中小企業における人材育成の現状とは【助成金や補助金の活用などについても詳しく解説します】

記事更新日:2023年03月17日 初回公開日:2023年03月15日

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入社後のOJT研修など、様々な研修を取り入れている企業も増えています。入社後に研修を行うことで、スムーズに業務に取り組むことが出来るなどメリットがあります。しかし企業規模などによっては、入社後の研修や人材育成を行う時間の捻出が難しい企業も少なくありません。特に中小企業において、人材育成が企業経営の課題であると考えている割合が多い傾向にあります。しかし人材育成を十分に行えていない状況では、企業の存続に関係する可能性もあります。今回は中小企業における人材育成について解説します。人事担当者の方は参考にしてみてください。

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中小企業における人材育成の現状

困難と感じる企業が多い

中小企業における人材育成の現状は、困難と感じている企業が多くあります。経済産業省が2017年に中小企業を対象に実施した調査によると、2000社の内の6割が人材育成を経営課題として考えていました。しかし経営課題として掲げていても、実際に人材育成をしっかり行えているという企業は多くありません。終身雇用制が崩壊し、自分のキャリアや働き方に合った企業に勤める為に、転職を行うことが一般的になり雇用の流動性が高まっていることも原因の一つと言えます。

そもそも人材育成ができていない

中小企業では、そもそも人材育成が出来ていないと感じている企業が増えています。OJT研修等は一般的になってきており、新入社員研修や中途社員向けの研修等様々な研修を取り入れている企業は少なくありません。しかしそもそも中小企業にはそういった制度設備を行っていない企業も多く、2017年の経済産業省の調査では約7割が人材育成を行っていないと回答しています。中小企業では人材を育成するための費用の捻出が難しい場合もありますが、根底に人材育成への意識や取り組む姿勢が低いと言えます。

中小企業が人材育成をしないリスク

企業が衰退していく

中小企業が人材育成をしない事で、企業が衰退するリスクが高まります。中小企業は元々従業員数が少なく、採用活動に費用を掛けられない企業が沢山あります。他にも限られた人数で業務を回している為、従業員が多忙を極めており教育を受ける時間がないといった理由や、元々ノウハウがない等様々な理由から人材育成が行われていません。しかし、人材育成において浮き彫りになっている課題を放置してしまうと、企業を支えてくれる核となる人材が育たない為、事業規模の縮小を余儀なくされ最終的に企業の衰退に繋がりかねません。

中小企業で人材育成が困難となる背景

社員のやる気が薄い

中小企業で人材育成が困難になっている背景に、従業員のやる気が薄いことが挙げられます。中小企業が人材育成を行ってく上で費用面や時間など様々な問題が考えられますが、従業員のやる気が感じられない事が問題になっています。製造業やサービス業を行っている中小企業が育成に力を入れているのは、JILPT調査によって現場監督者やリーダー職であることが判明しました。同じ職種の育成に力を入れていても、育成を行えてると答えた企業は出来ていないと答えた企業より「社員のやる気が薄い」と答えた割合が低いという事が分かっています。

中小企業が抱える人材育成の課題

指導時間が足りない

中小企業が抱える人材育成の課題は、指導時間が足りないことです。中小企業では、従業員数が限られているため一人ひとりの業務量も多く教育や研修に割く時間がないといった企業も少なくありません。社内で人材育成を行うには研修や教育が欠かせない、と考えていてもどうしてもマンパワーが少なく後回しになっていることも考えられます。こういった状況では、いくら企業に合った最善の研修制度などがあったとしても、活かすことが出来ません。

人材育成のノウハウが不足している

中小企業は、人材育成のノウハウが不足している事が人材育成の課題と言えます。中小企業では、研修を行ってから業務に取り組むよりも、実際にすぐ業務を行いながら覚えるという方法を取られている事が殆どです。事業拡大などを経験していればノウハウの蓄積が行えますが、限られた数の従業員で運営している企業ではノウハウが蓄積出来ていません。先輩社員から技術を継承する方法もありますが、見て覚える業務には限りがあり「伝えるスキル」を持っていない人もおり、しっかりと伝わらない恐れもあります。

指導者が足りない

中小企業には指導者が足りていない為、人材育成をきちんと行えていません。人材育成を行うには、優秀な指導者が不可欠です。しかし採用コストなどに限りがある中小企業にとって、優秀な指導者(管理職など)を採用する事は簡単ではありません。もし優秀な指導者を採用する事が出来ても、その人の持っている知識や経験を企業内に浸透させることは簡単でなく、時間が掛かります。指導者に次の指導者候補を育成してもらう為に、マニュアル作成など方法は様々ですがどちらにしても時間やコストを掛ける必要があります。

予算が不足している

予算が不足していることも、中小企業が抱えている人材育成の課題です。中小企業は財政基盤が整っていない企業や、経営難のために人材にコストを掛けられない企業もあります。企業運営が問題ない場合においても、教育の為の外部サービスなどを利用するにはコストが掛かります。無理をして教育にコストを掛けると企業運営を行う資金不足に陥ってしまうかもしれません。企業経営に影響を与えてしまっては元も子もない為、そもそも教育に費用を掛けられないといった企業もあります。

