記事更新日:2023年02月03日 | 初回公開日:2023年02月03日
採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 用語集就職や転職活動における内定辞退とは、企業から出た内定を内定者が自己都合で取り止め、辞退することを言います。そして内定通知を出した数に対する内定辞退の割合が内定辞退率になります。内定が決まった時点で雇用契約は成立したことになるので、内定辞退は契約の不履行に当たります。しかし憲法によって職業選択の自由が保障されていますので、内定者が一度得た内定を辞退することは可能と考えることもできるのです。複数の企業から内定を得た場合や、選考過程でギャップを感じたため辞退するという場合があります。
内定辞退率の計算方法は、内定辞退者数÷内定取得者数です。内定辞退率と求職者の関係性は、買い手市場か売り手市場かによっても大きく変わります。求職者側に選択の自由が大きい場合は内定辞退率は高くなると考えられますし、企業側の立場が強ければその逆になるでしょう。新卒採用や通年中途採用などの場合には、過去の結果からあらかじめ今年度の内定辞退率を予想しておく必要があります。その上で今年度の目標数値はどのくらいかを計算し、偏りのない採用を検討しなければなりません。
年度により変動はありますが内定辞退率は6割前後の高い水準で推移しており、2023年卒では前年より増加しています。売り手市場という背景が内定辞退率の高い原因と言えるでしょう。さらに新型コロナウイルスによる就活生の不安が増大し、複数内定を保有する傾向があることも内定辞退率が高い理由の一つです。複数内定を保有したまま就活継続をする学生が多いので、結果的に内定辞退率が高くなってしまいます。また、オンライン選考が多くなり、求職者は企業に十分に理解してもらえていないと感じる傾向が強くなっています。
内定辞退が生じる原因のひとつに、雇用条件がマッチしていないということがあります。企業側が提示する条件と求職者の条件がマッチしていない場合には、内定辞退が起こりやすくなります。選考時には、求職者が不採用になることを恐れて条件面の質問をしない傾向があります。そのため面接時に雇用条件のすり合わせが行われずに内定まで進行してしまう場合も考えられます。採用ページなどで就業条件を提示する、選考の段階でできるだけ正確かつ早めに条件を提示をすといった対策を取ることで、内定後の辞退を防ぎやすくなるでしょう。
内定後のフォローができていないことが、内定辞退を招く場合があります。内定者は「本当にこの企業で良いのだろうか」「上手くやっていけるだろうか」などと、漠然とした不安を抱えています。入社日まで寄り添って内定者の不安や疑念を払拭することに努めましょう。特に新卒者の場合は周囲から内定先企業の話を聞く機会が多いため、内定後の連絡がないと疎かにされているように感じて不安になりがちです。電話やメール、SNSなどで定期的に内定者とコミュニケーションを取り、信頼関係を構築することが大切です。
内定が出るまでの期間や内定から入社までの期間が長いと、内定者は他の選択肢があったのではないかなどと不安になりがちです。企業は定期的に内定者とコミュニケーションを取ることが大切です。そしてコミュニケーションは企業からの一方通行にならないように気を付けましょう。内定者の不安を聞くなど、相手を理解しようとする姿勢を見せると、入社後の不安が軽減されます。内定者が企業で働く自分や企業で活躍できるイメージを明確にできるようにサポートしていく必要があるのです。
求職者にとって他社の方が志望度が高い場合、他社の採用が決まった時点で内定を辞退するケースは多いです。学生など、求職者の多くは、志望度が高くない企業でも滑り止めや面接の経験を増やす目的で受けるのです。このような内定辞退者を減らすには、選考の段階で自社の魅力アピールや就職後のイメージの共有を図りましょう。少しでも自社に気持ちをとどめてもらうためには、できるだけ求職者の気持ちに寄り添うことが大切になります。また就職活動、選考等の進捗について、企業と求職者それぞれの状況を共有するように努めましょう。
求職者が直接的に会話する面接官や人事担当者の印象が悪いと、企業に対するイメージも悪くなり内定辞退を招いてしまう場合があります。面接時の会話から、採用サイトの就業条件とは異なるような雰囲気を感じて不安を抱くこともあるでしょう。求職者は、インターネット上の企業の評判をチェックしています。悪い評判を見ると不安になってしまう場合もあるのです。面接官を含めた選考担当者の教育を徹底し、インターネット上の自社の口コミ記事についても把握することも大切です。
企業は自社が求める人物像を明確にしましょう。社内や採用担当者間で採用する人物像を決めて、共有する必要があります。その上でその人物の獲得に向けた採用戦略や一貫性のある採用プロセスを展開しましょう。企業が欲している具体的な人物像を知ることで、自分がその会社で働くイメージを描けるようになる場合もあり、その逆もあるでしょう。それにより企業と求職者のミスマッチが起こりにくくなります。また、求人掲載の内容を魅力的に書きすぎないように注意する必要があります。
