記事更新日:2019年12月05日 | 初回公開日:2019年12月03日
採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報ITエンジニアといっても、業務区分でいえばいわゆるプログラマーから上級のシステムエンジニアまで色々なレベルがあります。また、専門分野でもネットワークエンジニアやデータベースエンジニア等々色々あり、幅広い範囲のエンジニア職種というイメージがあるでしょう。確かに、ITエンジニア職にはそれなりの専門性が要求されます。しかし、職種によっては公的な資格が必要となる職種が多い中で、ITエンジニアの特徴としては資格が不要なのです。もちろんいくつもの公的なIT関連の資格があり、資格を持っている人もたくさんいるでしょう。しかし、資格がなくてもITエンジニアにはなれるのです。別の言い方をすれば、ITエンジニアには新卒でも誰でもなろうと思えばなれます。よって、理系の出身者でなくてもITエンジニアになっている人が、たくさん皆さんの周りにもいるが実態なんですよね。
では、何故、中途のITエンジニアでなくて新卒のITエンジニアなのでしょうか。その理由のひとつとして昨今の人材不足、特に中途ITエンジニアの人材不足があります。つまり、業務経験のある中途のITエンジニアを採用しようと思っても、そもそもの人材不足により中途のITエンジニアの採用はかなり困難なのがお分かりでしょう。また、中途のITエンジンアは即戦力になるがゆえに、賃金もかなり高くなるという理由もあります。よって、比較的採用しやすい新卒ITエンジニアが最近のターゲットとなっているわけです。
既にふれましたように、そもそもの人材不足によりITエンジニア採用そのものが難しいといわれている昨今です。そして、その中でも中途のITエンジニアの採用はより困難となっているのです。その理由として、経験やスキルを身に着けたITエンジニアが転職するのは更なる給与やスキルアップを目指している人材が多いからでしょう。つまり、中途のITエンジニアは人材そのものが少ないうえに、採用側としても条件に合った候補者の絶対数が少ないのです。この中途採用の難しさについては次で詳しく述べますが、これに反して新卒のITエンジニアは毎年出てきます。つまり新卒ITエンジニアの絶対数自体が多いんですよね。既にITエンジニアの定義のところでふれましたように、理系だけでなく誰でも容易にITエンジニアになりえるからです。しかし、ここで注意して頂きたいのは、それ故に新卒ITエンジニアは経験やスキルがほとんど無いということです。しかし、逆に彼らにはポテンシャルがあるのです。
昨今の高齢者社会で、生産人口の減少による労働者の母数自体が少なくなっている状況に反して、ITエンジニアのニーズはますます広がってきています。よって、すぐに即戦力となる中途ITエンジニアのニーズはますます増えているのが実情です。これは当然お分かりの事実ですよね。しかし、更に中途ITエンジニアの採用が難しいのにはもう一つの理由があります。それは、優秀な中途ITエンジニアを採用しようとすればかなりの給与でないとなかなか採用できない、また安い給与では良い人材があつまらないという事実です。つまり、コスト面の問題が大きいというなんですよね。
このように、ITエンジニアと言う分野では単なる人材不足だけでなく、母数と採用企業側のニーズのアンバランスによる中途ITエンジニア採用の難しさがあるのです。よって、企業のニーズ(スキル面、給与面、対応プロジェクト面、等々)に合う中途人材を見つけるのが難しい職種がこのITエンジニアということが良くおわかり頂けるのではないでしょうか。
そもそものITエンジニア不足解消の切り札が新卒ITエンジニアの採用であることは既にふれました。ITエンジニアの人材不足は学生の中でも認識されており、それ故にITエンジニア職種へのニーズは近年高まってきています。よって、スキルや経験のない新卒ITエンジニアといえども、企業からの採用ニーズが高くなっていることは容易にお分かりですよね。中途採用にくらべて新卒のITエンジニアの母数は多く、ITエンジニア不足解消の大きな鍵となっているのです。
新卒のITエンジニアはポテンシャルがあるといいましたが、これにはふたつの意味があります。まずひとつは、本人の努力により幅広いITエンジニアの職種のどれにもなりうるということです。つまり、企業の幅広い色々なITニーズに応えられるということでしょう。これは逆に、ある程度既に型にはまってしまっている中途採用のエンジニアでは難しいと言えます。
