記事更新日:2022年11月02日 | 初回公開日:2022年11月02日
用語集 外国人採用・雇用 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンドビジネスにおける適材適所とは、社員の適性を考慮した人材配置を行うことです。組織にはさまざまな社員が属していますが、それぞれの持つスキルや性格、適性は異なるでしょう。せっかく優れた能力や経歴を持っていたとしても、それを十分に活かせる環境に所属していなければ意味がありません。人事担当者やマネジメント層が社員の能力を把握した上で適材適所の人材配置を行うことによって、さらに生産性を向上させることができるでしょう。
適材適所の人材配置が必要な理由として、近年では労働力不足が社会的な課題とされていることが挙げられます。企業は新たな人材を安定して獲得することが難しくなってきており、社内の人材を効果的に活用することがさらに重要となっています。社員の能力にマッチした適材適所の人材配置を行うことができれば、限られた人員でも生産性を維持することができるでしょう。業務内容への満足度が向上することも期待できるため、企業への定着が図れるという効果も同時に期待できます。
働き方が多様化しているということも、適材適所の人材配置が必要とされる理由として考えられます。近年の新型感染症の拡大の影響などもあり、リモートワークをはじめとしたさまざまな働き方が導入されるようになりました。勤務体系だけでなく、転職に関する考え方もここ数年で大きく変化しています。ひとつの企業に長期的に勤めることが一般的ではなくなったため、社員を定着させるためにも適材適所の人材配置が必要とされるでしょう。
適材適所の人材配置によるメリットとして、人件費を抑えられるということが挙げられます。こなすべき業務に対して適材適所の人材配置が行われていれば、必要最低限の時間だけで遂行することができます。一方で適切な人材配置が行われていない場合は、それだけ無駄な時間や人的コストが発生してしまうでしょう。適材適所の人材配置によって無駄なコストを削減することができればより良いオフィス環境や設備に投資することができるため、社員への還元にもつながるでしょう。
社員の定着率が向上するということも、適材適所の人材配置によるメリットのひとつです。先述の通り近年では、転職を視野に入れながら働く人材の割合が増えてきています。転職を考える理由は人それぞれですが、社員を組織に定着させることは難しくなっているということです。適材適所の人材配置によって適性を活かした業務に取り組むことができていれば、企業に対する満足度も向上するでしょう。既存の人材になるべく長期的に活躍してもらうためにも、適材適所の人材配置は不可欠といえるでしょう。
適材適所の人材配置を実施することによって、生産性が向上するという効果も期待できます。社員の能力を最大限に活用することができれば、必然的に生産性は向上するでしょう。一方で、社員自身が仕事をやらされている感覚を持ってしまうと、生産性は著しく低下してしまいます。外部から優秀な人材を獲得するということも生産性を向上させる手段のひとつですが、まずは適材適所の人材配置によって既存社員が最大限に活躍できる環境を提供しましょう。
適材適所の人材配置によるデメリットとして、社員本人の希望とは異なる配置となってしまう場合があるということが挙げられます。社員ひとりひとりの能力などについて詳しく分析を行いますが、その結果が本人と希望と一致するとは限りません。適性があったとしても本人のモチベーションが著しく低下してしまうと、生産性の向上は見込めないでしょう。適材適所の人材配置においては、本人の意思もなるべく尊重することが必要となります。
個人の持つ潜在的な能力を伸ばせない恐れがあるということも、適材適所の人材配置によるデメリットといえるでしょう。社員が現時点で持っている能力だけを判断基準として人材配置を行うと、潜在的な能力に気付けない可能性があります。これまで経験したことのない業務を経験することによって、新たな能力が見出せるかもしれません。社員に対して適性を決めつけるのではなく、常に成長の可能性を考慮しながら適材適所の人材配置を行いましょう。
適材適所を見極めて人材配置を行うための取り組みとしてまずは、業務内容を整理するということが重要となるでしょう。社員の持っているスキルや適性と照らし合わせるためだけではなく、現状で非効率的な業務がないかということも同時に把握することができます。さらに業務量の偏りなどがあると、適材適所の人材配置の妨げとなってしまいます。実際に人材配置を変更する前に、それぞれの役割や業務分担などをもう一度明確にしておきましょう。
適性検査を実施することによって、適材適所の人材配置を行いやすくなるでしょう。採用時にも行われることが多い適性検査ですが、既存の社員に対してもその効果は十分に期待できます。先述のようにまずは業務内容について整理した上で、適性検査に必要な項目を検討しましょう。業務に関する知識やストレスに対する耐性など、実際に働く上で必要とされる項目についてデータを取得しましょう。より正確なデータを取得することが、適材適所の人材配置に大きく役立ちます。
適材適所の人材配置を行うためには、社員情報をデータベース化しておくということも効果的です。特に規模の大きい組織においては社員情報の管理が難しいため、データベース化が適材適所の人材配置を行うためのポイントとなるでしょう。適性検査の結果だけではなく、可能であれば社員に直接ヒアリングを行うようにしましょう。能力や適性だけではなく本人の希望も考慮することによって、より効果的な人材配置を行うことができます。
社内の人間関係を正しく把握しておかないと、適材適所の人材配置ができない可能性があります。適材適所の人材配において考慮すべきなのは、必ずしも社員の能力の適性だけというわけではありません。新しい環境において人間関係が大きく変化すると、戸惑ってしまうケースも少なくありません。仕事中とはいえ社員も人間ですので、相性の良し悪しなどがあるのは事実です。仲が良い社員同士を集めるということではありませんが、人間関係が業務に支障をきたさないようにすることも適材適所の人材配置において必要とされます。
適材適所の人材配置をするための制度として、ジョブローテーション制度を取り入れるのもいいでしょう。ジョブローテーション制度とは、社員に一定期間のサイクルでさまざまな部署での業務を経験してもらう制度です。ジョブローテーション制度を導入して幅広い業務に触れてもらうことによって、社員の適性を正しく評価することができるでしょう。しかし一方で、ジョブローテーションを行うと引き継ぎ業務などが増えてしまうということは考慮しておきましょう。
社員についてさらに理解を深めるために個人面談を実施することで、適材適所の人材配置が行いやすくなるでしょう。先述した適性検査による客観的な情報だけでは評価するのが難しい点や、直接話すことによって見えてくるポイントもあります。社員の満足度が高い人材配置を行うためにも、なるべく詳しくヒアリングを行いましょう。具体的には社員の希望している職種やキャリア、理想としている働き方など定性的な情報も収集しておきましょう。
株式会社サイバーエージェントでは適材適所の人材配置を実現するために、さまざまな取り組みがされています。中でも「GEPPO」と呼ばれる制度は、毎月社員に対してアンケートを行い、現状の課題や社員のコンディションについて調査するものです。回答をもとにして、個人と組織におけるミスマッチが生じていないかということを定期的に調査しています。課題の発生や心情の変化はいつ生じるか予測しづらいため、GEPPOのようになるべく短いサイクルで調査を行うのが望ましいでしょう。
ヤマト運輸株式会社では適材適所の人材配置を行うために、新入社員を対象にジョブローテーション制度を導入しています。配送業務以外にも営業事務やサービスセンター業務など、幅広い業務をひと通り新人のうちに経験することになります。決して楽な業務内容ではありませんが、新入社員の成長と、適性を見極めるのに役立っているといえるでしょう。新入社員のうちは特にさまざまな業務に触れる機会を設けることで、今後のキャリアに大きく影響を与えることにもつながるでしょう。
ソニー株式会社では社内で公開されている求人に応募できる制度が導入されています。社員は自身の希望によって希望する部署に応募することができるため、より高い意欲を持って業務に取り組むことができるでしょう。入社前と入社後では、自身の興味や能力が大きく変化することが考えられます。今後のキャリアを考える際に、転職ではなく社内での異動が選択肢として与えられていることで適材適所の人材配置を行うことができるでしょう。
適材適所の人材配置を行うための取り組みや、企業の事例などについてお分かりいただけたでしょうか。人材の確保と定着が難しくなってきている近年において、適材適所の人材配置を行うことは非常に重要な課題となるでしょう。今回の記事でも紹介した通り、企業によって様々な制度や取り組みが導入されています。一貫して言えることは、社員の適性のみを判断材料にするのではなく、個人の希望やキャリア設計などに寄り添った人材配置を行うことが大切だということです。適材適所の人材配置を行うことによって、社員の力を最大限に引き出しましょう。
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