戦略人事とは【人事戦略との違いやHRBPなどの求められる機能についてご紹介します】

記事更新日:2023年07月28日 初回公開日:2023年07月05日

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戦略人事とは、経営戦略を実現するために、経営資源の「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を最大限活用するマネジメントのことです。従来の人事とは異なり、戦略人事は給与や労務管理といった定型の業務だけでなく、事業の実現のための人事施策を展開します。また、経営戦略と戦略人事は密接に関連しています。経営の要素である戦略・戦術・戦力・環境のうち、戦力を担うのが人事です。優れた戦略や戦術を立てても、人材が不足し、適切な環境が整っていなければ戦略の実現は困難です。本記事では人事部の方向けに戦略人事について詳しく解説します。

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戦略人事とは

経営戦略実現のために経営資源を最大限活用するマネジメント

戦略人事とは、経営戦略実現のために経営資源を最大限活用するマネジメントを指します。戦略人事においての経営資源とは特に人のことです。経営戦略の成功には、適切な人材の配置や育成が不可欠です。戦略人事では、企業のビジョンや目標に合わせて、適切な人材戦略を策定し、人材の採用・配置・育成・評価などを戦略的に行います。戦略人事の目的は、組織の競争力向上や成果の最大化です。経営戦略に合致した人材を確保し、戦略的な人材配置を行うことで、組織の目標達成に貢献します。

戦略人事と人事戦略の違い

人事戦略が失敗しても直接的な影響はない

戦略人事と人事戦略の違いは、人事戦略が失敗しても直接的な影響はない点です。人事戦略は、組織の目標やビジョンに基づいて人材を戦略的に配置・育成する計画です。よって経営計画に大きな影響はありません。一方、戦略人事は、経営戦略の一環として経営資源である人材を活用するマネジメント手法です。戦略人事の成功には、戦略的な人材の配置や育成が欠かせません。経営戦略と統合した人事戦略の策定と、それを実践する戦略人事の実施が重要です。よって、戦略人事の失敗は経営計画に影響を与えます。

戦略人事が注目される背景

VUCAの時代となった

戦略人事が注目される背景には、VUCAの時代となったことがあります。VUCAとは、Volatility(不安定性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉です。よって、VUCAは、経済や社会の環境が急速に変化していることを表しています。このVUCAの時代において、企業は様々な課題に直面しています。急速なテクノロジーの進化やグローバルな競争環境の激化などが挙げられます。

経営戦略に合わせた人事が求められている

他にも、経営戦略に合わせた人事施策の重要性がますます求められています。経営戦略は企業の将来の方向性や目標を示すものであり、その実現には組織の人的資源を最大限に活用する必要があります。必要な人材を確保し、適切な育成プログラムを実施することが求められるのです。そして、組織の戦略的な成長に必要な能力やスキルを持った人材を採用・育成することで、経営戦略の実現を支援することが出来ます。また、実現には優れたリーダーシップが欠かせません。

戦略人事に求められる機能

HRBP

戦略人事に求められる機能の一つがHRBP(Human Resources Business Partner)です。HRBPは、人事部門が経営戦略と連携し、組織のビジネス目標を達成するために戦略的なパートナーシップです。m経営陣と緊密に連携し、経営戦略の理解を深め、人事施策を戦略的に展開するが期待されます。経営のビジョンや目標に基づいて人材戦略を策定し、人的資源を最適に配置・活用することで経営成果最大化します。また、HRBPは将来の人材需要と供給を予測し、組織の人材計画を策定します。

CoE

戦略人事においてもう一つの重要な機能がCoE(Center of Excellence)です。CoEは専門的な知識やスキルを持った人材が集まり、組織全体に対して戦略的な支援を提供する役割を担います。特定の領域における専門知識を有し、人事施策やプロセスの設計・開発を担当します。例えば、採用・選考・評価・報酬・トレーニング・開発など、人事の各領域において最新のベストプラクティスや専門知識を提供します。また、CoEは経営陣や人事部門に対して、人事戦略や施策のガイダンスやコンサルティングを行います。

OPs

OPsは一般的には「Operations」と略されます。経営戦略に基づく戦略人事の一環として、労務管理や勤怠管理、給与計算などのオペレーション実務の効率的かつ正確な処理が求められるのです。組織内の労働者のデータ管理や労働時間の計測、給与や手当の計算を行います。他にも、社会保険や労働法規の遵守など、労務関連の業務は組織の運営において重要な役割を果たします。これらのオペレーション業務を適切に実施することで、組織は法的なコンプライアンスを保ちつつ、労働者の満足度や生産性の向上を図ることができます。

OD&TD

OD&TDは、組織の理念や経営方針を浸透させ、組織全体を目指す方向性に導くための組織開発(OD)と、目標とする組織作りのために必要な人材を育成するためのタレント開発(TD)という2つの概念を組み合わせたものです。これらの要素は相互に関連し、協力して組織の成長と発展を促進します。組織開発(OD)は、組織の持つ課題や問題点を分析し、組織の構造やプロセスを見直して改善を図ります。一方、タレント開発(TD)は、組織の戦略的な目標に対応するために必要な人材を発掘し、育成するプロセスです。

