記事更新日:2020年10月30日 | 初回公開日:2020年10月08日
採用成功事例 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 外国人採用・雇用中小企業庁の調査によると、2013年以降、全ての業種において「人手不足」と感じている中小企業が「人員過剰」と感じる割合を上回ることが分かりました。この背景としてはもちろん、少子高齢化により、働き盛りの世代の人数が減りつつあるという事実があります。しかしながら、労働者の数自体が減っているというわけではありません。高齢者や女性の就労者数は緩やかに増えつつあります。このことから、中小企業では、労働力人口に対して効果的な採用がなされていない、という実態が予想されます。
リクルートワークス研究所による従業員規模別の調査では、従業員300人未満の企業は、2021年度においても有効求人倍率が3.40倍と、依然として新卒採用人数が足りていません。一方、従業員数1000人を超える企業は1.14倍と、求人数と志望者数がちょうどよくバランスがとれています。比較すると、大手企業は効果的に採用ができていると言えるのに対し、中小企業は、求める人材が十分に採用できていない可能性があります。
世の中の企業の大半は中小企業なのですが、新卒学生が知りうる企業名というのはごく限られています。学生にとって身近な企業や、「知っている」会社というのは、大体が大手企業なのではないでしょうか。中小企業は学生にとってイメージが湧きにくく、どうしても目につきにくいという課題があります。ですから、まずは学生の印象に残り、就職活動の選択肢に加わらなければなりません。そのためには大手と同じ採用活動ではなく、独自の戦略が必要となります。
大手企業は母体の人数が多いため採用人数も多くなり、採用活動に多くの費用をかけられます。これに対して、中小企業は従業員数が少ない中で採用を行うため、少ない募集人数に対してあまり費用がかけられません。マイナビの調査によると、上場企業における採用費の総額平均は約1,237万円、非上場企業は約372万円というデータが出ており、大きく差があります。コスト削減のため、中小企業では採用担当も複数の業務を兼任していることが多いのではないでしょうか。
では、新卒学生側の就職志向はどのようなものでしょうか。マイナビが実施した2021年卒の新卒学生の意識調査によると、企業選択のポイントは、「安定している」「自分のやりたい仕事ができる」が上位を占めています。特に女子学生では、「やりたい仕事ができる」がトップに来ています。また、大手志向は依然続くものの、4割の学生が「自分のやりたいことができるのであれば中堅・中小企業でもよい」「中小企業がよい」を選択しています。
同じくマイナビの調査によると、新卒学生の行きたくない会社は、「ノルマのきつそうな会社」「暗い雰囲気の会社」が上位を占めました。営業成績が厳しく問われたり、長時間労働をすることに対するネガティブイメージがあるのでしょうか。暗い雰囲気の会社というと、コミュニケーション不足や、従業員が楽しく働いていない会社が連想されます。もしこれらの特性に当てはまるとしても、少人数であれば、体質を変えることも大手より容易かもしれませんね。
現代の新卒学生はデジタル世代のため、情報収集はインターネットで検索から始めます。就活においても情報収集のため、必ず企業のホームページにアクセスしてくることでしょう。ことに中小企業に関して学生はその存在をあまり知らないため、少しでも気になれば検索してくると思われます。ホームページで企業に対する印象が大きく左右され、興味を持つきっかけとなりますので、是非独自の採用ページを設けたり、採用動画を作るなど工夫してみてください。
新卒学生の志向として、仕事にやりがいを求める声が多いのは上述した通りです。では中小企業においては、どのように自社の仕事内容をアピールすべきでしょうか。大手就職サイトを利用するだけでは、知名度の高い企業に隠れてしまい、なかなか真の魅力を伝えることは難しいでしょう。中小企業は仕事が分業化されていない分、責任をもって働け、やりがいを感じる部分が多いです。そんな雰囲気や内容を体感してもらうには、短期・長期的なインターンシップや見学がよいでしょう。
採用費がかからないことから、中小企業は採用活動にハローワークを利用することが多いようです。たいへん一般的な方法ですが、中小企業においては、欲しい人材に合わせたアプローチで採用を行わなければ、求める人物像に合った人材の目にとまらないでしょう。そのためには、まずターゲットとなる人物像を明確にすることから始めなくてはなりません。欲しいのはどんな人材なのかをあらかじめ打ち出せば、採用活動において発信する内容も変わってきます。
