記事更新日:2021年06月15日 | 初回公開日:2021年06月14日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報KOLというのは「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」の頭文字をとったもので、本来は医学用語として用いられていました。しかし中国などのアジア圏では、KOLというのはSNS上などの特定のコミュニティで大きな影響力を持つ人のことを表すようになりました。例えばテレビなどのメディアに出演しているタレントではなくても、SNSで数万人のフォロワー数を誇るユーザーはかなり大きな影響力を持っているといえます。
KOLは中国などのアジア圏を中心に知られているとのことでしたが、日本ではインフルエンサーと呼ばれる人たちが似たような特徴を持っています。インフルエンサーもSNS上で多くのフォロワーを獲得しており、その影響力は芸能人と比べても遜色がないというレベルの人も多いでしょう。KOLとインフルエンサーの大きな違いは特定の分野における専門性があるという点です。KOLの方が一般的なインフルエンサーに対して高い専門性を持っています。KOLはただ有名なだけではなく、それぞれの分野に特化した知識を持っているインフルエンサーだと認識するのが正しいでしょう。
KOLを用いたマーケティングをおこなう目的のひとつは、口コミによる商品の宣伝です。企業がターゲットとしている顧客は、テレビのCMだけでなくインターネットやSNSなどさまざまな媒体から自分の求めている商品の情報を探します。KOLを起用すれば自分たちの提供している商品をSNSで拡散してもらうだけでなく、口コミをしてもらうことによって多くの人が商品についての情報を目にすることになるでしょう。実際に使用した人の口コミは信頼性もありますので、かなり効果的な手法といえます。
KOLは特定の分野についての専門的な知識を持っていますので、KOLが高い評価をつければ商品そのもののブランディング力を高めることができます。ただ有名なだけの人が使っている商品よりも、その分野における専門家が高い評価をした商品の方が使ってみたくなるという人の方が多いでしょう。KOLを利用したマーケティングによって自社の製品の価値を高めれば、より多くの顧客に興味を持ってもらえるようになり、手にとってもらえる機会も増えます。
KOLマーケティングをおこなう一番のメリットは、信頼度の高い宣伝活動ができるということです。その分野を専門としている人物が紹介する商品なので、顧客は安心してその商品を購入することができます。また、SNSでの情報の発信は顧客との距離が近いというメリットもあるため、KOLに対して商品についての質問があれば直接答えることも可能です。専門的な知識に基づいた回答を得られますので、こちらも信頼度の高さにつながるでしょう。
KOLがSNS上で商品についての情報を発信した場合、そのフォロワー数などにもよりますが一度に多くの人が目にすることになります。もちろんテレビCMなども多くの人が目にしていますが、電車での移動中や待ち合わせ中といった少しの時間でも目にするのがスマートフォンです。したがって、KOLによるSNSでの情報発信は商品の認知度を一気に上げることができるでしょう。まずはより多くの人に商品について知ってもらうことが大切ですので、KOLはその点においても非常に有効な手段といえます。
KOLマーケティングによる海外展開へのハードルはかなり低いです。一般的に、企業が自社の製品やサービスを海外に展開しようとすると準備から実行、その後の修正まで多くの時間とコストをかけることになります。そのため海外への進出はハードルが高く、多くの過程を入念におこなう手間がかかってしまいます。KOLを起用して海外展開する場合は海外のKOLの方に依頼をして、商品の宣伝をおこなってもらいます。そこで生じるコミュニケーションなどの課題ももちろんありますが、一般的な海外進出に比べるとかなり手軽に海外にむけて自社の製品のアピールができるでしょう。
KOLによる商品の宣伝効果は一時的なものになってしまいやすい傾向があります。その理由は、KOLが情報を発信するSNSなどのインターネット上では日々新しい情報が大量に更新されているからです。したがって、一度発信したPR情報が長期間その効果を発揮し続けるということは難しいでしょう。しかしその一方で、一時的な宣伝効果はチラシやテレビCMといった他の手法に比べてもかなり大きいため、他のPR方法と並行して行うのが最適でしょう。
