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在留資格「特定技能」とは?対象業種や登録支援機関の役割は?

記事更新日:2018年11月11日 初回公開日:2018年10月21日

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2018年10月12日法務省入国管理局は「新たな外国人材の受入れに関する在留資格『特定技能』の創設について」という資料を発表しました。2018年11月に閣議決定し、秋の臨時国会で出入国管理法改正が衆参両議院にて可決され、2019年4月に法施行される見込みです。

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在留資格「特定技能」を創設する背景

有効求人倍率はバブル期を超え高水準を記録

有効求人倍率は47都道府県で1を超え、厚生労働省発表の2018年9月の有効求人倍率は全国で1.64倍となっています。完全失業者数は約162万人。前年同月に比べ28万人の減少であり、100か月連続の減少が続いています。完全失業率は2.3%と低水準で推移しています。就職意欲のあるほとんどの人が就職をしている状態です。ここ数年の人手不足感が外国人労働者の受入れ、在留資格「特定技能」を創設を後押ししています。

中小企業をはじめとした人手不足の深刻化

特に中小・小規模事業者では人手不足が深刻化しており、求人数も増加しています。2018年8月発表の厚生労働省「一般職業紹介状況」によると29人以下の規模の企業の求人数は629,128件であり、対前年同月比では1.6倍の水準で、年々増加傾向です。

人手不足の分野へ外国人材の受け入れへ

このように深刻な人手不足を解消するために外国人材を受け入れることを2018年6月「経済財政運営と改革の基本方針 2018」いわゆる骨太の方針で発表されました。従来の「技術・人文知識・国際業務」を始めとした日本の就労ビザは専門性や技術力の高い外国人材の受入れに限定していましたが、一定の専門性や技能を有している外国人材を活用することにより、我が国の経済や社会基盤を持続させるために新たな在留資格「特定技能」が創設される模様です。

在留資格「特定技能」とはいったいどのような在留資格でしょうか?

在留資格「特定技能」では単純労働の就労が可能

現在国会で審議されている14業種において単純労働での在留許可が得られます。今までの日本政府は外国人の単純労働での在留資格は認めていませんでした。前項で述べた日本国内の少子化、高齢社会の進行による人手不足を補うために単純労働での在留を許可する運びです。

特定技能は学歴要件、実務経験は必要ない

在留資格「特定技能」では学歴要件、実務経験の必要はありません。日本における就労できる代表的な在留資格(ビザ)「技術・人文知識・国際業務」では原則学歴もしくは実務経験が求められますが、在留資格「特定技能」では必要ありません。一定以上の知識や技能レベルがあるかどうかは試験によって確認され、在留資格「特定技能」が許可される見通しです。

在留資格「特定技能」にはどのような職種が該当するのか?

特定技能に該当する業種の考え方

新たな在留資格「特定技能」での外国人材を受け入れるためには業界全体で、国内での人材の確保のために高齢者や未就業女性の採用や処遇改善を行ったり、生産性の向上を行ったとしてもまだ労働力不足が認められる分野に限って在留資格「特定技能」での外国人材の受入れを許可するとされています。

在留資格「特定技能」の対象が検討されている14分野

現在、政府が検討している特定技能の対象としている分野(業種)は「建設」「宿泊」「農業」「介護」「造船」「ビルクリーニング」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」「素形材産業」「産業機械製造業」「電子・電気機器関連産業」「自動車整備業」航空業」の人手不足が深刻な14分野を特定技能の対象とすることを検討しています。これらの対象業種については出入国管理法改正後に省令で定める模様です。

在留資格「特定技能」にはどのような外国人が該当するのか?

特定技能を取得できる要件

外国人材が特定技能ビザを取得できる要件は業種に関係ない共通の基準に達することと各業種ごとの特定技能評価試験をもって技能を確認することにより、特定技能の在留資格を得ることが出来るようになります。また、日本からの強制送還を受け入れていない国や難民認定を乱用する国からの人材は在留資格を発行しない可能性があります。

特定技能の日本語能力の要件はあるのか?

在留資格「特定技能」での外国人材の受け入れの要件としては日本語での日常会話がある程度できて、日常生活に支障がない程度の日本語能力があることが明記されています。JLPTのN4レベル相当と言われています。(JLPTのレベルについてはこちらの「」をご覧ください。)

在留資格「特定技能」は1号と2号があります

在留資格「特定技能」には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類に分かれます。1号、2号では職種、条件が変わります。ここでは特定技能1号、2号の違いについて解説します。

特定技能1号とは?