中小企業がスムーズに人材育成する方法

採用段階から人材育成のことを意識する

中小企業はがスムーズに人材育成を行うには、採用段階から人材育成の事を意識するようにしましょう。企業としての方針や、社風などを入社前から求職者に伝えておくことで、入社後のミスマッチを防ぐことが出来ます。ミスマッチが起きてしまうと、せっかく人材を採用しても離職されてしまい更にコストや費用が必要となります。事前に企業に合う人材を採用する事を意識しておくことで、入社後の離職率低下や生産性の向上に繋げることが可能です。

中小企業ならではの強みを活かす

中小企業ならではの強みを生かして、スムーズに人材育成を行いましょう。有名企業や大企業に比べると、中小企業は時間や掛けられる費用も限りがある為、人材育成には向いていない環境だと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、企業規模が小さいからこそ強みとなることもあります。中小企業では「経営陣と一般社員が直接会話することが出来る」「従業員数が少なく、コミュニケーション取りやすい」といったメリットがあります。こういった強みを生かすことで、弱点を補いながら人材育成を行うことが可能です。

中小企業が人材育成を行う上でのポイント

優先順位を付ける

中小企業が人材育成を行う上でのポイントは、優先順位を付けることです。中小企業は掛けられる費用や人員が限られているため、社内を階層別・機能別に分類します。限られた中で全ての課題を解決することは出来ません。その為、影響範囲や即効性の観点から、階層別に優先順位をつけましょう。影響範囲は、階層が上から順に着手する事が基本とされています。組織の問題は、上の階層から末端社員へ影響を及ぼします。但し役員クラスから取り組むのは難しく、管理職や中堅クラスの研修から行うのがお勧めです。

長期的に行う計画を立てる

中小企業が人材育成を行うには、長期的に行う計画を立てることがポイントとなります。多くの中小企業は、様々な社会情勢の変化や成長市場の中で自社のサービスや製品を生み出している企業が殆どです。成長市場で生き残っている一方で、組織力が大企業と比べると弱い傾向にあります。少子高齢化により労働人口は年々減少しています。限られた人材の中でより長く企業経営を行っていくためには人材育成が欠かせません。人材を育成するには多くの時間が必要です。3~5年掛けて人材育成を行う計画を立てましょう。

業務内容をマニュアル化する

中小企業は、業務内容をマニュアル化する事で人材育成をスムーズに行うことが出来ます。新入社員が入社して、口頭で業務説明を行っている企業も多いのではないでしょうか。口頭で伝えることで、相手の表情を読み取り伝わっているかどうかを見ることも出来ます。しかし難しい業務の場合、一度の説明で理解できない事もあり受取手によっては認識に差が出てしまうことも考えられます。マニュアルとして文書化するには時間の掛かる業務もありますが、一度マニュアルとして作成すればマニュアルを元にして教育を行えるため、育成にムラが出にくくなります。

eラーニングを活用する

eラーニングを活用するのも、中小企業が人材育成を成功させるポイントです。eラーニングとは、パソコンやスマホを用いて講演などを視聴し学習できるサービスです。インターネットが使えれば、場所や時間を問わず受講することが出来るため、わざわざ企業で場所や講師を確保する必要がありません。様々なeラーニングシステムを提供している企業もあり、企業の状況にあったパッケージを利用する事が可能です。従業員全員の時間を調整し、研修会場や講師の調整を行う必要もない為、中小企業にピッタリな方法です。

中小企業における人材育成への資金作り

助成金や補助金を利用する

中小企業が人材育成の為の資金を作るには、助成金や補助金を利用しましょう。限られた費用の中から、人材育成の為の費用を捻出することは簡単ではありません。そこで人材育成を諦めるのではなく、政府の助成金や補助金の対象となっていないか確認しましょう。厚生労働省は人材育成を行う中小企業を対象とした助成金制度を設けています。助成金の対象となるプログラムはいくつかある為、導入前に対象となる物があるか確認することが大切です。対象となる研修は、生産性の向上を見込めるものもあるので、活用していきましょう。

中小企業が利用できる助成金の例

キャリアアップ助成金

中小企業はキャリアアップ助成金を利用する事が出来ます。キャリアアップ助成金とは、有期雇用者や派遣社員などの非正規雇用に対して社内でキャリアアップを行う為、正社員化や処遇改善を行った事業主に対して助成する制度です。キャリアアップ助成金は7つのコースに分かれており、正社員化が出来ない場合にも処遇を改善したと見なされれば助成金を受け取ることが出来ます。助成金を受けるためには、書類などを不備なく申請することが必要です。申請前にしっかりと確認しておきましょう。

東京都中小企業職業訓練助成制度

東京都中小企業職業訓練助成金は、中小企業が利用できる助成金の一つです。東京都中小企業職業訓練助成金は、東京都が中小企業で従業員に対して行われている様々な職業訓練に対して、運営費を補助する制度です。国の助成金制度では対象になり得ない短時間・小規模の従業員教育が助成を受ける対象となります。都内に本社がある企業だけでなく、営業所を置いている企業も対象です。助成金の対象となるには、訓練時間や受講人数など条件があるので事前に確認しておきましょう。

まとめ

人材育成で企業を発展させよう

中小企業における人材育成における課題や、人材育成を行うポイントについて解説しました。中小企業が変化の激しい社会で事業を存続していくためには、人材育成は欠かせません。人材育成にコストや時間を掛けられない場合は、選考段階からどんな人材を求めているのかを明確化し、社風や企業理念などを伝え入社後のミスマッチを起こさないことを意識しましょう。人材育成を行う為にも、eラーニングや助成金の申請など様々な制度やサービスを利用する事も大切です。人材育成を効率的に行い、企業を発展させていきましょう。

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