KOLマーケティングはディレクションをするのが難しいというのもデメリットのひとつです。KOLを選定したはいいものの、商品についての情報発信が企業が想定していたのとは違った形でされてしまうこともあり得ます。しかし、商品紹介を全て自社が用意したテンプレートでお願いしてしまうと、専門知識のあるKOLを起用する意味がなくなってしまいます。商品の魅力を顧客に十分に届けるためにも、KOLとの打ち合わせは入念に行い、絶対に伝えて欲しいことなどはしっかりと共有しておくようにしましょう。
KOLマーケティングによってアプローチしたいターゲット層を明確に設定しましょう。ターゲット層によって、どのようなKOLを起用すればいいかを選定する必要があるからです。KOLマーケティングはその性質上、SNSやウェブサイトで宣伝を行うことが多いです。したがって、普段からそのような媒体を用いて製品の情報収集をしないような顧客がターゲットの場合は、KOLは有効な手段とはいえません。一方で、比較的若い世代などはスマートフォンでSNSを閲覧する時間が長いため、KOLマーケティングは有効であると考えられます。
KOLを選定するにあたって、その分野についてどれほどの専門知識を持っているかを確認しておく必要があります。KOLがインフルエンサーと違う点は専門知識の有無であり、そこが強みでもあります。さらに、KOLを起用する目的は自社の製品についてより専門的な観点から魅力を伝えてもらうということです。したがって、KOLに仕事を依頼する際にはその分野の専門性を確認するためにも、これまでの実績などについて詳しく聞いてみるのがいいでしょう。
KOLが獲得しているフォロワー層についても分析しておく必要があります。KOLが製品についての情報を発信した際に、一番初めにそれを目にするのはKOLのフォロワーたちです。そしてそこからさらにフォロワーたちが情報を拡散してくれるというのが理想的なKOLマーケティングの流れになります。したがってKOLのフォロワーはその製品に魅力を感じてくれる層であるべきなので、自社の製品とフォロワーの層がマッチしているかを事前に確認しておきましょう。
コスメブランドのメイベリンは、発売前の新商品のPRにKOLマーケティングを行いました。中国人女性に人気の小紅書というアプリを通じて実際の使用感などの情報を発信し、それに対する顧客の反応を分析したのです。その結果、顧客がどのような基準で商品を選んでいるかというところまで突き詰め、大きな売り上げを記録しました。情報を発信して終わりではなく、その後の反応に対してすぐに対応できるのもKOLマーケティングのメリットといえるでしょう。顧客との距離の近さと、企業の分析力による成功例のひとつです。
アパレルブランドのSemiruも、KOLを起用して認知度を大きく上昇させることに成功しました。中国における最大のSNSであるWeiboでハッシュタグキャンペーンを行い、そのインプレッション数は5億を超えたのです。SemiruはKOLを選定する際に、単純にフォロワーの多さだけで判断するのではなく、自社のコンセプトを正しく表現してくれるという点を重視して起用しました。KOLを起用する際には、フォロワー以外の要素も非常に重要になってくるという一例といえるでしょう。
KOLマーケティングを日本で行う方法のひとつとして、YouTubeが挙げられます。現在、日本のみでなくYouTubeは世界中の多くのユーザーが利用しています。したがって、多くの人が目にする機会のある媒体のため、その宣伝効果は大きいでしょう。テレビCMに比べると長い時間を使って商品について説明できるため、魅力がより伝わりやすいです。動画の編集などの手間はかかってしまいますが、使用してみた感想などをより詳細に発信できるため、化粧品やファッションなどの商品には特におすすめです。
KOLマーケティングにTikTokを活用するのも効果的でしょう。TikTokで作成できる動画の長さは15秒〜1分程度ですので、テレビCMと比較しても大きな差はありません。しかし、次から次へと動画コンテンツが表示されるため、テレビCMよりも目にしてもらえる機会は増えます。動画が短いため、比較的手軽に作成できるのも魅力的です。TikTokのユーザー層は他のSNSに比べても若い年代が多いため、若者向けの商品を宣伝するのに適しています。
KOLマーケティングは中国などのアジア圏で主に行われていましたが、もちろん日本においても実現は可能です。日本ではすでにインフルエンサーと呼ばれる人たちが多く存在し、商品のPRを行っています。しかし単純にフォロワーが多いだけではなく、その商品の分野について専門的な知識のあるKOLが宣伝する方が効果は大きいでしょう。自社の商品やサービスにより説得力と信頼感を持たせられるKOLマーケティングを積極的に行ってみましょう。
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