スキルマップを作成する目的とは【作り方や事例についても詳しく解説します】

記事更新日:2023年02月10日 初回公開日:2023年02月02日

採用・求人のトレンド グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 採用成功事例
多くの企業における課題のひとつとして「誰に聞いたら良いのか分からない」という事象があります。特に新しく入社した社員にとっては、困ることが多いのではないでしょうか。そこで注目されているのがスキルマップです。スキルマップとは、社員の持つスキルや得意なことなどを一覧表にすることで可視化したものです。スキルマップをうまく活用することで、組織やプロジェクトに必要な社員の適正な配置を行うことができます。また企業が成長するために不足している人材も明確にすることもできます。この記事は人事担当の方や、管理職の方に役立つ情報となっていますので、最後までご覧ください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

スキルマップとは

社員の能力をまとめた一覧表

スキルマップとは一言でいえば、社員の能力の一覧表です。一覧にする能力は社員が保持する資格をはじめ、語学力や過去の経験、得意なことなど多岐にわたります。スキルマップとして一覧表にすることで、各組織やプロジェクトにおいて社員が業務を遂行するために必要なスキルを可視化することができます。これにより組織の構成や、新規プロジェクトの立ち上げ時のメンバー構成などに役立てるでしょう。ゆえにスキルマップとは社員の業務遂行能力の可視化ということができるのです。

様々な企業において導入されている

スキルマップは多くの企業で導入されています。また業界によって導入のしやすさには差があり、導入方法にも違いがあります。例えば古くから導入されているのは製造業です。製造業は他業種よりも明確に分業制となっていることが導入の多い理由のひとつです。他の理由としては、中小企業が多く少人数でより効率的に業務をこなす必要があるため、徹底した管理を行っているということも挙げられます。他にもIT系や建設業界も技術的な専門性が高いことから導入する企業が多いと言えるでしょう。

スキルマップを作成する目的

社員の能力を可視化する

スキルマップを作成する目的のひとつは、社員の能力を可視化することです。スキルマップによって、社員一人ひとりのスキルが一覧表により明確になります。スキルが明確になることで、組織づくりや新規事業立ち上げ、人材配置などが容易に行えるようになります。また社員同士でも必要なスキルや情報を得やすくなるので、業務がスムーズになります。それにより会話が生まれますのでコミュニケーションを取ることができ、組織の活性化にもなります。スキルマップにより可視化することで企業として不足するスキルも把握することができます。

目標設定の指標とする

スキルマップを作成することで、社員の目標設定がしやすくなります。まず企業として、必要なスキルを持つ人材を育てるための育成プランを作成します。育成プランは必要なスキルをつけるための研修プランや、スキルを持つ社員からの指導などを盛り込みましょう。社員は育成プランや、自身が目指すキャリアに合わせて、自身が不足するスキルを把握することができます。社員はそれらを把握することで、明確な目標設定をすることができるので、高いモチベーションを持って業務にあたることができます。

社員の能力向上を促す

スキルマップ導入の目的は、社員の能力向上を促すことです。スキルマップは社員が自身の持つ能力や強みを可視化することにより、自発的に組織やプロジェクトに必要な能力向上を目指すことができるからです。それによりモチベーションアップにも期待ができます。企業側は社員に対してキャリアプランや、人材育成プランを明確にすることで、より社員の成長を後押しすることができると考えられます。それにより社員の生産性を上げることができますので、企業の業績向上に繋がるでしょう。

効果的な人材配置を行う

スキルマップによって、効果的な人材配置を行うことができます。昨今、企業は人材不足が課題とされています。スキルマップは既存社員の能力に合わせて、効果的に配置することができるのです。それにより少数精鋭の組織づくりが可能になります。これにより業務の効率化を行うことができ、生産性の高い組織づくりに期待できます。また組織や新規プロジェクトにおいて、既存社員の足りない能力も可視化されていますので、採用を無駄なく明確に行うことができます。よってスキルマップは限られてリソースを有効活用することができるのです。

社員の能力を公平に評価する

スキルマップは、社員の能力を公平に評価するという点においても役立ちます。理由は組織やプロジェクト、さらには役職ごとに必要となる能力を可視化することができるからです。多くの部下を抱える上司にとって、一人ひとりの能力を把握することや、業務を評価をすることは容易なことではありません。感情的な判断により偏った評価にもなり得ます。スキルマップに評価の項目や基準を記載することで、公平な評価をすることができます。また評価される社員も、基準が明確なので真摯に受け止めることがてきるでしょう。

スキルマップにおける課題

作成するのに時間がかかる

スキルマップにおける課題は、作成するのに時間がかかるということです。社員一人ひとりの能力を把握するには、時間を要するからです。把握する手段としてアンケートやテスト、さらには個人面談など、社員の多い企業では洗い出しに時間を要します。また資格など分かりやすいものは把握しやすいですが、資格以外で数字化が困難なものはさらに時間を要するでしょう。企業は部署やプロジェクトごとに文章化した定義を作成することになるために、事前準備にも時間がかかります。

