組織の若返りを成功させるために必要なこととは【注意すべきポイントとその効果について解説します】

記事更新日:2022年04月01日 初回公開日:2022年03月25日

用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド
日本全体で少子高齢化が進んでいるということもあり、それに伴って多くの企業において社員の高齢化が進んでいます。高齢化が進むことによってさまざまな組織課題が生じてしまうため、今後は組織の若返りがさらに重要視されていくでしょう。また、人材の流動がある企業の方が新しい発想が生まれやすいという意見もあります。この記事では組織の若返りを図るうえで注意すべきポイントや、その効果について解説します。組織全体の若返りを検討しているという企業の方は、ぜひ最後までご一読ください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

組織の若返りが注目されている背景

労働者の高齢化が進んでいる

組織の若返りが注目されている背景には、労働者の高齢化が進んでいるということがあります。先述の通り、少子高齢化が進んでいる日本において、多くの企業で社員の高齢化が課題とされています。社員の高齢化が進むことによって、今後長期的に働ける人材の割合が減ることになるでしょう。海外進出を視野に入れている日本企業も近年では増えてきていますが、高齢化の進んでいる企業では必要な労働力を確保するのが難しい場合もあります。少子高齢化という社会全体における課題は、各企業にとっても無視することのできない課題となっているのです。

人材の流動化が進んでいる

人材の流動化が進んでいるということも、組織の若返りが注目されている理由のひとつです。新卒から一貫して同じ企業に勤め続けるという文化は、近年ではほとんど無くなりつつあります。若い世代であってもより良い環境で働くために、自身のキャリアの中で転職を繰り返すというケースが非常に多くなっています。組織の若返りを図るにあたって若い世代の人材の確保が重要となりますが、転職を希望している人材が増加していることで若手世代を採用する手段が増えるでしょう。

組織の若返りが行われないことによる影響

労働力の不足が生じる

組織の若返りが行われていないことによって、長期的な視点でみれば労働力の不足が生じてしまう可能性があります。現在企業で働いているミドル層以上の年齢層の人材は、10年から20年後には転職や退職といった形で離職している可能性が高いでしょう。若い世代の労働人口の割合は減少傾向にあるため、今のうちから組織の若返りを行わないと急な人手不足に陥ってしまうリスクも考えられます。将来的な人手不足によるさまざまな課題を未然に防ぐためにも、社内の年齢層をもう一度見直す必要があるでしょう。

事業拡大の妨げとなる

組織の若返りがうまく行われていないことが、事業拡大の妨げとなってしまうことも考えられるでしょう。若手人材の加入が減ることで新たな視点からの意見が得られにくくなるため、良くも悪くも従来の方針に変化が生じにくくなってしまいます。実際に、人事異動を頻繁に行うための制度を導入している大企業もあります。企業が事業を拡大させて成長を遂げていくためには、組織の若返りによって人材の流動性を保つ必要があるでしょう。

組織の若返りによる効果

若い世代の育成につながる

組織の若返りを行うことが、社内の若い世代の人材育成にもつながります。早い段階から責任の大きい仕事を任せてもらう機会が増えることで、その結果が自身の成長につながるでしょう。若手世代の育成は、将来の幹部候補を育てていくという意味でも非常に重要となってきます。組若手世代の能力をさらに大きく伸ばしていくためにも、組織の若返りはどの企業においても必要だといえるでしょう。異なる世代間での知識の引き継ぎは、入念に行うようにしましょう。

若手社員のモチベーションが向上する

若手社員のモチベーションが向上するということも、組織の若返りによって得られる大きな効果といえるでしょう。ミドル層以上の人材の割合が多いことで、若手社員が昇進しづらくなっているという場合もあります。若手社員もさまざまな業務に取り組み、昇進の機会が与えられることによって仕事に対するモチベーションが著しく向上するでしょう。これはミドル層以上の社員にとっても大きな刺激となるため、組織の若返りは企業の生産性に直結するといえるでしょう。

明るい社風になる

組織の若返りを図ることで、より明るい社風になるという効果も見込めるでしょう。若くてフレッシュな社員が増えると、企業全体の雰囲気が明るくなります。社風が明るくなることによってより働きやすい環境となり、社員の満足度も向上するでしょう。それと同時に新規採用においても、明るい社風の企業で働きたいという理由で多くの応募が見込めるでしょう。社内の雰囲気が良くないという課題を抱えている場合は、組織の若返りを行うことで改善につながることもあります。

組織の若返りによるデメリット

企業のノウハウが失われるリスクがある

組織の若返りによってミドル層以上の人材が減りすぎると、企業がこれまでに培ってきたノウハウが失われてしまうというリスクがあります。長年のキャリアの中で身につけたノウハウは、後輩社員を指導することで受け継がれていくのが一般的です。しかし組織の若返りを行う中で退職する社員が増えてしまうと、そのノウハウがうまく引き継がれずに社外へ流出してしまうことになります。人材だけではなく社員が持っているノウハウも企業にとっては大きな財産であるため、それらを守りながら組織の若返りを行いましょう。

ミドル層以上のモチベーションが低下する可能性がある

組織の若返りによって、ミドル層以上のモチベーションが低下してしまう可能性があります。組織を支えてくれている社員たちのモチベーションが下がってしまっては、本末転倒です。モチベーションが低下してしまう原因としては、組織の若返りを図るにあたって退職する人材が増えることなどがあげられます。若い世代への待遇が改善される一方で、ミドル層以上への待遇は据え置きとなってしまうケースもあるようです。ミドル層の人材は若手人材の指導を行うという意味でも非常に重要ですので、モチベーションを維持しながら組織の若返りを行いましょう。

組織の若返りを行う方法

役職定年制を導入する

役職定年制を導入するということは、組織の若返りを行うためのひとつの方法といえるでしょう。役職定年制とは社員がある一定の年齢に達した場合に、課長や部長などの役職から退く制度のことです。役職定年制を導入している企業は2019年の時点で約28%となっており、対象となっているのは50代前半から50代中盤の人材が多いようです。年功序列の人事評価を改善し、若手社員にも管理職に昇格するチャンスが与えられるというメリットがあります。しかし一方で、役職定年制の対象となる人材のモチベーション低下など課題があるのも事実です。

若手人材の採用に注力する

組織の若返るを図る際に最も重要となるのが、若手人材の採用活動です。企業が必要としている人材像にマッチした若手人材を採用することができれば、既存社員にとっても大きな刺激となるでしょう。新卒の学生に対するアプローチだけでなく、転職活動中の20代から30代までの人材を対象とした中途採用にも注力するべきです。若手人材の獲得競争は激しくその数も多くはないため、量だけではなく質にもこだわった採用活動を行いましょう。

社員の教育制度を充実させる

社員の教育制度を充実させることが、組織の若返りを促進することにもつながるでしょう。若手中心の採用活動などによる成果として若手社員の割合が増えたとしても、教育制度が整っていないと伸び悩んでしまうでしょう。一方で社員への教育制度がしっかりと用意されている企業であれば、成長意識の高い若手人材からの応募を集めることができます。教育制度の充実は全ての層の社員にとって必要とされますので、社内研修などの制度を見直してみるといいでしょう。

組織の若返りを行う際のポイント

組織全体を可視化する

組織の若返りを行うにあたって、まずは組織全体を可視化する必要があります。社員の年齢層はどのような割合になっているのか、部門ごとに偏りが生じていないかなどについて一度確認しましょう。組織の若返りを行うと、それに応じて若手社員の教育を行う社員も必要となります。したがって、単純に全体の年齢層を若くするだけではなく全体的な年齢層のバランスを考慮することが重要です。組織全体を可視化することで、ミドル層以上の人材の配置も適切に行うようにしましょう。

既存社員を大切に扱う

組織の若返りにおいては新しい若い人材の獲得などが注目されがちですが、既存社員も当然大切に扱う必要があります。若手世代の教育だけに注力しすぎてしまうと、これまで長期にわたって企業に貢献してくれたミドル層以上の人材が不満を抱いてしまうでしょう。それが原因となって退職する社員が増えてしまうと、業務効率が低下してしまうことも十分に考えられます。年功序列の人事評価が組織の成長を妨げることは明らかですが、これまで企業を支えてきてくれた人材に対する敬意も忘れないようにしましょう。

社内の平均年齢を下げ過ぎない

組織の若返りを行う際には、社内の平均年齢が下がりすぎないように注意しましょう。若返りを意識しすぎて社員の平均年齢を下げすぎてしまうと、若手社員に対して指導を行う社員の数が釣り合わないなどの問題が生じてしまいます。先輩社員からの指導によって若手社員は成長していきますが、必要以上に年齢層を下げることによって十分な指導を受けられなくなってしまう可能性があるということです。若い世代の採用強化や待遇の改善のみに注力しすぎないように注意しましょう。

採用活動を見直す

採用活動を見直すということも、組織の若返りにおいては重要となります。優秀な若手人材を獲得するために、数ある企業の中から選ばれる必要があるでしょう。若手人材が企業選びを行う上で重視するポイントはさまざまですが、まずはどのような人材を獲得したいのかというペルソナをしっかり設定しておきましょう。特に組織の若返りに必要とされるのは、成長意欲の高い若手人材です。求人を行う媒体なども含めて選考フローを見直すことで、組織の若返りを成功させることができるでしょう。

まとめ

幅広い年齢層の社員が共存する企業を目指しましょう

組織の若返りを行う際のポイントや、それによって得られる効果などについてお分かりいただけたでしょうか。組織の若返りが行われずに高齢化が進むと、新しい発想などが生まれにくくなってしまうリスクなども生じてしまいます。しかしそれと同時に、ミドル層以上の人材も企業にとっては非常に重要な存在です。既存の社員を大切に扱いながら、若手への教育制度を充実させるなどの工夫を行うことが必要とされるでしょう。さまざまな年齢層の人材がバランス良く支え合う理想の企業を目指しましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら