記事更新日:2023年08月03日 | 初回公開日:2023年05月22日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報ノンバーバルコミュニケーションとは、言語以外のしぐさや表情、声色などの五感により、情報や意思を受け取るコミュニケーション方法です。「非言語コミュニケーション」とも呼ばれ、言語コミュニケーション以上に人に与える印象が大きいと研究結果が出ています。ノンバーバルコミュニケーションを上手く活用することで、会議や商談、面談などが円滑に進み、良好な人間関係が築けることが期待されています。また、共通言語がない場合でも、ノンバーバルコミュニケーションによって意思疎通が可能になります。
ノンバーバルコミュニケーションとバーバルコミュニケーションでは、意思疎通の際に「言語を使うか使わないか」に違いがあります。バーバルコミュニケーションは、意志の伝達や受け答えのために言語を使います。会話内容やメール、手紙など、言語を通して行われるものはバーバルコミュニケーションです。情報の正確性が高いですが、ノンバーバルコミュニケーションが与える情報によって、言語が本来持つ意味の印象が変わることもあります。
ノンバーバルコミュニケーションには、ジェスチャーのような動作やしぐさがあります。例えば、肯定するときに頷く、否定するときは首を振るという行為などが該当します。言語が通じない相手に、手足など身体を使って伝えたいことを表現することも、ノンバーバルコミュニケーションに当てはまります。また、正しい姿勢を維持していれば礼儀正しい印象を与え、猫背だと頼りない印象を与えることから、姿勢もノンバーバルコミュニケーションの一つです。
顔の表情には人の感情が現れやすいため、重要なノンバーバルコミュニケーションの一つです。笑っているときは楽しいという気持ちが相手に伝わりますし、悲しい表情で泣いているとつらい気持ちが伝わります。特に目は、顔の中でも人に与える印象がひと際強く、「目で合図する」「睨まれている」など、目を中心とされる表現が非常に多いです。表情は国や文化を越えて共通認識のため、意図を受け取りやすいノンバーバルコミュニケーションです。
顔立ちや体型、皮膚や髪の色など、身体的特徴は、人に印象や情報を与えるノンバーバルコミュニケーションの一つです。例えば、痩せている人に対して小食なイメージを持つことや、髪の毛が乱れている人は雑だろうと考えるなど、視覚情報をもとに人にイメージを抱くでしょう。このようなノンバーバルコミュニケーションは、認知的バイアスにかかって偏った態度を取ることになるため、相手によっては不快に感じることもあり注意が必要です。
日本ではなじみが浅いかもしれませんが、握手や抱擁などは接触によるノンバーバルコミュニケーションの一つです。始めて会った人と仲良くなるための握手や、お別れする際の抱擁は、欧米では日常的に行われているノンバーバルコミュニケーションです。国や文化によって違いがあるため、接触行動の少ない日本人は、欧米など接触行動の多い国の人から見ると違和感があるでしょう。国際的なコミュニケーションが必要な場では、相手の文化をある程度理解しておくことが大切です。
パラ言語は、話すスピードや口調、声のトーン、沈黙など、言語情報を補うノンバーバルコミュニケーションです。話すスピードの速い人に対してせっかちな印象を持ったことや、落ち込んで声のトーンが低くなるといった経験のある方は多いでしょう。また言語を発さない沈黙でも、状況によって迷っていることや反抗的な気持ちを、相手に伝えることになります。パラ言語によって、言語に感情や情報が上乗せされて成立するコミュニケーションです。
眼鏡や衣服などの人工物も、人の印象を左右するノンバーバルコミュニケーションに含まれます。例えば、ビジネスの場ではスーツのようにフォーマルな服装が誠実な印象を与えます。誠実な印象は信用にもつながりやすいため、スムーズに話が進むでしょう。逆に、高級レストランにジーパンなどのラフな格好で入れば「常識のない人」と思われて良いサービスを受けられないかもしれません。人工物は自分で選べるため、印象をコントロールできることが特徴です。
プロクセミックスとは、他人との距離の取り方による意志の伝達手段で、パーソナルスペースの考えをもとに提唱された理論です。物理的に近づくことで、相手との心理的な距離が縮まると言われていますが、文化的な違いがあるため配慮が必要です。特に日本人はパーソナルスペースに敏感で、親密な相手以外との距離を広めにとる傾向があります。パーソナルスペースが狭い外国人とコミュニケーションを取る際は、パーソナルスペースに過剰反応しないよう注意が必要です。
