記事更新日:2020年10月13日 | 初回公開日:2020年09月29日
採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 派遣社員 グローバル経済部下の育成というと構えてしまいますが、子育てをすることを思い浮かべてください。子育てにおいても年齢に応じた生活習慣(歯磨きや箸の持ち方など)や勉強を教えていくという教育のプロセスがあります。会社でも同様に部下を育てるためには、育成計画を立てて計画的に育成しなければなりません。新人社員とは違い社会人としての基礎が身についていたとしても、部下一人ひとりに個性もあり成長スピードも違います。その人材ごとに育成計画を立てて、成長速度に合わせて計画的に育成することが望まれます。
部下の育成計画を立てる際には、部下に求めるスキルと達成してほしい目標は必ず提示するようにしましょう。そうすることで部下自身も「求められているスキル」を自覚することができます。ただ、漠然と目標数字を提示するだけでは「達成」「未達成」の二択になってしまい、育成という面では不足することも。また、上司が一方的に目標を設定するよりも部下と話し合い、現状を確認した上で育成プログラムを作ることも一案です。企業やチームの目指すべき指標に沿って身に付けて欲しいスキルを育成計画に取り入れることが中長期的な企業の成長にもつながります。
育成計画を成功させるポイントは、目標が達成できているか定期的に確認するPDCAのサイクルで実践することです。PDCAとは、マーケティング用語でも使われる言葉ですが、業務の効率化を目指す理論のひとつ。Plan( 計画)Do(実行)Check(進捗確認)Action(改善)の頭文字を取ったものになります。このPDCAのサイクルでの定期的に確認をして指導することで、成長に欠かせまいC(進捗確認)→A(改善)が実現しやすくなります。このように育成計画にもこの理論があると、計画倒れにならずにしっかりと育成することができるでしょう。
育成計画を設定する際には、掲げる目標が部下自身の成長につながるかどうかを客観的に判断しなければなりません。そのためには、日ごろからコミュニケーションを通じて部下の得意・不得意な分野を理解し、担当している業務や営業実績などを参考にしながら目標を設定すると良いでしょう。また、仕事に対する意気込みなどをみて、ステップアップになるような新しい業務にチャレンジできる環境を用意することも大切です。部下の能力を客観的に評価し、部下が今後のキャリアアップの際に求められるスキルや資質が身につくような内容にするようにしましょう。
目標を設定するにあたっては、部下の能力に合わせて設定することが重要です。月平均50万円の売り上げに対し、2倍以上の目標数値を与えるといった高すぎる目標はモチベーションが保ちにくく、やる気をなくす要因にもつながります。簡単ではないけれど、頑張れば達成できそうなレベルの目標を設定することが育成計画の目標設定のポイント。部下の得意を伸ばし、苦手を克服できるような両面のバランスが取れる目標することで積極的に業務に励み、モチベーションアップにつなげられるでしょう。
高すぎる目標や実力以上のパフォーマンスが期待される内容ではモチベーションが保たれにくいとお伝えしましたが、逆も然りです。低すぎる目標では成長スピードが遅くなり、部下のためにもなりません。人間は困難に直面すると試行錯誤を重ねて困難を乗り越えます。小さな一歩だとしても、達成感や自信を得ると、次の仕事にやる気をもって臨める良いサイクルにつながるでしょう。そのためには、何もしなくても手を伸ばせば届くような低い目標ではなく、実力よりも少し上の目標設定にすることが部下のためにもなります。
部下を理解するためには「対話する」「観察する」という2つのアプローチが大切になります。そのためには、話しかけにくい雰囲気を作らず、積極的に声をかけるなどコミュニケーションを取るようにしましょう。コミュニケーションは、仕事に関わらず人間関係の構築においての基本要素。とくに職場においてはコミュニケーションを取ることは、業績アップや風通しの良さにも直結します。部長クラスになると個室を用意されることもありますが、あえてオープンスペースに席を置くなど、部下の様子が目に入るようにするのもひとつの方法です。
価値観が多様化している現代において、働き方や仕事に対する考え方も変わってきました。「私の若い頃は〇〇だった」「今の若者は〇〇だ」というような世代の違いを例にして批判・否定することは、部下のモチベーション低下にもつながります。自分の考え方だけが正しいと押し付けるのではなく、部下の特徴や個性に合ったやり方を模索しなければいけません。部下の考え方を受け入れ、自分がされて嫌だったことは部下にはしないなど過去の経験を反面教師にして活かしましょう。
