タレントプールができる2つのポイント【メリットや導入ステップもご紹介します】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年03月22日

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人材採用の新しい手法として注目を集めている「タレントプール」という考え方をご存じでしょうか。タレントプールはうまく活用することで人材採用の費用を削減し、企業と人材のミスマッチを防げる画期的な方法です。本記事では、タレントプールの導入を検討し始めた人事・経営ご担当者様向けに、導入のメリットやデメリットを詳しく解説しています。具体的な運用ステップ、事例もご紹介しているので、自社の採用の現状と照らし合わせてお読み頂けると、理解が深まるでしょう。

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タレントプールとは

採用候補になる可能性がある人材のデーターベース

タレントプールとは、将来的に自社の採用候補となりうる優秀な人材の情報を中長期的に蓄えるためのデータベース。2001年、米国の経営コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した調査報告書「The War for Talent」で提唱された概念で、タレントプールを活用して採用活動を行うことをデータベースリクルーティングといいます。例えば、採用したい候補者がいたがその時たまたまポジションがなかった、内定辞退されてしまった、リファラル採用で自社の社員が声をかけたが動きのなかった人材などに対して、改めて機会を得られるようリスト化しておく試みです。

タレントプールのメリット

エンゲージメントの高い人材を採用できる

タレントプールを実施するメリットは、エンゲージメントの高い人材を採用でき、採用の質が向上するという点です。企業からタレントプールに登録した人材へは継続的にアプローチを続けるため、長期的に情報を交換し合い、相互の理解が深まり納得したうえで採用・入社を迎えることが可能になります。求職者側としても、定期的に企業の現状を把握できたり、ヘッドハンティングを受けられたりなど、より条件の良い選択肢を持つことができますね。入社に至った際のミスマッチの防止にも繋がるでしょう。

採用コストの削減

タレントプールを実施するメリットの2点目は、採用コストを削減できることです。人手不足に応じて求人募集をかけると、その都度費用や時間をかけなければなりません。しかし、タレントプールを用意しておけば、あらかじめ採用候補になっている人材の中からアプローチできるため、候補を探し出す費用はぐっと削減できます。特にエージェントを介した採用活動と比べると、タレントプールの活用によって採用単価を100万円以上削減できることも可能でしょう。

採用が迅速に行える

タレントプールを実施するメリットの3点目として、欲しい人材を迅速に採用できることががあげられます。タレントプールによって関係性を維持しておけば、コストだけでなく、時間・手間も削減できるというわけですね。求人広告や自社サイト上での募集では、応募者を集めることができる一方で、自社への理解度が低い求職者からの応募もあり、採用工数としては増えがちです。タレントプールを活用することで質の高い候補者をピンポイントで集めることができ、必然的に採用スピードも上げることができるのです。

タレントプールのデメリット

始めるまでに期間がかかる

タレントプールのデメリットは、始めるまでに時間や手間がかかるという点です。運用ステップは後述しますが、実際にデータベースの土台を作成し、候補人材を蓄積するにはある程度の時間がかかります。さらに、データベースを作成しても、そこから定期アプローチを続け、実際の採用、いわゆる効果回収までにはかなりの時間が必要でしょう。長期的なスパンでの投資であることを理解し、リードタイムを認識した上で運用を開始するようにしてください。

管理を継続的に行わなければならない

タレントプールを実施するデメリットの2点目として、データベース管理を継続的に行わなければならず、ここにかかる負担が大きいという点です。タレントプールにプールする候補者の質や企業側の定義する人材要件は常に変化します。それに応じて、プールしているデータも常に最適化をしていく必要があるでしょう。せっかくデータベースを作っても、そのデータが管理しきれていなければ、データ収集にあたるコストが無駄になってしまいます。タレントプールに登録する時、また定期的にもグループ分けや優先順位を設定する等、整理して管理しておく必要がありますね。

タレントプールを始める2つのポイント

自社に合った人材をプールしていく

タレントプールをうまく機能させるポイントは、何と言っても自社に合った人材をプールすることです。これはどのような人材データをどのように登録するのかを定義することから始まりますね。タレントプールに蓄積される人材データとして多いのは、過去の採用活動の中で何らかの要因で離脱してしまった候補者や、自社の社員を活用して得られた候補者などです。ただ、これらのタレントプールは質が伴わなければ意味がないため、どんなスキルや属性の人材であれば情報を保有しておくべきか、保有した人材情報をどうやって分類しておくか、定義を明確にしておきましょう。

採用候補者との連絡手段の確認

タレントプールをうまく機能させるもう一つのポイントは、採用候補者との連絡手段を確保することです。せっかくプールした人材と定期的にコンタクトを取り続けるために、最適な手段を選びましょう。定期的にメールを行う、LinkedInやWantedlyなどの専用SMSでメッセージを行う、Facebookなどのファンページへ投稿するなど、色々な方法があります。上記で決定した候補者の分類や役職レベルに応じて、アプローチ方法や頻度を変えるなど、適切なコミュニケーションプランを設計しましょう。

