モンスター社員の特徴と対処方法は?【パワハラ・解雇】

記事更新日:2020年06月12日 初回公開日:2020年06月08日

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近年、「モンスター社員」と呼ばれる従業員が会社においてマイナス要素となることが増えています。「モンスター社員に困っている」「事前にモンスター社員の対応策を知っておきたい」と思う企業も多いのではないでしょうか。昔からこのような社員は存在していましたが、昨今の人手不足により、問題のある社員でも業務を任せるしかない状況がモンスター社員の存在を加速させています。対応を間違えば、訴訟問題に発展する可能性もあるため、その対処はさらに困難に。この記事では、モンスター社員の基本的な情報に加えて、見分け方と対処方法をお伝えします。

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モンスター社員とは

極端に常識からかけ離れいて会社に迷惑な行為をする社員

モンスター社員には明確な定義というものはありませんが、言動が一般常識と極端にかけ離れた迷惑行為をする社員をモンスター社員と呼んでいます。仕事に対する姿勢や行動はもちろん、職場で関わる人への言動や態度が常識外れなど、社会常識ではあり得ない主張や批判を繰り返します。周囲の人に迷惑をかけ、業務の進行を妨げることも。モンスター行為を簡単にまとめることができないほど、あらゆる場面で周りの人や業務に影響を及ぼしています。

2000年代初期からこの言葉が広まってきた

モンスター社員は、1990年代後半にできた「モンスターペアレント」という言葉から派生したものです。理不尽な要求を自分勝手に振りかざす人物に対して「モンスター◯◯」というかたちで使われてきました。一般的には、2000年代初期から広まり、客だとモンスターカスタマー、患者ならモンスターペイシェントというように使用されます。バブル経済崩壊後は、昇給アップなどが期待できなくなり、リストラなど仕事へのモチベーションを持てない時代になってきたことも要因のひとつに挙げられます。

モンスター社員が発生する原因

採用する前からモンスター社員要素があったが気づけない

できることであれば、採用検討時においてモンスター要素のある人を見抜いて採用を避けたいですよね。ただ、面接などの短時間でモンスター社員要素に気づくことは容易ではありません。短期間の転職の繰り返しているにも関わらず明確な理由が聞けない、過去の実績において自分の貢献度だけを強調する人などは注意が必要です。また、選考プロセスの中で、書類提出が遅れたり、返信がスムーズでないなども適性の判断になるので注意して見ていきましょう。

職場環境が悪く不満が溜まりモンスター社員化する

モンスター社員は本人の性格以外にも、職場環境が悪いことが原因となって生まれることも考えられます。職場環境への不満を攻撃的な行動であらわしてしまう人が、モンスター社員となってしまうケースは多く見られます。教育や研修制度が整っていない職場、女性差別を感じるような業務指示をするなど。攻撃的な行動に出る社員の割合を減らすためにも、自社の職場環境を見直し、モンスター社員が生まれてしまう不満要素を確認していきましょう。

モンスター社員の種類

パワハラ

職場でおかれている自分の地位や立場を利用し、部下などを執拗に攻撃するタイプです。近年、パワーハラスメントに対する社会的な関心も高まっていますが、一向になくなりません。厄介なのは、好成績を上げているなど営業成績が優秀な社員で、部下や周りへの軽視や自己中心的な言動をしている社員です。企業に利益面において貢献していても、職場の雰囲気を悪くし、部下や新人社員の退職などを招いてしまいます。このようなパワハラ型モンスター社員は、中長期的に見ると企業にとって損失なることも少なくありません。

過剰な自己アピール

自分だけが正論だと強く主張を押し通し、逆に自分の意見が通らないと感情的になったりと、周囲の人に配慮することができないタイプです。チームで成し遂げた成果も全て自分の成果として捉え、過剰な自己アピールをする人も多く見られます。また、「周囲に自分は評価されていない」と思い込み、感傷的になると周りに同情を求めるような行動も見られ、対応に苦労する担当者も少なくありません。周りに配慮できず、頑固でわがまま、融通が効かないなどの性格も多く、自分の主張ややりたいことを押し通そうとするなどが挙げられます。

メンタル不安定

イライラや気分の落ち込みなど、感情や情緒が極端に不安定なタイプです。人間なら誰しも気分の浮き沈みはありますが、度を越してしまうと周囲とのコミュニケーションを悪化させ、業務に支障をきたすでしょう。また、このタイプに多いのが人によって態度や言動が異なることです。自分の思い通りに動く人やお気に入りの人には好印象の態度を取りますが、自分基準で気に入らない人には自分勝手な行動を取ります。常に何かしらの不安要素を抱えているため、その不安を取り除くために自己防衛を図り、常に周囲を困惑させるでしょう。

反抗

業務指示や指導など、何に対しても反抗を示す対応をしてしまうタイプです。このタイプは上司だけでなく、同僚の意見や忠告にも耳を傾けなかったり、みんなでやろうと決めた規則に従わないことが多いため、孤立しやすい特徴もあります。また、社内に限らずクライアントに対しても逆ギレのような対応を示したり、企業間の大きなトラブルになりかねません。何を言われても、不可解なほどに素直に応じようとしないため職場にとって厄介な存在でしょう。

