長時間労働の原因は?【長時間労働の基準や対策について】

記事更新日:2020年10月30日 初回公開日:2020年10月21日

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長時間労働を防止するための対策を貴社では行っていますか。長時間労働が長引くと業務効率が落ち、残業にかかるコストが増え、社員の健康被害も発生するといった様々な問題が発生します。現在日本では働き方改革が進められ事業主は長時間労働を抑止し、社員が働きやすい環境を作ることが求められています。働き方改革に違反し長時間労働を蔓延化させてしまうと罰則を受ける可能性もあるので、長時間労働は早急に解決しなければならない問題であると言えるでしょう。今回は長時間労働の概要や長時間労働にあたる労働時間の目安、長時間労働の防止策など幅広く紹介していきます。

長時間労働の定義とは

実労働時間が所定労働時間を上回っている状態

長時間労働とは実労働時間が所定労働時間を上回っている状態を指します。長時間労働とよく耳にする事はあってもどこからが長時間労働にあたるのか定義がよくわからないという方もいるかもしれません。現時点で長時間労働の定義は明確にされていませんが、労働基準法では1日8時間、1週間40時間の労働時間が上限と定められています。労働時間の上限が法律でも定められていることから、雇用契約の範囲を超えた労働を社員に行わせた場合、社員は長時間労働をさせられたと考える可能性が高いでしょう。

基準となる目安は残業時間が月45時間以上

長時間労働の基準となる目安は残業時間が月45時間以上になった時でしょう。時間外労働の上限は月45時間までと厚生労働省で定められています。この時間外労働の上限は大企業も中小企業も共に適用されているため、企業規模に関わらず管理者の方は社員の労働時間の管理を徹底するようにしましょう。また月80時間以上の時間外労働を社員に行わせた場合、過労死ラインに該当してしまいます。過労死ラインに該当した社員は病気の発症や死亡のリスクが高まるとされています。社員を守るためにも会社を守るためにも時間外労働の上限は必ず守るようにしましょう。

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長時間労働の実態

全体の14パーセントが月残業時間45時間を超えている

月の残業時間が45時間を超えている社員は全体の約14パーセントもいると言われています。社員に残業をさせるときには社員側と企業側との間で36協定を結ばなければなりません。36協定を結ばずに社員に残業を行わせた場合、労働基準法に違反していることから罰則の対象となってしまうため十分注意しておきましょう。また36協定を結んでいるからと言って残業時間に上限がないわけではありません。特に日本は世界的に見ても残業時間が多い国。長時間労働を防ぐためにも国と企業の両方が対策を講じるべきでしょう。

長時間労働が起こる原因

人員不足

長時間労働が起こる原因の1つに人員不足があげられます。人員不足に陥った背景には事業の拡大やリストラ、景気の変動、採用活動の失敗などが考えられるでしょう。人手が不足すると社員1人に対する業務量が多くなり、長時間労働が起こる原因に繋がってしまいます。また長時間労働が蔓延化すると企業に対する社員からのイメージが下がり、転職や退職といった人材の流出が起こるようになるかもしれません。少子高齢化に伴い労働人口の減少も問題となっているため、人員不足はできるだけ早く改善すべき問題であると言えるでしょう。

上司の管理不足

長時間労働が起こる原因には上司の管理不足も考えられるでしょう。管理職の社員がきちんと部署をマネジメントできているか確認していますか。部下たちの育成や部署内の業務進捗の把握など、管理職の社員は部署を円滑に回していくために行動することが求められます。そのため管理職の社員のマネジメント次第で部署内の雰囲気や業務効率は大きく変わることでしょう。毎回のように会議を延長したり、社員の就業時間を管理できていない管理職がいた場合、長時間労働が蔓延化する原因となってしまうかもしれません。

長時間労働を美徳とする社内の空気

長時間労働が起こる原因には長時間労働を美徳とする社内の空気も考えられるでしょう。就業時間を守りきちんと仕事をしている社員よりも長時間働いている社員への評価を高くしていませんか。長時間会社で業務をしている社員に対し忠誠心の高さを感じることもあるかもしれません。しかし長時間労働を美徳とするような人事評価制度を続けてしまうと長時間労働が浸透してしまう原因になりかねません。業務効率を上げ就業時間内に仕事を完了できる社員への評価を高くする評価制度を進めていきましょう。

社員の自主的な残業

長時間労働が起こる原因に社員の自主的な残業も考えられます。特定の社員が毎日のように残業をしていませんか。社員の中には自分の職位を上げるために残業を進んで行ったり、残業代をもらうために残業を自発的に行っている社員がいるかもしれません。このような場合は長時間労働に対する取り締まりを強化する必要があるでしょう。残業を行う社員ではなく就業時間内に業務を完了できる社員への評価を高くする人事評価制度を社内に打ち出すことで長時間労働を抑制できるかもしれません。また賃金の低さから残業を行うしかない社員については、この機会に社員の待遇を考え直してみてもいいでしょう。

長時間労働が企業に与えるデメリット

残業代の増加

長時間労働が企業に与えるデメリットとして残業代の増加が考えられるでしょう。月にどれほど残業によるコストが発生しているか把握できていますか。残業によって発生する賃金は1時間当たりの賃金に25パーセント割増して計算されます。そのため残業を慢性的に行わせてしまうと膨大な人件費がかかってしまいかねません。また残業を行う場合、残業を行っている時間に稼働している電源などの光熱費もかかってきます。長時間労働を減らすだけで残業代をはじめ、そのほかのコストも削減できることを覚えておきましょう。

