コミュニケーションハラスメントとは【他のハラスメントとの違いや事例や原因などを解説します】

記事更新日:2023年08月07日 初回公開日:2023年08月07日

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企業で働く中で、ハラスメントという言葉を耳にしたことがない人はいないのではないでしょうか。以前はパワハラやセクハラのみでしたが、時代の流れとともにパタハラやレイハラ・ケアハラなど様々なハラスメントが増えてきています。企業としてはハラスメントの問題を起こさないように対策が必要ですが、ハラスメントは境界線が難しく悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回はコミュニケーションハラスメントの原因や他のハラスメントとの比較について解説していきます。人事担当者の方は参考にしてみてください。

コミュニケーションハラスメントとは

強要や嫌がらせを含む発言をすること

コミュニケーションハラスメントとは、強要や嫌がらせを含む発言をすることです。コミュニケーションを取ることを苦手にしている人に対して、会話の強要や性格を決めつけて指摘を行う行為はコミュニケーションハラスメントに該当する恐れがあります。人によって受け取り方や性格が異なるため、大半の人が受け流せる事であっても不愉快な気持ちになる人がいるという配慮や思いやりが必要です。コミュニケーションハラスメントが定着すると社員が定着し辛い環境になってしまいます。

ハラスメントとコミュニケーションの違い

一方通行の会話かどうかの違い

ハラスメントでは、会話が一方通行になってしまっています。コミュニケーションは伝達や意思疎通などの意味を持っており、交流を図る・意思を伝えあうという意味で使われることがあり情報の共有を目的にしています。コミュニケーションは相手に対して気づかいや思いやりを持ったうえで行いますが、ハラスメントは立場が上位の人に一方的に相手を決め付けたうえで行われています。ハラスメントを行っている本人は、会話が一方通行になっているという自覚がない人もいます。

自分視点の会話のみになっているかどうかの違い

ハラスメントはコミュニケーションと異なり、自分視点の会話のみになっている場合があります。コミュニケーションは相手の考えや行動を理解し受け入れたうえで成立するものですが、ハラスメントは相手がどう思うかなど考えることなく自分の思考のみで発言をしています。パワハラを行う人は画一的な価値観を持つことが良しとされた時代を経験してきたことから、多様性で様々な考えを持っていることを認識できていません。そのため、一方的な自分本位の会話になってしまいます。

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コミュハラとパーソナルハラスメントの違い

嫌がらせが外見に対してのものかどうかの違い

コミュニケーションハラスメントは、何かに対して強要や嫌がらせを含んだ発言のことを言います。これに対してパーソナルハラスメントは、その人の外見や生活の癖など個人の特性に対して不快な発言や行動を行う事を指しています。「ハゲ」や「デブ」といった見た目をからかう発言や、個性的な人に対して「変な人」というような発言です。親しみを込めたあだ名を本人了承の元でつけるのは問題ありませんが、相手が触れられたくない部分をわざわざ揶揄するのはハラスメントに当たります。

コミュハラとレイシャルハラスメントの違い

嫌がらせの発言が人種によるものかどうかの違い

グローバル化や多様化が進んでいることから、外国人労働者を採用する企業も増えてきています。そういった状況から、人種や国籍・民族に関しての差別や嫌がらせであるレイシャルハラスメントも増えています。レイシャルは元々人種・民族といった意味を持っていますが、宗教や肌の色など様々な要素を含んだ言葉として使われています。口頭で嫌がらせを受けるだけでなく採用や昇進で不利に扱われていると感じ働くうえで差別を受けていると感じている人が少なくありません。

コミュニケーションハラスメントに敏感な人

女性より男性の方がハラスメントに敏感

コミュニケーションハラスメントは、女性より男性の方が敏感になっています。実際にハラスメントとして認定される境界線が難しいため、境界線の認識を図るために株式会社ライボが行った2023年ハラスメントの境界線調査を行いました。その調査によると、ハラスメントの境界線に敏感になっていると回答したのが6割を超えていました。その中でも、慎重になっていると回答した男性が約65%いたのに対し、女性は約53%と男性の方がハラスメントに敏感なことが分かります。

年代が上がるにつれてより敏感になる

上記と同様にライボが行った調査によると年代が上がるにつれて、よりコミュニケーションハラスメントに対して敏感になっていることが分かっています。神経を使っているかどうかの問いに対して、神経を使うと回答した人の割合を年代別に集計した際に50代の回答が約92%と最も多くなっています。年齢が上がるにつれてコミュニケーションを行う際に神経を使っていることが分かります。役職別にすると、課長クラスが約96%となっており、課長や主任クラスの50代が最も配慮していることが分かりました。

コミュニケーションハラスメントの事例

性格を否定するような発言

コミュニケーションハラスメントは、性格を否定するような発言が該当します。ハラスメントは上司から部下の関係性で発生する事が多い傾向にあります。しかしコミュニケーションハラスメントは、業務に関係することなどの有無に関わらず相手が不快に思う言動が対象になり、業務上の関係に影響を受けることなく発生します。業務上でコミュニケーションに苦手意識を持っている人に何かを伝える際には、決めつけることなく建設的な対応を行いましょう。

聞き返すことを許さない雰囲気をだす

聞き返すことを許さない雰囲気を出すことも、コミュニケーションハラスメントの一つです。業界や業務内容によっては、出来る限り早く業務を覚えることが重視されることもあるでしょう。仕事の手順ややり方を1度の説明で聴き取って覚えなければならず、質問や聞き返しをし辛い雰囲気を醸し強要させる雰囲気はハラスメントになりかねません。自分の価値観を押し付けて指導を行うとハラスメントを発生しかねないため、相手のペースに合わせた指導が大切です。

