リファラル採用におけるトラブルとは【具体例や対策について解説します】

記事更新日:2023年02月07日 初回公開日:2023年02月02日

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人口減少が加速しフリーランスとして働く人が増える中、リファラル採用によって求める人材を効率良く見つける企業が増えています。一方でリファラル採用は現状で戦力となっている社員に紹介してもらう制度のため、不採用になったときには本人だけでなく紹介した社員にまで影響が及ぶことなど、多数のトラブルを抱えているのも事実です。ここでは、リファラル採用のメリットやデメリットとともにリファラル採用のトラブルの内容と対策を詳しく解説いたします。リファラル採用の導入を検討されている担当者の方々は、ぜひ参考にしてください。

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リファラル採用とは

社員の友人や知人を紹介してもらい人材を採用する手法

リファラル採用とは、現在在職中の社員から企業が必要とする人材を紹介してもらう制度です。昔からある縁故採用と混同されがちですが、縁故採用では社員側が積極的に会社に雇ってもらうように働きかけるのに対し、リファラル採用では会社から社員に向けて適任者の紹介をお願いします。リファラル採用では紹介してもらうことで採用候補者にはなりますが必ず採用されるとは限りません。通常の採用方法と同じように面接などを行い、採用するかを判断します。

リファラル採用が注目される理由

優秀な人材に企業側からアプローチできる

リファラル採用が現在において注目されているのは、優秀な人材に企業側からピンポイントでアプローチできるというのがおもな理由です。どの企業も優秀な人材を求めて募集はしているものの、求める人材とはギャップがある応募者ばかりということも多いでしょう。リファラル採用では社員の紹介によるため、会社が求める人物像をある程度理解しているので優秀な人材への効果的なアプローチが可能です。募集は待ちの姿勢になりますが、リファラル採用制度は攻めの採用方法と言うことができます。

リファラル採用のメリット

採用コストを削減できる

リファラル採用の最も大きなメリットと言えるのが、採用コストを大幅に抑えられることです。募集による採用方法ではよほどの好条件では無い限り、簡単に採用まで到ることは多くありません。また応募者を複数集めることができれば、より優秀な人材を確保できる確率は上がりますが、募集にかかる広告費用も嵩みます。リファラル採用制度では広告費用などを大きく削減することができるうえに、不採用となる確率も募集による採用に比べるとかなり低く、採用までのコストを大幅に削減できます。

ミスマッチを防ぐことができる

リファラル採用のメリットの1つは、会社が求める人物像とのミスマッチを事前に防げるということです。何年も働いている社員であれば会社のことを熟知しており、説明せずとも会社が希望する人材を把握できることも多いでしょう。会社が求める人材に対して、かけ離れた人材を紹介することは少なく、面接前にミスマッチをある程度防げます。これにより、採用担当者と応募者の無駄な時間と労力を削減でき効率の良い採用活動ができることは大きなメリットです。

リファラル採用のデメリット

社員の協力が必須となる

リファラル採用は社員が紹介する制度ですので、社員の理解と協力が必須です。まずは社員の方々に、こういった人材がいますぐにでも必要としていると伝える必要があります。多くの社員の中には、「自分には関係ない」「面倒なことには巻き込まれたくない」などと他人事のように考える人もいるでしょう。紹介した方への報酬を用意しても、他人事のように思っている人も多いので、現場の責任者やグループリーダーなどにも積極的に働きかけていかないと全く結果が出ないことにもなりかねません。

社員の志向性が偏りやすい

リファラル採用では社員の良く知る知人や友人を紹介するため、社員と思考や趣味および得意分野が似ていることが多くなります。紹介者と同じ職種などであれば大きな問題はなく役立つことが多いかもしれせん。しかし、新しいアイデアを求めるような部署の人材を募集する場合には全く違う考え方の人や広い視野を持つ人材が必要になるでしょう。同じ考え方の人間ばかりが増えると会社全体の考え方も偏ることになり、めまぐるしく変化する世界についていけない会社の態勢ができあがることが懸念されます。

リファラル採用の成功例

株式会社すかいらーくホールディングス

リファラル採用の成功例として紹介するのは、すかいらーくホールディングスです。飲食産業界では友人や知人を紹介することが以前から多く行われる傾向にありました。すかいらーくでは事情があって退職した元クルーや従業員の方たちを迎え入れたのが始まりだと言います。一度辞めた人たちもSNSなどを通じて現在のクルーや従業員と連絡をとっている人が多く、潜在する優秀で即戦力となる人材を上手く取り込んだリファラル採用の成功例です。

freee株式会社

会計ソフトや各種管理ソフト開発販売で有名なfreee株式会社でも、リファラル採用を導入しています。この会社のリファラル制度の特徴は社員に紹介を強要することはしないということです。無理に説得して人材を紹介してもらうのではなく、社員が「ぜひ知人や友人を紹介したい」と思える企業を作ることが大事だと考えて取り組んでいます。採用担当者が社員に切実な思いを伝えるとともに紹介してくれた人には協力してくれた感謝の気持ちを伝えることで、お互いの理解が深まり成功している会社です。

リファラル採用で起こりうるトラブルとは

紹介者と候補者の関係が悪化するケース

リファラル採用で起きるトラブルは、本人だけでなく紹介者を間にはさむために起きる場合が殆どです。紹介者は候補者に対して採用の見込みが高いように伝えてしまうことが多くあります。リファラル採用は紹介により採用候補とはなるものの一般の方と同じように面接を行い採用するかを決定するため、不採用になることもあるのは当然です。しかし、不採用となった候補者の怒りの矛先は紹介者に向いてしまい、紹介したせいで仲の良かった二人の間に溝を作ってしまうことにもなりかねません。

