試用期間は延長できる?【条件や注意点を交えてお伝えします】

記事更新日:2023年03月24日 初回公開日:2023年03月24日

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新しく採用した従業員には、今後への期待を抱くと同時にミスマッチが不安な人事担当の方もいるのではないでしょうか。そのために、本採用ができるかを見極める期間として試用期間を設定している会社も多く存在します。しかし、試用期間内に勤務態度や能力面で問題が発生し、本採用まで時間が必要と感じることがあるかもしれません。そのような場合、必要な条件を満たせば、試用期間を延長できます。この記事では、試用期間を延長する場合に必要な条件や注意点、事例などを解説します。試用期間の延長を考える際の参考にしてみてください。

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試用期間とは

雇用契約を結んだ上で継続できるか見極める期間

試用期間とは、会社が採用した人材と雇用契約を結んだ上で適正であるかどうか見極める期間のことです。選考プロセスではなく、本採用前の試験的な雇用として設けられます。試用期間は正社員だけでなく、契約社員やアルバイトでも設けられることがあります。試用期間はアルバイトで本採用後は正社員に登用するなど、試用期間終了後に雇用形態が変わることはありません。また、試用期間に関して法律上の規定はないため、会社で定められた就業規則に則った運用をするのが一般的です。

試用期間の目的

応募者のスキルや人柄を確認する

試用期間は、応募者のスキルや人柄を確認することが最大の目的として定められています。選考のみでは勤務態度や能力を判断できないため、実際に働く姿を見て採用しても問題ないか確認できます。会社の雰囲気や担当業務との相性を見ることで、双方にミスマッチが発覚することもあるでしょう。様々な角度からチェックすることで、個人の適性や会社との相性を知ることができるでしょう。従業員側としても、実際に働くことで会社の雰囲気に馴染めるか、業務をこなしていけるか確認できるというメリットがあります。

試用期間の長さ

一般的には3ヶ月程度

試用期間の長さは法律上で決められていませんが、一般的には3カ月程度が目安とされています。試用期間の従業員は経済的にも不安定な状態にあるため、必要以上に長い期間は適切ではありません。試用期間が長いと、試用期間を終えることなく安定して収入を得られる会社に転職を考えることにもつながります。従業員が不安や不満を感じないよう、試用期間は長くても1年未満が妥当と言えるでしょう。また、試用期間中では携わることのできる業務範囲が狭まることも考えられます。会社の生産性の観点でも、試用期間は3~6ヶ月の短期間が適切と言えます。

試用期間を延長できる条件

就業規則に試用期間延長の可能性が明記してある

試用期間を延長するためには、就業規則に試用期間を延長する可能性があることについて明記しておく必要があります。ただ可能性を明示するだけではなく、延長する期間まで記載が必要です。過去の判例では、期間が定められていない試用期間の延長は、無制限に何度も延長することを認めているに等しいため無効となったケースがあります。会社によっては、試用期間中の従業員にとって不安定な待遇になることがあります。その状態を延長することは安易に決められることではないため、あらかじめ就業規則での明示が必要です。

試用期間延長に関して従業員が合意している

試用期間の延長には、対象の従業員への事前通知と合意が必要です。試用期間が満了になると本採用と認められるため、試用期間の満了日や数日後に延長を適用することはできません。会社側が試用期間の延長を検討していても、従業員に事前に通知されていないまま満了日を迎えれば延長は無効となります。試用期間の終了後は自動的に本採用となるためです。また、試用期間が開始された時点で延長の可能性があることが従業員に説明されていなかった場合も、延長は無効とされます。

延長するための合理的な理由や事情がある

試用期間の延長は、延長するに値する合理的な理由や事情があることで成立します。「仕事が遅い」「ミスが多い」などの理由は、試用期間中は当たり前のため合理的な理由として認められません。社会通念上認められる合理的な理由と、延長期間をどのように利用するか明らかにする必要があるでしょう。例えば、勤務態度が悪い場合は、試用期間中に指導していくことで改善されるかもしれません。具体的な問題点を明らかにし、延長による改善の可能性を見越した上で延長する旨を説明できることが求められます。

試用期間の延長が認められる例

業務遂行能力が著しく低い

業務遂行能力が著しく低く、期待していた業務ができない場合は試用期間の延長が認められます。会社が求めていたスキルを全く発揮できないと、本採用後は業務が滞り生産性を下げることにつながります。周りの従業員が手を取られることにもなるため、もう少し時間をかけて様子を見たいときには延長が認められるでしょう。また、延長期間を利用して従業員の配置に最適な部署を探すこともできます。従業員の今後の活躍を考えた人員配置を検討する場合も、延長が認められやすいと言えます。

勤怠不良を繰り返している

遅刻や欠勤などの勤怠不良の繰り返しは、試用期間の延長として認められることが多いです。新卒採用の場合は学生気分が抜けずに遅刻を繰り返すこともあります。その場合、試用期間を延長して反省の状況や改善の様子を見極め、本採用へつなげる判断ができます。延長期間を有効に使うためには、対象の従業員と十分に話し合う必要があるでしょう。後にトラブルが発生した時に証拠として提示できるよう、遅刻回数や欠勤回数は管理し、問題点を明確にしておくことが求められます。