ノンバーバルコミュニケーションは、言語情報を補完するために重要な役割を果たします。例えば、声に強弱をつけることや間を取ることで、強調したい部分や重要事項を伝えるために役立ちます。共通言語がない外国人でも、人差し指で物を指す、拍手で称賛の意志を示すなど身振り手振りで情報を伝達できるでしょう。言語が通じる相手には情報に深みを持たせ、言語がなくても意思疎通ができるのがノンバーバルコミュニケーションです。
ノンバーバルコミュニケーションは、相手を深く理解するために役立ちます。表情やしぐさには、言葉に出ない人の感情や意図が現れます。例えば「はい」という返事一つでも、笑顔であれば快く肯定していると分かりますし、怒った表情では不満があるとわかるでしょう。お互いの距離を取ろうとする人は警戒心があり、徐々に仲を深めていくよう対応策を考えることもできます。ノンバーバルコミュニケーションは相手の気持ちを理解し、その後の円滑なコミュニケーションに役立てるために重要です。
ノンバーバルコミュニケーションは、信頼関係の構築に欠かせない要素です。意識して会話に取り入れることや、服装やアクセサリーを用いて相手に印象付けることで、相手と信頼関係を構築できるようになります。例えば、レストランのウエイターの髪が綺麗にまとめられていたら、清潔なレストランだと感じて安心を感じます。また、笑顔で気持ちの良い会話ができる人とは、この先も良い関係を築いていきたいと考えるのではないでしょうか。相手への敬意や親近感が表れるノンバーバルコミュニケーションは、信頼関係の構築の第一歩です。
商談の場や会議の場で重要なプレゼンテーションは、ノンバーバルコミュニケーションを上手く取り入れることで、相手に意図が伝わりやすくなります。必ず聞いてほしい文言の前に間を入れて注目を集めることや、参加者一人ひとりと目を合わせて心理的な距離を縮めるなどが効果的です。反対にただ文章を読むだけのプレゼンテーションであれば、相手を退屈させて内容を伝達しづらくなるでしょう。ノンバーバルコミュニケーションは、使い方によってビジネスの成功を左右するほど重要です。
採用面接では、応募者の適性や考えを引き出すために、ノンバーバルコミュニケーションが用いられます。面接時は緊張や不安で上手く話せない応募者に対し、笑顔や相づち、声のトーンから安心感を与え、穏やかで話しやすい印象で臨みます。また、応募者の臨機応変性を確かめたいときは、難しそうな表情に切り替えるという使い方もできるでしょう。また、面接官は会社を印象付ける存在になるため、服装や雰囲気などから「一緒に働きたい」と思ってもらえるような工夫も、採用活動では有効です。
ウインクゲームはウインクキラー1人に対し、数人が市民役となり、ウインクされた人が倒れたふりや「やられた」と言い、キラーが誰かを当てるゲームです。最終的に市民が一人になったらウインクキラーの勝利で、それまでにウインクキラーを見破れば市民の勝利になります。5~8人の人数で行うのがベストで、会話は一切禁止とされています。アイコンタクトのみ意志を伝えるので、自分がどのくらい周りを見ているのか、誰がノンバーバルコミュニケーションに長けているか明らかになるゲームです。
「しぐさの技術」は、ノンバーバルコミュニケーションの実践方法が説明された、パントマイムアーティストが書いた本です。しぐさによって自分の性格や他人に与える印象を操作でき、口下手でも円滑なコミュニケーションができるということが分かります。また、人の瞬間的な影響力を表す「ステイタス」という概念が出てきます。ステイタスに緩急をつけることで、会話や交渉などビジネスシーンも円滑に進みます。ノンバーバルコミュニケーションを理解し、人間関係を調整しやすくなるでしょう。
「ビジネスに効く表情の作り方」は、科学的根拠に基づいたノンバーバルコミュニケーションの活用方法が具体的に説明されている本です。営業や接客、商談、プレゼンテーションなど、幅広いビジネスシーン毎に活用できるノンバーバルコミュニケーションのノウハウが詰まっています。表情づくりや身体の表現のトレーニングなど、本を通して実践的にノンバーバルコミュニケーションを学ぶことができます。心理学にも触れるため、思うようにビジネスが進まない方や対人スキルを磨きたい方におすすめです。
ノンバーバルコミュニケーションの概要や具体例、重要性などを紹介しました。ノンバーバルコミュニケーションは、言語以上にコミュニケーションに大きく影響します。そのため、活用方法によっては信頼関係の構築や商談の成功など、ポジティブな結果につながります。しかし、国や文化によって意味合いが異なり、考えなしに使うと失敗することもあるため注意が必要です。組織の活性化のためにも、ノンバーバルコミュニケーションを意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。
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