戦略人事に取り組む方法

経営計画と中長期計画を理解する

戦略人事に取り組む方法は、経営計画と中長期計画を理解することが重要です。経営者や経営陣が目指す目標や方向性を把握し、それに基づいて人材戦略を策定することが求められます。経営者とのコミュニケーションを通じて、経営のビジョンや目標に共感し、それを人事施策に反映させることが必要です。戦略人事では、将来の人材需要を予測し、その需要に合わせた戦略的な採用を行います。経営計画や事業戦略に基づき、必要な人材のスキルや能力、経験を明確にし、それに適した採用戦略を展開しましょう。

求める人材像を明確化する

戦略人事において求める人材像を明確化することは重要です。経営戦略を理解し、その戦略が達成されるために必要な人材の特性やスキルを考えしょう。経営目標を達成するためにどのような人材が求められるのか、その要件を明確にします。また、組織内の各職務について、業務内容や必要な能力・知識・経験などを詳細に分析することが重要です。それぞれの職務に求められる適性や特性を明確化し、求める人材像を具体的に描きましょう。

人事計画を立てる

人事計画を立てることは、戦略人事に取り組むためには重要なことです。経営戦略を理解し、人事計画が経営戦略を支えることを確認します。経営目標を達成するために必要な人材や人材の配置を明確にし、人事計画の目的と方向性を定めましょう。また、組織の将来の成長や変化に伴って必要となる人材の需要を予測し、現在の人材の供給状況とのギャップを把握しなければなりません。必要な人材を適切なタイミングで確保するために、内部人材の育成や外部採用の計画を策定しておきましょう。

計画を実施してPDCAを回す

計画を実施する際にはPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回すことが重要です。まず、具体的な目標やアクションプランを立てます。人事計画の目標や実施計画を明確にし、具体的なタスクや期限を設定します。次に、計画に基づいて実際に行動を起こします。具体的なタスクを実施し、人材の採用や育成、配置などの人事活動を進めます。そして、実施した結果や進捗状況を評価します。最後に、評価結果に基づいて必要な改善策を導入します。問題点や課題があれば、適切な対策を講じて改善を図ります。

戦略人事を行うメリット

変化する経営状況に合わせた人材活用ができる

戦略人事を行うメリットは、変化する経営状況に合わせた人材活用ができる点です。経営計画に基づいた戦略的な人材配置や異動により、組織の成長や変革をスムーズに実現することが可能となります。また、戦略人事は経営戦略と人材戦略を統合し、目標達成に向けた人材の育成や配置を実施します。適切な人材を適切な場所に配置することで、組織のパフォーマンスや生産性の向上が期待できるでしょう。その結果、経営状況の変化や市場の変動に合わせて、人材の配置や育成方針を適切に見直し、変化に対応できる強靭な組織を作り上げることができます。

企業目標の達成に貢献することができる

戦略人事は企業目標の達成に貢献する重要な要素です。組織の目標を具体化し、それに適した人材を配置・育成することで、企業全体の成果を最大化することができます。戦略人事の取り組みにより、組織には適切な人材が配置されます。経営戦略に沿った役割やスキルを持つ人材を組織内に配置することで、業務の効率性や品質の向上が図られるでしょう。また、適材適所の人材配置により、チームの協力や相乗効果を生み出すことができます。その結果、組織全体のパフォーマンスを高めることができるのです。

戦略人事を行う上でのポイント

外部環境を正しく把握する

戦略人事を成功させるためには、外部環境を正しく把握することが重要です。外部環境の変化に敏感になり、それに合わせて人材戦略を構築することが求められます。まず、産業や市場のトレンドを把握することが必要です。市場の需要や競争状況の変化を追跡し、どのような人材が求められているのかを理解することが重要です。また、技術やデジタル化の進展によって求められるスキルや知識も変化していますので、最新のトレンドや業界の動向を把握しましょう。さらに、人材市場の状況を把握することも重要です。

データやテクノロジーを柔軟に取り入れる

戦略人事を成功させるためには、データやテクノロジーを柔軟に取り入れることが重要です。まず、データ分析を活用して人材の課題やニーズを把握しましょう。そして、組織内外から収集したデータを分析し、人材のパフォーマンスやモチベーションの要因を明らかにすることで、適切な人材戦略を策定することができます。さらに、テクノロジーの活用も重要です。人事管理システムや人材評価ツールなどの導入によって、人事業務の効率化や情報の可視化を図ることができますので、活かしていきましょう。

コミュニケーションスキルを高めて経営や事業に提言する

コミュニケーションスキルを高めて経営や事業に提言することも戦略人事を行う上で重要なポイントです。コミュニケーションスキルは、組織内の関係者と円滑にコミュニケーションを取りながら、人事施策を推進するために必要な能力と言えます。これには、効果的なコミュニケーションのための適切な情報発信や受け入れ、聴取能力が含まれます。そして、経営や事業に提言するためには、経営者や上級管理職とのコミュニケーションが不可欠です。戦略人事の視点から人材の重要性や組織の課題、人事施策の効果を的確に伝えることが求められます。

まとめ

戦略人事を取り入れて変化に対応した人材活用をしよう

戦略人事は、経営戦略を実現するために経営資源の最大活用を目指す重要なマネジメント手法です。外部環境の把握やデータ・テクノロジーの活用、コミュニケーションスキルの向上など、戦略人事を実践する上でのポイントは多岐にわたります。そのため、戦略人事によって企業目標の達成や組織の成果向上に貢献し、変化に対応した人材活用を実現することが求められます。経営戦略との連携や組織開発、人材開発など、戦略人事の実践は企業の競争力を高めるために不可欠です。戦略人事を取り入れて変化に対応した人材活用をしよう。

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