ナレッジワーカーとは?【ナレッジワーカーになるには?職種やマニュアルワーカーとの違いを解説】

記事更新日:2020年04月20日 初回公開日:2020年03月04日

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世界のグローバル化が進み、ネットワークのクラウド化やIOTなど人々の生活はここ数十年で劇的な変化をとげてきました。ビジネスの世界では「ナレッジワーカー」「マニュアルワーカー」といった言葉で呼ばれ、かねてより働き方を語る際に使われてきたワードがいま再注目を集めています。今後の働き方を考える上で重要になってくるナレッジッワーカーの意味するところ、概念や企業に果たす役割などについて紹介します。個々人の仕事内容やワークスタイルもいろいろな変革がもたらされてる昨今、企業の未来を左右する人材と働き方について検討してみましょう。

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ナレッジワーカーとは

知識や経験などから付加価値を生み出す労働者のこと

ナレッジワーカーとは、知識や知恵というかたちには見えないものをビジネスに活かし、新たな付加価値を生み出す労働者を指します。企業に属し与えられた業務や課題をこなすだけではなく、プロフェッショナルとしてビジネスシーンを生き抜いていくため、個人のスキルがより発揮される職種です。肉体労働やものづくりをする単純労働(ブルーカラー)に対する考え方で、かたちのない知的生産物を生み出す労働者と定義されてきました。インターネット技術の発展に伴い金融のボーダレス化に始まり、AI、ワークスタイルの変化などの環境変化の要因により、いま再注目されるようになっています。

経営学者であるドラッカーが提唱した造語

もともとナレッジワーカーという言葉は、マネジメントの生みの親として知られる経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーが提唱し使われてきました。その名の通り、ナレッジ(知識)とワーカー(労働者)を組み合わせた造語というとわかりやすいですよね。高度成長期に活躍した製造業などのマニュアル化された業務に携わる単純作業労働者とは異なり、企業に対してナレッジ(知識)をもって付加価値を生み出す労働者です。ドラッカーの唱える問題解決力は、問題とは必ずしもネガティブな壁ではなく、組織が成果を出すために考えられるあらゆる可能性を指します。ナレッジワーカーになるためには、可能性を模索しながら組織にもたらす価値、必要性をマネジメントに組み込むと良いでしょう。

ナレッジワーカーの仕事・職種とは

企業経営の課題から利益へ導くコンサルティング業

ナレッジワーカーは、あらゆる分野において高度な専門知識を活用し、自ら考え行動します。豊富な知識や経験はもちろん、常に知恵を働かせ、組織にとって利益を想像することに追求します。企業や行政機関から相談を受け、問題解決やビジネスの発展に協力する業務を担うコンサルティング業務はナレッジワーカーの代表格でしょう。昨今、コンサルティング分野も細分化され、新規事業専門やリクルーティング専門といったコンサルティング内でも差別化した動きが見えます。人手が足りない中小企業、地方の老舗企業といった変化が少ない企業に新しい風を呼び込み、永続的な発展を続けたいという声にも応えています。

投資の資産運用を専門的にサポートする金融アナリスト

金融アナリストは、M&Aや戦略的資本提携を前提とした戦略立案をメインとし、幅広い金融取引に従事する職種です。資産運用や外国株インデックス運用といった、クライアントか預かった資金を運用したり、利益を増やし還元するといったお金周りのプロフェッショナル。数字が結果として明確に出てしまう世界のため、日々研究を続けることが必須な職業です。さまざまな金融商品の知識を持ち、世界中のマーケットの情報収集や、今後の経済動向の動きを判断しながら投資を行っていく必要があります。若くしても何千万円クラスの高給が得られる職種でもあり、企業としてスポット型でアドバイスが貰えると費用対効果の面からもメリットが大きいでしょう。

知識を持ってクライアントのビジネスを最大化するITエンジニア

ナレッジワーカーは時間や場所に制約されず成果を出すという特性を持っています。最近のシステム開発を行うITエンジニアはオンライン会議システムやコミュニケーションツールを駆使し、より自由な働き方を実現しています。時間を効率的に使い、知識を持って成果をあげるITエンジニアはナレッジワーカーと言えるでしょう。また、最近のITエンジニアは単純なシステム開発を行いシステムを納品をするだけにとどまりません。ITエンジニアはITツールの利活用によるクライアント企業の売上の最大化や業務改革を求められます。ITエンジニアはコンサルティング能力も必要でしょう。このような事からITエンジニアもナレッジワーカーと言えます。

ナレッジワーカーとマニュアルワーカー、ホワイトカラーの違い

問題提起し付加価値を創造するナレッジワーカー

ナレッジワーカーは単に知識だけを有するのではなく、知識を活用し内容をまとめる力や共有するスキル、企業の利益となる生産性なども重視されます。どうすれば現在の業務を効率的、かつ迅速に対処できるかを常に意識することも求められるでしょう。与えられた問題を解決するだけでなく、自ら現状のあり方に問題提起し、企業のより良いビジネス成長のために知識を活用することで付加価値を想像します。日々状況が変化する仕事は、まさにナレッジ(知識)を活かした働き方ですよね。ナレッジワーカーとしても有名な椎原崇さんが公開している「ナレッジワーカー育成講座のオンライン授業」も公開され、このような働き方をする人も増える傾向にあります。

マニュアル通りに業務を遂行するマニュアルワーカー

ナレッジワーカーの対語としてもよく定義される「マニュアルワーカー」とは、決められたマニュアルに沿った業務を行う労働者を現す造語として使われてきました。一般的に高度成長期を支えてきた製造業など、ものづくりに従事する「ブルーカラー」と呼ばれてきた労働者が該当します。マニュアル通りに業務を行い、労働力によって生産性と作業の効率性を高めることが重要視されます。労働時間や労働人数の多さ、効率化で生産性をあげていた高度成長期には活躍してきました。しかし、技術の進化によりマニュアルワーカーの仕事の多くは、AIや最先端のテクノロジーの分野に取って変わられつつあります。

生産性に関わらず机上で職務処理するホワイトカラー

ホワイトカラーとブルーカラーに2種類の労働者から、さらにナレッジワーカーが加わり3タイプに分けられる時代に突入すると各々の境目が気薄になってきます。というもの、ブルーカラーに比べホワイトカラーは高給取りとして扱われることも多く、20世紀以降はさらに強い傾向になってきました。しかし、生産性に関わらずデスクワークをするだけの労働者がホワイトカラーだとすると、そのうちAIなどのテクノロジーにとって変わられる日もそう遠くはありません。ナレッジ(知識)がなく、言われたことをこなすだけで重宝する働き方はなくならなくとも、縮小傾向になるのは時間の問題です。

ナレッジワーカーを取り巻く環境とは

モノづくりが中心の高度成長期のビジネス環境

マニュアルを読んで実行するだけの作業は簡単に入れ替えができ、AIなどで代用できるようになってきました。一方、会社にとって重要な人材は、価値創造ができ、代替性が低く、模倣困難性の高い人です。ものづくりが中心の高度成長期のビジネス環境と違い、ブルーカラーとホワイトカラーだけの組織では成長スピードに差が生じます。21世紀は、本当の意味で企業内におけるナレッジッワーカーの存在意義が顕著になっていくことでしょう。社内でそういった人材を育てるためには、今まで管理業務だけを行っていたホワイトカラーにも解決可能な課題を与えることからはじめ、徐々に意識改革をすることが必要です。積み重ねていくことでゼロベースでも仕事の効率性や生産性を求めるのがナレッジワーカーへと成長が期待できます。

変化が著しく不確定要素の多い現代のビジネス環境

変化のスピードが目まぐるしい社会で同じ仕事をこなすだけのマニュアルワーカーは、社会やビジネスの最前線から取り残される傾向がますます強くなります。それは、単純労働者に限らず、与えられた仕事をこなすだけの労働者すべてが対象になってきます。日々起こる問題や課題に迅速に対応、解決するためにはナレッジッワーカーのようなスペシャリストの果たす役割は大きくなるでしょう。「ナレッジワーカーズインスティテュート」などナレッジワーカーの育成・支援をする企業も増え、働く環境が社会にできつつあります。特別な存在としてではなく、今後は当たり前のように企業に存在する環境になるでしょう。

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ナレッジワーカーが育つ環境条件とは

協調性や多様性を重視した組織

マニュアルを読んで労働するだけでよければ、簡単に入れ替えができてしまいます。外国人労働者など、人手不足とされる分野に補充されていくことが想像できます。しかし、仕事効率や効果のあるマニュアルを作成できる人材は簡単には入れ替えができません。そのマニュアルを作る上でも、社員同士が解決策をそれぞれ出し合うことでより良いアイデアが生まれます。変化が著しく早い現代のビジネス環境において、企業内でナレッジワーカーを育てることは急務ではないでしょうか。決まりきった仕事だけでなく、グループワークやセッションなど定期的に取り入れ、社員同士の意見交換をする場所を設けるなど企業側の努力も必要です。そうすることで、協調性や多様化を重視した会社の風土にも繋がります。

課題解決まで分析を繰り返す取り組み体制

正社員、非正規社員の違いが取りあげられた時代からシフトして、今後は現場にさまざまな立場の人たちが共存し、仕事をしていくことが当たり前の時代になるでしょう。フルタイムで働き、企業のためだけに一生涯捧げる労働者だけが信用できると考えるより、現場で働くすべての人がナレッジッワーカーのように働ける環境づくりが大切です。その選択のひとつとして、外部から問題解決のプロフェッショナルに先陣を切って推し進めることで、より柔軟かつ迅速に解決に導くこともあります。企業内でもそういった人材を育てるためには、年齢に関係なく仕事に意欲的な人材に課題を与え、問題に応じて課題解決まで分析を繰り返す取り組み体制が必要になるでしょう。

集団天才型のチーム編成

企業にとってすべての人材が問題解決のプロフェッショナルとして動く環境になれば、自ずと業績や仕事効率のアップにも繋がるでしょう。そのためには、魅了的な人材が働きたくなる企業側の環境作りが大切です。ナレッジッワーカーを企業内で育成するためには、まずはお手本となる人材からの刺激を受けることです。専門分野に精髄し、課題に特化したナレッジッワーカーと一緒に仕事することで、自分のスキルとの接点を持つことができます。始め方がわからなければ、動き出すこともできません。プロフェッショナルの仕事を目にし、一緒に取り組むことが、未来に繋がる集団天才型のチーム編成へと繋がるでしょう。

ナレッジワーカーの可能性とは

ドラッカーが提唱したナレッジワーカーという言葉が再び注目を集めている要因のひとつは、情報化社会の波に企業が埋もれていまっている現状があげられるでしょう。選択肢が増えることで、課題も分からない・見つけられないといった状態の企業で溢れています。経営を担う人材や管理職が迷うことは、企業の衰退にも直結します。そこで活躍するのが自らの知識や知恵、経験を幅広く他の組織や社会にも役立て、新しい価値を創出することができる人たちです。その知識を組織にこだわらず、幅広く活躍できることはよりよい社会にも繋がります。今後ますます活躍が期待できる職種ではないでしょうか。

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