記事更新日:2022年09月29日 | 初回公開日:2022年09月22日
用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報成長マインドセットとは、成長する意識や意欲を持った考え方を指します。まず、マインドセットとは物事に対する見方や判断の基準となる考え方のことを意味します。成長マインドセットはマインドセットの中の一つの考え方であり、困難に直面した際にそれを成長する機会と捉えて努力する姿勢が特徴です。失敗を恐れないチャレンジ精神を成長マインドセットは備えています。つまり、成長マインドセットは自分の人生観を決定する重要な要素であり、ビジネスや日常生活と深く関わり合う要素であると言えます。
代表的なマインドセットとして成長マインドセットの他に固定マインドセットが挙げられます。固定マインドセットは成長マインドセットとは大きく異なり、能力は先天的に決まっていて努力しても変わることはないと考えることです。このマインドセットを持っている場合、物事に対してリスクを取らずに行動する傾向が見られます。例えば、社内において新しいプロジェクトの推進に消極的であり、現状維持を好む上司の判断などがこのマインドセットの典型と言えるでしょう。
成長マインドセットの効果として、社内全体の成長意識が高まるということが挙げられます。マインドセットはそれを持つ個人のみならず、周囲にも影響を与えて拡散することができます。組織のリーダーが成長マインドセットを持っている場合、それが周囲に伝搬することで組織全体の成長意識を高めることができます。例えば、組織のリーダーが時代にそぐわせるために社内に積極的にグローバル人材を採用しようと重要性を社員に伝え、計画を推進するとします。社員たちはそれに対してさらにどうすれば社内が革新するか積極的に考え、より多くアイディアを出すでしょう。結果社内の成長意識が高まることになります。
成長マインドセットの効果として、社内の生産性が向上する点が挙げられます。先に述べたように、成長マインドセットを持つことで社内はより革新的になります。つまり、今までにない技術や効率的な業務をこなすことが可能となり、社内全体の生産性が向上すると言えます。例えば、食品メーカーの場合を考えてみましょう。現状消費者に満足をしてもらっており売り上げも安定した食品。成長マインドセットをもとに大きな開発費をかける覚悟をしさらなる改善の意欲があればより高品質を目指すことができ、成功すれば売り上げや生産性の向上へつながります。
成長マインドセットを身に着ける手順として、まずはマインドセットの存在を知ることが挙げられます。人それぞれマインドセットを持ち、それに基づいて判断をすることを理解した上で自分が今固定マインドセットを持って行動していないかどうかを確認します。特に重要なのが、マインドセットは変えることができるということを念頭に置くことです。ただし、マインドセットは今までの自分の人生の中で蓄積された経験に基づいた価値観なので、短期間で変えることは難しいです。しかし、少しづつ変えていくことができると理解しておくことがまずは重要です。
成長マインドセットを身に着ける手順として、次に目標を言語化します。まずは明確かつ具体的に自らの目標やビジョンを言語化しましょう。人事の面を例にとって考えると、去年の新卒採用を改め社内の技術革新を狙ってエンジニアの中途採用にシフトチェンジをするなどが例に挙げられます。その際、より内容が細かければ細かいほど行動に移しやすいのでそのために何をするのかを社員と一緒に考えます。必要なスキル、実際に取るべき行動とそのためにどう意識を持てばいいのかを中心に考えると良いでしょう。
成長マインドセットを身に着ける手順として、次に言語化した内容を行動に移します。この時に重要なことは、言語化してすぐに行動に移すことと、継続的に行動をすることです。行動を絶え間なく行うことで目標を意識し続けることができます。そのため、具体的に起こした行動に記録を付けておくことが効果的です。また、継続性を保つために最初方大きな目標を立てずに少しづつ長期的に行える行動を取るように心がけると良いでしょう。
成長マインドセットを身に着ける手順として、次にフィードバックを行います。具体的には、最初に立てた目標と実際に行動した後の成果を見比べ、うまくいった部分とそうでなかった部分に分けます。上手くいかなかった部分に関してはその原因を分析します。原因を客観的に把握することで今まで自分が無意識にとっていた固定マインドセットの持ちように気づくことができます。客観的な把握のためには自らの分析だけでなく家族や同僚、上司などにも指摘をしてもらうと効果的でしょう。