もうひとつは、まだ若い新卒のITエンジニアは、今はあまりスキルや経験が無くても、将来優秀なITエンジニアになる可能性が大いにあるということです。これはかなり重要なメリットですよね。このメリットは、ある程度年齢のいった中途のITエンジニアではあまり期待できない点です。
逆に新卒のITエンジニア故のデメリットもあります。そのひとつ目は、入社当初は新卒ゆえにあまり即戦力にならず、育成に時間がかかるということでしょう。例えば貴社が今重要なITプロジェクトを抱えているとします。そして、そのプロジェクトの中核としての役割を、新卒のITエンジニアに期待しようとしてもそれは無謀です。プログラミング経験がまだ無いような新卒エンジニアを一人前のエンジニアに育てるには、かなりの時間を要することは覚悟しておいたほうが良いでしょう。これは新卒ITエンジニアを採用する際の大きなデメリットといえますよね。
デメリットのふたつ目として、新卒のITエンジニアはそのポテンシャルが良く見えないという点でしょう。つまり、採用時に適性を見ながら貴社の現場ニーズに合いそうな人材を選ぶのは当然です。しかし、採用段階で本当に現場が求める人材なのか、あるいは将来貴社が求める人材になりえるかどうかを見極めるのは、かなりのリスクを伴います。これも新卒のITエンジニア採用時の難しさ、つまりデメリットと言えるでしょう。
ITエンジニアに限ったことではありませんが、学生が企業を選ぶ際にもっとも重要なことがあります。それは「自分が働く職場のイメージを描けるか」ということです。具体的に言えば、如何に学生に貴社の仕事の内容や必要とされているITスキル、更には今後発生しうるITプロジェクトの内容を明確に示すことができるかということでしょう。つまり、貴社の社風や労働環境等の情報の詳細を明確に伝えることで、学生に働くイメージを持たせて安心感を抱かせることが重要なのです。
新卒の学生は、採用段階でITエンジニアとしての適性を明確にはかることはかなり困難です。そして、それ故に新卒学生がそれまで行なってきた専門の研究のみでなく、趣味や性格も含めたうえでポテンシャルを見定める必要があります。よって適性を明確にはかるためには、幅広い範囲での学生を対象に採用活動をおこなっていく必要があるでしょう。昨今では、文系の学生でもITエンジニアとして企業に採用されるケースが目立ってきています。これは対象の学生の範囲をひろげての採用から新たなメリットが生まれる、ということが企業側でも理解されてきたからなのです。
採用事例その1としては、地方出身の学生採用のケースです。この事例のポイントはふたつあります。先ずひとつ目は、学生が地方出身の場合は卒業後地元に戻ってもあまりITエンジニアのニーズが少ないので、比較的門戸を開いて都会で幅広く就職活動をしているということです。よって、採用機会も多くなるでしょう。ふたつ目は、地方は物価が安いこともあって学生もその尺度で給与水準を考えているということです。よって、これらの理由から比較的優秀な人材を安い給与で確保できる可能性が高くなります。この事例の極端なケースとしては、海外の学生を採用するケースです。海外の学生は国内の学生とは違った意味でのメリットやデメリットもありますが、採用の可能性としては十分あり得るでしょう。特に、昨今のグローバル対応が急務の企業であれば、理系出身の採用が多いのでなかなか英語ができる人材が少ないかも知れません。よって、ITエンジニアの分野ではこの海外の学生や海外留学生を採用するというのも、地方出身の学生を採用するという事例のバリエーションとして十分ありえます。海外留学経験のある人材であれば、新人でもグローバル対応部門に即配属できる可能性もあるでしょう。このところのITプロジェクトではグローバルなパッケージ等の利用も多く、やはり英語力は必要となってきていますので。
