記事更新日:2024年06月05日 | 初回公開日:2024年06月05日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報タスクフォースとは、重要課題解決のための一時的な組織のことです。タスクフォースとは元々軍事用語であり、軍隊がある特定の任務を遂行する際に組まれるチームを意味しています。それがビジネスでも用いられるようになり、現在では重要課題や企画の開発を行う際の臨時チームをタスクフォースと呼んでいます。定常的にタスクフォースが編成されるのではなく、可及的速やかに解決すべき重要な課題が発生した際にのみ発足されるチームです。
タスクフォースとプロジェクトチームを混同してしまいそうですが、取り組む期間が異なります。タスクフォースが緊急性の高い要件を行うためのチームであるのに対して、プロジェクトチームは特定のプロジェクトを達成するためのチームです。近年ではどちらも同じような意味として用いられていますが、結成から解散までの期間が異なります。タスクフォースは集中的に短期間で役割を終えるのに対して、プロジェクトチームは年単位で編成されることもあります。
タスクフォースの同意語として使われる言葉として、ワーキンググループがあります。ワーキンググループもタスクフォースと同じような意味を持っていますが、特定の問題を解決するためのチームのことをいいます。この2つの違いは、課題の規模や重要性です。ワーキンググループの中で、細分化された組織の事をタスクフォースとして使い分けている企業もあります。ワーキンググループは、企業の存続や経営不振などの問題に対応するために活用されています。
タスクフォースに選ばれるメンバーは、各部署から抜擢されます。タスクフォースは、重要課題や企業開発など企業にとって大きなターニングポイントとなりうる事象を担当します。そのため、タスクフォースに選ばれる人は各部署の中でも優秀な人材である必要があり、選びぬかれた人たちで結成されています。優秀な人材を社外から招聘している企業もあります。様々な部署から優秀な人材が選出されることで短時間で課題解決や、イノベーションの創出などを行うことが可能です。
タスクフォースのメリットは、高い効果が期待できる点です。企業運営を行っていく上で、リソースは限られているためどの目的にどの程度のリソースを割くのかはしっかりと見極める必要があります。しかしタスクフォースであれば、チームとして対応すべき目的や期間が明確となっていることから課題解決に必要なリソースを十分に確保することが出来ます。リソースをしっかりと確保することにより、タスクフォースに配属された人は業務に集中し高い成果を期待することが可能です。
タスクフォースは、適切なメンバーを集められるメリットがあります。タスクフォースは解決すべき課題が明確になっています。そのため、解決するために必要なスキルやチームに必要なメンバーを決めやすいという点もメリットです。多くの企業では部門や部署でそれぞれ得意とする業務を中心として実施しています。しかしタスクフォースでは、部署を問わず横断的に適したメンバーを集めることが出来ます。短期間で課題を解決するには、適切なメンバー選定が大切です。
タスクフォースを成功させるには、コミュニケーションを活発に行う必要があります。タスクフォースは重要な課題を解決するために、各部署から選りすぐりのメンバーが抜擢されています。最適なメンバーとして選ばれている人材は各部署でも特に優秀であることが多く、問題解決にはなんの問題もないように見えます。しかし優秀な人材だけを集めれば成功できるとも限りません。しっかりとコミュニケーションが取れていなければ失敗してしまう可能性もあるため、活発なコミュニケーションが重要です。
各々に適切な役割を与えることも、タスクフォースを成功させるために必要です。優秀な人材ばかり集まっているタスクフォースでは、一人で業務を完遂できる能力を持っている人が殆です。そのために、しっかりと役割分担を行っていなければ各々バラバラなやり方で進めてしまい、チームとして上手く運営できない事も考えられます。そういった自体に陥らないためにも、それぞれの能力が存分に発揮できるような適切な役割を与えることが大切です。
タスクフォースを勧めていくためには、まずメンバーを消臭する必要があります。解決すべき課題に対して必要な経験やスキルを持っているメンバーの招集を行います。マネジメント力やリーダーシップ力を持っているメンバーをリーダーに選び、補完できる能力を持ったメンバーを配置するのも方法の一つです。またタスクフォースは短期間で成果を出す必要があるため、緊急性の高い事象に対応した経験があるかどうかも重要になってきます。
