ワーキングメモリーとは【低くなる原因や対処法についてお伝えします】

記事更新日:2023年05月02日 初回公開日:2023年05月02日

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ワーキングメモリーは、私たちの思考や問題解決において重要な役割を果たす認知機能です。仕事や学習においてワーキングメモリーが高まると、情報の整理や複雑なタスクの処理がスムーズになり、効率的なパフォーマンスを発揮できます。しかし、ワーキングメモリーは限られた容量を持つため、適切なトレーニングや環境整備が必要です。本記事では、ワーキングメモリーの役割や重要性、向上方法について詳しく解説します。従業員のパフォーマンス向上や認知能力の向上を目指す企業にとって、ワーキングメモリーの支援は重要な課題です。

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ワーキングメモリーとは

情報を一時的に記憶し保存する能力のこと

ワーキングメモリーとは、私たちの認知機能の一部であり、情報を一時的に記憶し保持する能力を指します。例えば、新しい情報を聞き、課題に取り組んだりする際に、一時的にその情報を頭の中で操作・処理するために使用されます。情報の整理や統合、注意の統制、新しい課題への適応など、さまざまな認知タスクにおいて重要な役割を果たします。特に複雑な作業や多くの情報を同時に処理する場面では、ワーキングメモリーの能力が求められます。ワーキングメモリーは、情報を保持するだけでなく、それを活用して問題解決や判断を行う能力も含まれています。

ワーキングメモリーの種類

言語的ワーキングメモリー

ワーキングメモリーには、3種類あります。その一つに言語的ワーキングメモリーがあります。言語的ワーキングメモリーは、文章や言葉の理解、文法の処理、読解能力などの言語的タスクにおいて重要な役割を果たします。例えば、読書中に情報を理解し、その内容を記憶しながら次の文脈に沿って読み進める際に言語的ワーキングメモリーが活用されます。また、文法ルールや語彙の使い方に関する情報を保持しながら文章を組み立て、話し言葉を理解したりする際にも言語的ワーキングメモリーが必要です。

視覚的ワーキングメモリー

視覚的ワーキングメモリーは、視覚情報を一時的に記憶し保持する能力です。視覚的ワーキングメモリーは、視覚的な刺激の詳細や特徴を一時的に記憶することができます。例えば、目に映る物体の形状・色・位置などの情報を保持します。保持した情報を基に物体を識別し、空間上での位置関係を把握することができます。また、視覚的な情報を処理する職種や業務では、視覚的ワーキングメモリーの能力が重要となります。例えば、デザイナーや建築家は視覚的な情報を多く取り扱うため、高い視覚的ワーキングメモリーが求められます。

エピソードバッファー

エピソードバッファーとは、一時的に情報を保持し管理する役割を担います。エピソードバッファーは、個々の経験や出来事を処理するためのワーキングメモリーの一部として機能します。物語や文章の中で登場するキャラクターや場面、プロットの流れなどの情報を保持し、それらの情報を組み合わせて物語の理解や意味の把握を可能にすることができます。よって、会話や読書中に登場人物の関係性やストーリーの進行を理解するために、エピソードバッファーが活用されます。

ワーキングメモリーが低い大人の特徴

物事を忘れてしまう

ワーキングメモリーが低い大人の特徴の一つは、物事を忘れてしまう傾向があることです。ワーキングメモリーは一時的な情報の保持に関与するため、容量が制限されています。そのため、ワーキングメモリーが低いと、新しい情報を十分に保持できず、結果として物事を忘れることがより頻繁に起こります。彼らは、頭の中で情報を一時的に保持する能力が制限されているため、複数のタスクや情報を同時に処理することが難しい傾向にあると言えるのです。

作業を一時中断することが難しい

作業を一時中断することが難しいこともワーキングメモリーが低い大人の特徴です。ワーキングメモリーは情報の一時的な保持に関与しており、作業を中断して他のタスクに移る際には、現在の情報を保持し続ける必要があります。しかし、ワーキングメモリーが低い場合は、情報を長時間保持することが難しくなるのです。その結果、作業を一時中断して他のタスクに切り替える際に、前のタスクの情報をすぐに思い出せないことがあります。

記憶を整理することが難しい

他にも、ワーキングメモリーが低い大人の特徴は、記憶を整理することが難しいことです。ワーキングメモリーは、一時的な情報の保持と処理に関与しており、情報を整理して記憶に定着させる役割も担っています。しかし、ワーキングメモリーが低い場合は、情報の整理や整合性の確保が難しくなる傾向があります。対策としては、アウトラインを作成することです。記憶する情報を階層的な構造で整理することが効果的になるでしょう。アウトラインやマインドマップを使って情報の関連性や階層性を可視化し、記憶を整理します。

ワーキングメモリーが低い原因

発達障害の可能性がある

ワーキングメモリーが低い原因の一つに、発達障害が考えられるでしょう。発達障害は、脳の発達に関連する神経発達の異常があり、ワーキングメモリーにも影響を及ぼすことがあります。発達障害の人々は、ワーキングメモリーの一部である注意統制や情報の保持・処理能力に制約があります。注意の散漫さや情報の一時的な保持や整理の難しさが見られることがあるでしょう。その結果、日常生活や学習、仕事において様々な困難をもたらす可能性があります。