タレントプール運用するステップ

社内での担当者を選定

企業においてタレントプールを運用し始める際、最初のステップは社内での担当者を選定することになります。タレントプールの導入は採用にとっての一大プロジェクトですから、導入の目的を明確にし、それを踏まえた設計を進めていく適切な担当者を任命しましょう。理想を言えば、チームで適切なPDCAを回していけるような採用専任のチームを組織すべきですが、ほとんどの場合は通常業務に加えてのプロジェクトとなるため、人員リソースのバランスは配慮が必要です。

管理システムを導入する

次に行うステップは、タレントプールを管理していくツールの導入です。データベースを決定し、これまで面談や面接をした候補者や、企業に興味を持ってくれている候補者の中から、必要な人材を登録していきます。取り扱う情報には個人情報も含まれるため、煩雑な運用は担当者の負担になります。後述する専用サービスなどを利用し、効率的に構築・運用できるとよいでしょう。実際に候補者向けにどのようなアプローチを行いたいかによって、使うべきツールも異なってくるはずです。

継続的に連絡をするルーティンを確立する

タレントプール運用の最終ステップは、いざ、適切なタイミングでのスカウトです。社内での欠員・採用活動が決定したら、これまで連絡をとっていた候補者の中からに順々に正式なアプローチを行っていきます。また、どうしても口説きたい人材の際は「タイミングさえあえばいつでも歓迎する」といったようなラブコールを送り続けても良いでしょう。これまで行ってきたステップは全て、この採用成功のためです。採用活動は「タイミング」が重要。自社が採用したいタイミング、候補者が転職したいタイミングを適切にマッチさせるために、タレントプールを活用したいですね。

タレントプールの事例

求人広告

求人広告をもとにタレントプールを活用していく事例をご紹介しましょう。求人広告での採用は、一定期間でより多くの母集団を形成することに優れていますが、一方で志望度の低い人材も集まってしまいます。ゆえに、選考中・内定後の辞退が多く発生するものです。タレントプールを運用している企業では、このような辞退連絡が来た際に、今後の連絡の可否を確認しています。OKが取れた人材はタレントプールに登録し、定期的なコンタクトを取ることで将来の候補者とするのです。

転職イベント

転職イベントを通じた採用活動は、一日でより多くの人材と会うことができますが、その多くはそもそも転職への緊急度・意欲が低い「転職潜在層」です。タレントプールを活用している企業では、このような人材に対してもタレントプールへの登録可否を確認し、データベースを増やしていきます。転職潜在層は今すぐ転職をする気がなくても優秀な人材が多炒め、将来的な転職タイミングを狙うという観点でタレントプールのターゲットとして適しているといえるでしょう。

リファラル採用

リファラル採用は、社員に知人・友人を紹介・推薦してもらって行う採用手法のことです。マッチング率も高く採用コストも抑えられるため近年注目を集めていますが、残念ながら候補者と自社の需要・供給のタイミングが合うことは多くはありません。しかし、このリファラル採用とタレントプールを組み合わせて活用することで、お互いに適切なタイミングで採用を行うことができ、リファラル採用の実現にぐっと近づきます。近年の成功例としては、社員の繋がりの中から自社になんとなく興味を持っている人材向けにオフィス見学や勉強会、食事会等を開き、これをきっかけにタレントプールに登録する、という方法が見られています。

タレントプールを始めるおすすめツール

SNS

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、普段から利用している方も多いと思いますが、タレントプールを運用するのにもとても便利なツールです。具体的にはFacebookやTwitter、LinkedIn、Wantedlyなどを利用し、コミュニケーションを取ったり、クローズドグループを作成して定期的な情報発信をしたりする企業が多いようです。他社に勤めている優秀な人材にアプローチをする際や、イベントの告知などに活用できるので、新たな人材の発掘にも役立ちます。

メルマガ

SNSアカウントを開設せずとも、単純にメールマガジン配信で発信をし続けることも立派なタレントプールです。ポイントは、メルマガを通して自社の最新情報や有益な情報を定期的に発信し、自社とつながっておく価値を提供することですね。一方で、全体への配信だけでなく、個人宛に「いかがお過ごしでしょうか?」と近況を伺ったり、「○○のイベントを開催するのですが、参加してみませんか?」と呼びかけたりなど、双方向でのコミュニケーションも織り交ぜながら運用するとさらに有効でしょう。

大手の管理ツール

より効率的に進めたいのであれば、タレントプールを利用した採用活動に特化したツールやサービスを活用してみましょう。例えば『TalentCloud』を使うと、候補者をデータとして管理し、いつでもオファーができる状態を作ることができます。採用管理システムとして、求職者の状況に合わせて最適なタイミングで自動的にメールを送信できる機能や、求職者との個別チャット機能があります。月額2万円からの利用となりますが、求める機能と自社の状況を見極め、うまくアウトソーシングすれば効率化に繋がりますね。

まとめ

タレントプールを活用して人材不足に備えましょう

タレントプールは企業と候補者が長期的に緩やかに繋がることで、双方にとって最適なタイミングでの採用を実現させる仕組みです。労働者人口が減少し、人材の流動性が高まる現代では、優秀な人材は企業による奪い合いとなっています。優秀な人材は引く手あまたな情勢のため、他社よりも多くアプローチを行い強いつながりを維持することが重要ですね。本記事ではタレントプールのメリット・デメリット・運用のステップを解説しました。今一度、自社でタレントプールの概念を取り入れられないか検討してみてはいかがでしょうか。

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