生活残業とは【生活残業する人の特徴や対策方法についてわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年03月29日 初回公開日:2024年03月29日

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日本では長年長時間労働が常態化しており、長く働く人ほど評価されるという風潮が未だに残っている会社もあります。働き方改革により、残業時間に上限が設けられるなど国としても対策を行っています。しかし長時間労働を行う人の中には、給料が少ないことから生活費を賄うために残業している人も少なくありません。そういった残業を生活残業と言いますが、生活残業は会社だけでなく生活残業をしている人の周りの従業員にも様々な影響を及ぼします。今回は生活残業について解説していきますので、労務の方は参考にしてみてください。

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生活残業とは

生活費を稼ぐためにする意図的残業のこと

生活残業とは、生活費を稼ぐためにする意図的な残業の事です。長時間労働が常態化している原因の一つといえます。この現象はい本給が少なく生計を立てる子tが難しいため収入を確保するために発生します。働き方改革により、年間や月間で残業できる時間に制限が設けられました。しかし未だに生活費やローンの返済を残業代に頼っている従業員からすると、削減することが難しくなっています。生活残業は様々な弊害を生みやすくなります。

生活残業が発生する背景

賃金が少ない

生活残業が発生しているのは、賃金が少ないからです。日本の企業では基本給が安く設定されているため、残業しなければ得られる給与が少なくなっている事が問題です。基本給だけでは生活できないため、従業員は生活費を賄うために残業を行い生活費の補填をしようとします。生活残業は特に家庭を持っている従業員が行う傾向にあります。生活に必要な費用を補っているため、残業を止めると収入が減り生活が困窮する可能性もあります。

長時間働くことが美徳とされている

生活残業は、長時間働くことが美徳とされていることから発生しています。最近では実力主義を導入する企業も増えていますが、未だに従来のような長く働くことを美徳としている企業も少なくありません。長時間労働を行っている従業員の方を評価するという風習はまだ残っており、残業が多い従業員程出世しやすい傾向にあります。反対に定時退社するとやる気がないとみなされ、評価を下げられる可能性もあり評価を上げるために残業をしている人もいます。

簡単に残業できる

簡単に残業できる環境にあることも、生活残業が発生する原因です。残業を行う際に申請書を提出しなければならないような企業であれば、許可を得なければならないため長時間労働を行うことは出来ません。しかしそういった制度を設けておらず、上司の許可も得る必要が無ければ従業員は自由に残業することが可能です。従業員のタスク管理なども行っておらず、何をしているのか本人以外分からなければ所要時間を引き延ばすことも出来ます。

生活残業が企業へ与える影響

人件費が増加する

生活残業が企業へ与える影響は、人件費の増加です。生活残業が増えると、企業が従業員に支払わなければならない費用が増加する為、より多くの人件費が掛かるようになります。もし毎日2時間残業する従業員がいたとすると、1日に4000円の残業代が掛かり1か月で8万円のコスト増です。1年で約100万円の残業代が必要です。生活残業を行う従業員は1人だけではないはずなので、生活残業をしている従業員分の必要なコストもさらに増えていきます。

生産性が低下する

生活残業は、生産性が低下することも企業への影響となります。生活残業を行っている従業員がチーム内にいると、そのチームの士気が下がります。生活残業はこなしている業務量は増えずに、ただ時間を多く使っているため真面目に働いている従業員には不満が溜まっていきます。それだけでなく、長時間残業をしている人の方が評価される職場では、モチベーションも下がっていきます。社内のモチベーションが下がっていくと、企業としての生産性も低下していきます。

企業のイメージが低下する

企業のイメージが低下するのも生活残業が企業へ与える影響です。生活残業は従業員が自ら選んで長時間残業を行っていますが、傍目から見ると従業員に長時間労働をさせている会社=ブラック企業だと思われてしまいます。残業が多い会社や長時間労働が当たり前になっている企業では、就職希望者が減り中々新しい人材を採用することが出来なくなります。そうなってしまうと生産性の向上や、新規事業の展開など様々なことが出来なくなってしまいます。

生活残業が社員へ与える影響

スキルが下がる

生活残業が従業員に与える影響は、スキルが下がることです。生活残業が問題とされていない職場では、業務効率やスキルアップなどを考えなくてすみます。生活残業を行っている企業で、定年まで勤めあげる場合は問題ないかもしれません。しかし生活残業が評価されている職場では、業務効率やスキルアップの重要性が重要視されていないため、キャリア形成を行うことが出来ません。もしキャリアアップなどを考えている場合は、生活残業が悪影響となります。

健康への被害が出る

健康への被害が出てしまうのも、生活残業が従業員に与える影響です。長時間労働は体だけでなく心にも悪影響になるとされています。長時間会社で働いていることによって、自分で選んでるとはいえ睡眠不足やストレス増加・運動不足などに繋がります。若年層の間は長時間労働を行っていても、健康被害を受ける事は少ないかもしれません。しかし中堅層などになっても生活残業を行っていると、多くの健康問題などが発生してしまう可能性があります。

生活残業への対策

評価制度や企業風土を変える

生活残業への対策は、評価制度や企業風土を変える事で行えます。生活残業は、長く働くほど評価される職場で多い傾向にあります。こういった職場環境では、いくら従業員に残業を減らすように伝えても改善していく事は簡単な事ではありません。生活残業を減らしていくためには、残業の内容を評価に繋げないようにすることが大切です。長時間労働を美徳であるといった企業風土を変えなければ、生活残業を減らしていく事は出来ません。

残業を許可制にする

生活残業は、残業を許可制にすることで対策になります。生活残業が発生してしまうのは、従業員が行っている業務や進捗管理がしっかりと行えていない事が原因です。残業を自由に行うのではなく、許可制にすることで上司が必要だと判断した場合のみに残業できる仕組みに変えましょう。残業を許可制にするためには、適切な業務配分としっかり進捗管理を行う事が重要です。但し残業の許可を厳しくしすぎると、生活残業だけではなく本来の業務が滞る可能性もあるため注意しましょう。

給与や待遇を改善する

生活残業の対策として給与や待遇の改善を行いましょう。生活残業を行っている従業員の多くは、基本給が少なく生活費を補填するために残業を行っている人が殆どです。基本給や福利厚生などの手当を増やすことで、生活残業を行っている従業員を減らすことが出来ます。従業員は残業してお金を稼いでるのだろうと考え、基本給を抑えている企業では生活残業を減らすことは出来ません。生活残業している従業員の責任を追及するのではなく、生活残業が発生している原因を改善していく事が大切です。

社内のコミュニケーションを活性化させる

社内のコミュニケーションを活性化させることも、生活残業への対策になります。コミュニケーションが希薄になっていると、お互いがどんな業務をしているか分からず自分の裁量で業務を進めることが出来るため、生活残業が増えていきます。チーム内のコミュニケーションが活発に行われていれば業務の進捗などを把握することができ、生活残業をしづらい雰囲気にもなります。コミュニケーションが活性化することで、生産性の向上にも繋がるため企業としてもメリットの多い対策方法です。

ノー残業デーを決める

ノー残業デーを決める事で、生活残業への対策が出来ます。残業が常態化している環境を変えるためには、従業員全員が定時に帰る日を設定するようにしましょう。長時間労働は、心身の健康に影響を及ぼす恐れがあります。生活残業が常態化している場合、いきなり残業を0にすることは簡単な事ではありません。ノー残業デーなどを活用し、徐々に効率的な業務のやり方にシフトしていきましょう。それでも改善が難しい従業員には、タイムマネジメント研修などを実施するのも方法の一つです。

生活残業しやすい社員の特徴

退社時間や残業時間が一定である

生活残業しやすい従業員の特徴は、退社時間や残業時間が一定になっています。生活残業を行っている人は、残業代がいくら必要になるため残業時間を事前に1日当たりどのくらい残業すべきか計算している場合が殆どです。そのため、必要な残業が終わったタイミングで退社します。繁忙期や閑散期など時期を問わず年間を通して一定の残業を行っている従業員は、生活残業を行っている場合が多い傾向にあります。常習化してしまう前に、従業員の業務を把握し進捗管理などを行いましょう。

効率的に仕事しようとしていない

生活残業しやすい従業員は、効率的に仕事をしようとしていません。生活残業を行っている従業員は、残業で行う業務を残しておこうとするため、定時内の勤務では意図的に時間のかかるやり方で業務を行っている事が多くなっています。他の従業員と比較して、明らかに業務効率が低い場合は生活残業を行っている可能性があります。気になる行動を取っている従業員を見つけた際は、早めに対策を行うようにしましょう。定時近くなって新しい業務に取り掛かっている従業員などは要注意です。

仕事に集中していない

仕事に集中していないのも、生活残業しやすい従業員の特徴です。残業を前提に考えて本来の想定より少ない配分で業務を行うため、本来の就業時間内は手を抜いて働いている人が多い傾向にあります。休憩を頻繁に取っている・長時間席を外している、業務の優先順位が正しく出来ていない場合は生活残業のために時間を引き延ばしている可能性があります。営業職など外回りが多いと休憩時間を取りやすくなります。悪化する前に普段から業務指導や注意などを行うようにしましょう。

まとめ

生活残業をなくし企業と社員にとって良い職場を実現させよう

生活残業が発生している背景や、周りへの影響・生活残業への対策などについて解説しました。実力主義を取り入れている企業が年々増えている一方で、未だに長時間労働を行っている人を評価し残業せずに仕事を終わらせた人を評価しないという企業もあります。生活残業が常態化してしまうと、生産性の低下や企業のイメージダウンなど様々な悪影響を及ぼします。生活残業を改善し効率的に業務を行えるような体制の変更を行う事が重要です。生活残業をなくして企業と従業員にとっていい職場環境を作っていきましょう。

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