記事更新日:2019年09月05日 | 初回公開日:2019年09月05日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド労働力人口の減少や少子高齢化社会の到来が叫ばれる中、新卒採用市場の売り手市場化が進んでいます。言い換えれば、就活生一人に対してより多くの内定が集まりやすく、就活生に有利な環境になっているといえるでしょう。そのような中で、企業の採用担当者は自社で活躍してくれる優秀な人材を確保するために奔走しなければなりません。新卒一括採用に留まらず、新卒の採用手法が多様化する中、2000年代に入って「新卒紹介サービス」という採用手法を提案する会社が登場してきました。ここでは、新卒紹介サービスの特徴や、メリットとデメリットを見ていきましょう。
新卒紹介とは、新卒採用と人材紹介をミックスさせた新しい採用手法です。企業は、新卒紹介会社に自社の求める人物像を伝え、それに見合った就活生を紹介してもらえるというものです。人材紹介は、通常では転職市場で行われている手法で、条件に合った候補者を紹介してもらえるシステム。新卒紹介は、紹介会社が就活生と面接やカウンセリングを行い、性格や志望動機といった情報を集め、クライアント企業の求める人物像に合った就活生を紹介するというものです。企業と就活生の間に立つ仲介役となることから、就職エージェントという呼び方もあります。
新卒紹介会社は、SNSを利用して学生を集めたり、各大学の学生団体との間に築いたネットワークを使ったりして、多くの就活生を紹介することができるようになっています。また、年間を通して座談会形式のイベントを開催し、「エンジニア系」「体育会系」と選別した学生を対象にしたイベントも行うため、就活生の母数も多くなるのです。就職エージェントとしての第三者の目で、就活生に企業の紹介をするので、先入観によるミスマッチを防げる点も特徴といえるでしょう。また、紹介してから採用に至るまでの業務を請け負ってくれるため、企業の採用担当者の負担軽減も期待できます。
従来の新卒一括採用では、大手の広告サイトに求人募集を載せ、多数の応募者の中から書類選考などを経て採用していました。そのため、応募者の母数が大きく人数を確保しやすいのですが、応募者ひとりひとりとの密なコミュニケーションは難しく、採用後にミスマッチが起きる可能性も高いといえるでしょう。新卒紹介では、紹介会社が大学とのネットワークを駆使してイベントを開催したり、キャリアカウンセリングを行ったりしてやり取りを重ねた就活生を紹介してくれます。紹介会社は、クライアント企業の求める人物像と、就活生の性格や大学での研究実績などを総合的に判断して紹介してくれます。そのため、企業にとっても良い人材を確保しやすい採用手法といえるでしょう。
新卒で採用する際にネックになるのが、採用にかかるコストです。メディアへの広告費であったり、面接にかかる人件費であったり、数え上げたら切りがありません。新卒紹介を従来の一括採用と比較したときに特徴的なのが、「成功報酬制」を取り入れていることです。10名程の少人数を採用する場合であれば、大手の広告メディアを使ったときよりもコストを低く抑えることができるでしょう。新卒紹介は、良い人材の確保であったり、コストの低減であったり、これまでの一括採用では得られなかった企業のニーズを満たす新しい採用手法として注目されているのです。
従来の新卒一括採用の場合は、広告を見て応募してきた就活生の中から、自社の求める人物像に合った人材を選抜しなければなりません。新卒紹介では、紹介会社に自社が必要としている就活生の人物像を伝えます。紹介会社は、その条件や性格に加え、必要な資格やスキルといった条件を満たした就活生を、母集団の中から選んで紹介してくれます。そのため、求めているスキルや自社への志望動機の強い就活生を採用できる確率が高まるといえるでしょう。求める人物像を紹介会社に明確に伝えることで、絞り込んで採用することができます。
新卒一括採用で目標人数を採用できたとしても、急遽内定辞退者が出る場合があります。そんなとき、求人広告サイトだと求人広告の申請から就活生が応募するまで、時間がかかってしまうでしょう。新卒紹介は、紹介会社に登録されている就活生の中から、条件に合った人材を紹介してくれます。通常の求人広告を出して募集するよりも、短時間で条件に合う就活生を確保できるといえるでしょう。採用目標数に届かず増員が必要な際に、新卒紹介サービスという選択肢もあるのです。
新卒紹介サービスは、多くの場合は成果報酬制を採っています。内定が決定した段階で報酬が発生するため、採用にかけた費用が無駄になる、ということは防げるでしょう。ただし、一人当たりに発生する報酬額は、その新入社員の年収の30%程が相場と言われており、通常の一括採用で募集したときよりも高額となります。そのため、大人数の採用である場合は新卒紹介を利用すると負担が大きくなってしまいます。一括採用で確保できなかった人数分を新卒紹介で補うなど、工夫を凝らしてみるのも一つの手ですね。
新卒紹介会社は、自社のデータベースに登録されている学生の中から、クライアント企業の求める人物像に合う人材を紹介します。そのため、登録されている学生以外とは、出会うことができないのです。ただし、新卒紹介会社によっては、特定の業界に特化した学部やスキルを持った人材を登録しているため、自社の求める人材に出会える確率は高くなるといえるでしょう。新卒紹介会社を利用するときは、自社の求める分野に特化した人材が登録されているか、登録者の母数はどれくらいか、といった点に注目しておくのが良いでしょう。
