STAR面接とは?【手順や行なう際のポイントも解説します】

記事更新日:2023年11月22日 初回公開日:2023年11月15日

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STAR面接では事前に質問事項や進行を考えておくため、面接が苦手な社員や面接経験の浅い社員でも深掘りしやすいというメリットがあります。臨機応変に質問事項を変えることはほとんど無く、マニュアルに沿って質問し、個々の面接シートを用意しておけば空欄を埋めていくだけで面接は完了です。それでいながらも、関係性の深い順序で内容を深掘りできるため、どんな社員でも深掘りした面接を実現できます。ただし、マニュアルに拘りすぎて、空虚な雰囲気になることは避けましょう。

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STAR面接とは

あらかじめ自社の評価項目や基準を決めて行う構造化面接の1つ

STAR面接とは、あらかじめ自社の評価項目や基準を決めて行う構造化面接の1つです。STARとは、4単語の頭文字を並べたアクロニウムであり、面接にて4つを順番に質問していくことで受験者の本質を見極める方法をSTAR面接と言います。4つの項目は連結した内容であり、受験者の実体験を自然に聞き出せるとともに虚偽や間違いがあれば項目のどこかに齟齬が生じるため、真実を聞き出せる面接方法です。皆に平等で評価もしやすいため、規模や職種を問わず採用されています。

STARのそれぞれの意味とその質問例

Situation(状況質問)

STARの「S」は「Situation」の略で、状況質問になります。事象が起きた時の状況は重要事項であり、その後の行動や結果に大きな変化を与えるものです。同じ事象であっても状況によって行動の評価も大きく変わるため、事象の内容を聞き取る前に受検者がおかれていた状況を十分に聞き取り把握しておきましょう。質問例としては、「事象があった時のポジション」「チームにおける役割分担と自分の担当」最も困難であったと思われる事象」「問題やトラブルとなった事象」などです。

Task(課題質問)

STARの「T」は「Task」の略で、課題質問になります。Situationにて起きた事象と状況を良く理解したあとに、どのようなトラブルを抱えたと捉え、問題解決のために何を考えたかを問うものです。問題と考えるタイミングやトラブルに対する対応力などを推し量るのに有効で、受検者の思考回路を知ることにも繋がります。質問例としては、「課題を感じたのはいつですか」「なぜ問題解決が必要だと思いましたか」「問題解決のために何が最も重要だと思いましたか」などです。

Action(行動質問)

STARの「A」は「Action」の略で、行動質問になります。STAR面接は行動面接とも呼ばれるように、問題を抱えてたと感じたあとの「行動」は重要な部分です。問題を抱え解決方法を思いついたとしても行動に至らなければ意味はありません。行動力を見極める重要な質問であり、問題に対してどのような体制(個人かチームでの対応か)で、実際に行った行動を聞き取ります。状況や問題によって行動が異なるため具体例は挙げませんが、自発的な行為であったのか、周囲に与えた影響などは確認しておきましょう。

Result(結果質問)

STARの「R」は「Result」の略で、結果質問になります。行動によって起きた事象がどのような結末を迎えたかの報告です。結果も重要ですが、それによって得られた貴重な経験と次に考える課題と行動も大事になります。単に結果を受け止めて終わるのか、次は何を目指すのかで個人の評価も大きく変わるでしょう。結果を受け止めて何を感じたか、何を得られたか、振り返りとともに次への一歩を考えているかも聞き取るようにしてください。

STAR面接のメリット

統一した評価基準を作れる

STAR面接の大きなメリットは、事前に質問内容が予測できるため、統一した評価基準を作れることです。面接官は複数人いることが一般的ですので、意見が異なることも往々にしてあります。個人が見て判断するため基準も異なり評価が分かれるのは当然です。しかし、STAR面接では単に面接対応を見るのではなく、用意された質問への回答から人物を評価するので、多数で評価しても大きく変わることがありません。判断基準も明確であり、平等に評価ができる面接方法です。

学生の本質を見抜ける

前述のように、STAR面接では4つの連続項目を質問するため、虚偽や繕った回答には齟齬が生じます。自然に正直な回答が得られる利点と、学生の本質を見抜けるというメリットがあるのがSTAR面接です。皆が面接対策を講じて参加するため、通常の面接では一般的で無難な回答が多く、面接で評価をするのは難しくなっています。しかし、STAR面接では自然な会話の進行の中で相手を話に引き込んで本音を語らせることができるため、本人さえ自覚していない本質を見抜くことも可能です。

学生の面接満足度が上がる

面接を受ける学生たちは平等な評価と親身になって話してくれることを期待しています。STAR面接では1つの事象について深掘りしていくため、本人の最も悩ましい部分に近づくことができ、寄り添った面接になるのが特徴です。そのためSTAR面接を実践している企業の面接は、制度の高い自己分析をする良い機会になります。また自分のために大事な時間を使ってくれたという評価も多く、学生の面接満足度評価も上がっており、より積極的で能力の高い人材を獲得できるでしょう。

面接が苦手な社員でも深掘りしやすい

STAR面接では事前に質問事項や進行を考えておくため、面接が苦手な社員や面接経験の浅い社員でも深掘りしやすいというメリットがあります。臨機応変に質問事項を変えることはほとんど無く、マニュアルに沿って質問し、個々の面接シートを用意しておけば空欄を埋めていくだけで面接は完了です。それでいながらも、関係性の深い順序で内容を深掘りできるため、どんな社員でも深掘りした面接を実現できます。ただし、マニュアルに拘りすぎて、空虚な雰囲気になることは避けましょう。