特定技能1号は知識や技能が一定レベルにある外国人

特定技能1号は受入れ分野で即戦力として活動するために必要な知識又は経験を有することとされ、所轄官庁が定める試験によってそのレベルを確認することとなっています。家族の帯同は認めず、最長通算で5年と定められています。日本語レベルは日常会話程度が求められます。「特定技能1号」の外国人の日本語レベルは試験によって確認されますが、「技能実習2号」を修了した外国人は日本語レベルの試験を免れることが出来ます。

特定技能1号は全14分野を対象を検討

基本的な技能や知識をを持つ「特定技能1号」は「建設」「宿泊」「農業」「介護」「造船」「ビルクリーニング」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」「素形材産業」「産業機械製造業」「電子・電気機器関連産業」「自動車整備業」航空業」の14業種を対象とする方向で政府は検討しています。

特定技能2号とは?

特定技能2号は技能が熟練した外国人を対象

特定技能2号ではその受け入れ分野で熟練した技能を有することとされています。所轄省庁が定める一定の試験に合格する必要があります。特定技能1号である外国人が日本に滞在中に試験に合格することで特定技能2号を取得することが出来るようになります。特定技能2号は在留期限が無制限であり技術・人文知識・国際業務の在留資格と同じく、家族を呼び寄せることも出来ます。

特定技能2号は5分野を対象

特定技能1号より熟練した技能が必要で試験の合格をもってその熟練度が確認されると定義されている「特定技能2号」は「建設業」「造船・舶用工業」「自動車整備業」「航空業」「宿泊業」が検討されています。特定技能1号で検討されている「介護」は在留資格で介護が平成28年11月の入管法改正により新設されているため特定技能2号には対象としない方針です。

外国人材を受け入れる機関の基準は?

外国人労働者への報酬額の基準

外国人への報酬額は日本人と同等以上にすることが義務付けられます。これは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格でも求められています。

特定技能の受入れ機関は日本人と同等以上の待遇が必要

外国人材を特定技能として受け入れる機関(企業)は前述したとおり、日本人と同等以上に報酬を支払う以外に、社会保険や雇用保険の加入、労災保険の適用など雇用や労働に関するすべての法令遵守が日本人と同等に義務付けられます。ここでいう受入れ機関とは在留資格「特定技能」で外国人材を雇用する企業、法人にあたります。当然の事ですが、法人と外国人材の間で雇用契約を結ぶことが必要です。

特定技能1号は外国人材への支援も必要

特定技能1号においては日本においての日常的な社会生活や職業生活のための支援も受け入れ機関に求められます。
      (1)入国前の生活ガイダンスの提供
      (2)外国人の住宅の確保
      (3)在留中の生活オリエンテーションの実施
      (4)生活のための日本語習得の支援
      (5)外国人からの相談・苦情への対応
      (6)各種行政手続についての情報提供
      (7)非自発的離職時の転職支援
      (8)その他
以上の8項目において受け入れ機関での支援を行うことが明記されています。特定技能1号の外国人材に対しての支援は登録支援機関に委託することが出来ます。

登録支援機関の役割は?

登録支援機関は受入れ機関と連携して外国人材の支援を行います

在留資格「特定技能」での外国人材を日本に受けれる際は登録支援機関という機関が存在します。登録支援機関は受け入れ機関と連携して、「特定技能1号」の外国人に対しての支援を行います。支援の範囲は職業生活上の支援の他に日常生活上の支援も行います。我が国に定着し、円滑に社会生活を行うための支援が登録支援機関の役割です。支援を外国人材に行うほか、悪質な仲介業者の排除にも積極的に関わる見通しです。

どのような機関が登録支援機関として認められるのか?

登録支援機関はどのような機関が登録支援機関として認められるかは具体的な指針は発表されておりません。在留資格「特定技能」で外国人を受け入れる受入れ機関は、支援計画の実施を登録支援機関に委託することが出来ます。特定技能1号への外国人材に対しての支援を適正に実施することが求められます。想定される登録支援機関は行政書士や業界団体、民間企業などです。適正な支援を行える能力、体制があることとされています。

特定技能創設に対応するため入国在留管理庁を新設

入国管理局を格上げして入国在留管理庁(仮)へ

法務省は現在の入国管理局を格上げする形で入国在留管理庁(仮)を法務省の外局として新設する方針です。2019年4月より入国在留管理庁(仮)が発足する見込みです。在留資格「特定技能」の新設による外国人労働者の受け入れ増加の他にも外国人観光客の増加によって入国管理局の業務が増加しているため入国在留管理庁(仮)の発足に踏み切りました。

入国在留管理庁(仮)の組織・役割は?

入国在留管理庁(仮)は現在の入国管理局を拡大させる形で発足します。法務省外局として設置されます。入国在留管理庁長官をトップに置き次長、審議官2名が任に就く予定です。部署は、「出入国管理部」「在留管理支援部」を設置する予定です。入国在留管理庁(仮)では入国審査官を約320名増員し、5,000名を超える組織になる予定です。

「特定技能」と「技能実習」の違いは?

