記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2016年08月16日
外国人留学生の採用 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用 グローバル経済平成27年の調査によると、208,379人もの外国人留学生が日本で学んでいます。
平成7年の調査では外国人留学生の数は約5万人だったので、この20年で外国人留学生の人数が約4倍になったと言えます。この結果には、2020年までに外国人留学生の数を30万人にしようとする政策の「留学生30万人計画」が影響していると考えられるでしょう。
我が国日本は少子化に直面しています。つまり、大学に進学する18歳人口の減少、そして労働人口の減少が起きています。そこで、外国人留学生を増やすことによって大学等の教育機関で学ぶ人数を維持し、彼らが日本で就職することによって労働人口を補おうと考えているのです。
順位 | 国(地域)名 | 留学生数 | 構成比 |
---|---|---|---|
1 | 中国 | 94,111人 | 45.2% |
2 | ベトナム | 38,882人 | 18.7% |
3 | ネパール | 16,250人 | 7.8% |
4 | 韓国 | 15,279人 | 7.3% |
4 | 台湾 | 7,314人 | 3.5% |
外国人留学生のうち日本で就職を希望する人は学部卒業生で約7割に上ります。しかし、実際に就職できる人は約3割に留まっています。卒業後も最長で1年間はいわゆる「就職浪人」として日本に留まることが出来ますが、多くの方が日本で就職出来ずに無念の帰国となってしまいます。
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日本の技術、仕事に憧れ日本に留学した外国人留学生たち。夢を持った彼らには、高い壁が立ちはだかっているのです。
国は外国人留学生を呼び込むために英語で学位が取れる大学を増やしています。現在50校以上の大学で日本語を使わず英語で学位を取ることが出来ます。日本語を使う必要がある学校に入学したとしても、母国出身者とのコミュニティーにばかり属し、日本語でのコミュニケーションをあまり必要としないアルバイトに就いていると、日本語は中々上達しません。
日本企業では社員全員が英語が出来るわけではないため、一定の日本語能力が必要となります。そして、就職試験においても日本語のみでペーパーテストを実施する企業がほとんどです。
専門学校、大学などで学んだ専攻と就職企業の仕事内容に関連性が無いと、日本における「就労ビザ」を取得することはできません。入国管理局の審査で不許可になることもあります。
生徒の90%以上を外国人留学生が占めるファッション関連の専門学校を取材したところ、留学生の内、卒業後に就職できるのはわずか10%程度だそうです。ファッションデザイナーやパタンナーなどのただでさえ「狭き門」である職種に、日本語能力が低い外国人が就職出来る可能性はとても低いですが、彼らは学んだこと以外の職種には就職できないため、日本を去っていくのです。
多くの日本企業の社員募集においては「新卒枠」と「中途枠」の2種類があります。しかし、外国人留学生はこのどちらにも当てはまらない学生たちが存在するのです。日本企業の新卒者の定義は来春3月卒業見込みで30歳前後までの学生ですが、外国人留学生の中には母国の大学を卒業し、その後就業経験を経て、日本の大学に留学している学生も多く見受けられます。そのような留学生は日本企業の新卒の定義の1つの「年齢」に引っかかってしまいます。日本企業での就労経験があれば「中途枠」での応募も可能ですが、そうでなければ日本での就職の夢が閉ざされてしまっているのです。
経団連による就職活動の一斉解禁日。日本の面接の礼儀作法。尊敬語や謙譲語のなど敬語の理解。エントリーシートの提出。SPI試験など、日本特有の就職活動は、外国人留学生にとっては理解をすることが難しいようです。日本人の学生よりも就職活動に関する情報を持っていないので、就職活動開始の時期を逃してしまったり、十分な準備をせずに就職活動に臨み、最終的には就職出来ず、帰国の途に着くケースが多くあります。
異国の語学を習得するために最も近道は「実践」です。外国人留学生にとってアルバイトは日本語力を伸ばす良いチャンスです。しかし、いきなり高度な日本語レベルを求めるアルバイトに外国人留学生が就く事は出来ません。段階的に日本語力を高めるアルバイトを「転々」とすることが必要です。工場→コンビニ→飲食店→小売店→ホテル等、外国人留学生の4年間の大学生活を無駄にしないためにも、自分のスキルアップにつながるアルバイト選びが重要です。少しずつ日本語を使うアルバイトへと段階的な「転職」をすることにより、語学レベルの向上が見込めます。また、小売店やホテルでは自分の母国語を活かすことも出来ますし、敬語を身に着けることも出来ます。
外国人留学生が一人でこのようなアルバイト選びをすることは中々難しいものです。学校や人材派遣会社が彼らの将来を考えたアルバイト選びのサポートを行う事が必要です。
また、外国人留学生自身も母国出身者同士のコミュニティーに属しているだけでなく、日本人の友人や異国の友人を積極的に作り、コミュニケーションを取る努力をすることが重要です。就職活動の情報も多く手に入れることが出来ます。
日本の学校を選択する際に、外国人留学生は卒業後のキャリアデザインをよく考えた進学をすることが重要です。夢や憧れだけで就職できないのは日本人も外国人留学生も変わりません。就職率や卒業後の進路も良く調べたうえで進学しましょう
最近では大手のグローバル企業を中心に外国人留学生向けの採用ページを開設したり、インターネットの求人サイトで外国人留学生向け求人や多言語に対応したサイトが見受けられるようになりました。しかし、まだまだ情報が圧倒的に少ないのが現状です。
今後、外国人留学生を積極的に採用しようとする企業は、外国人留学生向けの採用ページを作成する、面接試験で日本人とは分けた試験、募集日程にする、年齢制限を緩和する、バイリンガルリクルーターを採用するなど、外国人留学生に配慮した工夫が必要です。
外国人をまとめることができるバイリンガル人材が上司にいれば、日本語能力が多少低くてもスキルを持った優秀な外国人を採用できるでしょう。いずれも外国人採用経験の豊富な企業をお手本にしてみてください。
多くの自治体に外国人留学生の採用や育成を支援する機関が存在します。そこでは外国人留学生向けの合同就職説明会を開催したり、個別相談などにも応じています。また、ネットワーク交流会などを通じて外国人採用に成功している企業との交流を図る事も出来ます。さらに、民間でも外国人採用を支援してるコンサルタント会社や人材紹介会社も多く存在します。
人口減少にあり、労働人口が減り続ける日本では、女性、シニア層の活用と共に優秀な外国人の活用が必要不可欠です。事実、多くの企業が外国人を採用し活用し始めています。外国人留学生の就職活動は彼らにも問題はありますが、日本企業も日本の新卒就職活動が特有であることを理解し、外国人にも開かれた選考を行うことが必要です。
日本語が上手な留学生だけが「優秀」でないことを理解する必要もあります。真に優秀な外国人留学生を上手に採用して、企業活動を永続的に発展させる人材を手に入れませんか?
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