ワークサンプルテストとは【実施内容や企業での導入事例を紹介します】

記事更新日:2021年10月19日 初回公開日:2021年10月19日

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優秀な人材を確保するということは、企業の成長のために最も重要なポイントのひとつといえるでしょう。採用面接などにおいて候補者の能力や企業との適性を判断しますが、それでも入社後にミスマッチが発覚するというケースも珍しくありません。そこで注目されているのが、入社前の候補者に実際の業務を体験してもらうワークサンプルテストというものです。今回の記事ではワークサンプルテストをどのようにして採用活動に役立てるかということを、実際の導入事例などを用いて解説します。採用の精度をより高めたいとお考えの人事担当者の方は、ぜひご一読ください。

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ワークサンプルテストとは

採用候補者に職務を体験してもらうこと

ワークサンプルテストとは入社前の採用候補者に職務を体験してもらい、候補者の能力や適性を測定するというものです。面接官との面接だけでは、候補者の仕事に対する姿勢や細かいスキルなどは伝わりにくいというのが現状です。候補者としても入社前に想定していた業務と実際に任された業務のギャップが大きいと、早期退職を考える場合もあるでしょう。ワークサンプルテストによって入社後のイメージをさらに明確にすることで、双方の間で認識のギャップが生じるのを防ぐことができます。

選考のための重要な判断材料となる

書類や面接だけではなかなか汲み取りづらい候補者の能力を的確に把握できるため、ワークサンプルテストは選考過程において非常に重要な判断材料となります。特に業務上のスキルや他の従業員とのコミュニケーションの取り方など確認するには、面接よりもワークサンプルテストの方が適切でしょう。候補者としても、自分の能力を正しく評価してもらえるという安心感が生まれるため、企業に対する信頼も高まります。ワークサンプルテストを導入することで、採用の決め手となる情報を得られる機会が増えるでしょう。

実施する企業が増えている

労働力不足が懸念されている近年では、優秀な人材を採用するためにワークサンプルテストを導入する企業が増えてきています。これまでよりも少ない人手で、同等以上の業務量をこなすためには社員一人一人が高い生産性を持っている必要があります。したがって、採用においては候補者の量よりも質を重視する必要性がより高まっていくと考えられるでしょう。ワークサンプルテストの実施によって能力の高い候補者を素早く発見しやすくなるため、効率的な採用活動を行うことができます。

ワークサンプルテストの目的

質の高い人材を採用する

ワークサンプルテストを実施することによって、これまでよりもさらに質の高い人材採用が可能になります。先述の通り、労働力不足によって企業の採用活動は困難になりつつあります。したがって企業の採用活動において、優秀な人材を確保することがこれまでよりもさらに重要視されているのです。面接だけでは伝わりにくい候補者の実践的な能力を、ワークサンプルテストで把握することによって採用の精度を上げることができるでしょう。

入社後のミスマッチを減らす

候補者と企業の間で入社後のミスマッチを減らすということも、ワークサンプルテストを実施する目的のひとつです。イメージしていた業務内容とは異なる業務内容だったというケースは、早期退職が発生してしまうおもな原因として挙げられます。実際の業務内容に関しては、企業のホームページや面接での会話だけでは詳細まで伝わりにくいというのが現状です。ワークサンプルテストで業務に対する具体的なイメージを持ってもらうことで、ミスマッチによる早期退職を減らすことができるでしょう。

ワークサンプルテストを実施するメリット

候補者の能力を高い精度で把握できる

ワークサンプルテストの実施によって、候補者の能力をより正確に高い精度で把握することができます。入社後にギャップを感じてしまうのは、候補者だけとは限りません。企業側も、想定していた候補者の能力との間にギャップを感じてしまうケースもあるでしょう。想定していた能力と違ったからといって、すぐに解雇するということはもちろん出来ません。社員を育てていくことも重要ですが、採用の時点でなるべく能力の高い人材を選ぶことで入社後の指導にかかるコストも減らせるでしょう。

面接を効率的に行うことができる

ワークサンプルテストで業務に関する能力を判断することができるため、面接においては候補者が持つ価値観など内面に関する部分について重点的に質問することができます。面接だけで候補者の業務能力と内面の両方を同時に把握するというのは、時間的コストや面接官の負担という面から考えても容易ではないでしょう。ワークサンプルテストと面接のそれぞれにおける目的を明確に分けることで、より効率的な面接を行うことができるのです。

ワークサンプルテストの実施内容

営業職

営業職においてワークサンプルテストを実施する場合には、新規顧客の獲得から営業のクロージングまでの一連の流れを実際に体験してもらうケースが多いです。自社の商品やサービスの強みを実際にプレゼンしてもらうことによって、コミュニケーション能力や質問への対応力を評価することができます。具体的な評価基準を定めることが難しい職種でもあるため、しっかりと現場の声を取り入れながら適正な評価ができるように心がけましょう。

マーケティング職

マーケティング職の場合は、商品やサービスの売り上げを向上するためのアプローチなどを考えてもらい評価します。具体的にはターゲットの設定やデータの分析、効果測定などの業務を行ってもらうことになるでしょう。ターゲット設定の精度やデータ分析に用いたロジックなどが、候補者を評価する際のポイントとなります。自社の商品やサービスについての理解が深いほど評価は自然と高くなるはずですので、候補者の企業に対する熱意も汲み取ることができるでしょう。

エンジニア職

エンジニア職でワークサンプルテストを実施する際には、実際のシステム開発などに関連する業務を行う場合が多いです。特にエラーなどのイレギュラーな事態が起こった際に、どのように対処するかといった点が重要な評価基準になります。また個人の能力だけでなく、周りの人間とうまくコミュニケーションをとりながら問題解決をする能力なども必要とされるでしょう。したがって、どのようにして問題の解決に取り組めるかというとことがエンジニア職におけるおもな評価のポイントです。

ワークサンプルテストの実施におけるポイント

評価基準を明確にしておく

ワークサンプルテストは候補者に対する評価基準をあらかじめ明確にしたうえで実施した方が、より効果的でしょう。対面でゆっくり話し合うわけではなく実際の業務を行うことで候補者の能力を把握できる機会ですので、評価基準を曖昧にしてしまうと正しい評価を行うことができません。業務を行うにあたって必要とされるスキルや振る舞いなどについて、事前に社員の間でしっかりと共有しておくことで評価の基準を明確にしやすくなるでしょう。

参加者にフィードバックを行う

ワークサンプルテストの実施後には合否にかかわらず、参加者へのフィードバックも行うようにしましょう。もし入社することになれば、この先の業務においてそのフィードバックを役立ててもらうことができます。不採用だった場合でも、的確なフィードバックを行うことによって企業に対する良いイメージを持ってもらうことにもつながります。企業の評価は口コミなどからも広がるケースがありますので、候補者ひとりひとりへの丁寧な対応を心がけましょう。

さまざまな形式での導入を検討する

ワークサンプルテストを実施する際には、様々な形式での導入を検討してみましょう。実際に職場まで足を運んでもらって、企業の雰囲気を感じながら取り組んでもらうのが理想的です。しかし様々な事情で、候補者とのスケジュール調整などが上手くいかないケースも考えられます。そのような場合には全日実施だったものを半日にするか、もしくはリモートでの実施なども検討してみましょう。この先一緒に仕事をしていくことになるかもしれないため、候補者を第一に考えたスケジュール設定が重要となります。

最終面接の直前に実施する

一般的には、最終面接の直前にワークサンプルテストを実施するというケースが多いです。面接において評価できるポイントは限られているため、面接によってある程度の選考を行ったうえでワークサンプルテストの工程に進んでもらいましょう。また、ワークサンプルテストは実際の業務に取り組んでもらうということもあり、面接に比べると多くの時間が必要とされます。より効率的な採用活動を行うためにも、ワークサンプルテストは採用前の最終確認と位置付けても良いでしょう。

ワークサンプルテストの導入事例

Chatwork株式会社

Chatwork株式会社は、ビジネスチャット「Chatwork」を運営している企業です。実際にこちらのチャットを利用している企業も多いのではないでしょうか。Chatwork株式会社では、ワークサンプルテストが最終面接の前に実施されます。実際の業務を体験してもらうだけではなく、ランチタイムには社員と一緒に過ごす時間も設けられています。候補者が肩の力を抜いた状態で、企業に対する疑問や本音をぶつけてもらう環境を作り出しているのです。

ナイル株式会社

ナイル株式会社は、おもにデジタルマーケティングに関連する事業を行っている企業です。ナイル株式会社では企業の認知度が低いということをうけて、ワークサンプルテストを導入するようになりました。候補者に入社後のキャリアパスをより明確にイメージしてもらえるような内容のワークサンプルテストを実施しています。実際にワークサンプルテスト実施後には、入社3ヶ月以内での離職率がほぼ0%になったという結果も見られています。

ラクスル株式会社

ラクスル株式会社は、おもに印刷事業や物流事業を行っている企業です。ラクスル株式会社では中途採用を行う際に、半日間のインターンをワークサンプルテストとして実施しています。これによって自社との適性や候補者のスキルを確認することができるため、採用後のミスマッチを減少させるのに大きな効果が出ているようです。またワークサンプルテストを実施する時間帯も、候補者の現職の都合などを考慮したうえで設定しているのが特徴です。

まとめ

ワークサンプルテストを実施して企業にマッチした人材を採用しましょう

ワークサンプルテストが採用活動においてどのような役割を果たすのか、お分かりいただけたでしょうか。まだ現時点では多くの企業が導入しているわけではなく、新卒採用よりも中途採用での導入がメインとなると考えられます。しかし今後、より質の高い人材を企業とのミスマッチを起こさずに採用することは非常に重要視されていくでしょう。様々な形式で導入することが可能ですので、採用後のミスマッチにお悩みの企業はぜひワークサンプルテストの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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