採用直結型インターンとは?【ルールの変更やその特徴についても解説します】

記事更新日:2024年01月17日 初回公開日:2024年01月16日

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現在の大学生を対象にしたインターンシップ制度の始まりは、11世紀のギルド制度や1900年代初めのアメリカが期限であるなど諸説あります。時代を経て現在に近い形となりましたが、日本においては採用に直結するインターンシップは、学生に大きな混乱を招くとされ現在も制度が見直されている最中です。就職前に職業体験ができる学生と企業の双方にとって有効なインターンシップ制度は、画期的な就職活動と言って良いでしょう。ここでは、「採用直結型インターンシップ」に焦点をあて詳しく解説いたします。就職を控える学生の皆さんにとって、今後の活動に活かしていただければ幸いです。

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インターンシップとは

学生が在学時に仕事を体験する制度

インターンシップとは、学生が在学時に仕事を体験する制度のことで、就労体験や就業体験とも呼ばれています。自ら進む道を検討中の学生にとって、希望する職業を実際に体験できることは貴重な機会です。そこに同じ職種を希望する学生が集うこともあり、学生同士での人脈が広がることや情報交換ができるメリットもあります。また、実際に働いている人の生の声を聞けることで、知らなかった業界の一面なども知ることができる有効な制度です。

インターンシップのタイプ

オープンカンパニー

インターンシップには、1日だけのオープンカンパニーから数ヵ月もの長期にわたるインターンシップまで様々です。1Dayタイプのオープンカンパニーは、厳密に言えば職業体験とまでは言えないこともあり、インターンシップとは別物と考えることもできます。オープンカンパニーでは、企業や仕事の内容を知る機会とされ、採用活動にも認められていません。参加して得られるものも限定的になるため、インターシップのように職業体験をするというよりも、業界や企業研究の意味合いで参加しましょう。

キャリア教育

キャリア教育は、期間が1~3日間とオープンカンパニーよりは長いものの、学生教育を目的としているため就業体験は任意とされています。そのため、オープンカンパニーと同様に職業体験とまでは言えないため、厳密なカテゴリーとしてはインターンシップからは除外されます。採用活動として認められないこともオープンカンパニーと同様です。しかしオープンカンパニーと比較すれば、業務内容などが繰り返し見られるため、仕事の内容や全体の流れを知ることができます。

汎用的能力・専門活用型インターンシップ

汎用的能力・専門活用型インターンシップは、一般的なプログラムでは最低で5日以上、専門性が高いと判断される業種は2週間以上の実施が義務付けられています。また、実施期間中の半分超を就業体験の時間にあてなければならず、参加者は終了後にフィードバックが受けられるのが大きな特長です。大学3~4年生に向けて職業体験としてのプログラムが組まれており、企業側が学生の資質などを見極めることが主な目的となっています。

高度専門型インターンシップ

高度専門型インターンシップは、主に大学院生を対象にしたもので、専門性を実戦に活かすとともに知識と技術の向上を目的とするインターンシップです。採用活動としての使用が認められているため、期間が2か月以上と長いのが特長です。大学院の長期の休みに合わせて実施するように考慮されていますが、学業全般と研究スケジュールや自分の都合などとの調整も重要ですので、事前に確認しておきましょう。また、高度専門型インターンシップでは期間が長く専門性が高いこともあり、有給での参加が義務付けられているのも大きな特長です。

かつてのインターンシップのルール

採用目的のインターンを禁止していた

インターンシップのプログラム期間中に採用を決定する「採用直結型インターンシップ」は、優秀な人材を早期に確保できるということで、企業側は上手く採用してきました。しかし、本来のインターンシップの目的から大きく外れて学生に混乱を招くなどの理由より、2019年に禁止要請の方針が固まったのです。2020年の学生を最後に「インターンで得た学生の情報を採用に用いてはならない」と決定され、採用目的のインターンは禁止されることになりました。

2025年卒以降のインターンシップのルール

採用直結型のインターンを解禁した

採用直結型のインターンは禁止事項になりましたが、あくまで要請にとどまるものであったため実際には継続されて行われており、逆に学生を混乱させる事態に陥ります。そこで禁止ルールを決定した産学協議会では、「明確なガイドラインを設けた上で、認めた形にする」と、2022年4月に方針を固めました。そして、2025年卒業予定者より採用直結型のインターンが解禁されることになったのです。これによって、2025年卒業予定者は、大学3年の夏よりインターンシップに参加するとともに、事実上の就活もスタートすることになりました。

採用直結型インターンシップの特徴

事前選考がある場合が多い

採用直結型インターンシップの大きな特徴として、事前選考がある場合が多いことが挙げられます。採用に直結することからも、事前選考にて職務への適応力の高い学生を見極めて、より精度の高い選考にすることが目的です。多くの企業が事前選考においても本選考に近い内容となり、ハードルも高くなっています。事前選考をパスしなければインターンシップへの参加権利が得られないため、学生側としては事前選考への十分な準備も必要です。

期間が長い

採用直結型インターンシップは、従来のインターンシップと比べ、期間が長いのが特長です。企業側としては内定を出すことまでを目的としているため、学生に十分な職業体験をしてもらうとともに、人材の見極めを慎重に行いたい気持ちが伝わってきます。学生としては時間をかけて実務経験ができるため、入社後のイメージがしやすいというメリットがあり、企業側にも学生の本質を知ることができるという利点があります。ミスマッチが少なくなることは、双方にとって大きなメリットと言えるでしょう。