紹介者からの信用を失ってしまうケース

もし候補者が不採用になったとすれば、紹介者としては面目が潰れてしまうように感じるでしょう。わざわざ紹介したのに不採用にされたと思い、会社自体に不信感を覚えることにもなります。採用担当者から不採用になった納得のいく説明がなければ尚更で、紹介者本人が今後の協力を惜しむだけでなく他の紹介まで妨害するかもしれません。このようにリファラル採用では不採用になった場合には、本人だけでなく紹介者を巻き込んだトラブルが発生することも多くあるので注意が必要です。

紹介者報酬が違法とみなされてしまうケース

リファラル採用では紹介してくれた社員に対しインセンティブを支払うことが慣例ですが、あまりに高額な報酬は違法として処罰の対象にもなるため注意しましょう。職業安定法65条6号では「報酬があまりにも高額な場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」に処せられる可能性があると明示しています。ただし曖昧な言葉が使われており、具体的な金額が書かれていないので難しい判断となります。あまりにも低い報酬であれば魅力が無いように思われてしまうので、社員が喜ぶ金額でありながら高額と判断されない金額に報酬を設定しましょう。

リファラル採用で失敗してしまう原因

採用人材への採用フローや採用条件が明確となっていない

リファラル採用を成功させるためには、採用までの一連の流れや採用条件を具体的に決めておく必要があります。社員からの紹介であることから断りづらくなることもあるため、採用フローや採用条件を明確化することで不採用となった場合にも理由をハッキリさせることができます。不採用となった理由が納得できれば、紹介してくれた社員や面接まで来てくれた本人とトラブルになることもないでしょう。成功している企業などの例を参考にして、自社専用の採用までのリファラル採用マニュアルを作成することをお勧めします。

企業内でのリファラル採用に対する制度設定が曖昧である

リファラル採用は社員の紹介ということから制度自体が曖昧に設定されることが多く、このことが多くのトラブルの原因となります。制度である以上、厳格に決定し文言として残す必要があります。インセンティブの発生は紹介によるものなのか、それとも採用決定によるものかも決めなければいけません。また、インセンティブの支払い時期や支払い方法なども明文化して社員の方々に伝えるようにしましょう。加えてリファラル採用による実採用者の目標数や、用意するインセンティブの総額も採用担当部署内だけで良いので共有することが大事です。

企業と社員が職業安定法などの法律に対する認識が甘い

リファラル採用で失敗する原因として、企業と社員が職業安定法などの法律による定めに対して認識が甘いことが挙げられます。職業安定法では過分な報酬は懲役および罰金に処するとあり、具体的な金額は明示されていません。曖昧に捉えることもできる法律だからと甘く見ると大きな失敗につながります。懲役や罰金とは明らかな違法行為に対する重い処罰であることを認識すべきです。紹介するだけで報酬がもらえるからと制度を乱用するなどはもってのほかで、採用担当者側も会社のお金は大事に使うように心がけましょう。

リファラル採用でトラブルを防ぐには

募集するポジションやペルソナを明確化する

リファラル採用でトラブルを防ぐには、募集する配属予定の部署やポジションおよび採用に最も重要と言える希望の人物像であるペルソナを明確にしておくことが大事です。リファラル採用における最も大きなトラブルの1つが、採用ポジションと人材のミスマッチです。まずは人材を欲する部署から詳しい聞き取りを行い、具体的に明文化するとともに、どの程度まで妥協できるのかもハッキリ聞いておきましょう。また、これだけは譲れないという条件があれば、それを第一条件として選考しましょう。

採用基準が通常の選考と同じであることを事前に伝える

リファラル採用においても採用基準は通常の選考と同じであることを事前に伝えることで、多くのトラブルを回避できます。リファラル採用でよく間違われるのは、前述の縁故採用などと混同してしまうことです。採用担当者側では分かっていたとしても、紹介してくれる肝心の社員や推薦される候補者は十分に理解していないこともあるので注意しましょう。またリファラル制度を理解していたとしても、多少は優遇してくれるだろうと思い込んでいることも多いので事前に再確認しておくべきです。

紹介者報酬のルールを整えておく

リファラル採用におけるトラブルを防ぐためには、紹介者報酬のルールを十分に整えておくことも重要です。紹介者にすれば最初は少額の臨時収入程度と思っていても、収入を見込んで使いみちを決めることも多くあるでしょう。入るはずのお金がいつまでも手元に入らなけらば採用担当者および会社への不信感が募り、その後の制度運営にも大きな悪影響を及ぼすことにもなりかねません。報酬のルールは細かい部分までキチンと決めて紹介者が十分理解できるように整備しておきましょう。

まとめ

リファラル採用を活用して優秀な人材を採用しよう

リファラル採用は、通常の採用よりも潜在する有効な人材を発掘できる方法です。しかし注意しなければいけないのは社員の協力と理解が必要であり、間違った理解はトラブルにつながるということです。社員を巻き込んだトラブルになれば、大きな戦力である紹介した社員を失うことにもなりかねません。リファラル採用で重要なことは曖昧な部分をなくして、リファラル採用の必要性と内容を十分に理解してもらうことです。ぜひ社員の方々に魅力あるリファラル採用を提案し、優秀で会社にベストマッチする優秀な人材を獲得してください。

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