ミスマッチが起きにくくなる

STAR面接では深掘りする順序は決まっているものの、具体的な内容は応募者に合わせて変更し、前もって質問事項も具体的に変えることができます。職種や必要人材に合わせた面接が行えるため、ミスマッチが起きにくくなることもSTAR面接の大きなメリットの1つです。求めるターゲットにより質問事項は変えるものの深掘りした面接ができので、お互いが納得する結果が期待できます。これは、面接する側と面接される側の両者にとって大きなメリットです。

STAR面接の手順

ターゲットを設定する

STAR面接の手順で最も重要なことが、ターゲットの設定です。自社の求める人材を具体的に示し、それに敵う人材を登用しなければいけません。いくら魅力あふれる逸材であっても、自社で必要としない知識や能力を持っていたのでは全く意味はないのです。いま必要とされる人材の最も重視する素養などを詳しく言葉に表しましょう。言葉にすることで、面接官全員が同じ目線で人選を行うことができます。また、ピッタリとはまる人材を見つけることが難しくても、ターゲットはできるだけ具体的に絞り込むことが重要です。

質問項目を準備する

ターゲットを設定したら、ターゲットに合わせた質問項目を準備します。STARの順番でそれぞれの質問事項を考え、シートなどに書き込んで事前に面接官へ配るようにしましょう。回答欄は空欄にしておき、それぞれの面接官が書き込み評価も記入できるようにします。あまり質問攻めにならないように、中にはブレイクタイムのような質問をはさむと場所が和んで受検者もリラックスできるでしょう。あまり面接から逸脱することは考えものですが、時間配分や内容なども考えて強弱をつけた質問を準備してください。

面接を実施する

面接の実施では受検者が構えて緊張していることが多いので、本人が話しやすいことから質問することがおすすめです。今までで最も感動したことや嬉しいと感じたことなどを話してもらいましょう。嬉しかったことや自分が自慢できることは、ついつい話したくなるものです。頷いてよく聞き、できれば「素晴らしい」などと褒めてあげましょう。ポイントは準備した質問をしながらも、良い聞き手に回ることです。一方的に質問して簡単な答えだけをもらうのは逆効果になりますので注意しましょう。

STAR面接を行う際のポイント

評価項目や求める人材像を明確にする

STAR面接を行う際のポイントは、事前に評価項目や求める人材像を明確にしておくことです。チームで仕事をする場所では協調性やリーダーシップの資質などが問われます。専門分野では協調性よりも、探求心や幅広い知識や柔軟性などが必要です。採用したい人材像を明確にし、評価項目と最も重視したい評価項目も決めておきましょう。見かけに騙されてしまい、ステレオタイプの人を選んでしまうことも多いようです。求める人材像が、より具体的である方が良い判断を下すことができます。

ターゲットの設定はしっかりと行う

求める人材像を明確にするとともに、ターゲットの設定には時間をかけて慎重に行うことがSTAR面接を行う重要なポイントです。多数の人材を募集する際には、多様な人材をターゲットにすることもあります。逆に生産業務に特化した企業などでは、多数の人材募集であっても、同じタイプをターゲットとすることもあり様々です。働く場所や仕事の内容および将来性などによって求めるターゲットは異なるので、最も重要なポイントは必要であれば各面接官にも詳しく説明しましょう。

圧迫面接にならないように気を付ける

面接側が一方的に質問するような圧迫面接は良い結果が見込めないだけでなく、受検者から批判を受けることにもなるため避けるようにしましょう。面接に上下関係はありません。お互いに話したうえで雇用契約が成立するかという意見交換の場所です。相手の言い分や、聞きたいことなどにも答えるように時間と話せる雰囲気を用意しましょう。相手が圧迫面接と感じてしまえば、最適な人物とであっても逃すことにもなりかねません。採用するかにかかわらず、面接する側も自社のことを良く理解してもらえるような姿勢で臨むことが重要です。

他の選考方法と上手く組み合わせる

STAR面接の他にも多くの採用方法があり、他の選考方法と上手く組み合わせることで良い効果が期待できることも多くあります。職種や求める人材などによって、STAR面接以外の方法も使ってみても良いでしょう。ただし、面接では受験者が経験した事実についてのみ話すことが鉄則です。受験者の意見や考え方などについて議論しても、本質はまったく見えてきません。ポイントは事実を深掘りする方法と組み合わせることです。上手に組み合わせることで、基礎となるSTAR面接を十分に生かしてくれるでしょう。

まとめ

STAR面接を活用して採用活動を効果的に進めよう

STAR面接は「なぜ」を繰り返して、深掘りした面接を行う手法です。ただし使い方を間違えると、受験者が委縮してしまう一方的な質問攻めの圧迫面接になってしまいます。これでは深掘りして受験者の本質を見抜くどころか、ハラスメント行為にもなり兼ねません。STAR面接で最も重要なことは、相手の言うことに対し十分に耳を傾けることです。受験者本人から話したくなるような雰囲気のSTAR面接を実施し、お互いが良好な関係を築きながら採用活動を効果的に進めていきましょう。

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