ナラティブとは【メリットや活用する際のポイントを紹介します】

記事更新日:2023年02月28日 初回公開日:2023年02月28日

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マーケティング担当の方にとって、消費者にいかに自社の商品やサービスを届けるかというのは重要です。マーケティング手法の中でも注目されているのがナラティブです。マーケティングにおけるナラティブとは、企業がその商品やサービスに関連するストーリーを作ります。そのストーリーを通じて消費者とつながり、ブランドのイメージを構築することをナラティブと呼びます。ナラティブは消費者にとって商品やサービスがどのような役割を果たすかを説明することによって、ブランド価値を高めることができます。今回はナラティブについて詳しく解説していきます。

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ナラティブとは

語り手の視点で紡がれる物語のこと

ナラティブは、語り手の視点で紡がれる物語のことをいいます。本来は文学理論の用語として用いられていました。現代では文学や言語学の領域を超えて心理・教育・医療・社会・ビジネスの場など、様々な領域で使われています。また映画やドラマなどで語りを表すナレーションは、ナラティブと同様の語源を持った言葉です。ここから派生し、ナラティブはビジネス用語として「ナラティブマーケティング」という言葉が生まれました。ナラティブマーケティングでは消費者に訴求するためのストーリーを作り出すことが目的であり、そのストーリーの語り手や視点が重要な要素なります。

ナラティブとストーリーの違い

物語という点でナラティブとストーリーは似たような意味合いを持つため混同されることがありますが、少し異なる意味を持ちます。ストーリーとは、人々が経験した出来事や物語を指しています。語り手が特定の出来事や情報を伝えるために使われ、時間的に順序立てて語られます。登場人物や設定などを含む完全な物語と言えるでしょう。一方でナラティブは物語を構成する要素であり、物語の構造や語り口が語り手の視点となる言葉です。よって、ナラティブは物語をより深く理解し、伝えることを可能にするためのツールであるといえます。

ナラティブアプローチについて

ナラティブアプローチとは物語を用いて人々の行動や意見を理解し、変革を促進しながら問題解決をするための手法です。ナラティブアプローチは、1990年代に臨床心理学の分野で生まれたとされています。現在では教育やビジネスの場など、さまざまな分野で利用されています。ナラティブアプローチのベースとなっているのは、社会主義構造という考えです。社会構造は人々の頭の中で作られ、対話によって意味づけられています。ビジネスの場では組織内でのコミュニケーション改善や、社会問題に対する理解を深めるための調査・研究などがあります。

ナラティブがビジネスで注目される背景

商品技術が進歩した

ナラティブはビジネスで注目されています。その背景には、商品技術が進歩したことが挙げられます。商品技術の進歩によって、製品の品質や機能性だけでは顧客の購買行動に繋がりにくくなっていると考えられます。そこで、ブランドのストーリーやメッセージを重視することで、顧客に深い印象を残すナラティブが注目されています。ナラティブは、顧客と長期的な関係を築くのに適しています。理由は顧客がブランドのストーリーやメッセージを重視するようになったことによります。

人々の価値観が多様化した

ナラティブがビジネスで注目されるもう一つの背景が、人々の価値観が多様化していることです。近年、社会全体で人々の価値観が多様化していることが指摘されています。このような状況下では単に商品の機能や品質だけでは、顧客に選んでもらえる確率は上がりません。商品やブランドに共感できるかどうか、自分のライフスタイルや価値観に合致するかどうかが、購買行動に大きな影響を与えるようになっています。ナラティブは、物語を通じて共感を生み出し、商品やブランドのメッセージを伝えることができるため、このような価値観の多様化に対応するための手段として注目されています。

ナラティブを活用するメリット

顧客からの共感を得られる

ナラティブを活用するメリットは、顧客からの共感を得られるという点にあります。理由はナラティブには物語の要素が含まれているので、人々は自分自身を物語の主人公になぞらえて共感することができます。そのため、ナラティブを用いたマーケティング手法は消費者の心をつかむことができ、商品やブランドの魅力を高めることができます。また、ナラティブは単に商品やサービスの機能や特徴を伝えるだけではなく、商品やブランドが持つストーリーやメッセージを伝えることができます。そのため、商品やブランドに対する消費者の印象を深めることができます。

商品の本質を伝えられる

商品の本質を伝えることができる点も、ナラティブのメリットと言えます。商品やサービスには、様々な特徴や機能があります。それらすべてを伝えることは難しいでしょう。一方で、商品やサービスには他にはない独自性や魅力があります。ナラティブは、そのような商品やサービスの魅力やストーリーを伝えることができます。例えば、商品の開発背景や製造工程などをストーリー化することで、商品の独自性や魅力を伝えることができます。他にも、顧客がその商品やサービスを利用した際にどのような効能があるのかなどを物語にすることで伝わり易くなります。

親近感を得られやすい

ナラティブを活用するメリットのもう一つは、顧客から親近感を得やすいという点です。ナラティブを用いたマーケティング手法は顧客とのつながりを深め、商品やブランドに対する愛着やブランド価値を高めることができます。また、ナラティブには商品やブランドが持つストーリーやメッセージを伝えることができるため、顧客との共通点を見つけることができるでしょう。顧客は自分自身と商品やブランドのストーリーとを重ね合わせることができ、商品やブランドに対する親近感を感じることができます。