内定辞退率を下げるには、積極的に情報発信を行うことが大切です。求職者が企業研究のために利用するのは、企業HPや採用ページです。面接前の辞退が多い企業は、自社HPの見直しを検討しましょう。掲載されている情報は常に最新にし、求職者目線でわかりやすく書きましょう。このような採用情報の広報によって、求職者の安心と採用辞退対策になります。また、面接においても基本給や手当、福利厚生などは特に学生が注視しているポイントなので、聞かれなくとも情報発信しましょう。さらに自社の魅力や社風を積極的に発信することで求職者が企業のイメージを深めることができ、内定者の入社への意欲を高めることにつながります。
優秀な人材をすぐに確保するために、スピーディーな選考や内定判断を行いましょう。これは内定辞退率を下げるための必須条件です。求職者にとっては就職の内定に関する情報提供は、早ければ早いほど有難いものです。採用、不採用のどちらでも、次の行動を判断しなければならないからです。採用に関する情報が遅ければ、他の会社から先に連絡が来た段階で辞退されるケースもあります。書類選考に時間がかかる場合でも、面接までの段階では採用を前提に話を進める姿勢を持ちましょう。
内定後もコミュニケーションを取ることが欠かせません。入社までに時間があると、内定者は明確な理由がなくても漠然と入社に対する不安を感じやすくなり、内定辞退につながってしまう場合もあります。内定通知後も丁寧なフォローを心掛けましょう。就職活動の状況などを気さくにヒアリングするというのも効果的です。メールや電話だけでなく、チャットワークやラインなどの手軽なツールで気軽に対応を行う採用担当者もいます。また懇親会や企業イベント、食事会など、学生と社員がコミュニケーションできる機会を定期的に設けることも有効です。
長期的な視点を持って採用を行うことは、企業活動を続ける上で非常に重要です。これにより内定辞退率を抑えることにもつながります。人材を育てるという意識をもつことで、ミスマッチによる離職を防ぐことが可能になります。それにはまず求職者の希望条件を把握することが重要です。求職者が希望する業務や働き方を踏まえて、その人材を今後社内でどのように活かすことができるかを考えることが必要です。新卒の求職者に限らず中途採用でも、長期的視点で採用計画を立てることが欠かせません。
懇親会などの場を設け、内定者同士の親睦を深めるように促すことは内定辞退率を下げるポイントとなります。会社に勤めるうえで、同じ目線で話せる同期との繋がりは重要です。また、入社前に内定者同士での交流を促すことは新しい職場への不安の解消につながります。内定者懇談会を開く企業もあり、採用までのプロセスについて就活生の率直な意見を聞くことが可能です。また、就活生からの直接的な意見を取り入れることで、採用プロセスへの課題を明確にすることができます。さらに、内定者同士の交流会を公開することで、新卒希望者へのフォローが手厚いという印象を与えることもできるのです。
内定辞退率を下げるための採用手法のひとつとして、リファラル採用が挙げられます。リファラル採用は、自社の社員から就活生の知り合いを紹介してもらい、直接アプローチする方法です。就活生にとっては、知り合いの勤めている会社ということで、安心感と信頼感を抱きやすいというメリットがあるでしょう。また、企業側には、社員の知り合いの就活生ということで、長期的に自社に定着してもらいやすい利点が挙げられます。中途採用活動において実施されることの多い採用手法ではありますが、最近では新卒向けにも実施されるケースも増えつつあるのです。
ダイレクトリクルーティングも内定辞退率を下げる採用手法として有効でしょう。ダイレクトリクルーティングは、就活生個人と直接コミュニケーションをとり、スカウトを行う採用方法を指しています。この方法の場合、自社のニーズに最適な人材を発掘して確実にアプローチができるという利点があります。一方スカウトを受けた学生も「自分が求められている」と感じやすくなるのです。そのため双方にとって前向きな効果をもたらすことが可能で、近年導入が増加しているのです。
採用担当者にとって、時間と労力をかけて集めた求職者に内定を辞退されてしまうことは非常に痛手です。内定辞退率が高いと感じる場合には、これまでの求職者、内定者への対応を求職者目線で振り返り改善する必要があります。HP記事の更新、雇用条件や採用スケジュールの見直しなども検討していきましょう。人手不足によってコア業に専念できていないのであれば、採用業務のアウトソースや採用管理システムの導入も対策のひとつです。内定辞退率を下げるために、自社に合った採用手法は何かをよく考え、対策しましょう。
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