マイナビの調査によると、地方学生は地元で就職したいという傾向を反映してか、大手企業よりも中堅・中小企業に注目している割合が高いようです。勤務地が首都圏の場合、学生は地元を離れることになりますが、企業規模にこだわらない志向には変わりないのではないでしょうか。首都圏で大手企業との採用競争に巻き込まれないためにも、一歩採用エリアを広げて、仕事内容の魅力をアピールし、優秀な人材を確保する工夫をする余地はありそうです。
エリア拡大の採用をするにあたり、移動や説明会などのコストを省くために、「地方学生向けの人材紹介サービス」を利用することもできます。キャリアアドバイザーが企業の魅力、ニーズを伝えてくれるので、自社に合った人材の紹介を受けることが可能です。この他にも、「新卒採用独自のフローに特化した人材紹介サービス」は存在していますので、一度利用してみてはいかがでしょうか。中途採用がメインで行われる中小企業にとって、新卒採用にかかるエネルギーを減らし、本来の業務に集中することは重要です。
採用活動にはステップに合わせ沢山の、多岐にわたる事務作業が発生します。そういった作業を分業化し、外部に委託すれば、重要な判断だけを自社で行うよう、効率化することができるのではないでしょうか。採用業務代行のサービスを使えば、会社の体系に合わせ、採用活動のどの部分をアウトソーシングすればよいか、立案から任せることができます。また、資料の郵送やセミナーの会場予約、募集の企画など、具体的な業務のサポートも行っていますので、企業のニーズに合わせた採用活動が可能です。
新卒採用で全般的に言えることは、学生のITリテラシーの向上で、インターネットを使ってできる活動が広がっているということです。コロナウイルスの影響でWEB説明会やWEB面接の普及も加速しました。これらの手法は、今後も地方学生をターゲットにする際などに引き続き使われていくでしょう。オンラインの採用ツールとしては自社ホームページや動画、オフラインはパンフレットやポスターなど実際に形に残るツールも重要です。これらを充実させることが、差別化のポイントとなるのではないでしょうか。
ここからは、実際にユニークな手法で成果を上げている中小企業やベンチャー企業をいくつかご紹介しましょう。株式会社メルカリは履歴書の選考なしで、応募者のスマートフォンのアプリ画面のスクリーンショット画像を使って一次選考を行います。アプリの志向性、トレンドを押さえているか、ITリテラシーなどを評価し、自社に合った人材かどうかを判断します。スマートフォンを通じて事業を拡大している同社としては、自社プロダクトやマーケットを理解している学生にターゲットを絞ることができるわけですね。
デジタルソリューションやアートを手掛けるチームラボでは、学生の卒業制作や論文を提出して選考する方法をとっています。同社は理系の学生らが立ち上げたベンチャー企業でもあり、職種もテクノロジー職・クリエイティブ職など、大学時代の研究や作品が直接評価に結びつきます。研究や作品制作等に割く時間が多かった理系学生にとって、この方法は合理的であると言えるでしょう。彼らにとって、通常のエントリーシートや面接で、学生生活で頑張った活動をアピールするよりも効果的だからです。
ネットサービスの株式会社じげんでは、6か月以上の長期インターン制度を取っています。希望する学生に実際に入社後の仕事をしてもらうことによって、適性や自社に合っているかなどの選考材料とするものです。この手法はワークサンプリングと呼ばれ、一般的な面接や適性検査よりも、採用判断が最も効果的にできると言われています。現場のやり取りの中で周囲との調和がとれているかがわかりますし、新しい仕事も任せられるかもしれません。学生にとっても、志望動機を新たに見つけるきっかけとなります。
新卒の採用担当者が主体的に採用戦略を作るため、情報収集を行いたくなったら、どこにアクセスすればよいのでしょうか。まずはセミナーや講座などを受講しよう、と思う方も多いのでは?最近はウェブによるセミナーも多く開催されているようです。例えば、新卒採用サポネット(マイナビ)や、キャリタス人財採用セミナーは、新卒採用の独自データをもとに定期的にセミナーを開催しています。また、HRプロなど、人事系のポータルサイトでも採用セミナー情報を掲載しているようですね。
中小企業の新卒採用は、その特徴さえつかめば、深く学生の印象に残る方法で採用活動を行うことが可能です。今年はコロナウイルスの感染防止のため、採用方法が大きく変わりました。それは同時に採用方法の選択肢が増えたことを意味しています。今後も時代の流れに合わせて、よりカスタマイズされた手法で採用を行う中小企業が増えていくでしょう。自社の魅力を上手くアピールできる中小企業が増え、多くの学生にとって就職先の選択肢が増え、やりがいのある仕事につながるとよいですね。
グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。
他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。
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