記事更新日:2022年11月01日 | 初回公開日:2022年11月01日
採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報新卒採用戦略とは、効果的な採用活動を行う方法を練ることです。新卒採用を成功させるためには、企業一丸となり採用戦略をしっかりと立てて取り組まなければなりません。新卒採用を成功させるためには、就活ルールを把握しておく必要があります。就活ルールとは以前は経団連が主導で策定されていた物で、現在では政府主導で行っている採用活動のルールです。他社に競り負けない様に、しっかりとスケジュールを把握し戦略を立てましょう。
新卒採用戦略を立てる理由は、少子化が深刻化しているからです。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、2050年までに日本の人口は減り続け生産年齢人口の減少が加速するとされています。人手不足により、採用市場でもここ数年売り手市場です。求人数の方が学生数よりも多い為、学生優位の状況で採用活動が行えます。求人をただ出しているだけでは、企業が欲しいと考えている人材を採用することが難しくなっています。その為、戦略をしっかりと立てた上で採用活動をする必要があります。
新卒採用戦略は、転職が一般的になりつつある為採用活動に必要な手法です。以前は終身雇用制度や、年功序列制度などが浸透していた為転職を選択肢にする人は多くありませんでした。しかし働き方改革により、働き方が多様化しグローバル化も進んだことで終身雇用制度が薄れて転職を行うことが特別なことではなくなっています。新卒で入社した人の3人に1人が、3年以内に転職を経験しています。応募者とのミスマッチを防ぐためにも、しっかりとした戦略を立てることが大切です。
新卒採用戦略で重要なポイントは、学生に選ばれる企業になることです。学生が就職活動を行う際には、いくつかの企業で面接を受けます。優秀な人材であればあるほど、内定の数は多い傾向にあります。内定をいくつも貰っている学生に自社を選んでもらう際に重要なのが、自社の強みをしっかりと把握しておくことです。「業務が大変」等と言った弱みを認識している担当の方は多いですが、企業としての強みを把握していない事があります。自社の強みを理解し、学生にアピールすることが出来れば学生に選ばれる企業になることが可能です。
新卒採用戦略を立てるには、新卒採用を行う目的を考えましょう。採用戦略の作成は、人事部や担当者だけで考えるものではありません。会社の将来の為に、どういった人材を採用するのかは重要な問題の為社内全体で考えるべき問題です。会社の事業計画などをしっかりと把握し、「なぜ新卒採用を行うのか」という経営目線での目的の整理が必要です。目的の定義付を会社全体で行うことにより、何故新卒採用を行うのかが明確になり会社として目指している物を把握しやすくなります。
新卒採用戦略は、社外の採用状況を把握した上で計画しましょう。企業として新卒採用行う際に、まず市場の動向を知る必要があります。就活ルールである採用活動日程などをしっかりと把握し、他社がどのように動いているのかを知ることが大切です。同じ業界の採用状況や、同業他社の待遇や条件などを調査しどのような採用活動を行っているか認識しておきましょう。社外の採用状況を把握することで、他社と比べたときのメリットやデメリットなどが見えてきます。
新卒採用戦略では、求める人物像を詳細に書きだすことが大切です。企業の事業計画や方向性を元に、今後どういった人物が必要になるのかをしっかりと社内で共通認識を持っておく必要があります。求める人物像を書き出す際に、優秀さや持っているスキル等だけではなく性格や価値観など人間性で重要だと思うポイントも書きだしておきましょう。必要な条件を洗い出す際に、「必須条件」「歓迎条件」等分けておくことも重要です。求める人物像が曖昧になってしまうと、学生と企業の間にミスマッチが生じてしまう為重要な作業です。
新卒採用戦略で重要なのは、選考基準を明確にすることです。せっかく自社が求める人物像を詳細に決めていたとしても、選考基準を明白にしていなければ面接官によって評価に差が出てしまいます。更に選考基準を曖昧にしていると、学生とのミスマッチが発生しやすくなります。そう言った事態を防ぐためにも、コミュニケーション力や主体性などチェック項目を作成し面接後に精査できるようにしておきましょう。あまり条件を厳しくし過ぎてしまうと、該当者なしということになりかねない為注意が必要です。
新卒採用戦略を立てる際に、自社の魅力を分析しましょう。売り手市場で沢山ある求人の中から、自社を選んでもらうためには魅力や強みをしっかりとアピールする必要があります。自社の強みや魅力をアピールするためには、まず採用担当者が把握しておかなければなりません。魅力を分析するためには、客観的に企業としてアピール出来るポイントを把握することが大切です。人事部に限らず、様々な部署の社員にもヒアリング等行い強みの洗い出しを行いましょう。
