労働条件の明示義務とは【メールで明示が可能になった!詳しく解説します】

記事更新日:2023年05月31日 初回公開日:2023年05月30日

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労働条件の明示義務は、雇用主が労働契約締結時に労働条件を明示する義務のことです。労働基準法第15条によって定められており、労働者が就業前に自身の労働条件を正確に把握できるようにすることが目的です。労働条件の明示は、採用後の定着や労働者の安心感を高める重要な要素です。明示された労働条件に基づいて労働者は仕事に取り組むため、適切な労働環境を確保することが求められます。労働条件が明確に示されることで、労働者と雇用主の間に信頼関係が築かれ、円滑な労働関係が促進されます。本記事では人事や労務の方向けに労働条件の明示義務について解説します。

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労働条件の明示義務とは

雇用主が労働者に労働条件を明示すること

労働条件の明示義務とは、雇用主が労働契約締結時に労働者に対して労働条件を明確に示す義務のことです。労働基準法において定められており、労働者が自身の労働条件を正確に把握できるようにすることが目的です。労働条件には賃金・労働時間・休日・休暇などが含まれます。雇用主は労働契約の締結時にこれらの条件を明確に伝えなければなりません。明示された労働条件は、労働者が就業する上での基準となり、労働環境の透明性と信頼関係の構築にも寄与します。

労働条件の明示目的労働条件の明示目的

労働条件と異なる場合は契約の即日解除が可能なため

労働条件の明示目的は、労働条件と異なる場合は契約の即日解除が可能であるため、雇用契約の内容と実際の労働条件が一致しているかを確認することが目的となります。労働条件の明示によって、労働者は自身の権利を守ることができるため安心できます。明示された労働条件が遵守されない場合、労働者は適切な措置を講じることができます。例えば、労働条件と異なる労働時間や賃金が発生した場合、労働者は適正な処遇を求めることができるのです。

契約解除による帰京費用を雇用主が負担しなければならないため

他にも、契約解除による帰京費用を雇用主が負担しなければならないことも定められています。これは、労働者が不当な労働条件によって雇用契約を解除する場合でも、適切な処遇が行われるように保護するための規定です。従って、労働者が労働条件と異なる状況によって契約を解除し、帰京などの費用が発生する場合、雇用主がそれらの費用を負担する責任があります。これにより、労働者の権利保護と公正な労働環境の確保が促進されます。

労働条件の明示内容

絶対的明示事項

労働条件の明示において、労働基準法によって絶対的明示事項があります。まずは、労働者に支払われる賃金の額や支払い方法、給与の支払い日などが明示されます。次に労働者が労働しなければならない時間、所定労働時間、休憩時間、週休日などが明示されます。有給休暇の取得方法や期間、特別休暇や休業日なども明示が必要です。他にも、労働者の保険への加入方法や内容が明示されます。また、労働条件が変更される場合、どのような手続きや通知が行われるかが明示されます。

相対的明示事項

労働条件の明示にはもうひとつ、対的な明示事項に加えて相対的な明示事項があります。こちらは雇用主から口頭での説明で良いとされる事項になります。昇進や昇給の基準・評価方法・昇進や昇給の機会が明示されます。これにより労働者は成果や能力に基づいて昇進や昇給の見込みを把握できます。賞与についての規定もこちらに含まれます。他にも退職時の手当てについての計算や支払い方法もあります。安全及び衛星に関する事項もこちらに該当します。

パートタイム労働者に対する明示事項

パートタイム労働者の場合、労働条件の明示義務に加えて、パートタイム労働法第6条に基づいた項目を明記する必要があります。明示が義務付けられているのは3つの項目です。まず、パートタイム労働者が昇給の機会を持つかどうかを明示する必要があります。次に、パートタイム労働者が退職時に手当を受け取るかどうかを明示しなければなりません。最後に、パートタイム労働者が賞与を受け取る権利があるかどうかを明示する必要があります。

派遣労働者に対する明示事項

派遣労働者に対しても労働条件の明示義務があります。労働者派遣法34条1項によって、派遣労働者には「労働条件通知書」と「就業条件明示書」が交付されます。労働条件通知書は、労働基準法に基づき絶対的に明示が求められる項目の一例です。一方、就業条件明示書は労働者派遣法において要求される書面です。ただし、両書面の内容は多くの点で共通しているため、実際には「労働条件通知書兼就業条件明示書」として一つの書面として交付されることが多いでしょう。

労働条件に明示してはいけない内容

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労働条件の明示には、特定の内容を明示してはいけないという制限があります。まず、賠償の予定については、労働者が仕事中にミスを起こし企業に損害を与えた場合、損害賠償金額を予め決めておくことは禁止されています。次に、前借金の相殺も労働条件に盛り込むことはできません。前借金の相殺とは、採用条件として労働者にお金を前貸しし、将来の給与から返済することを契約書に盛り込むことです。最後に、強制貯金も労働基準法に違反する行為です。強制貯金とは、企業が従業員の給与を強制的に貯金させる契約を結ばせることです。

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労働条件の明示時期

労働者の募集時から明示する

求人申込みや募集時から、労働条件の明示が必要です。具体的な時点としては、求人申込みや自社ウェブサイトでの募集、求人広告の掲載時です。求人票や募集要項などの文書において、労働条件を明確に記載する必要があります。明示する内容は、労働条件の詳細です。もしスペースが不足している場合は、「詳細は面談の時にお伝えします」といった表記で一部を明示し、残りの労働条件を別途明示することも可能です。ただし、原則として初回の面接や求職者との最初の接触時までに、全ての労働条件を明確に示すべきです。