メンバーを決めた後は実際に取り組む前に、解決する課題を明確にしておきましょう。短期間で重要課題を解決するためには、チームメンバー全員が解決すべき課題の規模やゴールを把握していなければなりません。課題解決に向けて動き出す前に、明確にしておくことで必要なタスクなどの洗い出しを行うことが出来ます。いつまでにどの状態に持っていかなければならないのかを明確にし、スケジュールを組むようにしましょう。またスケジュールは無理のない程度で組む事が大切です。
タスクフォースを上手く活用していくためには、チーム内での方向性を決めておくことも大切です。社内の様々な部署から抜擢されているため、普段からコミュニケーションが取れていない人とチーム担っている場合もあります。限られた期間で重要な課題解決を行うためには、チームとしての統一感が必要です。タスクフォース内で、事前に価値観や方向性などを決めておくことで価値観のズレによってメンバーの能力を活かしきれないという状況を避けることが出来ます。スピード感を持って進めるためにも、方向性を決めておきましょう。
課題解決に向けた方向性や施策を決めたら、都度モニタリングを行い進捗確認するようにしましょう。モニタリングを定期的に行うことで、課題の状況やどの程度解決に向かっているのかなど客観的な視点で判断することが出来ます。社内で優秀な人材を集めているタスクフォースだからといって、全てが上手くいくわけではありません。結果が出ない場合や、課題や問題が悪化してしまう可能性もあります。そういった場合に、なぜうまくいかなかったのかどこで失敗したのかを把握し、次に活かすためにもモニタリングは重要です。
振り返りを行うことで、次のタスクフォースを編成する時に活用することが出来ます。タスクフォースでの活動が終わった後は、内容や結果について振り返りを行うようにしましょう。課題解決を行うためにタスクフォースでは短期的な活動になりますが、その後に長期的なプロジェクトチームを再編する可能性もあります。優秀な人材が集まっているからと言って、活動中に全く改善点が見当たらないということはありません。タスクフォースでの活動の振り返りを元に、組織内教育などに活用することも出来ます。
タスクフォースで実施した内容やノウハウは社内で共有しましょう。タスクフォースは緊急性の高い課題を解決するために臨時で編成されるチームです。そのため、課題解決後はすぐ解散するということもありその場での知識や、タスクフォース内で生まれたノウハウが残らないという可能性もあります。重要な課題を解決していく中で得られた知見やノウハウは、組織運営に活かせることが多くあるはずです。積極的にノウハウを社内に共有していくことで、同じような課題が出てきた時に解決しやすくなります。
マクドナルドは2015年に販売した商品に異物が混入しており、それ以降異物混入報道が相次ぎ注目を集めました。この報道によって、品質への懸念や危機管理能力に対する信頼の喪失が起こったことにより日本マクドナルドでは「お客様対応プロセス・タスクフォース」を編成しました。このタスクフォースは品質保証や法務・お客様担当などあらゆる部署の代表が参加しており、独立性を高めるために外部の有識者も加わっています。タスクフォースによって基準の見直しやプロセスの徹底などが一元化されました。
タスクフォースは、味の素でも取り入れられています。味の素は2020年に「アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人びとのウェルネスを共創します」というビジョンを掲げました。「食と健康の課題解決」に取り組むためのタスクフォースとして、全社オペレーション変革タスクフォースを結成します。このタスクフォースでは、食と健康の課題解決に取り組むためにマネジメントサイクルを構築しエンゲージメント向上と従業員の能力開発を目的としています。
日本航空はタスクフォースを取り入れている企業です。日本航空では2009年に経営危機に陥ったことから、JAL再生タスクフォースとして編成されました。JALを再建するために経営陣や労働組合・政府や金融機関など様々なジャンルの専門家によって構成されました。このタスクフォースが編成された目的は、業績改善と負債削減です。これにより人件費削減や労働条件の変更・待遇の見直しなどが行われました。他にも扶養資産の売却などを行いJALの経営はV字回復に成功しています。
タスクフォースの進め方や、タスクフォースを導入するメリットなどについて解説しました。タスクフォースは課題解決を行うだけでなく、チーム力の強化といったメリットもあります。部署を横断して優秀な人材を集められるタスクフォースですが、上手く機能させていくためにはコミュニケーションが欠かせません。タスクフォースで実施した内容やノウハウを社内に共有しておくことで、同じような課題が発生した際にスムーズに解決に導くことも出来ます。タスクフォースで重要な課題を迅速に解決していきましょう。
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