ワーキングメモリーに関連する発達障害

ADHD

ワーキングメモリーに関連する発達障害の一つとして、注意欠陥多動性障害(ADHD)が挙げられます。ADHDは、注意力や衝動性の制御、活動レベルの調節に関する問題を特徴とする発達障害です。ADHDの人々は、ワーキングメモリーにも影響を及ぼすことがあります。具体的には、情報の一時的な保持や処理、注意の集中などに課題を抱える傾向があります。注意が散漫になることにより、作業に対する継続的な注意や集中を保つことが困難になると言えます。

ワーキングメモリーを鍛える方法

イメージングを行う

ワーキングメモリーを鍛える方法の一つとして、イメージング(想像力を使った訓練)があります。イメージングは、脳内でイメージや情景を作り出すことによって、ワーキングメモリーを活性化させる効果があるとされています。例えば、特定の場所や部屋をイメージし、そこにあるオブジェクトや詳細な情景を思い浮かべることによりイメージングを行うことが出来ます。自分の部屋やお気に入りの場所を詳細に思い描くことで、空間の情報を保持します。

デュアルタスクを行う

他にもワーキングメモリーを鍛える方法として、デュアルタスク(二重課題)を行うことが挙げられます。デュアルタスクでは、同時に複数の課題や情報を処理する必要があり、ワーキングメモリーの負荷を高めることができます。手法の一つにダブルタスクトレーニングがあります。2つの異なる課題を同時に行うトレーニングです。例えば、文章を読みながら特定の単語を探すなどです。両方の課題に同時に集中し、切り替えながら処理することで、ワーキングメモリーの負荷を増やします。

前頭前野を鍛える

前頭前野を刺激して活性化させることもワーキングメモリーを鍛えるためには重要です。前頭前野は、ワーキングメモリーの制御や管理を担当している脳の領域です。手法として、パズルやクイズを解くことは、前頭前野を刺激する効果があります。複雑な問題に取り組むことで、推論や論理的思考、情報の整理・分類などを行い、前頭前野を活性化させることができます。他にも、マインドフルネス瞑想は、集中力や認知的な柔軟性を高めることで、前頭前野を刺激する効果があります。

新しいことを始める

新しいことを始めることも、ワーキングメモリーを鍛える良い方法です。新しいことに取り組むことで、前頭前野を刺激し、ワーキングメモリーの活性化や向上を促すことができます。まず、新しいことに取り組む際は、興味を持つことが重要です。自分が関心や好奇心を抱く分野や活動を選ぶことで、より意欲的に取り組むことができます。また、大きな目標を達成するためには、小さなステップから始めることが有効です。段階的に新しいことに慣れていくことで、負担を減らし、成功体験を積み重ねることができます。

ワーキングメモリーが低い場合の対処法

こまめにメモを取る

ワーキングメモリーが低い場合、こまめなメモの取り方が効果的な対処法です。メモを活用することで、情報の一時的な記憶や整理が可能になります。重要な情報やタスクをメモに書き留め、必要な時に参照することで、情報の漏れや忘れを防ぐことができるのです。メモを取る際には、自分に合った方法を見つけることが重要です。手帳やスマートフォンのメモアプリ、デスクトップの付箋など、使いやすいツールを選びましょう。また、メモの内容を具体的かつ簡潔に書くことで、効果的な情報整理が可能です。

定期的に脳を休ませる

他にも、ワーキングメモリーが低い場合の対処法として、定期的に脳を休ませることが重要です。長時間の集中作業や情報処理は、ワーキングメモリーを消耗させる傾向があります。定期的な休憩を取ることで、脳にリフレッシュの機会を与えましょう。休憩中は、リラックスしたり適度に身体を動かしたりすることで、脳の疲労を軽減します。また、マインドフルネスや瞑想の実践は、脳のリラックスや集中力の向上に役立ちます。定期的に瞑想や深呼吸などのリラクゼーション法を取り入れて、心と脳をリフレッシュさせましょう。

集中しやすい環境を作る

ワーキングメモリーを高めるためには、集中しやすい環境を作ることが重要です。集中力を高めるためには、騒音や他の人の会話などの邪魔が入らない静かな環境に身を置きましょう。可能な限り静かな場所を選び、集中できる環境を整えましょう。必要に応じてヘッドフォンやホワイトノイズなどの音を活用することも有効です。また、作業場やデスク周りを整理整頓することで、集中力を高めることもできます。不要な物や散らかった書類を片付け、必要なツールや資料がすぐに手に入る状態を保ちましょう。

必要な時間を多く見積もっておく

下がったワーキングメモリーを高める方法は、必要な時間を多く見積もっておくことです。作業やプロジェクトの開始前に、実行にかかる時間を見積もりましょう。ワーキングメモリーの容量は限られているため、タスクに対して十分な時間を確保することが重要です。過度な時間の圧迫や短期間でのタスクの詰め込みは、ワーキングメモリーの負荷を高める可能性があります。また、バッファを設定することも効果的です。バッファとは、予想外の問題や遅延が発生した際に余裕を持って対処できる時間のことです。

まとめ

ワーキングメモリーを鍛え仕事に活かそう

ワーキングメモリーを鍛えることは、仕事において重要な能力を高めるために役立ちます。具体的な方法としては、複数のタスクを同時にこなすデュアルタスクや、前頭前野を刺激するトレーニングが効果的です。さらに、新しいことにチャレンジすることやアクティブな情報の処理を行うこともワーキングメモリーを鍛える上で重要です。また、ワーキングメモリーは、低下することがありますので、定期的な脳の休息を取ることやストレスを軽減することが必要になります。ワーキングメモリーを鍛え、仕事に活かしましょう。

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