、今後より大きな変化が起きていくことが予想されています。これは技能実習生にも適用されるので、先ほど説明した技能実習制度の制度趣旨が少なからず崩壊することを認めたことにもなります。ただ現状はまだ単純労働は認められていなく、施行もいつになるのか確実には決まっていないので、今後の政府の動向に注目していく必要があります。
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この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
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