業務効率の低下

長時間労働が企業に与えるデメリットとして業務効率の低下があげられます。長時間労働が当たり前の環境になると就業時間内に業務を終わらせるという意識が低下してしまいます。そのため業務を効率的に行うことを重要視せず、ダラダラと仕事をこなす社員も出てきてしまうでしょう。また残業が増えれば社員が体を休める時間も減ってしまい、睡眠不足などから更に業務効率が落ちてしまう危険性もあります。企業側は社員の業務効率を上げるために何ができるかを考え、対策することが重要になってくるでしょう。

精神的な病気を患う社員の発生

長時間労働が企業に与えるデメリットとして、精神的な病気の患う社員の発生が考えられるでしょう。精神疾患の患者数は年々増加し、過労死や過労自殺などが社会問題となっています。長時間労働を続けると心身ともに休まらずストレスの対処ができなくなってしまうことから、精神的な病気になるリスクが高まるとされています。そして社員が精神的な病気になり休職や退職をした場合、社内の人手が不足し生産性が急落してしまうことが考えられるでしょう。企業側は社員のメンタルケアのためにも、業務を円滑に遂行していくためにも長時間労働を防止するよう努めましょう。

企業イメージの低下

長時間労働が企業に与えるデメリットとして企業イメージの低下があげられるでしょう。社員に対して企業イメージを上げる努力を行っていますか。消費者からのイメージアップだけでなく、社員からのイメージアップもマーケティング戦術の1つと言われています。長時間労働によってプライベートと仕事とが両立できない場合、働きやすい環境を求め転職するなど人材の流出が起こる可能性が高まります。逆に社員が働きやすく充実感を得やすい社内環境を整えることができれば、人材の確保がしやすくなるかもしれません。

長時間労働を改善するための対策

社員の現在の実労働時間を把握する

長時間労働を改善するための対策の1つに、社員の実労働時間の把握があげられるでしょう。長時間労働を行っている社員の人数や残業時間をきちんと把握できていますか。特に企業規模が大きくなると社員1人1人の勤怠管理を行うのが難しいと感じるかもしれません。しかし長時間労働を放置すると労働災害が起こったり、社員から訴えられてしまう可能性が高まります。近年では勤怠管理システムを取り入れる企業が増えています。残業時間や人件費の把握、就業時間外の給与計算などを簡単に行うことができる勤怠システムの導入をこの機会に考えてみてもいいかもしれません。

定時退社や有給休暇取得を勧める

長時間労働を改善するための対策として、定時退社や有給休暇の取得を勧めることもあげられます。社員が定時退社や有給休暇を取得しやすい環境を作れていますか。社内で長時間労働が浸透してしまうと定時退社をしたり、有給休暇を取得することに罪悪感を感じる社員が出てきてしまいます。現在日本では働き方改革が制定され、労務環境の改善が求められています。働き方改革に違反しないためにも、管理者や企業の上層部から積極的に定時退社や有給休暇の取得を社員に勧めるようにしましょう。

管理職の社員にマネジメント研修を行う

長時間労働を改善するための対策として、管理職の社員にマネジメント研修を行うのもいいでしょう。長時間労働を防ぐためにどうすべきか管理職の社員たちと共に考えたことはありますか。管理職の社員は部署内の社員との距離も近いため、長時間労働に関する研修を管理職の社員に向けて行うことは有効な方法です。長時間労働になる人の特徴や業務の無駄を削減するための方法、働き方改革が生まれた背景や改革の内容等を研修に盛り込むといいでしょう。長時間労働に対する意識を管理職の社員から変えていくことが重要です。

新たな制度の導入する

長時間労働を改善するための対策として、新たな制度を導入するのもいいでしょう。社員が働きやすい環境を作れていますか。長時間労働を防ぎ社員が働きやすい環境で仕事ができるよう、リモートワークやフレックスタイム制を取り入れる企業も増えています。遠方から出勤している社員や家族内に育児や介護をしなければならない人がいる社員、自身が病気を患っている社員もいるかもしれません。社員の特性に合わせ働きやすい働き方を選択できる環境を整えることで、企業に対する社員からの満足度も向上することでしょう。また業務効率を向上させる目的で裁量労働制を取り入れている企業もあるようです。

企業トップから長時間労働の是正に関するメッセージを発信する

長時間労働を防ぐための対策として、企業のトップから長時間労働をやめようといった内容のメッセージを発信するのもいいでしょう。トップが直々にメッセージを送ることで長時間労働を美徳と感じていた社員にも喝を入れることができます。社員全員が長時間労働はいけないのだという意識付けを行うことが長時間労働を防ぐためには重要です。長時間働く社員ではなく効率よく仕事をこなせる社員への評価を高くするといったメッセージを盛り込むことで、社員の仕事に対する意識改革もできるかもしれません。

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まとめ

長時間労働を改善し社員からも世間からも好かれる企業へ

長時間労働を改善することで社員からだけでなく、世間からも好かれる企業になれるでしょう。働き方改革に掲げられている『柔軟な働き方』を社内で実践することができれば、社員に優しい会社であると世間にアピールすることができます。また今後労働人口の減少により、今以上に人手が不足することが考えられます。今後会社が生き残っていくためにも他社への人材流出を防ぎ、良い人材を取り込む必要があるでしょう。社内で長時間労働が浸透しすぎる前に長時間労働を防ぐためにできることを社内で考え行動に移していきましょう。

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