紹介会社によって、それぞれの分野に特化した学生を集めていることがあります。特に、理科系や体育会系、海外の学生や留学生を中心に集め、比較的採用の難しい分野の学生が集まっているのが特徴といえるでしょう。こうした紹介会社は特化型と呼ばれます。また、学部や学科に関係なく、全ての学生を満遍なく集めている紹介会社もあります。これらの紹介会社は、特化型とは逆にオールラウンド型と呼ばれ、幅広い分野の学生の紹介が期待できるでしょう。自社の採用計画に合わせて、複数の紹介会社に並行して依頼し、幅広い分野の人材を確保するのもおすすめですね。
紹介会社の多くは成功報酬制を採り入れていて、就活生の内定が決まったところで報酬が発生するシステムとなっています。基本的に初期費用が不要であるため、いくつかの紹介会社に依頼して自社に最も合いそうな就活生を選ぶ、というのが基本的なスタンスになるでしょう。一方で、一社の紹介会社に任せる形態をエクスクルーシブ型と呼びます。この場合、契約の段階で着手金が発生することになりますが、トータルで見ると割安になるように設定されている場合が多いです。一社に全面的に任せるか、複数の紹介会社を併用して幅広い人材を紹介してもらうか、自社の採用計画に合わせて決めていくと良いでしょう。
Re Agentは、株式会社リアライブが提供する新卒紹介サービスです。特徴は、強い集客力を持っていること。Re Agentが開催するイベントには、年間15000名を超える学生が訪れています。Re Agentでは、個別に学生を紹介するだけではなく、企業のイベントをサポートしたり、SNSを利用して企業の説明会に学生を集めたりして、母集団を形成します。株式会社リアライブの理念は、「入社3年後のミスマッチをなくす」こと。強い集客力を武器に、学生へ職業に関する情報を収集する機会を与えます。そして、学生の潜在特性を顕在化させてミスマッチを無くす仕組みを目指しているのです。
株式会社ネオキャリアが提供する就職エージェントNEOは、新卒紹介サービス業界のパイオニアとして知られています。文系職や理系職であったり、体育会系や上位校学生であったりと、採用したい学生をカテゴリー分けして絞り込むことができます。新卒紹介が拡がり始めた2005年当初から事業を開始しており、延べ10000社を超える企業が導入している点も、大きな強みといえるでしょう。就職エージェントNEOに掲載されている求人は、大手就職サイトに掲載していないものが全体の46%となっています。成果報酬制であるため、就職サイトに広告を出す費用を抑えたいという企業が多く活用しているのです。
ココカラットは、株式会社ファーストペンギンが提供する新卒紹介サービス。もともとWEBマーケティング会社だったため、WEB集客やSNS集客に強い点が特徴だといえるでしょう。主に、国内の中小企業やベンチャー企業に特化した新卒紹介サービスを提供しています。また、マーケティングノウハウが他社に比べて豊富なため、業界最安値レベルの手数料で新卒紹介サービスを提供することができるのです。担当者全員が人事・採用の経験者である点も大きな魅力といえるでしょう。募集から内定に至るまで、人事のパートナーとして心強い味方となってくれます。
企業説明会での悩みとしてありがちなのが、自社のブースに学生が集まらないということでしょう。トラストグロースの展開する説明会では、参加した学生全員と直接話す機会があります。各企業が平等に学生と話すことができるように、15分程で学生がローテーションしていく仕組みとなっているのです。全学生と話すことができるので、一度説明会に参加すれば複数の学生を獲得できるチャンスがある点が魅力だといえるでしょう。また、トラストグロースの開催する説明会は、他の紹介会社と比べると比較的低コストで参加することができます。
キャリアパークが提供するグループディスカッションや合同選考会には、毎年5000名以上の就活生が参加しています。年間750回以上もの開催数を誇るイベントでは、最短で即日内定を実現させることも。いきなり最終選考からスタートできるスピード性を評価され、これまでにも多くの一流企業が活用してきました。また、就活生と1対1でキャリアカウンセリングを行い、潜在特性を顕在化させて内定後のミスマッチを防ぐ仕組みも構築されている点も魅力だといえるでしょう。運営会社であるポート株式会社は、2018年に東京証券取引所に上場しました。上場企業として健全かつ徹底したサポートを提供しています。
新卒紹介は2005年頃から拡がりを見せた採用手法です。紹介会社に自社の求める人物像を伝え、登録されている学生の中から自社に適した人材を紹介してもらえるというシステムです。新卒一括採用に比べると、一人あたりの採用にかかる費用は割高になるといえるでしょう。ですが、綿密な話し合いを重ねて、ある程度自分の特性を顕在化させた学生と出会えるため、入社後のミスマッチが起こる可能性を減らせるのは大きな魅力だといえます。新卒紹介を利用するときは、いくつかの紹介会社を併用してできるだけ多くの学生と会えるようにしているケースが多いです。一括採用で定員を集めきれなかった場合など、優秀な人材を補充したいときには、新卒紹介という選択肢を考えてみるのはいかがでしょうか。
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