技能実習のあらまし

技能実習制度は読んで字のごとく先進国である我が国の技術や知識を開発途上国への移転を目的に定められています。技能実習生として日本に滞在できる期間は最長5年です。あくまでも技能実習は労働力ではなく、技能実習として日本企業で働くためのものです。

特定技能は労働力

今回創設される在留資格「特定技能」はまさしく「労働力」です。就労する分野の知識や技能が一定レベル超えていれば、外国人材を受け入れることが出来る在留資格です。技能実習制度では認めらていない転職も特定技能では認められます。

技能実習から特定技能への切り替えは可能?

技能実習終了後、在留資格「特定技能」への切り替えは一旦帰国後、特定技能での在留資格許可を得ることが出来るようになる見込みです。そのまま引き続いて日本国内在住のままで技能実習から特定技能への在留資格を切り替えることはしない見込みです。技能実習生は一旦帰国しなくてはなりません。日本に技能実習で訪れた外国人が永住許可を得るためには特定技能の在留許可後に引き続き10年日本に在留することで永住権を得ることが出来ます。

これまでの外国人材を受け入れる政府の方針

これまで外国人の単純労働は認めていなかった

これまで日本政府は単純労働への外国人材の受け入れは消極的でした。単純労働での外国人の就労は認めず、一定の学歴や技術、知識のある外国人の受け入れのみ認める方針でした。総労働人口に占める外国人労働者の割合は2%にしかすぎません。現状で日本で働いている外国人の内、単純労働に就いている外国人の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」といった就労が出来るビザではなく「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格の方です。こういった在留資格は「身分又は地位に基づく在留資格」と呼ばれています。もしくは外国人留学生の特定活動によるアルバイトです。

政府は2018年6月骨太の方針で外国人労働者の受け入れを表明

ここに来て政府は外国人労働者の受け入れを大転換させます。「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」にて一定の知識や技能を持つ外国人材を幅広く受け入れるために新たな就労のための在留資格を創設することを発表したのです。それが「特定技能」です。骨太の方針では外国人材の受入れについて特定技能の創設以外にも外国人留学生の国内での円滑な就職の促進や在留外国人への支援にも言及しております。

今後政府は2025年までに外国人労働者を50万人超迎える見通し

特定技能の創設による外国人材の受入れ人数は?

在留資格「特定技能」による外国人材の受入れ人数の目標は当初検討されていた「建設」「宿泊」「農業」「介護」「造船」の5分野におけるそれぞれの外国人材の受け入れ人数は介護職では毎年1万人、建設は2025年までに30万人以上、造船は2025年までに21,000人、農業は2013年までに最大103,000人、宿泊は2030年までに85,000人の外国人労働者の受け入れを目指す方針です。外国人労働者の受け入れの上限は11月1日の衆議院予算委員会での山下貴司法務大臣の答弁では外国人労働者の受け入れ人数の上限を設けることは考えていないという方針を示していますがが1年間で40,000人の外国人材の受入れを目指すようです。

在留資格「特定技能」の創設で日本は移民を本格的に受け入れる事になるのか?

在留資格「特定技能」の創設で我が国が求められる事は?

このようにして本格的に外国人材を受けけるために整備される新たな在留資格が「特定技能」です。少子高齢社会を迎えた日本では経済、社会基盤を持続成長させ続けるには外国人材の受け入れは必要不可欠でしょう。しかし、国民全体で議論が深まっているとは言えません。外国人材の積極的な受け入れは外国人材を労働力として受け入れるだけではなく社会生活者として受け入れなければなりません。日本で働きたい外国人の多くは夢や希望を持ってより良い生活を送りたいがために日本に訪れるのです。また、外国人材として訪日し、日本で家族を作り、育てていく外国人も増えるでしょう。その際の子女への教育や社会の受け入れ態勢も整えなければなりません。

10/29:自民党法務部会が出入国管理法改正案を条件付きで了承

自民党法務部会は在留資格「特定技能」を創設するための出入国管理法改正案を条件付きで了承しました。特定技能2号の要件厳格化を政府に求める模様です。特定技能2号では無期限に在留期間を延長できることと家族の帯同を認め、実質の永住権であることから、特定技能2号の技能要件の厳格化が求められました。今後、自民党総務会で了承をし、政府として閣議決定を目指す方針です。

11/2:出入国管理法改正案を閣議決定

政府は出入国管理法改正案を閣議決定を閣議決定し、2019年4月に新たな在留資格「特定技能」が創設されます。これにより我が国は単純労働の外国人を受け入れることになります。改正した出入国管理法は法施工3年後の見直しを行う条項を盛り込みました。これは外国人労働者の受入れにあたり日本の社会環境の大幅な変化をもたらすため3年後に状況に応じて見直す予定です。

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