新卒採用に対する明示

新卒採用において、労働条件の明示時期については理解が分かれることがあります。募集要項を出す段階で明示すべきなのか、内定を出す時点なのか、それとも入社時のタイミングなのか。明確に把握している方は多くないかもしれません。労働契約法第6条では、「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する」と規定されています。したがって、原則として採用内定時に労働条件を提示することが求められます。

労働条件の明示方法

書面による明示

労働条件の明示は、原則として書面によって行われます。労働基準法や労働契約法により、雇用主は労働者に対して労働条件を明示する義務を負っています。具体的な明示方法は、労働条件通知書や労働契約書を使用することが一般的です。これらの書面には、賃金・労働時間・休日・休暇・福利厚生などの労働条件が明記されます。労働条件の明示は労働者の権利保護と適正な労働環境の確保を目的としています。雇用主は労働者に対して適時かつ明確な労働条件の提供を行うことが求められます。

口頭による明示

雇用契約では、労働条件の明示は口頭だけでなく、労働条件通知書を書面にして交付する義務があります。通常の諾成契約では口頭のみで成立しますが、雇用契約では労働者が正確な情報を得て納得した上で契約を締結できるよう、労働条件通知書を書面にして交付することが求められます。労働条件通知書には、雇用期間、業務内容、労働時間、休日・休暇、賃金支払い方法などの重要な項目を明記し、労働者が労働条件を把握しやすくする役割があります。書面による明示は契約の公平性と透明性を確保するため、労働者の保護と円滑な労使関係の構築に寄与します。

電子メールによる明示

雇用契約において労働条件の明示は、電子メールによっても行うことができます。労働条件通知書や明示書類を電子メールで労働者に送付することで、労働条件を明確に伝えることができます。ただし、電子メールでの明示は企業側が勝手に決めることは出来ません。労働者の希望ではじめて書面以外の方法で通知が可能になります。他にも、労働者が電子メールを受信し、内容を確認できる環境が整っていること、電子メールの送信履歴や受信確認の記録を適切に管理することなどが重要です。

労働条件の明示義務に違反がある場合

罰則が課せられる

労働条件の明示義務に違反した場合、労働基準法により罰則が課せられる可能性があります。具体的な罰則は、労働基準法第103条に定められており、違反事業主には懲役又は罰金が科されます。また、労働基準監督署から是正勧告や是正命令を受けることもあります。労働条件の明示義務は労働者の保護を目的としており、適切な労働環境の確保や労働者の権利を守るための重要な措置です。したがって、雇用主は労働条件の明示義務を遵守し、労働者に対して正確かつ適切な情報を提供することが重要です。

行政指導などが入る

労働条件の明示義務を遵守しない場合、労働基準監督署などの行政機関から行政指導が入る可能性があります。行政指導は、労働基準法に基づき、違反事業主に対して是正勧告や是正命令を行うことです。具体的な措置は、違反内容や状況によって異なりますが、労働条件の明示義務に重大な違反がある場合は、是正勧告や是正命令に加えて罰則が課されることもあります。雇用主は労働条件の明示義務を適切に遵守することが重要です。適法な労働環境を整備し、労働者の権利を尊重することで、円滑な労働関係を築き、企業の信頼性と社会的責任を高めることができます。

助成金の受け取りが不可となる

他にも、労働条件の明示義務を遵守しない場合、助成金の受け取りが不可となる可能性があります。助成金は、労働環境の改善や雇用の促進など、特定の条件を満たす事業主に対して支給される給付金です。しかし、労働条件の明示義務を怠るなど、法令遵守の義務を果たさない事業主には助成金の支給が停止されることがあります。違反行為が発覚した場合、行政機関や助成金の管理団体は支給の停止や返還を要求することがあります。助成金は労働環境の改善や雇用の促進に資する目的で支給されるため、違法な労働条件の実施を容認することはありません。

インターネット上でのリスクがある

労働条件の明示義務を怠ると、インターネット上で炎上のリスクが高まる可能性があります。現代の情報社会では、労働者や社会からの声がSNSやオンラインコミュニティを通じて広がりやすくなっています。労働条件の不適切さや違法性が明るみに出ると、社会的な批判や非難が拡散され、企業の評判や信頼性に大きな影響を与えることがあります。労働条件の明示義務を順守することは、企業の信頼性と社会的な評価を高めるために重要です。適切な労働条件の明示は、労働者との信頼関係を築き、雇用の安定や労使間のトラブルを予防する上でも重要な役割を果たします。

まとめ

労働条件をしっかりと明示し労使問題を無くそう

労働条件の明示義務を遵守することは、労働者と企業の信頼関係を構築し、労使問題を未然に防ぐ重要な要素です。労働条件の明示により、労働者は自身の権利と義務を正確に把握し、公正な労働環境を確保できます。また、企業側も明確な労働条件の提示により、労働者の合意を得ることができ、トラブルや紛争のリスクを軽減できます。労働条件の明示には書面や電子メールなどの適切な方法がありますが、いかなる場合でも違法な内容や不適切な条件を含めてはなりません。労働条件をしっかりと明示し労使問題を無くそう。

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