法律違反をした

試用期間中の従業員が法律違反をした場合は、試用期間の延長が認められます。本採用を拒否するまでにはならない程度の法律違反は、試用期間を延長して法律違反が繰り返されないか確認します。再び法律違反を犯すことがなければ、本採用へ移行するという方法を取ることができるでしょう。適用される法律違反は勤務中に限らず、勤務時間外でも同様です。しかし、会社の評判を下げるような法律違反は基本的に本採用を拒否することになります。例えば、傷害事件や飲酒運転による事故などが該当します。

経歴詐称していた

経歴詐称は懲戒事由に相当するため、試用期間の延長が認められます。例えば、職務履歴などに採用結果に関わる書類に虚偽の情報が記載されていることなどが該当します。経歴詐称は、本採用後に発覚した場合でも解雇となることがあるほど重大です。しかし、試用期間中に発覚した場合、事情を聞くなどして本採用をもう一度検討できます。業務に影響があるかどうかが、延長につながるポイントになります。業務に直接的な影響がない場合は、改めて適性や人柄を確認するために試用期間が延長できるでしょう。

勤務態度を改める必要がある

勤務態度が悪く改善が必要な場合は、試用期間の延長が認められます。例えば、上司の指示に従わない、自分勝手な行動をして職場の雰囲気を乱すなどです。職場の雰囲気が悪くなることで業務効率が下がり、会社の業績に悪影響が出ることも考えられます。その場合は本採用をが難しくなりますが、従業員が反省の様子や改善が見られれば、試用期間を延長して本採用の見極めができます。判例上、延長期間を終えた後は延長前の行為を理由に採用の拒否はできないため、延長の際に改善点を詳しく伝える必要があるでしょう。

試用期間を延長する際の注意点

期限を設定する

試用期間を延長する場合は、期間の設定が必要です。法律上の規定はありませんが、3ヶ月以内の範囲が妥当と言えるでしょう。試用期間と同じように、従業員が不安定な状態なのは変わらないため、1年を超える長期間は不適切とみなされる可能性が高いです。延長期間を延長期間についても、就業規則に定めて従業員に明示されている必要があります。改善に要する時間や業務内容から必要な時間を想定することで決めやすくなるでしょう。期間を決めない延長は、無期限のものとみなされ無効となります。

従業員に十分な説明を行う

試用期間を延長するためには、従業員に十分な説明を行うことが求められます。採用の段階で試用期間について説明がされていたとしても、改めて詳細に説明し、理解させることが必要です。試用期間の延長は、従業員にとって前向きな結果ではありません。そのため、本採用を見送られるのではないかと不安にさせる可能性も十分あります。従業員を精神面でフォローするためにも、試用期間の延長の理由を含めて丁寧に説明しましょう。また、延長期間を利用して改善できることを伝える機会にもなります。

延長する理由を明確に示す

試用期間を延長する際は、理由を明確に示す必要があります。会社の説明会では、試用期間の運用や延長の可能性についても説明しておく必要があるでしょう。また、延長する理由を裏付ける証拠となるものは、確保しておきましょう。仮に延長が不当であると従業員が訴訟を起こした場合、会社が合理的な理由があることを証拠として明示できないと、裁判で不利になることもあります。延長する場合は、従業員が納得できるような明確な理由を書面で説明し、必ず署名捺印をもらいましょう。

試用期間延長の事例

大阪読売新聞社事件

大阪読売新聞社事件では、勤務態度不良の従業員が就業規則に則って試用期間を1年まで延長されました。この事例では、最終的に延長する前の勤務態度を理由に本採用が拒否されました。試用期間を延長したにもかかわらず、延長前の行為を理由に解雇されています。このことから、解雇は無効であると訴訟が起こされました。裁判では、延長前の行為のみを理由に解雇することは認められないという判決になり、従業員が勝訴しています。合理的な理由ではないと判断され、解雇が無効とされた事例です。

ブラザー工業事件

ブラザー工業事件は、試用期間中の社員が社員登用試験に3回不合格となり就業規則に則って解雇された事例です。解雇が無効であるとして、解雇された従業員が訴訟を起こしています。この従業員は見習い社員として採用された後に試用社員に登用されています。裁判では、業務遂行能力が著しく低い場合は見習い社員の段階で判明したはずである、見習い期間を含めた試用期間が合理的な範囲を超えているなどの理由で解雇が無効とされています。就業規則に則った判断でも、合理性に欠ける理由とされれば解雇は無効となるとわかる事例です。

まとめ

試用期間を延長する際はしっかりと条件を確認しよう

試用期間を延長できる条件や、延長する際の注意点をご紹介しました。試用期間は従業員にとって不安定な状態が続くため、簡単な理由では延長を適用できません。しかし、会社の生産性や職場の雰囲気を考えると、本採用に進めるのに不安な従業員を見逃すことはできないでしょう。そのためには、必要な条件を揃えた上で、訴訟に発展した際に提示できる合理的な理由と証拠が必要になります。試用期間の延長は頻繁に検討することではありませんが、必要になるタイミングに備えた準備が必要です。今一度、会社が試用期間を延長できる条件を満たしているか確認しましょう。

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