記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2017年10月20日
ビザ(在留資格) 外国人採用・雇用 ビザ(在留資格)について 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 外国人留学生の採用資格外活動とは、現在のビザ(在留許可)に認められた活動以外の活動のことです。外国人留学生や家族滞在のビザを持っている方など、もともとの滞在目的が「就労」ではない方がアルバイトをするためには資格外活動許可を取る必要があります。家族滞在は、外国人同士の結婚で奥様が旦那様の扶養に入られていて日本で一緒に暮らす場合に取得するものですが、仮に子どもがいたとすると、子どもも家族滞在になります。そして、この子ども(例えば高校生など)も資格外活動許可をとればアルバイトすることは可能です。しかし、労働時間は限定されており、週28時間以内という基準を守らなくてはいけません。
資格外活動を持っていれば、週28時間という労働時間を守れば、コンビニや居酒屋等での接客作業などの単純労働(ブルーカラー)も可能です。最近、コンビニ等で良く見かけるレジ打ちしている外国人は、大半がこういった方になります。ただし風俗関連(キャバクラや○○パブ等)の仕事は、資格外活動を持っていても認められていないので、ご注意ください。
結論から言いますと、可能です。ですが、その外国人が持っている就労ビザの種類の内容と関連のある仕事であればという条件が付きます。例えば、技術・人文知識・国際業務の就労ビザを持っていて、現在就いている職務が会計業務だったとします。その方が土日や残業等がなくて平日夜を使って、母国語の先生(例えばEnglish Teacherなど)として働きたいと思った場合は、資格外活動許可を申請して働くことは可能です。会計業務は、技術・人文知識・国際業務の中の人文知識にあたり、母国語の先生は国際業務にあたります。アルバイトの業務が、技術・人文知識・国際業務のビザの範囲内だとしても、就労ビザが許可された内容とは違ってくるので別途許可を取る必要があるということです。これが、技術・人文知識・国際業務の就労ビザで会計業務に就いていて、資格外活動をとってコンビニのレジをしたいと思っても許可はおりません。外国人留学生等の資格外活動では、コンビニ等の単純労働(ブルーカラー)の仕事は認められていますが、就労ビザを持つ外国人の資格外活動許可では単純労働は認められません。
外国人の方と話をしていると、未許可で資格外活動をしても「ばれないなら大丈夫ではないですか?」というような言葉を聞くことがあります。こちらから報告しなければ、ばれないだろうと思うかも知れませんが、甘く見てはいけません。不正がばれるルートには以下のようなものがあります。
①就労ビザ更新時に、納税・課税証明書を提出するので、収入面からわかる
②入国管理局の実態調査部門による調査でわかる
③友達や他の外国人からのチクリにより判明
資格外活動違反は厳しく見られるので、就労ビザの更新ができなくなり、外国人の母国に一度帰らなければならないという事態が発生してしまうこともあります。また、入国管理局にも実態調査部門という部署があり、申請した通り働いているか調査していたりもしますので、あまり軽く考えない方がよいです。さらに意外と一番多いと言われているのが3つ目の他の外国人からのチクリです。これは嫉妬等からくるもので、「私は許可がおりなくてできなかったのに、なんであなただけできるの」といったように、日本にいたい外国人は、他の外国人のビザや職務内容などを意外と見ています。「あの人だけずるい」と思うと、入国管理局に電話をし、違反している人がいるから調べた方がいいということを伝えて、実際に入管職員が調査して判明します。
資格外活動許可だと、単純労働が可能というわけではなく、あくまでも資格外活動で単純労働ができるのは留学生や家族滞在者に限った話になります。そして就労ビザを持っている人が資格外活動許可をとるためには、合理的な理由も必要になってきますので、誰でも簡単に取れるものではありませんのでご注意ください。
「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。
この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
この記事を読んだ方は次のページも読んでいます。