成長マインドセットを身に着ける手順として、最後に改善して成功体験を積み重ねます。フィードバックを通して明らかになった原因をもとに改善点を浮き彫りにします。それをもとに再び目標を設定し、以上の流れを繰り返すことで少しづつ成功体験を重ねていきます。こうして目標が一つ一つ実現していくことができます。しかしながら、先にも述べたように成長マインドセットを身に着けるには時間がかかります。ですので、一回のサイクルに一喜一憂せずに粘り強く浸透させていくことが重要です。
成長マインドセットを身に着けるコツとして、結果よりも過程を重視する点が挙げられます。何ごとにおいても常に成功か失敗かの結果に目が行きがちですが、それよりも失敗からどう軌道修正をして次につなげるかの過程の方が重要です。特に固定マインドセットを持つ人は一度の失敗で挫折してしまう人が多いので注意をする必要があります。失敗しても成功しても自分が成長するという考えを意識すれば失敗や成功に踊らされることは少なくなるでしょう。
成長マインドセットを身に着けるコツとして、小さい達成を蓄積させることが挙げられます。失敗や成功にこだわらないことが大切と述べましたが、そうはいっても失敗をしないに越したことはありません。ですので、目標を高く設定しすぎずに成功できるような目標を設定することが特にはじめは重要です。小さな成功体験を持つことで、成長マインドセットを身に着けようとするモチベーションも維持することができますし、持続的に行うこともできます。小さい成功体験が蓄積されることで少しづつ成長マインドセットが構築されていき、やがて大きな変化につなげることができます。
ビジネスでの成長マインドセットの活用として、採用面接が挙げられます。新たな社員を打雇い入れる上で成長マインドセットを持った人の方が会社のイノベーションに貢献する可能性が高いです。また、特に営業職などにおいては積極性をもった社員の方が有用でしょう。採用の面接においては過去の成功体験や、挫折をどう乗り越えたかを聞くことで成長マインドセットがあるかどうかを推し量ることができます。
ビジネスでの成長マインドセットの活用として研修が挙げられます。ポストや環境が変わる前の場面では不安が大きく、成長マインドセットよりも固定マインドセットを持ちがちです。ですので、そのタイミングで成長マインドセットに関する研修をするのは非常に効果的です。具体的には、実際に現場で働く人によるワークショップを通して成長マインドセットの獲得を目指します。タイミングとしては新入社員研修や海外赴任前研修、女性管理職の研修が挙げられます。
ビジネスでの成長マインドセットの活用として、社員との面談が挙げられます。既にいる社員に成長マインドセットを身に着けさせるために、社員との面談をすると効果的です。社員の現時点での目標を聞き、目標達成に向けたプロセスについて一緒に考えることが重要です。また、効率的にマインドセットを獲得するためにあらかじめタレントマネジメントシステムなどを活用して社員のマインドセットの特性を理解しておくことも効果的です。
成長マインドセット獲得の事例として、ホテルのザ・リッツカールトンの事例が挙げられます。ホテルザ・リッツカールトンにはクレドと呼ばれる社内で共有する企業理念があります。社員は毎朝朝礼にてお客様にどう接するかを話し合って決めます。また、個人の判断で良いと思ったおもてなしをできるような仕組みを整えいます。また、フィードバックとしてお客様から受けた声を成功体験として受けられるようになっているため、総じて成長マインドセットを獲得しやすい環境が整備されていると言えます。
成長マインドセット獲得の事例として、富士フィルムが挙げられます。富士フィルムは元々は富士写真フィルム株式会社という名の下写真フィルムの製造が盛んでした。しかし、デジタル化の進展によって数多くの写真フィルム会社が倒産する中、ナンバーワンを目指して新たな市場の開拓に打って出ました。結果液晶や医療機器事業に成功しました。ナンバーワンを目指すという成長マインドセットを社内全体で共有できたために成功できたという一つの事例です。
成長マインドセット獲得の事例として株式会社丸井グループが挙げられます。ショッピングセンターマルイやクレジットカードのエポスを運営する丸井はコロナ禍においての社員の成長マインドセットの獲得に成功しました。具体的にはEラーニングツールを導入し、対面同様に積極的なコミュニケーションや学びを行うことを実現しました。結果的に社内全体の80%が自主的に学び、成長意欲のある人材を多く育成することができた事例です。
成長マインドセットの獲得によって社内の成長意識が高まり社内の生産性を向上させることができます。社内研修や日頃の指導を通じてより多くの成長マインドセットを社内に浸透させていくことが重要です。しかし、マインドセットは人の持つ価値観なのですぐに変わることは難しいです。少しずつ目標設定から達成までのプロセスを経た成功体験を積み重ね、また結果よりも過程を重視し時には褒め、社内での成長へのモチベーションを上げていきましょう。
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