新卒採用戦略を立てる上で、採用計画を詳細に決めることが重要です。採用計画は、説明会などを独自に開催する際に同業他社と日程が被らないようにするなど考慮しましょう。同じ日に実施してしまうと、参加してくれる学生が分散してしまいます。他社のスケジュールを加味しながら、説明会や選考の日程を決めましょう。採用計画を詳細に決めた後は、なるべく早く採用スケジュールを公表することが大切です。早めに情報を提供することにより、学生も準備がしやすくなり選考に参加してくれる学生も増える確率が高まります。
広報を行う採用媒体を絞ることも、新卒採用戦略を立てる上で大切です。IT化が進んだこともあり、若年層の殆どがスマートフォンを持っておりSNSを活用しています。採用手法も従来の求人サイトからではなく、TwitterやInstagram等と言ったSNSを活用している学生も少なくありません。どういった採用媒体が自社に合っているのか、しっかりと精査する必要があります。媒体ごとにターゲット層が異なる為、自社が求める人物像に近い人たちがどの媒体を活用しているのかをしっかり見極めることが重要です。
新卒採用戦略では、採用後の育成計画についても考えておきましょう。せっかく人材を採用できたとしても、入社してくれなければ意味がありません。優秀な人材程、複数内定をもらっています。その複数ある内定の中から自社を選んでもらうために、しっかりと内定後のフォローアップ体制を構築しておきましょう。採用後に交流会など、先輩社員等と交流できる場を設け少しでも不安を解消することが大切です。また早期離職を防ぐために、入社してからの研修制度もしっかりと整備しましょう。
新卒採用では、母集団形成を行うことが大切です。母集団形成とは、自社の選考に進んでくれる学生を集めることです。母集団形成の手段としては、説明会の実施や求人サイトに掲載し応募者を集めるなどを行い学生とコミュニケーションが取れる場を設ける等が挙げられます。母集団形成において、「エントリー数」や「説明会参加者数」「1次選考参加者数」等はとても重要です。エントリーをする前に説明会を直接予約する学生等もいる為、KPI(中間目標)をどこに置くのか見極める必要があります。
面接を通じて選考を行うのも、新卒採用では重要な流れです。売り手市場という状況だけではなく、採用活動の時期が早まったことにより選考を辞退する学生や連絡が途絶えてしまう学生が増えています。面接は会社側が学生を見極める場から、学生に自社の魅力を伝え惹きつけるを行う場へと変わりつつあります。業界や職種によっても割合は異なりますが、エントリーや会社説明会から内定までの平均的な割合は約9~12%ととても少ない数字です。平均の割合よりも自社の割合が、高すぎたり低すぎたりする場合には採用基準を見直す必要があります。
新卒採用において、内定を出すタイミングも重要です。せっかく自社が求める人材に、内定を出したとしても売り手市場により優秀な人材は複数内定をもらっている場合があります。選考内において、自社への志望度が高まっていたとしても受けている企業は複数にわたる為、志望度が変化するのは珍しいことではありません。学生が求めている条件やタイミングが揃うことによって、内定承諾の確率も高まる為内定を出すタイミングが大切です。他社の選考状況や志望度などを加味し、無理のない承諾スケジュールを組みましょう。
今後の新卒採用を成功させるには、現時点での採用活動を見直す必要があります。売り手市場で求人の数が多いとはいえ、自社が求めている人材を採用出来ていない場合は採用活動や選考フローに問題があるかもしれません。一つひとつの選考フロー全てを見直していくのは、時間と手間がかかる作業です。しかし従来の採用活動で上手くいっていないのであれば、見直しは必要不可欠です。他社で採用が上手く行ってる企業が、どのような手法を取ってるのか等を参考にし、採用活動の見直しを行いましょう。
社内で周知を行い、今後の新卒採用を成功させましょう。採用活動は、人事部だけで完結できるものではありません。面接の同席や内定者懇親会等、様々な場面で他部署従業員のサポートが必要です。懇親会では将来の上司にあたる人や、所属先の先輩社員とコミュニケーションを取ることで内定ブルーなどを減らすことが出来ます。社内で新卒採用に対し、共通認識を持ってもらうことにより従業員が採用活動を業務の一環として認識していくようになります。共通認識を持つことで学生からの印象もよくなり、新卒採用の成功に繋がります。
新卒採用戦略について解説しました。採用戦略をしっかりと立てることで、採用を行う目的や学生に伝えたい自社の強みを明文化することが出来ます。洗い出しを行うことで今までは気づいていなかった自社の魅力に気付けるかもしれません。従来の待っているだけの採用活動では、自社が求める優秀な人材を採用することは難しくなっています。これからは「待ち」ではなく、企業から学生にコンタクトを取る「攻め」の採用が重要です。自社のターゲットとなる人材に合った採用手法を活用し新卒採用戦略を立て、自社に合う人材を採用しましょう。
グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。
他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。
この記事を読んだ方は次のページも読んでいます。