部下の育成では、定期的なきめ細かいフィードバックを行うことで「不足している点」「良い点」がより明確になり、未来の仕事につなげることができます。また、フィードバックを行うことで部下も「ちゃんと見てくれているんだ」と感じ、信頼関係の構築にもなるでしょう。その際は「どのような点が良かったのか」きちんと褒めることも大切です。褒められることで自信がつき、認められていると思えることで仕事に対するやる気アップにもなります。また、部下に対しても定期的に振り返りの機会をつくらせるようにし、言われたことや学んだことをしっかりと業務に落とし込ませましょう。
役職が上がれば上がるほど、責任のある業務を任され、マネジメント以外の業務に追われてがちです。しかし、チームや企業が成長をするためには、個人の成長なしにはなり得ません。そのことを忘れてしまうと、部下の成長が臨めないばかりか、離職率の増加にも繋がってしまいます。目標を設定して終わりではなく、部下の特性や進みたい方向を踏まえて定期的に面談をするなど積極的なアプローチを行いましょう。自分の業務だけで手一杯にならないようにし、部下のマネジメントは大切な業務の一環と位置付けることが大切です。
部下だから何を言っても良いというわけではなく、とくに昨今はパワハラ・セクハラといった訴訟問題や会社の批判など大きなトラブルにもなりかねません。何気ない言葉遣いが信頼感を損ねて溝を作ったり、モチベーションを下げたりしてしまうことも。例え上司とは言え、いつも上から目線で高圧的に物事を言われるとうんざりしてしまい、反抗心が生まれたり、距離感が離れる要因にもなります。良い関係性を作るためには、年齢や役職に関わらず相手の立場になり、相手を敬う気持ちが大切です。
誰しも愚痴を言われて気分が良くなることはあまりありません。とくに上司から会社や社員の愚痴を聞かされると部下も不安になり、やる気も失わせてしまうことにも。「あの上司は愚痴ばかりで面倒くさい」と思われるだけでなく、自分の評価を下げるなど悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。当たり前ですが、上司の後ろ向きな姿は部下の育成にとって良いことはひとつもありません。部下の愚痴や悩みを聞くことはあっても、自分からは言わずに前向きな姿を見せるようにしましょう。
仕事のやり方は人それぞれ合ったものがあります。一見すると、効率が悪いように見えてもまずは部下の進め方を尊重して見守ってあげることも大切です。自分のやり方を押しつけると逆に生産性が落ちてしまったり、やる気を損なう要因にも。困ったらいつでも手を差し伸べられる状況にして、相談しやすい距離感をとってあげることも大切です。育ってきた環境や持っている能力が違うことを理解して、それぞれに合った部下の育成をしていきましょう。
経験が長く、いろいろな案件に関わってきた上司にとっては当たり前のことでも、部下はそれを容易に理解できないというケースは多々あります。「これくらいは知っていて当たり前だろう」と決めつけず、不明点がないか確認し、共有すべき情報は共有しましょう。社会人経験があったとしても職種ややってきた案件によっては、知っている知識も違い、部下は上司の常識を知りません。決めつけて指示や指導をすると「自分はできない人間なんだ」「この仕事には向いていない」とモチベーション低下や離職の原因にもなりかねません。
世界的に著名な経営コンサルタントであるトレーシー・ブライアンのベストセラー本であり、部下の育成に悩む上司のバイブルとも言える一冊です。彼が多くの部下を持ったときの失敗談から話は展開され、人の能力を最大限に引き出すには、知識や経験よりも、感情的な影響を与える接し方や言動の重要性を説いています。結果を出す上司になるために必要なものが具体的、かつ実践的に説明されているのではじめてマネジメントの本を読む人にもおすすめです。良く陥りがちな失敗体験を客観的に考えることができる一冊でしょう。
20世紀で最も影響力のあるビジネス書とも称されるリーダーシップ研究の第一人者としても知られるスティーブン・R・コヴィー博士の英語翻訳された著書。人の強みを最大限に引き出して最高のパフォーマンスを発揮させるためのリーダーシップの原則を解説。「成果を出せる人」と「いつまでも自分ばかりが忙しい人」のわずかな違いなど、良くありがちな例も取り上げながら部下の育成方法を紹介。野球のチームに例えるなど、人を使って成果を出すための方法をわかりやすく解説しています。
部下の育成は決して楽なものではありませんが、育成計画を立ててプロセスを進めていけば自ずと成果が出るものです。育成計画を立てたら定期的にフィードバックをし、現状を把握するだけではなく、自己目標などを立てるよう促しましょう。また、部下とコミュニケーションを取ることは基本の要素ではありますが、評価や目標設定に対しては客観的な目を持つことも大切です。部下の育成は会社の成長、自身の将来にとっても大事な要素です。部下とともに成長できる上司を目指しましょう。
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