採用事例その2としては、新卒の人材はまだあまりITエンジニアに対しての詳しい知識が無いケースが多いので、逆にそれを採用に活かす事例です。つまりこの採用事例その2は、学生に貴社を効果的にPR出来るように貴社の情報や実情、更にPR出来るポイントをしっかり採用活動前に整理しておくケースです。もし、あなたが学生の立場であれば、当然これらをしっかり説明してくれる企業に就職したいと考えますよね。更に、貴社の将来像や学生に求める内容も、具体的な貴社の事例や計画をもとに学生に説明することが大切です。面接では学生のスキルやポテンシャルを見極めることは確かに企業側にとって重要です。しかし逆に学生に貴社のメリットを明確にPRできないと学生の方から逃げてしまう、ということを念頭に置いて採用活動を行うことも大切です。貴社の業務分野がニッチな領域の会社であった場合には、このことは更に重要です。貴社の業務の内容のみでなく具体的に新卒の学生が貴社のどのような職場や業務の中でIT分野を担うのか、というようなことも明確に提示してわかりやすく説明する必要があるでしょう。
採用事例その3として、ITエンジニア採用で大切な現場部門との連携があります。これは特に新卒IT エンジニア採用の際には重要となるでしょう。というのも、既に触れましたように現場と連携して採用活動にあたることによって学生に働くイメージを持たせた上で安心感を与えることにつながるからです。新卒ITエンジニアは、これから自分がどのような仕事に従事してまわりの職場とどのような形で連携して良いのかというイメージが大抵余りありませんよね。よって、これらの不安を現場部門と一体になって払拭することが重要なのです。つまり、具体的には実際にその新卒ITエンジニアを採用しようとしている現場部門のメンバが面接に参画するということです。更にその面接官自身から候補者にどのようなIT分野の作業を入社後にして頂くことになるのかを、具体的な事例にて説明することも効果があるといえるでしょう。職場を見学してもらうことも状況によっては効果があるかもしれませんね。
上記の採用ケースにも関連しますが、採用事例その4として単に面接だけでなく実際に採用後に配属になる職場を見学させたり、職場のメンバとの面談の場を設定するような事例です。これにより更に学生の不安が払拭されると共に、実際に採用後にその職場で自分が働くイメージが湧いてきます。これによって、学生が貴社を候補として残す確率が高まるでしょう。そして、このことは企業側にとっても更なるメリットがあるのです。学生との接触回数を増やすことにより、採用する企業側も単なる面接ではわからない学生の良いところや悪いところを、具体的な作業イメージで見つけることができるからです。いくら売り手市場とは言えどもポテンシャルをもった優秀な新卒ITエンジニアを確保しないと意味がありませんので、ある意味この採用事例のケースは企業側にとって重要なポイントになるでしょう。
最後に採用事例その5です。新卒ITエンジニアのデメリットのところでもふれましたように、新卒ITエンジニアの育成には時間がかかります。また、その学生が本当に貴社にとって将来役に立つような人材となるのかどうかは、特に新卒ITエンジニアの場合にはその見極めも難しいのが実情です。それ故に、短期的な視点でなく長期的な視線で採用することが必要でしょう。そして、ここで重要となるのが貴社の中・長期的な戦略や経営計画です。つまり、新卒ITエンジニアを将来どのような形で貴社の発展に位置づけるのか、また育成してゆくのかということです。このことを明確にすることなしに優秀な新卒ITエンジニアを採用することは難しいでしょう。貴社にとって真に有益な新卒ITエンジニアを採用したいのであれば、短期的な視点のみでなく、長期的な視点も踏まえた上で新卒の採用活動を行うように心がけてください。
以上、新卒ITエンジニアのニーズ背景及びその採用のポイントということで解説してきました。昨今の人材不足の時代において優秀な新卒ITエンジニアを確保することは、中途採用よりは間口が広いとはいっても逆に色々大変な面もあることが良くお分かりいただけたでしょう。採用する人事部門の立場として見落としがちな観点を5つの採用ケース事例としてご紹介しました。特に、採用段階のみでなく採用以前に検討整理が必要な企業戦略やその後の採用人材の活用の仕方に関しては、事前に明確にしておく必要があるでしょう。また、貴社が新卒ITエンジニアを採用されようとする場合には、新卒ITエンジニアと中途採用ITエンジニアとの違いも良く踏まえた上で新卒ITエンジニアをご採用ください。その上で、貴社の将来のグローバル化対応やその為のIT化の担い手となるような優秀な「新卒ITエンジニア」をご採用ください。
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