内容が実際の業務と近い

採用直結型インターンシップでは、プログラム実施中に内定を出すか判断するため、プログラムの内容も必然的に実際の業務に近くなります。入社時と同様の体験ができるとともに、入社前に実務経験を積むことができるのは、学生と企業の双方にとってのメリットです。業界云々もさることながら、実務を経験し評価してもらえることは、既に入社後のステップを踏むことと同様と言えるでしょう。学生は自信を持って入社し、企業は即戦力として期待できます。

採用直結型インターンの解禁が意味すること

インターンが事実上の就活の場になった

採用直結型インターンが解禁されたことは、インターンが事実上の就活の場になったことを意味します。前述のように2025年卒業予定の学生からは、大学3年の夏に実施されるインターンシップからが、事実上の就活となるのです。それを前倒しするように学生は就活準備をする必要があり、早めに内定をもらうことができます。企業側としては、早めに優秀な人材を囲い込むことができ、あとは他に取られないように入社までのスケジュールを組んで離れないようにするだけです。学生にとっては、内定をもらいながら他の職種などにもチャレンジする場が広がることもあり、上手く制度を利用することで就職の幅は広がるでしょう。

就活が早期化した

採用直結型インターンの解禁によって、就活は間違いなく早期化します。採用直結型インターンは拘束力がないものの禁止事項とされていましたから、法令順守を謳う大手企業などは、正攻法で勝負していた一面があったことも事実です。晴れて解禁となれば、胸を張って企業側も採用選考を行うため、インターン解禁と同時に熾烈な人材獲得合戦が繰り広げられるでしょう。学生側としては、同時に複数のインターンシップに参加することはできないため、参加する企業を選択することも重要になります。

採用直結型インターンシップに参加するその他のメリット

就職活動に場離れすることができる

採用直結型インターンシップに参加することは、就職活動に場慣れすることができるというメリットもあります。就職活動は1回きりで終了することは珍しいことです。数社を候補に挙げて、その中から自分が想像するイメージと近い企業や雰囲気や待遇の良い企業を選ぶのが一般的でしょう。また、自分が希望しても、必ずしも内定をもらえるわけでもありません。採用直結型インターンシップに参加することで、就職活動で重要な選考および面接などに場慣れできることは、その後の就活に大いに役立つことでしょう。

興味のある業界を知ることができる

採用直結型インターンシップでは、実際に企業の一員として働くため、リアルな業務体験から今までに知り得なかった業界の側面も知ることができます。また、数か月に及ぶ実務では、業界および企業の深い部分に触れることもでき、自分が希望する仕事や取り巻く環境を良く知れるのは大きなメリットです。同じ興味の持つ業界であっても企業ごとの特長があり、自分にあった企業や自分が望む企業を選ぶことができます。専門知識を深められる企業であるのか、グローバルに展開する将来性の高い企業なのかも見て体験して知ることができるでしょう。

社会人とコミュニケーションをとれる

採用直結型インターンシップでは、実際に働いている従業員の方から話を聞くことができます。社会人の先輩からたくさんの話を聞けることは、社会人となってから大きな財産になります。採用直結型インターンシップは長期間にわたることも多く、身近な先輩から熟練の方まで様々な人とコミュニケーションをとることが可能です。仕事に対する熱意を感じ取り心構えを学ぶとともに、学生が持っている素朴な質問をぶつけてもいいでしょう。同じ境遇で悩み成長した社会人の方々の貴重な言葉を聞くことができます。

学生生活でやるべきことがわかる

採用直結型インターンシップに参加することで、残された学生生活でやるべきことがわかることも、メリットの1つです。実際に企業で働くことで、自分に不足している部分や自分が他よりも長けている面も客観的に知ることができます。自分の弱みや強みを知ることは、自分自身が成長する根源ともなり、残された学生生活でやるべき課題も見えてくるでしょう。それらは社会人になってからも続くものであり、早期にやるべき課題を知れることは人生の大きな転機となり、新たな成長へと繋がることは間違いありません。

採用直結型インターンシップに参加する際の注意点

行く目的を明確にする

採用直結型インターンシップに参加する際には、行く目的を明確にしておくことが重要です。目的を持たずに参加しても、時間とお金を浪費するだけとなってしまいます。目的を明確にしたうえで、ぜひ参加したいと思うインターンシップを選ぶことで、より自分の成長に繋がる機会とすることができるでしょう。専門性の高い分野や長期のインターンシップは、アルバイトよりも高い報酬がもらえるものもあります。金銭的な目的でも構いませんし、自分の特性を知ることや具体的な能力の取得など目的を明確に持って参加することで、より意味のある職業体験となるはずです。

まとめ

採用直結型に参加し就活を有利に進めよう

2025年卒より本格的に実施される「採用直結型インターンシップ」は、大学3年の夏より実施されるため、2023年の4月から始まっています。もとより行われている制度が正式に認められたということで、戸惑うことは少ないかもしれません。しかし、もう一度「採用直結型インターンシップ」の意味を考えたうえで参加することにより、有意義な就職活動となるはずです。企業側の思惑も読み取りながら、自分のためになる採用直結型に参加し、就活活動を有利に進めてください。

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