コミュニケーションハラスメントの原因

上司部下の関係を必要以上に強要する

コミュニケーションハラスメントは、上司部下の関係を必要以上に強要する事で起こることがあります。上司との雑談や業務上のやり取りの中で「面白い話をして場の雰囲気を盛り上げて」という発言も対象になります。これは本人の意思に関係なくコミュニケーションを強要する雰囲気や言動があり、苦痛に感じる人が居ます。関係を深める為に気軽に掛けた言葉だとしても、コミュニケーションが苦手な部下にとってはストレスを感じハラスメントになってしまいます。

決めつけた発言が多い

コミュニケーションハラスメントの原因は、決めつけた発言が多いことです。相手の意思や考えを無視して、相手の価値観や思考を決めつける言動が多いと職場の人間関係はスムーズにいかず溝が生まれてしまうかもしれません。発言している本人はそこまで深く考えずに雑談や指導の一つとして行っていても、受け取り手に取っては傷つく可能性もあります。指導する立場の人間が、相手にとっては不快になっているかもしれないという意識が足りない状況では、ハラスメントに繋がってしまう可能性があります。

日々のコミュニケーションが少ない

日々のコミュニケーションが少ないと、コミュニケーションハラスメントが起きやすくなります。関係性に限らず相手に対しての気遣いや思いやりの気持ちを持って接していない場合は、意思疎通を行うことが難しくなり人間関係にストレスを感じてしまう環境になります。相手の能力や理解力を加味せずに、仕事の手順や説明を行う時に雑な対応をしてしまう事もハラスメントです。日々コミュニケーションを取っていれば生じなかったであろう誤解も、関係性が希薄な状態では些細な事からハラスメントに繋がってしまいます。

上司の考え方が自分軸になっている

コミュニケーションハラスメントが発生しやすいのは、上司の考え方が自分軸になっていることが考えられます。上司に当たる人の考え方や人間性などに問題があると、ハラスメントは起こりやすくなります。自分の好みで人を判断する・機嫌によって態度が変わるなどを行う上司は、コミュニケーションハラスメントに該当する発言ばかりを行う可能性もあります。業務の指示の方法によってはコミュニケーションハラスメントになり、パワハラに該当する事もあります。上司に当たる人は、より一層自分の言動について注意が必要です。

ハラスメントを生まないコミュニケーション方法

聞く姿勢を持つ

ハラスメントを生まないようにするには、コミュニケーションにおいて聞く姿勢を持つようにしましょう。ハラスメントは相手の気持ちに配慮せず、一方的に考えや行動を押し付けることから発生します。上司が部下の考えを受け入れることは簡単ではないかもしれません。しかしハラスメントに繋げないようにするには、部下の話や意見をしっかりと聞き押し付けを行わない事が大切です。相手の価値観を認めて自分と異なる意見も受け入れる姿勢を持つことで、コミュニケーションハラスメントを起こさない対策に繋がります。

アサーティブコミュニケーションを意識する

ハラスメントを発生させないために、アサーティブコミュニケーションを意識しましょう。アサーティブコミュニケーションとは、相手を尊重しながら自分の言いたいことを伝える態度やコミュニケーションスキルとのことです。部下がミスした時は、どうしても感情に任せて怒鳴ってしまうという人もいるのではないでしょうか。アサーティブコミュニケーションを意識すると、自分の感情とは別に相手に臨んでいる要求を相手を傷つけることなく伝えることが出来ます。要求を明確にすることで、受取り手にもストレスを与えず分かりやすく伝わります。

明確な指示を部下に出す

明確な指示を部下に出すことも、ハラスメントを発生させないコミュニケーション方法です。パワハラと言われることを恐れて注意がし辛いと感じている人も少なくありませんが、遅刻を繰り返している部下や会社の指示に従わない場合には指導を行う必要があります。そういった行動を行っている部下の状況をしっかりと把握し、分かりやすい改善点を提示しなければなりません。現状把握を行わずに部下の存在や人格を否定するような言動をしてしまうとハラスメントに繋がってしまいます。

部下側もコミュニケーションスキルを上げる

部下側もコミュニケーションスキルを上げることで、ハラスメントの発生を防ぐことが出来ます。コミュニケーションを円滑に行うには、上司側の工夫や対策だけでは上手くいきません。いくら工夫をしても部下側が厳しい指導を受けた時にパワハラだと感じてしまっては意味がありません。また部下は上司は業務を丁寧に教えてくれるものだといった受け身の姿勢になっている人も多くいます。上司だけでなく部下の認識も改めて働きかけることで、ハラスメントを予防することに繋がります。

まとめ

双方のコミュニケーションを意識してコミュハラを無くそう

コミュニケーションハラスメントの原因やハラスメントを生まないためのコミュニケーション方法について解説しました。コミュニケーションハラスメントは、職場の雰囲気の影響や決め付けで行っている発言やコミュニケーション不足により発生します。世代間の意識や認識が違うことから伝え方にギャップが生まれ、誤解が発生しやすくなります。コミュニケーションハラスメントが起きないようにするには、相手の価値観を認め否定的な発言をしないことが大切です。双方のコミュニケーションを意識してコミュハラをなくしていきましょう。

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