家族介入

業務内容や職場に対して、従業員の家族(主に親)がいろいろと介入してくるタイプです。指導や指示など業務上のあらゆることに対し、自分勝手な主張や文句を突きつけるなど、理解不能な主張をしてくる家族も少なくありません。この場合、家族や親がモンスターファミリー(ペアレント)という可能性もありますが、問題は本人にあります。自分が判断することや問題解決を親に依存にする社員自身が問題であり、就職というものは本人と企業との契約です。あまりにも酷い扱いは別として、業務上の問題は自分で折り合いをつけながら解決をしていくものと考えるべきでしょう。

モンスター社員の対処法

社員に対して定期的な近況確認をする

まずは、モンスター社員と定期的な近況確認をとるなど、コミュニケーションをとっておくようにしましょう。そして、上司や同僚など、どのような人が周りにいるのか人間関係にも配慮する必要があります。モンスター社員を生み出さないためには、本人を孤立しないようにすることも重要であり、周りとの相互理解やコミュニケーションを促すようにしましょう。相談ができるという相手を作り安心感を引き出すことは、予備軍となっている人たちに対しての有効な手段です。

問題行動や迷惑行為を発見した場合すぐに指導する

良くない行動や迷惑行為を見つけた場合は、すぐに注意や指導をするようにしましょう。そうしないと、何も解決しないばかりか、問題行為はますますエスカレートする可能性もあります。新卒など入社間もない若手を辞めさせられないという意識が働いても、継続して指導や注意をしましょう。大学生気分が抜けないだけで、教育すれば改善するケースも見られます。また、特定の人にばかり負担がかかる職場は、モンスター社員を生みやすいと考えられるため、企業側としても職場環境の改善などに努めていくことも大切です。

指導しても改善されない場合は罰則

適切な注意や指導をしたあとも改善が見られない場合は、始末書の提出や減給、出勤停止など就業規則に沿った罰則を検討しましょう。そのためにも、もしも法的に訴えられたとしても大きなトラブルにならないよう、事前に弁護士なども交えて就業規則に注意すべき点は記載するようにしなければなりません。企業側がどんなに注意・警戒してもモンスター社員を防ぐことができないケースも多々あります。まずは、きちんと本人に伝え理解を促すことも必要ですが、リスクヘッジとしても事前に備えておくことは大切です。

解雇処分は企業にリスクがあるので弁護士への相談が必要

迷惑行為を繰り返すモンスター社員の存在がわかれば、すぐにでも辞めてほしいと考えるでしょう。しかし、日本の労働基準法においては、企業が一方的に従業員を解雇することは法律で禁じられています。ただし、解雇通告ではなく、該当事項について何度も注意を続けていれば、労働基準法をクリアすることが可能になります。モンスター社員は、自分の行動に対して正当性を論じて争うタイプも多く、退職はしたくないのに仕事もしないようなケースも見られます。上述の通り、就業規則に則った指導や勧告が行われた場合でも訴訟になる可能性もあるため、解雇処分をする前に弁護士に相談することも検討しましょう。

モンスター社員の事例

私的利用でタクシーを利用し交通費の請求をする

電車やバスの遅延でタクシーに乗って出社したとき、その費用を交通費として主張し、領収書を提出してタクシー代金の請求をしてきます。経理が規則には当てはまらないからと断ると「会社に来るための交通費だ」と、自己中心的な主張を何時間でも続け絶対に曲げません。それ以外にも、天気を理由に私的利用でタクシーを利用した場合にも交通費を請求してきたり、規則を自分のルールにねじ曲げます。例え、上司が改めるように忠告しても意見を変えず、平行線状態が続き解決ができません。

自分の考えに理解してもらえないと攻撃的な態度をとる

企画書などで自分の考えに理解をしてもらえず受け入れてもらえないと、対象人物の嫌がるような言動を繰り返しするなど迷惑行為をします。また、業務に限らず自分の気に入らない態度や行動をした人を無視したり、2chに悪口や誹謗中傷を書き込むなど迷惑行為がエスカレートしていくケースも少なくありません。このタイプは、自分の考えや意見が通らないと否定された気分になり、自分を蔑ろにされたと感じる傾向にあります。その結果、特定の人物へに過剰な攻撃に繋がってしまいます。

自分の言っている事がすべて正論だと思い込んでいる

このタイプの人は、基本的に自分の行動が全て正しく正論だと信じて疑わず、自分と違う意見の人を敵対視する傾向があります。例えば、自分のやり方以外の仕事を絶対に認めない、部下である場合は結果が同じだとしても、自分のやり方でするまで何度でもやり直しをさせるなど。自分の正しいと思うやり方以外でやると激怒し、喚き散らすなどの行為をするなど、パワーハラスメントなどに発展するケースがあります。営業成績が良く、外向きは良かったりするため、処遇や対応に担当者は悩むことも多いようです。

採用時にモンスター社員を見分ける事が大切です

モンスター社員は、企業にとってのマイナス要素でしかないため、モンスター社員の可能性のある人の採用は避けることが先決です。数回の面接や書類で判断するのは難しい部分ではありますが、面接官の対応に一喜一憂する人、短期間で何度も転職を繰り返している人などは問題を抱えているかもしれません。社員がモンスター化しないように対策を行なっていくのも大切ですが、モンスター社員を採用時点で見極めることができれば、職場に悪影響を与えることを防げます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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