ナラティブを活用する際のポイント

相手が話す物語に傾聴する

ナラティブを活用する際に重要なポイントの一つは、相手が話す物語に傾聴することです。ナラティブを用いたマーケティング手法は相手にストーリーを伝えることによって、商品やブランドに対する興味や関心を高めることができます。しかし、相手が話す物語に対して無関心や相手の背景・文化的な背景を考慮せずにストーリーを伝えることは、相手に反感を持たれる可能性があります。そのため、相手が話す物語に興味を持ち、共感することが重要なのです。傾聴し共感することで、相手に対する信頼関係を築くことができ、商品やブランドへの興味や関心を高めることができます。

客観的に物事をとらえる

ナラティブは、客観的に物事を捉えることもポイントとなります。ナラティブは、語り手が持つ主観や感情が反映されたストーリーであり、そのストーリーが相手に共感を与えることが重要です。しかし、客観的に物事を捉えることができなければ、ナラティブが相手に対して信頼性を持って伝わらない場合があります。そのため、ナラティブを活用する際には語り手自身が客観的に物事を捉え、事実に基づいたストーリーを伝えることが必要です。また、相手の立場や背景を考慮し、相手が受け入れやすい形でストーリーを伝えることも大切です。

様々な視点から質問する

ナラティブを活用するには、様々な視点から質問することもポイントとなります。ナラティブは語り手が持つ主観や感情が反映されたストーリーです。そのストーリーを相手に伝えることによって、相手に対する共感や興味を引き出すことができます。しかし、相手に対して単にストーリーを押し付けるだけでは、相手の興味を引くことができない場合があります。ナラティブを活用する際には相手の興味や関心に合わせて、様々な視点から質問することが必要です。例えば、商品やブランドに対する相手のニーズや要望、課題や疑問点などを質問することによって相手の興味を引き出すことができます。

例外的な話を見つける

例外的な話を見つけることも、ナラティブを活用するうえでポイントになります。ナラティブは語り手が持つ主観や感情が反映されたストーリーです。そのため、普通のストーリーだけでは相手に共感を与えにくい場合があります。例えば、商品やサービスがどのように優れているかを説明するだけでは、顧客の心を動かすことができません。そのような場合には、例外的な話を見つけることが大切です。例えば、商品やサービスを利用して困難な状況を乗り越えた人のエピソードです。他にも商品やサービスを利用して驚くべき結果を得た人の体験談など、マイナスな思い込みから得られる新たな気づきとすることができるのです。

新しい物語を見つける

ナラティブを活用する際には、常に新しい物語を見つけることも重要なポイントです。時代や社会情勢が変化する中で、顧客のニーズや価値観も変化していきます。そのため、常に新しい物語を探してそれに沿った戦略を立てることが必要です。既存の物語をアップデートすることや、改善することも重要です。顧客のフィードバックを取り入れながら、常に進化し続けるナラティブを作り上げることが求められます。新しい物語を見つけるには、自社の商品やブランドにどのようなメリットがあるのか、実績などを盛り込むと良いでしょう。

ナラティブの活用事例

無印良品

無印良品を運営する株式会社良品計画は、ナラティブマーケティングにおいては国内屈指の先進的な活用をしている企業と言えます。無印良品では効果的にSNSを活用しています。なかでもInstagramでは販売する商品を投稿する際に、その製品が出来る過程や開発秘話などを紹介しています。これによりSNSユーザーは無印良品の商品や企業に対して共感し、購買行動へつなげています。これらは無印良品の掲げる理念やストーリーに、消費者を巻き込むことを目的にナラティブマーケティングを展開しているのです。

SUBARU

自動車メーカーのSUBARU(スバル)では、テレビCMなどでナラティブマーケティングを活用しています。SUBARUのテレビCMでは「あなたとクルマの物語」をテーマにしたドラマ仕立ての物語を配信しています。この物語ではテレビCMを見た消費者自身が物語の主人公になり、クルマとの付き合い方をイメージできるようになっています。例えば自分が初めてクルマを買った時のような物語では、購入経験者は当時を思い出します。まだ購入経験のない方であれば、購入シーンをイメージすることができ、購入意欲が高まるきっかけとなるでしょう。

パンテーン

P&G社のヘアケア製品のパンテーンはSNSの中でもTwitterを活用したナラティブマーケティングを展開しています。2018年に学生の髪に対する校則で、生まれつき茶色の髪の生徒に対して地毛証明書の提出を求めることなどに疑問を呈するキャンペーンを行いました。学生一人ひとりが主人公となり、社会問題とヘアケアを結び付けました。この問題は学生の多くに共感を与えるとともに、社会人となった世代にも当時を思い出させたることで共感を抱かせるようなナラティブマーケティングとなりました。

まとめ

ナラティブをビジネスに活用しよう

ナラティブマーケティングはビジネスにおいて、商品やブランドの魅力を伝えるのに適した手法です。ナラティブマーケティングは、企業がその商品やサービスに関連するストーリーを作ることから始めましょう。企業の歴史や価値観、商品の背景など、物語をまとめたものです。ブランドや商品のストーリーはSNSを活用することをオススメします。また、SNSは顧客の声をリアルタイムで収集し、商品やブランドの改善に役立てることができます。ストーリーを伝えることで顧客との共感を生み出し、ブランドの信頼性や魅力を高めることができます。ナラティブを取り入れて、ビジネスに活用していきましょう。

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