記事更新日:2019年04月25日 | 初回公開日:2017年09月08日
外国人採用・雇用人手不足のため外国人を非正規雇用で採用している企業もありますが、それとは違う理由で正社員として外国人を受け入れている企業もあります。
違う理由というのは、日本人人材が持たない外国人の個性的な能力に期待したり、国内外国籍を問わず募集をし、能力や人物重視で選考を行なった結果、たまたま外国人だったというようなものです。外国と日本では教育体制や学習内容が異なるため、外国人人材の中には日本では見つけにくい能力や資質を持った人がいます。
また、日本での商業規模の縮小傾向により、海外事業に踏み出したり、その比重を高めている企業も増えています。その際、言語・文化の側面で現地との関わりをサポートしてくれる人材として外国人人材を採用する企業もあります。日本人と対等な位置(正社員)で外国人を受け入れ社内の多様化を図ることで、内側からグローバル性を醸成していくということも目的に含まれます。
2017年、日本で働く外国人の数は127万人を超え、過去最高を更新しています。厚生労働省が公開している外国人雇用の届け出状況の情報を見ていきましょう。
それぞれの企業の外国人採用数は、30名未満の外国人を採用した企業が33.9%、30~99名以下が18%、100~500名未満が22.5%、500名以上が0.5%となっています。
日経ウーマンキャリアは「人を活かす会社」調査で外国人の割合の高い企業のランキングを出しています。調査結果では、ディー・エヌ・エーが5.8%、日立建機の4.7%、イオンの2.8%など、上位15社あたりまでは2%を超えているようです。やはり、海外事業が活発な企業、海外拠点を持つ企業がより高い割合となっているようです。今後は、ITサービス系や介護系の企業が外国人を雇用する割合もさらに高まっていくのではないかと予測されます。新卒採用での外国人の割合も上昇傾向にあり、ローソンは外国人枠3割、イオンは2020年までに5割に高める方針のようです。
企業全体の社員数に対する外国人正社員の割合はいまだ低く、平均は1%に届きません。しかし、外国人を採用している企業の数は近年増加傾向にあります。特に製造業や小売・サービス業界が積極的に外国人を採用し始めているようです。
まず、外国人を受け入れるにあたり、受け入れ体制の構築は必須でしょう。例えば、外国語が一切話せない人しかいない職場環境の中に日本語のおぼつかない(N3クラス)の外国人社員を入れてしまったらどうなるでしょうか?コミュニケーションが滞った結果ストレスがたまり、すぐに辞めてしまうのが目に見えています。外国人社員を受け入れる際は日本人だけの尺度を捨て、かつ日本人だけで通用していた社風を変革しなければいけないのです。まずは言葉の問題を解決して、コミュニケーションを取れるようにすることこそが外国人社員を受け入れる第一歩と言えます。外国人が来ても疎外感を感じず、企業の一員だと思えるような環境を作り上げましょう。
また、体制として語学だけではなく、異文化教育面での理解も促進しましょう。単なる文化講座ではなく、異なるコンテクストを持つ外国人とともに働くことはどういうことなのかということを、ケーススタディ等を通じて学び取っておきましょう。日本人の文脈だけでは理解の範疇に収まらない人がいるということを知っているだけでも備えになります。
受け入れ体制に通じるところがありますが、社内文化を変えることは外国人人材受け入れのポイントとなります。実力が十分な外国人人材を入れたとしてもそれに報いるような体制が整っていなければ、辞めてしまいます。実力本位の文化を導入しつつ、多様な考え方を包括できる組織作りを行う必要があります。そうさせないためにも、社内文化を日本人だけが気持ち良いと感じてしまうような文化からグローバルに通用する多様性を包括できる文化に変えていきましょう。一番ダメなのが、同質的かつ同調圧力が常に働いているような職場環境です。外国人社員は個性の否定や無理やり社風に染められることを嫌います。そうならないように多様な考え方を認める社風へ変えましょう。
外国人社員は日本人と異なり、入社時における条件をシビアに見てきます。同じ職種であっても条件が悪ければ内定を出したとしても、別の会社に流れていきます。外国人が魅力と感じるような高待遇や裁量のある求人をどれだけ出せるかが採用の勝敗を決めてくるでしょう。その際、日本人が好きな「やりがい」や「圧倒的成長」はあまり意味を成しません。それよりも、どれだけの裁量を与え、どれだけキャリアに対してプラスに働くのかを明示しなければ納得して入社を決めてもらえません。魅力的に映る求人条件を出すのはもちろんのこと、高待遇で採用する外国人社員と既存社員との整合性を取る必要があります。
体制変化、社風の改革、魅力的な条件の提示が外国人社員採用のコツではありますが、ただ単にグローバル化=外国人社員の採用と捉えていては不十分です。重要なのは、外国人社員を採用する目的が明確であることです。目的が明確であればあるほど外国人社員の採用の際、妥協をしたり雰囲気だけで採用を決めてしまうことがなくなります。目的に沿った採用ができるようにペルソナを定め、本コラムで述べたようなポイントを中心に変革を行えば、既存社員、外国人、双方にとってさらに魅力的な企業となるでしょう。
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