社員の納得が得られない場合もある

スキルマップのもうひとつの課題は、社員の納得が得られない場合もあるということです。資格や能力の数値化や、文章で定義化することで客観性を持たせることができるという反面、社員の能力などを透明化することに対する不満が出る可能性もあります。社員の不満が出ることでモチベーションの低下につながる恐れもあります。また全員の納得を得るための説明に時間を要するということも考えられるでしょう。それらを解消するためには人事評価制度や、人材教育と合わせて、社員の納得できる施策が必要です。

スキルマップの作り方

作成目的を明確にする

スキルマップは作成する目的を明確にすることが重要です。目的を明確にする理由は、導入について社員へ丁寧に説明することで理解度を上げることが必要だからです。部署や役職に応じて必要なスキル、能力、資格などを明確化させ、社員がキャリアプランを立てやすいようにします。次に能力の可視化です。新しい部署やプロジェクトの立ち上げ時に能力が可視化されていることでスムーズに構築できます。最後にモチベーションアップです。可視化することで、社員の成長意欲や、同僚との競争心を高めることができます。

業務内容の洗い出しを行う

スキルマップ作成の次のステップは、目的に合わせた業務内容の洗い出しを行うことです。業務内容の考え方は個人としての役職や、部署、新規事業などにより異なります。役職であれば求める業務内容を洗い出して、必要なスキルや資格や求める能力を明確にしたうえで行う業務フローを作成します。部署や新規事業は、業務を細分化してそれを項目ごとに分けてた業務フローを作成します。合わせて必要な人材を明確化することで、人材配置を容易にすることができます。

具体的な項目を設定する

続いてのステップは、具体的な項目を設定することです。前述の業務フローから洗い出した項目に対して、具体的な業務内容を詳細にしていく必要があります。これは個人や部署、事業においてどのような行動をとるべきか、どのような判断をするべきかを明確にすることが目的となります。また能力と合わせて、必要となる知識や経験も詳細にしましょう。それにより人材育成プランとの連携が図れるなど、ミスマッチを防ぐことにも期待できます。同時に不足する企業内の人材やスキルを把握することもできます。

スキルマップの導入におけるポイント

社員へのヒアリングを行う

スキルマップの導入におけるポイントとしては、社員へのヒアリングを行うことが挙げられます。まずは自身の持つスキルや得意なこと、苦手なことなどを社員から直接ヒアリングを行いましょう。次に行ったヒアリング内容のデータ化を行います。また合わせて自身のキャリアプランの考えなども聞いてみるといいでしょう。もう一つは、スキルマップを導入することへの理解です。社員によってはスキルマップに対して不安や疑問を持つ方もいると考えられます。それらをヒアリングしながら丁寧な説明により納得の上、導入しましょう。

社内全体で共有する

スキルマップ導入にあたっては社内全体での共有が重要です。一部の社員にしか伝わっていない場合や誤った情報が伝わっている場合には、うまく導入できないことも考えられます。繰り返しになりますが、スキルマップを導入する目的を丁寧に説明しましょう。社内で共有するためにはポイントがあります。まずはスキルマップの進捗管理です。進捗管理は人事部や総務部が行うのが効率的と考えます。社員の人事データを基に個々に合わせたフォローアップを行いましょう。もう一つは表彰制度です。スキルマップに則った業務を遂行した社員を全社員向けに表彰することで意識づけを深めることができます。

スキルマップの事例

富士通マーケティング

スキルマップを導入する企業をご紹介します。まずは株式会社富士通マーケティングです。同社のコンストラクション事業本部では、専門性が高く、必要な技術の幅が広い業務のため、社員の評価基準が資格を持っているかどうかに偏る傾向にありました。そこで同社では、評価基準を資格以外でも評価を行える一般化されたスキル評価基準を導入しました。これにより社員のスキルだけでなく、コンストラクション事業本部全体のスキル状況の確認を行うことで、強化ポイントが明確になり、具体的な改善策を打つことができました。

トヨタ自動車

続いてはトヨタ自動車株式会社をご紹介します。同社のスキルマップの活用は社員教育に役立てています。特定の工程で熟達した専門性の高い技術者を育てるのではなく、多能工と呼ばれる様々な工程の作業を行うことができる社員育成に力を入れています。様々な技術を身に着けた多能工がいることで、企業は多くの製品を状況に合わせて臨機応変に対応することができます。同社はスキルマップにより社員とそのスキルの把握と、複数の技術を持つ社員を教育することに成功しています。

まとめ

スキルマップによって効果的な人材育成を行いましょう

スキルマップの導入におけるポイントなどについて、お分かりいただけたでしょうか。スキルマップは大手企業だけではなく、中小零細企業においてもその効果を得ることができるものです。スキルマップにより社員がキャリアプランを立てやすくなることで、モチベーションを高めることができます。企業においては部署や事業に必要なスキルや能力を持つ社員の適切な配置や、不足する人材の確保をすることができます。そしてスキルマップで見える化することで、社員が自ら成長を望む環境をつくることができます。スキルマップによって効果的な人材育成を行いましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら